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どのチームが「人」を育て強くなるのか

22年パ・リーグの退団選手とオフの補強ポイント

 11/9で、フリーエージェント(以降:FA)の宣言期間が終了し、第一次~第二次の戦力外通知から、退団する選手と補強ポイント選手を挙げたいと思います。

 選手の現況は11/9時点のもので、選手名の横の年数は指名年度で、〇の数字は指名順位。※の選手は育成契約選手。下線は育成契約を打診されている選手です。

 

オリックスバファローズ(56名+5名)

 パ・リーグを連覇し、昨年敗れたヤクルトにも雪辱を果たし26年振りの日本一に輝いた。ただ、優勝の熱も冷めきらないなか、主砲の吉田正尚(15年/①)がポスティングでMLB移籍を要望し、伏見寅威(12年/③)がFA宣言をした。

 チーム最年長の能見が引退し、同じくベテランの増井と海田もチームを去る。また、シーズン途中に支配下になった中村、左キラーの西村も戦力外になり、連覇は果たしたが育成と外国人選手含め16名が退団する。

 椋木と富山、中川颯はリハビリに専念するため育成契約を打診されているが、驚いたのは椋木で、昨年のドラフト1位で今季は2勝を上げている。トミージョン手術を受けて復帰には時間がかかるが、巨人の悪例を踏襲するのは如何と思う。

 現状、ドラフト指名選手を入れて61名、外国人選手を今年と同じレベルで想定すると3~4名は補強できる。吉田正と人的保障のない伏見が抜けると、さらに2名減になり、育成からの支配下登録を睨みながらの補強になる。

【投手】

 早くも小野泰己(阪神を育成するで獲得した。小野は真っ直ぐに力のあるオリックス好みの選手で、同じタイプで桜井俊貴(巨人)佐藤優(中日)も検討して良いと思う。一方で斎藤綱記(14年/⑤)をトレードし、左投手が曽谷を入れても6名しかおらず、サイド左腕の渡辺佑樹(楽天は、強力リリーフ陣のアクセントになる。

【野手】

 FAの森友哉(西武)近藤健介(日本ハムの獲得を目指し、森と近藤のどちらかが加入すれば吉田正の穴を埋めることができ、2人獲得できれば戦力アップに繋がる。

 捕手はトレードで日本ハムから石川亮(13年/⑧)を獲得し、現状6名となったが、伏見が移籍し、森を獲得できなければ5名とさすがに少ない。新たなトレードや、桂依央利(中日)吉田裕太(ロッテ)あたりを狙っても悪くない。

 内野手の補強は必要なく、外野は近藤次第だが、一方で右打ちの外野手が少なく、真砂勇介中谷将大(ともにソフトバンクは補強ポイントに合致する。また、この間外国人野手を外しており、実績のあるウィーラー(巨人)や、今季規定打席に達したオグレディ(西武)は、吉田正に左翼も守れ獲得しても面白いと思う。

 投 手…椋木 蓮(21年/①)増井浩俊(09年/日⑤)能見篤史(04年/神自)

       富山凌雅(18年/④)中川 颯(20年/④)海田智行(11年/④)

       澤田圭佑(16年/⑧)中村 勝(09年/日①)※谷岡楓太(19年/育②)

     ※松山真之(19年/育⑧)※榊原 翼(16年/育②)

 捕 手…松井雅人(09年/中⑦)※鶴見凌也(19年/育⑤)

 内野手…※廣澤伸哉(17年/⑦)

 外野手…西村 凌(17年/⑤)

 外国人…バルガス(投手)バレラ(内野手マッカーシー内野手

       ラベロ(内野手

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①曽谷龍平(白鷗大・投手)#17   ②内藤 鵬(日本航空石川高・内野手)#25

 ③斎藤響介(盛岡中央高・投手)#47 ④杉澤 龍(東北福祉大・外野手)#33

 ⑤日高暖己(富島高・投手)#59 

 

福岡ソフトバンクホークス(59名+6名)

 2年連続でら優勝を逃したシーズン。来季に向けて巻き返しを図りたいところだが、エースの千賀滉大(10年/育④)がFAでMLB移籍が確定的で、長年チームを支えた松田が退団、明石も引退し、かねてから言われていた世代交代が本格的に進んでいる。

 奥村と大竹風、中村亮と小林は育成契約を打診され、大竹風は僅か1年、中村亮も7月に支配下になったが、僅か4ケ月で育成契約になった。また、新外国人でマルチプレーヤーのアストゥディーヨ内野手と長距離砲のホーキンスの入団が決まり、これでデスパイネとグラシアルの退団が決定的なった。

 現状、支配下は65名だが、FAで近藤健介(日本ハム嶺井博希(DeNA)の両獲りを狙い、ガンケル(阪神オスナ(ロッテ)の獲得も目指しており、3年連続で優勝を逃すわけにはいかず積極的な補強に動いている。また、渡辺佑樹(楽天の獲得も検討されている。また、来季から4軍制をスタートし、今季育成からブレイクした藤井晧哉(14年/広④)の例もあり、育成選手での獲得は増えるかもしれない。

【投手】

 補強ポイントは、千賀が抜ける先発ローテーション投手の獲得で、ガンケルを調査している。このほかでは、年齢がネックだが金子千尋日本ハムの獲得も検討して良いと思う。また、松本裕樹(14年/①)の先発起用が検討されており、オスナは補強ポイントにピッタリで日米で争奪戦になるだろう。

【野手】

 捕手では打撃不振の甲斐拓哉(10年/育⑥)の対抗で、嶺井の獲得を進めており、仮に嶺井を逃しても、若手が揃っており補強を急ぐ必要はない。

 内野手も栗原陵矢(14年/②)を三塁にコンバートしており、あとは若手がチャンスを掴むしかない。ただ、明石や高田のようにベテランのサブでチームを支える存在が必要で、安部友裕(広島)倉本寿彦(DeNA)は適任だと思う。外野手も層は厚いが、柳田悠岐(10年/②)の年齢を考えれば、近藤の加入は課題の解消になる。

 最後に育成候補は、25歳以下に限定すると投手では田中法彦(広島)望月大希(日本ハム、野手では勝俣翔貴(巨人)上野響平(日本ハム西巻賢二(ロッテ)はもう一度チャンスを上げても良いと思う。

 投 手…奥村政稔(18年/⑦)大竹風雅(21年/⑤)中村亮(20年/育⑧)

     秋吉 亮(13年/ヤ③)  

 捕 手…なし

 内野手高田知季(12年/③)松田宣浩(05年/希)明石健志(03年/④)

      小林珠維(19年/④)黒瀬健太(15年/⑤)※荒木翔太(19年/育⑥)

 外野手…中谷将大(10年/神③)真砂勇介(12年/④)

 外国人…チャットウッド(投手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①イヒネ・イツア(誉高・内野手)#0   ②大津亮介(日本製鉄鹿島・投手)#12 

 ③甲斐生海(東北福祉大・外野手)#13 ④大野稼頭央(大島高・投手)#64

 ⑤松本 晴(亜大・投手)#49     ⑥吉田賢吾(桐蔭横浜大・捕手)#60

 

埼玉西武ライオンズ(57名+6名)

 かつての山賊打線が翳りを見せ、打高投低から投高打低のチームに変わるなか、恒例ともいえる主力選手のFA権行使で、外崎修汰(14年/③)は残留を決めたが、森友哉(13年/①)の移籍が濃厚だ。

 今年は引退選手が多く、内海と十亀、武隈、佐野、熊代が引退。一方で、育成の斎藤と粟津、伊藤に上間、出井は育成で再契約し、牧野もリハビリで育成契約になる。結果、戦力外の退団は戸川のみで、オグレディとジャンセンも1年でチームを去る。

 ムードメーカーだった山田遥楓(14年/⑤)が日本ハム移籍、加えて熊代も引退し、来季はベンチから賑やかさが消えないかが心配だ。そんななか山田との交換で佐藤龍世(18年/⑦)が1年半でチームに復帰した。現状63名で、外国人野手を2~3名と考えると、元々、支配下枠を埋めることがないので、補強はあと1~2名だろう。

