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どのチームが「人」を育て強くなるのか

期待の若手が揃っているチームは?~25歳以下選手の戦力分析

 昨年の新人王争いは稀に見るハイレベルで、特にセ・リーグは37セーブを東京オリンピックでもクローザーを務めた栗林良史(広島)がタイトルを獲得したが、打率.314でリーグ3位の牧秀悟(DeNA)、盗塁王のタイトルを獲得した中野拓夢(阪神)、チーム最多の24本塁打を放った佐藤輝明(阪神)、チーム最多の9勝を上げリーグ優勝に貢献した奥川恭伸(ヤクルト)、ルーキー最多10勝の伊藤将司(阪神)など、甲乙つけがたく、それぞれ新人特別賞を受賞した。

 パ・リーグでは宮城大弥(オリックス)が断トツだったが、伊藤大海(日本ハム)や早川隆久(楽天)、紅林弘太郎(オリックス)も受賞しても遜色のない成績だった。

 また、MVPは21歳の村上宗隆(ヤクルト)と、24歳の山本由伸(オリックス)が受賞し、若い力がペナントレースを席捲した。そこで、今回は昨シーズンの結果を振り返り、25歳以下の若手に限定した戦力分析を行ってみました。

 Sー広島

 A-西武

 Bーソフトバンクオリックス日本ハム

 Cーヤクルト、ロッテ、DeNA、中日

 D-楽天、巨人

 E-阪神

 独自に点数化し断トツだったのは広島で、Bクラスに沈んだものの若手の成績はずば抜けており、42年振りの最下位だった西武も有望な若手が揃っている。厳しかったのが楽天と巨人、阪神で、特に阪神は今年のルーキーの活躍に反しているが、ここ数年で若手の台頭がないと厳しい。

◇広島(S)

 さすが育成が代名詞の広島だけあって投打にバランスが取れており、MLB移籍濃厚の鈴木誠が抜けても優勝を狙う戦力が整いつつある。

 先発陣は森下を中心に、故障から回復した高橋昂、今年4勝の玉村の両左腕がおり、リリーフの塹江森浦はともに50試合に登板し、先発もこなせる大道も控えている。心配なのは森浦と大道はルーキー、玉村も昨年一軍デビューを果たしており、実績に乏しいことくらいか…。

 野手は、アベレージヒッターの小園坂倉、俊足巧打の宇草羽月、そしてスラッガー中村奨がおり、タイプの違う選手が揃いバランスが良い。中村奨を除いてすべて左打ちなのは気になるが、小園と宇草が一、二番を打ち、坂倉と林、中村奨でクリーンアップを形成できれば理想的で、今シーズンから見られても不思議ではない布陣になっている。

 昨年のドラフトでは、課題の投手陣に厚みを持たせるために黒原拓未関学大~21年①)と森翔平三菱重工エスト~21年②)の即戦力投手を上位で獲得。また、野手では不足している右打者で、それぞれ長打力のある中村健人トヨタ自動車~21年③)と末包昇大大阪ガス~21年⑥)の獲得も的確だった。

 投手…森下暢仁(19年/①)塹江敦哉(14年/③)高橋昴也(16年/②)

      森浦大輔(20年/②)玉村昇悟(19年/⑥)大道温貴(20年/③)

      高橋樹也(15年/③)

 野手…坂倉将吾(16年/④)小園海斗(18年/①)林 晃汰(18年/③)

      石原貴規(19年/⑤)羽月隆太郎(18年/⑦)宇草孔基(19年/②)

      中村奨成(17年/①)

◆西武(A)

 今シーズンは最下位に沈んだが、悲観することはない。オリックスが最下位から優勝したように、今シーズンの西武は楽しみの一言しかなく、昨年のドラフトの大成功と相成って優勝を狙える若手が揃っている。

 投手陣がここ数年の課題だが、かつてのような投手王国の礎は出来つつある。エースに成長した高橋光を中心に、今井渡邊が今後先発の柱になる。ここに、隅田知一郎西日本工大~21年①)と佐藤隼輔(筑波大~21年②)のルーキー左腕が加わり、早くも今シーズンのローテーションの顔ぶれが楽しみだ。クローザーには日本代表の平良が控え、中継ぎで結果を出した水上も今年は勝ちパターンの一角に加わりたい。