【投手】

 年齢バランスが絶妙で穴が少ない。内海と武隈、佐野と3名の左腕投手がチームを去りことで、左腕が不足も懸念されるが、今季は内海が5試合、佐野が2試合の登板に留まり影響は少ない。戦力外で左腕は少なく、渡辺佑樹(楽天はワンポイントなら面白い投手。ただ、人数的にもあと1~2名程度で、故障が完治すれば伊藤や上間は一軍レベルで、補強ならトレードが中心になる。

【野手】

 森が移籍しても捕手は6名体制で、数的には何とかなるとは思うが、若手が多く同じイースタン高城俊人(DeNA)吉田裕太(ロッテ)獲得を検討しても悪くない。 

 課題は山川穂高(13年/②)と源田壮亮(16年/③)が翌年FA権を取得し、ともに40歳を迎える中村剛也(01年/②)と栗山巧(01年/④)に代わる代打の切り札、加えて外野手はドラフトで蛭間を獲得したが、FAの近藤健介(日本ハム獲得を目指しているところに外野の補強姿勢の優先度が垣間見れる。

 それぞれ当てはめてみると、山川には内田靖人(楽天、源田に上野響平(日本ハム、中村と栗山には平田良介(中日)、近藤を逃した場合は西村凌(オリックス真砂勇介(ソフトバンクが候補になり、平田以外は若くチャンスはあり、ベンチを盛り上げる選手では、ウィーラー(巨人)も良いと思う。

 投 手…十亀 剣(11年/①)内海哲也(03年/巨自)佐野泰雄(14年/②)

       武隈祥太(07年/④)※斎藤大将(17年/①)※粟津凱士(18年/④)

       ※伊藤 翔(17年/③)※上間永遠(19年/⑦)※出井敏博(19年/育①)

 捕 手…牧野翔矢(18年/⑤)

 内野手

 外野手…熊代聖人(10年/⑥)戸川大輔(14年/育①)※✕川村啓真(21年/育④)

 外国人…ジャンセン(内野手オグレディ(外野手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①蛭間拓哉(早大・外野手)#9      ②古川雄大佐伯鶴城高・外野手)#24

 ③野田海人(九州国際大高・捕手)#33 ④青山美夏人(亜大・投手)#30

 ⑤山田陽翔(近江高・投手)#48    ⑥児玉亮涼(大阪ガス内野手)#52

 

東北楽天ゴールデンイーグルス(61名+6名)

 今年は前半戦独走も、良かったのは序盤だけで、最大18あった貯金が、最後には借金2と史上まれに見る大失速の末、Bクラスでシーズンを終えた。

 ベテランに依拠したチームは今季も若手の台頭が乏しいなか、左キラーで名を馳せた川島が引退。ベテランの福井と福山が退団し、故障に悩まされた釜田もチームを去る。また、右打者が不足するチームのなかで、期待のスラッガーだった内田と岩見も戦力外になり、育成の釜元は2年連続で戦力外になった。水上は育成で再契約する。

 新外国人でフランコの獲得が噂されているが、現状での支配下は67名と枠に余裕はない。FA移籍も噂されていた田中将大(06年/①)と浅村栄斗(08年/西③)が残留する一方、今季はFA選手に獲得に動く気配はない。

【投手】

 今年はドラフトで大量5選手を獲得し、補強してもあと1~2名程度と言える。年齢バランスが極端に悪く、ベテラン頼みの投手陣にさらに即戦力投手が加わったので、補強するならヤクルトのように再生工場で若手投手を育成でも良いので獲得したい。

 ただ残念ながら候補者は少なく、22歳の田中法彦(広島)はトライアウトでも好投し、一昨年のウエスタンでリリーフで結果を残しており育成で獲得しても面白いが、基本はトレードか現役ドラフトになる。

【野手】

 捕手は6名おり数的に問題はないが、一時期は森友哉(西武)獲得も取りざたされていただけに、今のところ動きがないのが不思議で、水上を育成にした意図が見えない。

 内野手も若手が不足し、課題の右打者もいることにはいるが、浅村以外は戦力になり切れていないのが実状。右打者に限定すると、戦力外になった川島や内田以上の選手が見当たらず、守備に定評のある上野響平(日本ハムは獲得しても面白いと思う。個人的には育成の吉持は走塁技術に長けており機動力不足のチームには必要だと思うが…。

 外野手はレギュラーが確立しており、そのうえ主力は左打者が多く、パ・リーグ5球団の争奪戦になる近藤健介(日本ハムに興味は示していない。ここも右打者が必要だが、おススメはここも西村凌(オリックス真砂勇介(ソフトバンクの2人で、左に強い西村は川島の後釜にはピッタリだと思う。

 投 手…福井優也(10年/広①)釜田佳直(11年/②)福山博之(10年/D⑥)

       寺岡寛治(17年/⑦)渡辺佑樹(17年/④)※森 雄大(12年/①)

     ※石田 駿(20年/育①)

 捕 手…水上 佳(19年/⑦)

 内野手川島慶三(05年/日③)内田靖人(13年/②)※吉持亮汰(15年/②)

      ※マーキ(19年/育③)

 外野手…岩見政暉(17年/②)※釜元 豪(11年/ソ育①)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①荘司康誠(立大・投手)#22  ②小孫竜二(鷺宮製作所・投手)#13

 ③渡辺翔太(九産大・投手)#31 ④伊藤茉央(東農大オホーツク・投手)#41

 ⑤平良竜哉(NTT西日本・内野手)#38 ⑥林 優樹(西濃運輸・投手)#67

 

千葉ロッテマリーンズ(64名+5名)

 2年連続の2位で、シーズン前は優勝候補にも挙げられた。前半戦こそ佐々木朗希(19年/①)の完全試合など明るい話題もあったが、レアードとマーティンに依拠していた打線は、2人が同時に不調に陥ると得点力が上がらず、そのままズルズルと落ち5位で終了。最終戦で井口監督が突然辞任するなど、後味の悪いシーズンになった。

 リリーフでチームを支えた松永と田中が引退を決め、若手の古谷と西巻が戦力外になった。特に古谷は、故障はあったものの、ドラフト下位入団ながら将来の先発ローテーション候補だっただけに、育成契約もない退団はただただ驚いた。

 また、FA権を取得した中村奨吾(14年/①)と田村龍弘(12年/③)も残留を決め、特にFA移籍が確実視されていた田村の残留は別の意味で驚かされた。6名いる外国人選手の去就は不明だが、支配下は69名と余裕はない。外国人選手を減らすか、複数トレードや育成契約で支配下枠を空け、戦力外選手の補強は育成が中心になるだろう。

【投手】

 最も去就が注目されているのはオスナだ。MLBでもクローザーを務めた実力は本物で、MLBとソフトバンクが獲得調査をしておりオスナの去就次第で補強プランは大きく変わってくる。万が一、オスナが移籍することになれば、澤村拓一レッドソックスコール(ヤクルト)を獲得しても面白く、澤村の復帰などは感涙ものだと思う。

【野手】

 捕手は7名おり、補強の必要はない。むしろ数的に捕手に不足しているチームが意外に多く、好条件のトレード成立の可能性も高い。

 一方で、FAで近藤健介(日本ハムの獲得を目指している。地元出身でマリーンズジュニアにも在籍し地縁はある。パ・リーグ5球団争奪戦に臨むが、打線が課題のチームだけに、DH起用でも外国人選手よりも確実性が高く、是が非とも欲しい選手だ。

 内外野でチーム全体を見渡して不足しているのは、やはり長打力のある選手で、育成で獲得するなら、遠くに飛ばすことができる一芸に秀でている選手が良いと思う。内野手なら黒瀬健太(ソフトバンク内田靖人(楽天ウレーニャ(巨人)は23歳と若く、外野なら真砂勇介(ソフトバンクは覚醒の可能性はある。また外国人の補強ではデスパイネソフトバンクの復帰や、ウィーラー(巨人)もまだ余力はある。

 投 手…松永昂大(12年/①)土肥星也(16年/④)田中靖洋(05年/西④)

       古谷拓郎(18年/⑥)

 捕 手…吉田裕太(13年/②)

 内野手…西巻賢二(17年/楽⑥)

 外野手…なし

 外国人…※サントス(外野手)※ペラルタ(外野手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①菊地吏玖(専大・投手)#28    ②友杉篤輝(天理大・内野手)#36

 ③田中晴也(日本文理高・投手)#47 ④高野脩汰(日本通運・投手)#34

 ⑤金田優太(浦和学院高・内野手)#65

 

北海道日本ハムファイターズ(59名+6名)

 開幕5連敗から始まり、結局一度も最下位から上がることなくシーズンを終えた。新庄監督が言う、全員がトライアウトの方針のなか、シーズン終了後に金子や谷川など支配下9選手、育成4選手が戦力外になり、金子はコーチ就任を断り退団、柿木と上野には育成契約を打診されている。また、球界一の元気印の杉谷が突如引退を表明、育成の速水も1年で支配下にならなければ退団と決めていたらしく、その言葉通り引退した。

 今オフは積極的に補強に動いており、トレードで阪神から斎藤友貴哉(18年/神④)江越大賀(14年/神③)、西武から山田遥楓(14年/西⑤)オリックスから斎藤綱記(14年/オ⑤)を獲得し、A・マルティネス(中日)の入団も決まった。

 現状、支配下は66名で、さらにFAで伏見寅威(オリックスの獲得を目指しており、今後も外国人選手の補強とトレードが中心になるだろう。ただ、最大の懸案事項は近藤健介(11年/④)のFA権行使で、チームは宣言残留を認めているが、楽天を除くパ・リーグ5球団の大争奪戦になっている。近藤は人的補償も発生するが、リーグを代表する巧打者が移籍するようになれば戦力ダウンは必至で厳しくなる。

【投手】

 トレードで投手を1名も放出しておらず、現在37名と昨年の支配下を超えている。強いて言えば若手投手が多いなか、リリーフを強化したく福井優也楽天三上朋也(DeNA)の豊富な経験は活きてくるし、佐藤優(中日)も底上げになると思う。

【野手】

 捕手は石川亮をオリックスに放出し、現在6名(育成はゼロのみ。マルティネスも捕手はできるが、さすがに人数が少なく、正捕手不在に加え、Cランクで人的補償もなくい地元出身の伏見は喉から手が出るほど欲しいだろう。

 内野は阪神に渡邊諒と高濱祐仁、西武に佐藤龍世が移籍し、フェニックスリーグで新庄監督に名指しで酷評された佐藤の移籍は、来季は優勝を狙う監督の言葉の本気度が伝わるトレードになった。ルーキー2人も内野手で、補強はトレード以外でないだろう。

 問題は外野手で、近藤の去就がある意味チームの命運を握る。万が一近藤が移籍すると左打者が2名のみになり、俊足の宮本秀明(DeNA)や内外野守れる安部友裕(広島)はバックアップ要員になれる。

 投 手…金子千尋(04年/オ自)柿木 蓮(18年/⑤)谷川昌希(17年/日⑤)

       望月大希(19年/⑤)※長谷川凌太(19年/育③)※高山優希(16年/⑤)

 捕 手…※速水隆成(21年/育②)

 内野手杉谷拳士(08年/⑥)上野響平(19年/③)※樋口龍之介(19年/育②)

 外野手…片岡奨人(19年/⑦)宮田輝星(19年/育①)※難波侑平(17年/④)

 外国人…ヌニエス内野手)王伯融(外野手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
 ①矢澤宏太(日体大・投手/外野手)#19 ②金村尚真(富士大・投手)#31

 ③加藤豪将(メッツ3A・内野手)#3  ④安西叶翔(常葉菊川高・投手9#62 

 ⑤奈良間大己(立正大・内野手)#58    ⑥宮内春輝(日本製紙石巻・投手)#68

22年セ・リーグの退団選手とオフの補強ポイント

 11/9で、フリーエージェント(以降:FA)の宣言期間が終了し、第一次~第二次の戦力外通知から、退団する選手と補強ポイント選手を挙げたいと思います。

 選手の現況は11/9時点のもので、選手名の横の年数は指名年度で、〇の数字は指名順位。※の選手は育成契約選手。下線は育成契約を打診されている選手です。

 

東京ヤクルトスワローズ(59名+5名)

 2年連続でリーグ連覇するなか、着実に世代交代が進み、嶋に内川、最後の近鉄戦士の坂口が引退。嶋は1軍バッテリーコーチに就任し、幹部候補生として期待がかかる。また東大出身の宮台、一昨年キャリアハイの成績を残した吉田成も引退を決めた。

 また、先発投手(特に左腕)が不足するなか、エース候補として期待された寺島は通算1勝でチームに見切りをつけられた。寺島は高校時代は打者としての評価も高く、思い切ってチャレンジしても良いと思う。また、中軸を期待された中山も、ファームで低打率に加え、本塁打4本と自慢の長打力も翳りを見せ戦力外になった。一方で近藤と鈴木、左腕の山野は育成契約になる。近藤は2度目の育成契約だが、リリーフで勝ちパターンを任させられた実績があり、ケガをじっくり治して再復活を目指す。

 支配下選手は59名で、ドラフトで5名が加わる。サイスニードとサンタナも残留も決まり、現状6名の外国人選手も追加補強があってもあと1名程だろう。

【投手】

 今シーズンも2桁勝利の投手がおらず、連覇のなかでも先発投手不足は否めない。奥川恭伸(19年/①)が来シーズン復帰の目途が立たず、即戦力で吉村貢司郎(東芝)を指名したが、小川泰弘(12年/②)や高梨裕稔(13年.日④)も30歳を超え、先発投手強化と左腕投手の補強が必要で、現状32名とあと3~4名は欲しい。

 先発では金子千尋日本ハム山口俊(巨人)は安定感十分で、福井優也楽天尾仲祐哉(阪神はファームで好成績を残している。若手では望月大希(日本ハム沼田翔平(巨人)は育成で獲得しても良いと思う。左腕ではベテランの海田智行(オリックスやファームで好投した渡邊祐樹(楽天は貴重な左のリリーフになる。

【野手】

 補強ポイントの優先は捕手で、現状5名しかおらず育成で橋本星哉(中央学院大)を獲得したが数が不足している。FAで森友哉(西武)等が宣言しているが、現時点で参戦する意思はなさそうで、桂依央利(中日)吉田裕太(ロッテ)は狙い目だと思う。

 内外野は補強を急ぐ必要はないが、課題の二遊間強化が進んでおらず、実績十分の安部友裕(広島)、不足している右打者で三ツ俣大樹(中日)西巻賢二(ロッテ)上野響平(日本ハム補強ポイントに合う。

【戦力外選手】

 投 手…寺島成輝(16年/①)山野太一(20年/②)近藤弘樹(17年/楽①)

       鈴木裕太  (18年/⑥)宮台康平(17年/日⑦)

 捕 手…嶋 基宏(06年/楽③)※内山太嗣(18年/育①)

 内野手内川聖一(00年/横①)吉田大成(18年/⑧)

 外野手…中山翔太(18年/②)坂口智隆(02年/近①)

 外国人…コール(投手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①吉村貢司郎(東芝・投手)#21 ②西村瑠伊斗(京都外大西高・外野手)#36

 ③澤井 簾(中京大・外野手)#8  ④坂本拓己(知内高・投手)#56

 ⑤北村恵吾(中大・内野手)#45

 

★横浜D℮NAベイスターズ(62名+5名)