 野手では、リードオフマン若林鈴木、中軸で愛斗ブランドン、さらに昨年ファーム二冠(本塁打・打点)の渡部健人(20年①)が控える。若林の復帰がまだ微妙だが、ケガさえ無ければ盗塁王を狙え、秋山翔吾(レッズ)移籍以降、課題だった一番打者に目途が立つ。また、ポスト森友哉の座を狙う、柘植とルーキーの古賀悠斗(中大~21年③)の正捕手争いも楽しみで、ともに成長することで森を打撃に専念させることも出来る。

 投手…高橋光成(14年/①)平良海馬(17年/④)今井達也(16年/①)

      水上由伸(20年/育⑤)渡邊勇太朗(18年/②)浜屋将太(19年/②)

 野手…愛斗(15年/④)若林楽人(20年/④)柘植世那(19年/⑤)

      ブランドン大河(20年/⑥)鈴木将平(16年/④)

ソフトバンク(B+)

 世代交代が進むソフトバンクも期待の選手が多い。さすがにリーグナンバーワンの防御率が示す通り、投手陣の層が厚く、先発では笠谷松本、リリーフで津森甲斐野、左腕の田浦がおり、松本はリリーフもできる。ただ、期待値の高い杉山や復活を期す高橋純など良い投手は多いが、今ひとつ主戦と呼べる選手は少なく、先発やリリーフともにもう一押し欲しいところだ。

 野手では、主戦力と呼べるのは三森しかいない。ただ、リチャードが大器の片りんを見せ、今年のブレイクを予感させる。谷川原とファームで好成績を残した柳町も、ともに昨年スタメン出場の機会を得て、世代交代が急がれるチーム状況のなか、レギュラーを狙える位置に近づいた。また、ルーキーの正木智也(慶大~21年②)や野村勇(NTT西日本~21年④)にもレギュラー獲得のチャンスは十分ある。

 25歳以下の選手は、両リーグ断トツの27名(21年ドラフト指名選手は除く)おり、ベテランの壁は厚いが、投打に世代交代が待ったなしの状況のなか、若手の台頭が待ち遠しい。

 投手…泉 圭輔(18年/⑥)笠谷俊介(14年/④)津森宥紀(19年/③)

      田浦文丸(17年/⑤)高橋純平(15年/①)杉山一樹(18年/①)

      大関友久(19年/育②)

 野手…三森大貴(16年/④)リチャード(17年/育③)柳町 達(19年/⑤)

      谷川原健太(15年/③)川瀬 晃(15年/⑥)

オリックス(B)

 2年連続の最下位から一気に優勝を果たしたオリックス、若手が躍動した昨シーズンの戦いぶりを見ると黄金期到来を予感させる。なんせ投手五冠の山本は24歳、2桁勝利の宮城もまだ21歳で、山本と同期入団の山崎颯にもブレイクの予感が漂う。リリーフでもチーム最多登板の富山日本シリーズでも好投した吉田凌と主力メンバーが並ぶ。

 先発陣に比べるとリリーフ陣に課題があるが、新入団の木蓮東北福祉大~21年①)はリリーフへ適性が高く、経験豊富な横山楓セガサミー~21年⑥)と小木田敦也(TDK~21年⑦)も加わり、投手陣は厚みを増した。

 野手は投手に比べるとやや物足りないが、紅林規定打席に達し2桁本塁打を放ち、太田も大舞台で結果を残し、来田は高卒一年目ながら20試合にスタメン出場した。紅林も遊撃のレギュラーを確約されている訳ではなく、二遊間は太田も交えてベテランの安達了一やルーキーの野口智哉(関大~21年②)との定位置争いは間違いなく若手の底上げになる。

 投手…山本由伸(16年/④)宮城大弥(19年/①)富山凌雅(18年/④)

      村西良太(19年/③)山崎颯一郎(16年/⑥)吉田 凌(15年/⑤)

 野手…紅林弘太郎(19年/②)太田 椋(18年/①)来田涼斗(20年/③)

日本ハム(B-)

 元々、育成が主体のチームだけあって、25歳以下はソフトバンクに次いで多い。中田翔の放出に続き、西川遥輝大田泰示など主力がチームを去り、ドライな球団運営さながら半ば強制的にでも世代交代を進めている。