 98年以来の優勝を狙う来季、クローザーの山崎康晃(14年/①)がポスティングでのMLB移籍を模索し、今季最もマスクを被った嶺井博希(13年/③)がFA宣言をした。リードに定評のある嶺井は、人的保障のないCランク人気が高まるかもしれない。

 驚いたのはともに3年目の21歳の浅田と田部が引退を表明したことで、特に田部は昨年に続き、今季もファームで規定打席に達していただけにその判断に驚いた。ほかには代打の切り札的存在だった山下も引退を決めた。

 また、リリーフ陣のリーダー的存在だった三上、ロッテから昨年トレードで加入した有吉がチームを去る。2人の今後は未定だが、かつての正遊撃手の倉本と、俊足の宮本は現役続行を目指す。宮本は層の厚い外野陣に阻まれたが、ファームで3割、チーム最多の盗塁数で機動力不足のチームの需要はあるかもしれない。

 現状、ドラフト指名選手を入れて67名と支配下に余裕はない。外国人選手の去就が不明だが、現状7名おりこれ以上増えることはないだろう。

【投手】

 今年のドラフトで先発で吉野、リリーフで橋本の即戦力を獲得し、森下を含め投手は今季と同じ38名になり、これ以上の補強は想定しにくい。ファームでは阪口晧亮(17年/②)など数多くの若手が結果を残しており、現有戦力の底上げで臨むことになる。

 ただ、山崎の去就次第では大きく状況が変わってくる。クローザー候補は少ないが、MLBをFAになった澤村拓一レッドソックスや元阪神ジョンソン(パドレスは山崎の穴を埋めることができる。また、山口俊(巨人)の古巣復帰も面白うと思う。

【野手】

 捕手は松尾を獲得したが、嶺井が抜ければ6名と人数が不足している。ただ、育成1位の上甲凌大(四国IL愛媛)もおり、嶺井の残留交渉を最優先にここも現有戦力の底上げで臨むことになる。

 外野手の補強は必要ないが、内野手の層は厚くない。打つほうでは松田宣浩ソフトバンクは右の代打として、守備なら三ツ俣大樹(中日)上野響平(日本ハムは遊撃のバックアップになり、補強ポイントに合う。また、25歳~28歳は選手がおらず、黒瀬健太(ソフトバンク内田靖人(楽天は育成で獲得しても良いと思う。

【戦力外選手】

 投 手…三上朋也(13年/④)浅田将汰(19年/⑦)有吉優樹(16年/ロ⑤)

 捕 手…高城俊人(11年/②)

 内野手…倉本寿彦(14年/③)田部隼人(19年/⑤)山下幸輝(14年/⑤)

 外野手…宮本秀明(17年/⑦)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①松尾汐恩(大阪桐蔭高・捕手)#25 ②吉野光樹(トヨタ自動車・投手)#24

 ③林 琢真(駒大・内野手)#00   ④森下瑠大(京都国際高・投手)#36 

 ⑤橋本達弥(慶大・投手)#35   

 

阪神タイガース(60名+6名)

 開幕からの9連敗が大きく響いたが、12球団ナンバーワンの投手陣を中心にチーム力は確かで、優勝を狙う戦力は十分に揃っている。今年は投手にFA権取得の選手が多かったが、西勇輝(08年/オ③)と岩崎優(13年/⑥)、最後まで迷ったが岩貞祐太(13年/①)も残留を決めた。そんななか藤浪晋太郎(12年/①)は、ポスティングでMLB移籍を目指している。 

 今年は糸井が引退を決め、守屋と小野、大和(DeNA)の人的保障で移籍した尾仲が戦力外通告を受け、3名ともトライアウト参加を表明している。また、8名いる外国人選手のなか、ケラーを残してすべて退団になった。

 現状、ドラフト指名6選手を入れて66名だが、外国人選手の補強を4~5人で考えると支配下に余裕はなく、藤浪が移籍すれば枠が空くが、補強人数は限定される。

【投手】

 藤浪の去就や外国人選手の状況次第で大きく変わるが、先発は若手中心、リリーフならベテランを補強したい。先発ではMLBからFAになった有原航平(レンジャース)の獲得に意欲を見せており、有原が加入すれば益々投手陣の底上げになる。同じく19年に在籍したジョンソン(パドレスの復帰もファンにとっては朗報になる。

 若手の先発投手ではファームで好成績を残した望月大希(日本ハム、育成再契約に難色を示している中村亮太(ソフトバンクはともに25歳で、化ける可能性はあると思う。リリーフでは三上朋也(DeNA)佐藤優(中日)、8ホールドのCJコール(ヤクルト)の退団も勿体ない。万が一、岩貞が移籍するようなことになれば海田智行(オリックス渡邊祐樹(楽天は補強ポイントに合致する。

【野手】

 野手は、ドラフト前に渡邊諒と高濱祐仁(ともに日本ハム)をトレードで獲得し、現状の34名に外国人選手が加わるので、投手以上に補強は考えにくい。

 ただ一時期、田村(ロッテ)獲得調査の報道もあり、可能性があるなら捕手だが、狙うのはFA選手になり、伏見寅威(オリックス嶺井博希(DeNA)の獲得はあるかも知れない。また外国人選手で、打つほうは期待できないが、超人的守備がセールスポイントのエチェバリア(ロッテ)は守備のバックアップで獲得しても面白い。

 投 手…尾中祐哉(16年/D⑥)守屋功輝(14年/④)小野泰己(16年/②)

       ※牧丈一郎(17年/⑥)

 捕 手…なし

 内野手…なし

 外野手…糸井嘉男(03年/日自)

 外国人…チェン(投手)アルカンタラ(投手)ガンケル(投手)

       ウィルカーソン(投手)マルテ(内野手ロハスJr(外野手)

       ロドリゲス(外野手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①森下翔太(中大・外野手)#7     ②門別啓人(東海大札幌高・投手)#35

 ③井坪陽生(関東一高・外野手)#40 ④茨木秀俊(帝京長岡高・投手)#46

 ⑤戸井零士(天理高・内野手)#52  ⑥富田 蓮(三菱自動車岡崎・投手)#48

 

読売ジャイアンツ(54名+5名)

 今年も12名の選手を育成契約にし、支配下枠を空けた。昨年は若手中心だったが、今年は今季53試合に登板した平内、昨年11勝を上げた高橋、そして治療中のリリーフエース中川を育成契約にし周囲を驚かせた。治療に専念する対応だが、中川や平内は、これだけ使われて故障をしたら育成契約ではやり切れないと思う。

 野手でもFAで獲得した梶谷も同様の理由で育成契約になり、実績のある選手だけに、納得できずに飛び出す選択肢もあると思う。また、高木や戸田、横川は育成と支配下を行ったり来たりで、1年目の花田といい、制度の悪用と言われても仕方ない…。

 さらにFA移籍の井納は2年で戦力外、昨季MLBから復帰した山口もチームを去る。今年はFA市場が豊富と言われ、本格参戦するために支配下を空けたようだが、井納や梶谷の扱いを見れば、巨人に来たいという選手がいるのかと率直に思ってしまう。

 広島から長野久義(09年/①)が復帰し、外国人選手もウィーラーが自由契約になり8名になり、現状59名と余裕がある。さすがに中川や高橋、平内、梶谷、立岡あたりは直ぐに支配下登録になると思うので、2~3名補強したい。

【投手】

 最優先課題の投手は、現状FAに投手がおらず、MLBの有原航平(レンジャース)が候補の筆頭になり、有原を逃した際は、金子千尋日本ハム福井優也楽天のベテラン選手獲得に舵を切っても良いと思う。

【野手】

 補強ポイントは捕手で、FAの森友哉(西武)獲得は良いと思うが、事前予想が芳しくなく、嶺井博希(DeNA)伏見寅威(オリックスに方針転換することも想定され、どういった判断をするか注目したい。

 一時期、松田宣浩ソフトバンクの獲得を検討していたようだが、チームリーダーの役割で長野が復帰し、獲得の可能性は薄くなった。一方で、十分ではない外野手で、近藤健介(日本ハム筒香嘉智ブルージェイズ参戦の可能性は高いと思う。

 万が一、FAで補強が進まなければ、捕手では高城俊人(DeNA)桂依央利(中日)、外野手では西村凌(オリックス真砂勇介(ソフトバンク安部友裕(広島)は内外野を守ることでき補強ポイントに合う。

 投 手…平内龍太(20年/①)山口 俊(05年/D①)井納翔一(12年/D③)

     太田 龍(19年/②)桜井俊貴(15年/①)中川晧太(15年/⑦)

     高橋優貴(18年/①)高木京介(11年/④)山本一輝(20年/⑥)

     花田侑樹(21年/⑦)戸田懐生(20年/育⑦)横川 凱(18年/④)

     ※與那原大剛(15年/③)※鈴木 優(14年/オ⑨)

     ※沼田翔平(18年/育③)

 捕 手…萩原 哲(20年/⑦)

 内野手…勝俣翔貴(19年/オ⑤)※黒田響生(18年/育④)※平間隼人(19年/育①)

 外野手…梶谷隆幸(06年/D③)立岡宗一郎(08年/ソ②)八百板卓丸(14年/楽育①

     ※伊藤海斗(19年/⑥)

 外国人…ウィーラー(内野手)※ダニエル’(投手/育成)

     ※ウレーニャ(内野手/育成)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①浅野翔吾(高松商高・外野手)#51 ②萩尾匡也(慶大・外野手)#33

 ③田中千晴(国学院大・投手)#35  ④門脇 誠(創価大・内野手)#46

 ⑤船迫大雅(西濃運輸・投手)#58

 

広島東洋カープ(59名+7名)

 16~18年の三連覇のあとは、4年連続のBクラスに転落し、今オフに新井監督が就任した。一方で3連覇を支えた中田や安部、投手陣の育成役だった白濱が戦力外になり、将来を嘱望されていた山口や田中法の若手もチームを去る。

 FA権を取得していた西川龍馬(15年/⑤)が残留を決める一方、長野久義(09年/巨①)が無償トレードで巨人に移籍した。また、入団に難色を示していた河野の入団も決まりそうで、現状66名と支配下に余裕はなく、現有戦力の底上げで臨むことになる。

【投手】

 今回のドラフトは課題の投手陣の底上げで、即戦力投手3名を獲得した。現状、新入団選手を入れて34名おり、外国人投手との兼ね合いもあるが、あと1~2名程度の補強になるだろう。

 補強ポイントは栗林(20年/①)に繋ぐリリーフ投手で、経験豊富な増井浩俊オリックス三上朋也(DeNA)福井優也楽天の古巣復帰もあるかも知れない。候補は多く、佐藤優マルク(ともに中日)、守屋功輝(阪神、左腕サイドスロー渡辺佑樹(楽天など一芸に持ち味がある投手は獲得しても面白いと思う。

【野手】

 野手も現状32名と、補強はあと1~2名というところで、捕手は数的に問題ないので、内野手は不足している右打ちのスラッガーを獲得したい。ピッタリなのは内田靖人(楽天で、楽天では結果を残せなかったが環境が変われば才能が開花するかもしれない。ただ、忘れてならないのは松田宣浩ソフトバンクで、坂倉将吾(16年/④)が捕手に専念するなら、正三塁手不在のチームにおいて松田は内田以上にハマる。

 他には遊撃守備に定評のある上野響平(日本ハム三ツ俣大樹(中日)は内野ならどこでも守れるユーティリティプレーヤー。勝負強い打撃が売りの西巻賢二(ロッテ)も全員が右打ちで補強ポイントに合う。

 外野手も長打力なら平田良介(中日)真砂勇介(ソフトバンクはおススメで、特に真砂は走力もあり機動力不足のチームにはピッタリで、同じく機動力重視なら宮本秀明(DeNA)は足だけで飯が食えるおススメの選手だ。個人的には去就に注目が集まる松田や平田が戦力的には一番フィットするチームだと思う。

 投 手…中田 廉(08年/②)菊地保則(07年/楽④)高橋樹也(15年/③)

       山口 翔(17年/②)田中法彦(18年/⑤)※戸田隆矢(11年/③)

 捕 手…白濱裕太(05年/①)

 内野手安部友裕(07年/①)中神拓都(18年/④)

 外野手…なし

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
 ①斎藤優汰(苫小牧中央高・投手)#26 ②内田湘大(利根商高・内野手)#63

 ③益田武尚(東京ガス・投手)#39   ④清水叶人(健大高崎高・捕手)#62

 ⑤河野 佳(大阪ガス・投手)#46   ⑥長谷部銀次(トヨタ自動車・投手)#47

 ⑦久保 修(大阪観光大・外野手)#56

 

中日ドラゴンズ(53名+7名)

 正直、ろくな補強もなかったシーズンは最下位に沈み、今オフは17名が戦力外、福留に山下、大嶺が引退する。岩嵜と若手の加藤翼と垣越は育成契約で再出発する一方、長年チームを支えた平田は不本意な形での退団となり、後味の悪さだけが残った。

 また、8名いた外国人選手も5名が退団し、今年こそは真面目に外国人選手を探して欲しい。FA権取得の松葉貴大(12年/オ①)が残り、ドラフト指名選手を合わせても支配下は60名と余裕があり、外国人選手を補強しても、3~4名は補強できる。

【投手】

 どうしても貧打が目立つが、投手陣もかつての安定感はない。さらに福敬登(15年/④)が肘の手術で開幕に間に合うか微妙で、ここ2年のドラフトが野手中心だったので、投手の補強が必要になる。

 先発では実績のある金子千尋日本ハム山口俊(巨人)は完投は難しいが、5回までならゲームメークできる。井納翔一(巨人)ガンケル(阪神も余力は十分に残っており、福井優也楽天桜井俊貴(巨人)は先発もリリーフもできる。福の状況次第では海田智行(オリックス渡邊祐樹(楽天の左腕リリーバーも需要がある。

【野手】

 野手は捕手がピンチだ。現状5名で、石橋康太(18年/④)も手術でリハビリ中と厳しいなんてもんじゃない。ただ、FA参戦の意思表示が現段階ではなく、Cランクの伏見寅威(オリックス嶺井博希(DeNA)は狙い目だと思う。戦力外でいるにはいるが、桂より上とは思えず、トレードや現役ドラフトが現実的になる。

 内野手は今回のドラフトで二遊間強化を図っており、この部分は必要ない。慢性的な長打力不足解消なら内田靖人(楽天が適任だが、面白いと思うのは松田宣浩ソフトバンクウィーラー(巨人)。ともにハッスルプレーでチームを鼓舞する力があり、特に地元(岐阜)出身の松田などは、チームの活力になると思う。

 外野手は岡林勇希(19年/⑤)以外の若手が伸び悩み、走攻守揃った真砂勇介(ソフトバンク左キラー西村凌(オリックスは捕手もできる。一方でFAの近藤健介(日本ハムには興味はなさそうだが、下手な外国人を獲得するくらいなら、4番候補で筒香嘉智ブルージェイズは本気で獲得に動いて良いと思う。

 投 手…岩嵜 翔(07年/ソ①)佐藤 優(15年/②)マルク(17年/育②)

       垣越建伸(18年/⑤)加藤 翼(20年/⑤)※大嶺祐太(06年/ロ①)

      ※濱田達郎(12年/②)

 捕 手…山下斐紹(10年/ソ①)桂依央利(13年/③)

 内野手…三ツ俣大樹(10年/オ②)

 外野手…平田良介(05年/①)福留孝介(98年/①)渡辺 勝(15年/育⑥)

       滝野 要(18年/⑥)

 外国人…タバーレス(投手)Aマルティネス(捕手)ワカマツ(内野手

       レビーラ(内野手)ガルシア(外野手)