 課題は野手陣で、昨年のドラフトで水野達稀(JR四国~21年③)と上川畑大悟(NTT東日本~21年⑨)の即戦力を獲得したように、現時点でレギュラーは近藤健介しかおらず、何人がこのチャンスをモノにできるか注目のシーズンになる。

 候補は多く、西川に代わるリードオフマン候補の五十幡、中軸ではなく4番を担いたい野村、身体能力の高い万波、地元出身の佐藤等は昨シーズンの経験を活かし、是が非ともレギュラーを手中にしたい。

 一方で投手陣には主力が揃っている。ルーキーながらエース格の活躍を見せ、今年の開幕投手候補にもなった伊藤に、立野河野も先発ローテーション入りへの目途がついた。リリーフではが最優秀中継賞を獲得している。

 残念なのは、ここに吉田輝星(18年/①)や清宮幸太郎(17年/①)の名前がないこと…。二人とも主力ではなく、チームの看板選手を期待されており、来年の新球場に向け、ファンが待ち望んでいるスター選手候補の活躍を期待したい。

 投手…堀 瑞輝(16年/①)伊藤大海(20年/①)河野竜生(19年/①)

      鈴木健矢(19年/④)立野和明(19年/②)

 野手…野村佑希(18年/②)佐藤龍世(18年/西⑦)万波中正(18年/④)

      五十幡亮汰(20年/②)郡 拓也(16年/⑦)

◇ヤクルト(C+)

 オリックスと歴史的に残る接戦を制して、20年振りの日本一に輝いたヤクルト。25歳以下の選手は、セ・リーグで最も多い24名、投打に主力が揃っており、今年も連覇を期待できる若手が揃っている。

 日本シリーズの初戦を任され、チーム最多9勝の奥川と、日本シリーズで初完封を成し遂げた高橋は、今年は左右のエースとして期待が膨らみ、金久保も先発ローテーションを狙う。リリーフの梅野は5年目にして通算170試合で経験も十分、大西も昨シーズンは33試合に登板し、今年は勝ちパターンを担いたい。

 野手では不動の4番・村上がおり、弱冠21歳にして球界を代表する選手になった。堅守がウリの元山は、遊撃で60試合に先発出場し、古賀中村悠平に続く2番手捕手の地位を確立した。渡邊は守備固めながら出場機会を増やし、太田はファームで首位打者を獲得しており、レギュラー候補が着実に力を着けている。

 昨年のドラフトで、即戦力ながら伸びしろが魅力の山下輝(法大/21年①)や柴田大地日本通運/21年③)など、育成主体のドラフトになったのも、若手がしっかり伸びてきている証だろう。

 投手…奥川恭伸(19年/①)大西広樹(19年/④)高橋奎二(15年/③)

      梅野雄吾(16年/③)金久保優斗(17年/⑤)吉田大喜(19年/②)

 野手…村上宗隆(17年/①)元山飛優(20年/④)太田賢吾(14年/日⑧)

      古賀優大(16年/⑤)渡邊大樹(15年/⑥)

◆ロッテ(C+)

 昨年も終盤に失速し、2年連続の2位になったロッテだが、黄金期間近のチームになりつつある。実績という点ではまだまだで、いわゆる一軍半の選手が多い。ただ、スケール感という点で、リーグを代表するような期待を抱かせる選手が揃っている。

 その代表格が佐々木朗で、終盤戦はエース級の活躍を見せた。今シーズンはタイトル争いを期待する声もあり、お世辞ではなくその可能性は高い。このほか鈴木は12試合、本前は8試合に先発し、河村は後半先発に回り5試合で4勝を上げ、今季は先発ローテーションを争う。

 さらに故障で離脱していた種市篤暉(16年/⑥)が戻り、昨季ファーム最多勝森遼太朗(17年/育②)も支配下登録になり、先発陣の厚みが増した。リリーフの土居横山は層の厚いリリーフ陣への定着を狙う。ここに先発もリリーフもOKの即戦力ルーキーの廣畑敦也三菱自動車倉敷)が加わり投手陣の底上げは進んだ。