【ドラフト指名選手 ※予想背番号】

 ①仲地礼亜(沖縄大・投手)#20   ②村松開人(明大・内野手)#25

 ③森山暁生(阿南光高・投手)#31  ④山浅龍之介(聖光学院高・捕手)#39

 ⑤濱将之介(BC福井・外野手)#53 ⑥田中幹也(亜大・内野手)#51

 ⑦福永裕基(日本新薬内野手)#37

 

2022年ドラフト寸評~セ・リーグ編・巨人とDeNAは会心のドラフト!中日は2年連続で迷走状態…

 今回はセ・リーグ編ですが、全体的に良いドラフトが多く、特に巨人とDeNAは会心のドラフトになった。そのなかで中日のみ迷走した印象を受けた。

【12球団ドラフトの評価】

 ◎…なし

 〇…広島・巨人・西武・阪神・DeNA・オリックス

 △…日本ハム・ロッテ・ヤクルト

 ✕…ソフトバンク

 ✕✕…中日・楽天

 

✕✕中日(50点)

 昨年は課題と言うよりは、むしろ弱点とも言える長打力不足を補うために、大学生の右打者を一気に3名も獲得し賛否両論だった。私は評価できなかったが、残念ながら今年も同じようなドラフトになった。

 今季は俊足巧打型の内野手に集中した。2位で村松開人(明大・内野手、5位は浜将之介(BC福井・内野手、6位に田中幹也(亜大・内野手、そして7位で福永裕基(日本新薬内野手の4名を指名した。村松と浜、田中は俊足巧打のリードオフマンタイプで、福永も走攻守三拍子揃った即戦力で同じようなタイプの選手が揃った。また、浜は高卒4年目で村松と田中と学年も一緒…昨年の指名の再現のようだった。

 守備でも村松は二塁、田中は二塁と遊撃、福永は二塁と三塁が本職で、唯一、浜は外野も守れるが、基本は遊撃で守備も被る。三塁に石川昂弥を固定する方針のもと、二塁には阿部寿樹と高橋周平がおり、遊撃にも京田陽太と土田龍空がいる。村松は打撃、田中は機動力、福永は経験値が高いが、どう起用するのかイメージが湧かない。

 仲地礼亜(沖縄大・投手)の1位指名公表も驚いた。仲地は上位候補に名前が挙がっていた投手だが、さすがに単独1位の一本釣りには疑問符がつき、中日の2位指名の順番は2番目で、そこまで焦る必要はなかったと思う。

 ドラフトの総評で、3位で内藤鵬(オリックス2位)を獲得できれば満点だったというコメントを見たが、内藤が3位で残っているのは奇跡みたいなもので、どういうシミュレーションで臨んだのか不思議だ…。

 救いは3位で森山暁生(阿南光高・投手)、4位で山浅龍之介(聖光学院高・捕手)の高校生を指名したことだが、森山はともかく高校生なら年齢バランスで内野手か外野手が必要で、捕手は木下拓哉に頼りっきりで数的にも不足しており即戦力の方が良かったと思う。

 ちなみに今年は投手2名、内野手1名の育成選手を指名したが、3位は23歳の樋口正修(BC埼玉・内野手で、樋口も俊足巧打の二塁手…いつからこんなドラフト下手のチームになったのだろうか…

 

〇広島(70点)

 4年連続Bクラスに沈み、新井新監督を迎えた注目のドラフトは良い意味で驚かされた。先ずは1位で斎藤優汰(苫小牧中央高・投手)の指名を公表した。中央では無名だが、今年の高校生投手ナンバーワンの評価で、間違いなく上位でしか獲れなかった。実に高校生投手の1位指名は09年の今村猛(昨年引退)以来で期待の高さが窺える。

 2位の内田湘大(利根商高・内野手も驚いた。高校時代は二刀流で鳴らしたが、プロでは野手に専念する。内田は将来に4番候補だが、高校時代は投手と一塁の兼任で、プロでは遊撃か三塁になると思うが暫く時間はかかる。将来のエースと4番の指名で良いとは思うが、現状の広島の戦力を考えると冒険すぎて評価できなかった。2位指名で今年も厳しいドラフトかな…と思っていたところ、広島に風が吹いた。

 3位で益田武尚(東京ガス・投手)、5位で河野佳(大阪ガス・投手)の即戦力投手を指名できた。益田も河野も下馬評では1~2位で指名されてもおかしくない投手で、良くこの順位まで残っていたと思う。益田も河野も右の本格派の先発型だが、今年苦労したセットアッパーもこなせることができ、上位2名の高校生指名が活きた。

 また、6位で左腕の長谷部銀次(トヨタ自動車・投手)を指名し、チームでは主にリリーフで登板しており、森浦大輔や塹江敦哉に次ぐ左のリリーフの層が厚くなった。ただ、河野が入団に難色を示しており動向が注目される。

 4位の清水叶人(健大高崎高・捕手)の指名自体は悪くないが、若手捕手はやや渋滞気味で、坂倉将吾を本格的に三塁手で起用する指名かと思ったが、今季は捕手起用がメインらしく、起用方法が見えない。7位の久保修(大阪観光大・外野手)は、50メートル5秒9の俊足で、強肩で中堅守備も巧い。12球団最小の盗塁数のチームにおいて、守備固めや代走から出番を増やしたい。

 育成でも大学生外野手2名と高校生投手1名を指名し、20歳~24歳の外野手不在の年齢バランスの悪さを解消する指名になり1位の名原典彦(青森大・外野手)は久保と同じ俊足巧打の右打ちだがパンチ力があり、2位の中村貴浩(九産大・外野手)は左のスラッガーでそれぞれセールスポイントの違う選手でバランスが取れている。

 

〇巨人(75点)

 今年は12球団で最初に、浅野翔吾(高松商高・外野手)の1位指名を公表した。浅野は高校ナンバーワン野手でと言われ、3~4球団は競合するかと踏んでいたが、蓋を開けると阪神との一騎打ちとなり、巨人が引き当て抽選の連敗が11で止まった。

 浅野は甲子園でも活躍した久々の巨人のスター選手候補。本人も言う通り、プロでは中距離打者になると思うが、まずは焦らずしっかりと育成して欲しい。少なくともケガをして1~2年で育成契約など、そろそろこういった雑な扱いは見直して欲しい。

 2位ではさらに、浅野と同じ右打ちの外野手・萩尾匡也(慶大・外野手)を指名。将来的には浅野が中心になると思うが、そこまで悠長に構えていられる状況ではなく、即戦力で萩尾指名は理解できる。高校時代はスラッガーだったが、大学では走攻守三拍子揃った選手になり、プロでどういう打者を目指すか注目したい。

 同じ野手では、4位で門脇誠(創価大・内野手を指名した。二塁と遊撃守備にも定評がああるが、何といってもセールスポイントは打撃で、小柄ながら力強い打撃を売りに、ポスト坂本で中山礼都や湯浅大の争いに割って入る力はある。

 一方で課題の投手力強化は今一つで、3位で田中千晴(国学院大・投手)、5位で船迫大雅(西濃運輸・投手)の即戦力投手2名を指名した。田中は最速153キロの本格派右腕で、先発を十分に任せられる素質があるが、大学3年時に肘の故障で苦しんでおり回復状況を見ながらの起用になる。26歳の船迫は経験豊富なサイドハンド右腕で、先発よりはリリーフとしてに起用になるだろう。 

 育成では9名を指名し、育成1位の松井颯(明星大・投手)以外はすべて高校生指名になった。甲子園を沸かせた吉村優聖歩(明徳義塾高・投手)森本哲星(市船橋高・投手)、野手でも中田歩夢(東奥義塾高内野手など楽しみな選手が並ぶ。

 全体的に見て指名は良いと思うが、課題の投手力強化には疑問符がつく。今季はFAで投手を獲得するプランかもしれないが、1位で浅野を獲得できたなら、上位で即戦力投手、下位で高校生投手を指名しても良く、捕手も5名しかいないなか育成含め指名ゼロはなく、今年豊富な高校生捕手を獲得しても良かった。

 

阪神(70点)