 投手が佐々木朗なら、野手は安田藤原だろう。昨季前半4番を務めた安田、藤原は月間MVPも獲得し実力は証明済みで、ともに一年間維持できれば結果もついてくる。このほか右の長距離砲の山口、勝負強さもある佐藤は打てる捕手として2桁本塁打を狙える力がある。盗塁王を獲得した和田は足のスペシャリスト、高部もファームでの結果は十分で、広島と同じくバランスの良い選手が揃っている。

 投手…鈴木昭汰(20年/①)佐々木朗希(19年/①)河村説人(20年/④)

      本前郁也(19年/育①)土居豪人(18年/⑧)横山陸人(19年/④)

 野手…安田尚憲(17年/①)藤原恭大(18年/①)佐藤都志也(19年/②)

      山口航輝(18年/④)和田康士朗(17年/育①)高部瑛斗(19年/③)

◆DeNA(C)

 三浦新監督のもと、残念ながら最下位だったDeNA。そのなかでルーキーの大活躍は、最下位ながらチームを盛り立てた。

 牧の打率.314はリーグ3位でチームトップ、本塁打22本もオースティンに次いで2位、打点はソトを上回る71打点で、ルーキー初のサイクル安打も記録した。大学時代に主将を務め、明るい性格でチームを鼓舞する姿は、チームの看板選手になれるだろう。牧の活躍で益々、右打ちの内野手の需要が高まってきた。

 牧以外でも野手に楽しみな選手が多く、は今年一番のブレイク候補で、俊足とリーグ随一の強肩を活かし、今年は遊撃の定位置を掴むシーズンになる。山本は後半マスクを被る出番が増え、33試合にスタメン出場、知野も内野の控えとして欠かせない存在になりつつある。

 投手は野手に比べると物足りない印象だ。先発の坂本は16試合で4勝、京山は15試合で2勝、毎年期待される阪口は8試合で2勝、中川は5試合で勝ち星なしと、先発の主力にケガ人が多くチャンスはあったが、物足りない成績で終わってしまった。リリーフの伊勢は35試合に登板し、防御率は良いだけに今季は勝ちパターンを担いたい。 

 今季は徳山壮磨早大~21年②)に三浦銀二(法大~21年④)と、大学時代に実績を残した即戦力投手と、18番を受け継いだ小園健太(市和歌山高~21年①)が入団し、若手投手間でライバルが増えたことで、投手陣の底上げに繋げたい。

 投手…坂本裕哉(19年/②)京山将弥(16年/④)伊勢大夢(19年/③)

      阪口晧亮(17年/③)中川虎大(17年/育①)

 野手…牧 秀悟(20年/②)山本祐大(17年/⑨)森 敬斗(19年/①)

      知野直人(18年/⑥)

◆中日(C-)

 ファン待望の立浪監督が誕生したものの、今オフは補強らしい補強がない。チームが長期間低迷するなか、若手を見ても本当にこれで良いのかと心配になってしまう。

 12球団ナンバーワンの防御率をほこる投手陣だけに、投手は主戦が並ぶ。小笠原はチーム2番目の投球回数を投げ8勝を上げ、勝野も勝ち星こそ上がらなかったが先発ローテーションに定着した。藤嶋はFA移籍の又吉克樹ソフトバンク)の後継を、岩崎翔と争うかたちになり、橋本も貴重な左のリリーフとして存在感が高まっている。不本意な成績が続く鈴木は、再度クローザーを目指すシーズンになる。

 投高打低のチームにあって、野手はここでも不足している。ここまで根尾がプロの壁にぶつかったのは意外だったが、根尾と高松岡林ともに俊足巧打のリードオフマンタイプで、なかなかスラッガータイプが出てこない。

 期待値の高い石川昂弥(19年/①)は今年のブレイク候補、石垣雅海(16年/③)はそろそろ結果を出さないと厳しい。昨年はブライト健太(上武大~21年①)に鵜飼航丞(駒大~21年②)、福元悠真(大商大~21年⑥)と右の長距離砲を3名も獲得するカンフル剤を打った。今年は一人でもレギュラーに喰い込むことを期待したい。

 投手…小笠原慎之介(15年/①)勝野昌慶(18年/③)藤嶋健人(16年/⑤)