 今年は巨人が1位指名を公表した浅野を指名するも抽選で外したものの、同じ右打ちの外野手の森下翔太(中大・外野手)を1位指名した。今年の阪神はとにもかくにも外野手が補強ポイントで、同じく1位指名を公表しなかったDeNAとロッテは外野手は優先課題ではなかっただけに、浅野を外しても森下を獲得できる可能性は高く、阪神とすれば9球団の公表はシミュレーションしやすかったかもしれない。

 1位で森下を獲得したあと、2位~5位まで高校生でまとめた。再登板とは言え、岡田新監督を迎え即戦力の欲しいところ、将来性重視の指名は正直驚いたと同時に、岡田監督が現有戦力にある程度確信を持っていることへの裏返しにもなった。

 2位の門別啓人(東海大札幌高・投手)も4位の茨木秀俊(帝京長岡高・投手)もともに甲子園未出場だが、門別は今年の高校生左腕投手ナンバーワンの評価。茨木も今夏の新潟大会決勝でロッテ3位の田中と延長11回を投げ合った右の本格派で、西純矢や森木大智に続くエース候補として投手王国を築ける。ちなみに茨木は北海道から越境入学した道産子で、本来ならば日本ハムがこういったドラフトをすべきなのだが…。

 野手は3位で井坪陽生(関東一高・外野手)、5位で戸井零士(天理高・内野手の右打者を指名。阪神の主力は左打ちが多く、日本ハムとのトレードでも渡邊諒と高濱祐仁の右打者を獲得しており、徹底して右打者を強化している姿勢が窺える。井坪と戸井は浅野と同じ中距離打者で、井坪は機動力も使えるリードオフマン候補。遊撃手の戸井は。阪神内野手は19歳から25歳まで右打者が不在で、出番は早いかもしれない。

 中野拓夢や岩崎優、湯浅京己などこの間当たっている6位で、富田蓮(三菱自動車岡崎・投手)を指名。高卒3年目の21歳の左腕で、指名後のU-23の世界大会でベストナインと最優秀投手賞を獲得して優勝するなど、早くもブレイクの兆しが見える。

 育成選手は1名のみだが、ここも右打ちの外野手で野口恭佑(九産大・外野手)を指名した。野口はパンチ力のある打撃が売りで得意の打撃で支配下を勝ち取りたい。

 12球団ナンバーワンの投手力を誇るなか、将来性重視で野手は右打ちに徹底した指名で課題を抑えた良いドラフトになった。

 

〇DeNA(75点)

 DeNAの十八番になりつつある1本釣りで、今年は松尾汐恩(大阪桐蔭高・捕手)の1本釣りに成功した。08年からの現行ドラフトで2年連続で高校生を1位指名するのは初めてで、DeNAが長期戦略でチーム作りをしている姿勢が明確になった。

 捕手はここ数年、嶺井博希に戸柱恭孝、伊藤光の3名体制が続き、いずれも正捕手獲得までには至らず、しかも全員が30歳を超えている。松尾は打撃は申し分なく、高校で捕手に転向し経験は浅いが、強肩とインサイドワークは問題なく、着実に世代交代が差し迫るなか、正捕手候補の一番手として経験を積むことになる。

 2位の吉野光樹(トヨタ自動車・投手)は、DeNAの補強優先ポイントの即戦力投手。150キロの直球が武器の本格派右腕で、不足している先発ローテーションに喰い込みたい。また、5位の橋本達弥(慶大・投手)は、鋭いフォークを武器に大学時代からリリーバーとして活躍し、結果として先発とリリーフの即戦力を獲得できた。

 もう一人投手で、森下瑠大(京都国際高・投手)を4位で指名した。今年は故障で本調子ではなかったため下位指名になったが、2~3年後には豊富な左腕先発陣の一角に入れる逸材で、打者の評価も高く、万が一投手でダメな場合は打者転向も良いと思う。

 松尾のほかに野手で獲得したのが、3位の林琢真(駒大・内野手で、強肩と俊足が武器の二塁手。同じポジションには牧がいるが、牧の守備負担軽減で守備固めや慢性的な機動力不足を補う代走要員として一軍デビューは早いかもしれない。

 育成選手は5名指名し、こちらも高校生3名と独立リーグ2名と若い布陣で、上位2名は野手を指名した。育成1位の上甲凌大(四国IL愛媛・捕手)は強肩強打の捕手で、上甲の成長次第では松尾の内野手起用もプランニングできる。2位の木蓮滋賀学園高・内野手は強打の遊撃手で、得意の長打力で支配下登録を目指す。

 支配下指名も育成指名も上位に野手を指名したことに、さらに攻撃的な布陣を形成しようとする意思が見え良いドラフトになった、ただ、外野手の指名が育成含め1名もなく、確かにレギュラーが確立し若手の層も厚いが、19歳から23歳まで不在で、今年は外野手に有望選手が多かったことから勿体なかった。

 

△ヤクルト(65点)

 最年少三冠王の村上宗隆を中心に、マクガフやオスナなど投打に外国人選手が活躍し、リーグ2連覇を果たしたが課題は多く、先発投手不足と山田哲人の後継者を含む二遊間強化、塩見泰隆以外はレギュラー不在の外野をどう埋めるかがポイントだった。

 1位は即戦力の吉村貢司郎(東芝・投手)を、公表のうえ単独指名に成功した。大卒時とドラフト解禁の昨年と2度の指名漏れを味わった苦労人が、社会人3年目で実力を開花させ1位指名を受けた。奥川恭伸の復帰の目途が立たないなか、その穴を埋めるには十分で、強打のヤクルト打線をバックなら勝ち星を積み上げることができるだろう。

 2~3位では外野手を指名し、2位で高校時代は投手との二刀流で活躍した西村瑠伊斗(京都外大西高・外野手)を、3位では即戦力の沢井廉(中京大・外野手)を獲得できた。西村は投手としても評価が高いが、高校通算54本塁打の打力を活かしでプロでは野手に専念する。沢井は恵まれた体からの長打力が売りの左打者で、自慢の長打力でレギュラーを十分に狙うこともできる。

 同じく5位で、こちらも強打の北村恵吾(中大・内野手を指名した。北村は沢井同様に広角に打てるスラッガーだが、守備は一塁や三塁が主で、やや補強ポイントとは異なり、どう起用するか注目したい。

 課題の投手力強化では、4位で左腕の坂本拓己(知内高・投手)を指名した。坂本は球威のある直球を武器に制球力も高く、中央では無名だが江夏二世の呼び声も高い本格派で、同じ道内で指名された斎藤(広島)や門別、茨木(ともに阪神)とのライバル対決が実現するのが今から楽しみだ。

 育成指名は橋本星哉(中央学院大・捕手)の1名だけで、橋本は大学4年春から正捕手になった伸びしろのある選手で、打撃がセールスポイント。嶋が引退し捕手は現時点で5名しかおらず、支配下登録は早いかもしれない。

 課題を埋めたドラフトにはなったが、今年豊富な大学生野手や即戦力投手指名が十分とは言えず、全体で指名人数6名はさすがに少ないと思う。少数精鋭のポリシーかもしれないが、チームの底上げにはある程度の人数も必要だと思うが…。

 

 最後に、有力ながら指名されなかった選手をピックアップしてみた。高校生では投手では米田、野手では田中の指名漏れが意外だった。米田は早くからドラフト候補で名前が挙がり、総合力が高い選手で下位指名でも呼ばれると思った。高校通算48本の田中も確実視されていたが、社会人に進み3年後のプロ入りを目指す。

 ・高校生…川原嗣貴(大阪桐蔭高・投手)米田天翼(市和歌山高・投手)

        片野優羽(市船橋高・捕手)海老根優大(大阪桐蔭高・外野手)

      前田一輝(鳴門高・外野手)田中多聞(呉港高・外野手)

      黒田義信(九州国際大高・外野手)