      橋本侑樹(19年/②)鈴木博志(17年/①)森 博人(20年/②)

 野手…高松 渡(17年/③)根尾 昂(18年/①)岡林勇希(19年/⑤)

楽天(D-)

 25歳以下の選手が15名と、両リーグ通じて一番少ないのが楽天だ。最も多いソフトバンクとの差はなんと12名で、2~3年のドラフトでどうにかなるものではない。いつの間にかベテラン頼みのチームになってしまった。

 投手は早川津留崎がいて何となく安心感があるが、とにかく年齢バランスが悪い。驚くことに22歳以下に限定すると、なんと内星龍(20年/⑥)一人しかいない。どういうチーム編成にするか意図が見えない。

 野手も主力級の選手は渡邊しかおらず、黒川武藤敦貴(19年/④)など期待の選手は当然いるが、全員が1~2番や下位を打つ巧打型の選手で、チームの屋台骨を背負うようなスラッガーが見当たらない。グラウンド外での話題が豊富のオコエも、どういったプレーヤーを目指しているのか分からない。

 昨年のドラフトで、吉野創士(昌平高~21年①)に安田悠馬(愛知大~21年②)、前田銀治(三島南高~21年③)と上位でスラッガーを指名したが、高卒の野手で結果を残したのは銀次(05年/高③)まで遡らなくてはならず、今後の育成手腕が問われる。

 投手…早川隆久(20年/①)内間拓馬(20年/④)津留崎大成(19年/③)

 野手…渡邊佳明(18年/⑥)オコエ瑠偉(15年/①)村林一輝(15年/⑦)

      黒川史陽(19年/②)

◆巨人(D-)

 結局、戦力外は2名(外国人選手を除く)で、陽岱鋼が今思えばフライング気味に退団したが、12名の選手を育成契約に切り替えた。

 投手はとにかく年齢バランスが悪く、昨シーズンの開幕時のデータで30歳までに限定して見てみると、19~20歳、25~26歳、30歳に選手が一人もおらず、空白の年代が5つもあり、この数は巨人が断トツで多い。※ちなみにヤクルトと広島はゼロ

 11勝を上げた高橋に、9勝の戸郷は先発ローテーションを形成し、47試合に登板した貴重な左のリリーバー大江など少数精鋭とも言えるが、さすがに人数の少なさは否めない。支配下登録を勝ち取る競争と言えば聞こえは良いが、こうしてみるとやはり歪な年齢構成が気になってしまう。

 野手は悲惨で、廣岡ひとりしかいなかった…。廣岡は昨シーズンに田口麗斗とのトレードで加入した選手で、結果的に生え抜きはゼロだ。湯浅大(17年/⑧)や、松井秀喜の55番を継承した秋広優人(20年/⑤)など期待の選手はいるが、他チームと比較してもさすがに寂しく、これ以上のコメントが出ない…。

 投手…高橋優貴(18年/①)戸郷翔征(18年/⑥)大江竜聖(16年/⑥)

 野手…廣岡大志(15年/ヤ②)

阪神(E)

 昨シーズンはルーキーが大活躍し、期待の若手が揃っているように思えたが、25歳以下に限定すると主力と呼べる選手がいない。また、人数も少なくセ・リーグ最小の16名しかおらず、全体でも楽天に次いで2番目に少ない。

 ルーキーながらチーム最多の24本塁打を放った佐藤、ファームで首位打者を獲得した小野寺、貴重な左のリリーフとして39試合に登板した及川などの活躍は心強いが、次に続く選手がいない。

 しかしながら昨年は、この状況下でファーム日本一に輝いており、村上頌樹(20年/⑤)は防御率最多勝、最高勝率の投手3冠、西純矢(19年/①)も一軍を経験した。野手ではファームで打点王を獲得した井上広大(19年/②)など、期待値の高い選手は多い。

 ただ、現状は外国人、ベテラン頼みのチームになっており、昨年のドラフトでは高校生と大学生が各3名、社会人1名が入団しているが、若手の層を厚くしようと思えば、あと4~5年はかかる。高校生5名を指名した19年ドラフトような荒療治でもないと、若手選手不足は解消できない。

 投手…及川雅貴(19年/③)

 野手…佐藤輝明(20年/①)小野寺暖(19年/育①)