 大学生では、とにかく山田だろう。1位l候補とまで言われていたが、蓋を開けたらまさかの指名漏れで、今ドラフトのサプライズの一つになった。また、注目されていた国立大からの指名も、京大の水口(ソフトバンク育成7位)だけで、本田等の指名は最後までなかった。素材型の羽田野は社会人で2年後の上位指名を目指して欲しい。

 ・大学生… 羽田野温生(東洋大・投手)神野竜速(神奈川大・投手)

      本田健悟(名古屋大・投手)西 隼人(関学大・投手)

      伊原陵人(大商大・投手)野口泰司(名城大・捕手)

      山田健太(立大・内野手斎藤大輝(法大・内野手

 社会人は、ある意味順当の指名と言える。関根や三井は名前が呼ばれてもおかしくなかった選手だが、各球団の指名状況によって指名が無かった可能性が高い。ただ、今年は阿部翔太(オリックス)が2年目29歳で新人王候補になり、26歳の福永(中日6位)も指名されており、まだまだ諦めることはない。

 ・社会人…加藤三範(ENEOS・投手)関根智輝(ENEOS・投手)

        入江 空(茨城日産・投手)玉置隼翔(四国IL愛媛・投手)

      中山遥斗(三菱重工イースト・内野手三井健右(大阪ガス・外野手)

         藤原大智新潟アルビレックス・外野手)

2022年ドラフト寸評~パ・リーグ編・会心のドラフトは西武とオリックス!日本ハムは地元の有望選手を逃す…

 個人的にこの表現は好きではないが、今年も不作(3年連続)と言われるなか、事前に9球団が1位指名を公表する稀なドラフトになった。

 公表しなかったロッテが荘司康誠(立大・投手)を指名し楽天と競合、阪神は浅野翔吾(高松商高・外野手)を指名し巨人と交渉権を競ったが、結果、ともに公表した楽天と巨人が当たりクジを引き当てた。DeNAは得意の一本釣りで松尾汐恩(大阪桐蔭高・捕手)を指名し、あとはすんなりと公表したチームが一本釣りを成功させた。

 本命なきドラフトで、競合も少なく盛り上がりに欠けた側面もあったが、各チームの補強ポイントや戦略がより顕著なドラフトになった。

 支配下指名は昨年より▲8名減の69名で、70名を割ったのは10年以来12年振りになり、昨年以上の不作と言われたことを数字が表している。内訳は高校生25名(▲5名)、大学生27名(▲4名)、社会人・独立リーグが17名(+1名)と、高校生の有望選手が少なく、大学生の投手や内野手が豊富だった状況を示すように大学生が高校生を上回った。

 一方で育成ドラフトは、過去最高だった昨年をさらに上回る57名(+6名)で、支配下指名が少なくとも、ソフトバンクが4軍制構想を打ち出したように、選手から見れば着実にチャンスは拡がっている。

 最多指名は中日と広島の7名、最小は5名の指名で、巨人、阪神、DeNA,ヤクルト、オリックス、ロッテと半分を占め、ロッテは4年連続で最小の指名になった。

 ちなみに支配下指名70名を割った10年は、早大3人衆(斎藤佑樹大石達也福井優也)で盛り上がった年で、不作の年とは呼ばれていなかった。投手では大野雄大(中日)に美馬学(ロッテ)、澤村拓一(元レッドソックス)がおり、野手では山田哲人(ヤクルト)に西川遥輝楽天)、柳田悠岐ソフトバンク)に秋山翔吾(広島)とビッグネームが並び、指名人数は少ないが14選手が現役でプレーしている。

【12球団ドラフトの評価】

 ◎…なし

 〇…広島・巨人・西武・阪神・DeNA・オリックス

 △…日本ハム・ロッテ・ヤクルト

 ✕…ソフトバンク

 ✕✕…中日・楽天

 個人予想では、指名予想の100名中75名が指名を受け、昨年よりプラス1名でししたので、まずまずかなと思っています。 

 

日本ハム(65点)

 昨年から今年のドラフトの目玉と言われていた矢澤宏太(日体大・投手/外野手)の1位指名を公表し、交渉権を獲得した。ただ、思いのほか評価が上がらなかったのが正直なところで、現時点では野手としての評価が高い。大谷翔平エンゼルス)の二刀流成功事例があるだけに、どのように起用していくか注目したい。

 以降も補強ポイントを抑えたまずまずのドラフトになった。2位で1位指名の可能性もあった即戦力投手の金村尚真(富士大・投手)を指名できたのは大きく、6位で変則サイドの宮内春樹(日本製鉄石巻・投手)を指名し、先発で金村、リリーフで宮内と即戦力投手を獲得できた。

 また、ドラフト直前に渡邊諒と高濱祐仁の両内野手阪神にトレードしたことから、3位で加藤豪将(NYメッツ・内野手、5位で奈良間大己(立正大・内野手を指名し、レギュラー不在の二遊間強化を図った。

 昨年は指名9人中、高校生を5名獲得したが、今年は4位の安西叶翔(常葉菊川高・投手)のみで、今年は新庄監督の要望を反映した即戦力志向に強いドラフトになった。 

 ただ、個人的に評価できない点がまさにこの部分で、断トツの最下位から新球場元年で上位進出を狙うには、即戦力での戦力アップを図りたいことが理解するが、日本ハムのドラフト戦略の基本方針は育成であり、監督の要望を聞いて即戦力志向に転じたことは、あまり評価できなかった。

 もう一つは、私は道産子で今年は北海道出身に好投手が揃い、広島1位の斎藤優汰とロッテ1位の菊地吏玖をはじめ、実に支配下で5名、育成で2名指名されているが、地元の日本ハムは1名も指名していない…。これにはかなりガッカリして、アメリカからの逆輸入やハワイ大からのサプライズ指名も良いが、これだけ道内出身選手で好素材が揃った記憶がなく、獲得がなかったのは残念だった。

 育成指名は4名で、育成1位の藤田大清(花咲徳栄高・外野手)は、チームには清宮幸太郎しかいない左のスラッガーで、良い指名になった。単年で見れば、即戦力の欲しい選手を獲れた会心のドラフトだったが、今ひとつらしくないドラフトだった。

 

ロッテ(65点)

 パ・リーグで唯一、1位指名を公表せずに臨みんだロッテ。今年は即戦力投手が優先だったのか、荘司康誠(楽天)を抽選で外すと、そのまま1位で菊地吏玖(専大・投手)を指名した。荘司はどちらかと言うとまだ素材型の時間がかかるタイプで、来季からの戦力アップを考えるなら菊地のほうが出番は早いと思う。

 2位は課題の二遊間強化で、友杉篤輝(天理大・内野手を指名。友杉は徐々に評価を上げてきた選手で、今ドラフトでは今年度もナンバーワン遊撃手とも言われている。レギュラー不在の遊撃は、守備は茶谷健太も小川龍成も巧く、小川は足も使え、藤岡裕大も戻ってくる。友杉は得意の守備と走塁に加え、打撃でのアピールが必要になる。 

 3位では将来のエース候補で田中晴也(日本文理高・投手)を指名できたのも良かった。今夏の甲子園では不振で初戦敗退したが、一時期1位候補とまで言われた逸材で、2~3年じっくりと育成すればエースの座を狙える。

 ロッテの出世順位でもある4位では、即戦力左腕の高野脩汰(日本通運・投手)を指名した。以前よりは左腕不足が解消されたとは言え、現状、坂本光士郎くらいしかブルペンには見当たらず、大学時代の故障も癒え、社会人では先発・リリーフとフル回転しており、ロッテではリリーフの起用が濃厚だ。

 5位の金田優太(浦和学院高・投手)も遊撃手で、打撃は発展途上だが守備と強肩は十分にプロレベル。年齢バランスで高校生内野手の獲得は必須で、5名という少ない支配下指名ながら課題を埋めることができた。

 育成指名も悪くなく、左腕の吉川悠斗(浦和麗明高・投手)を1位で指名し、打者としても評価の高い白濱快起(飯塚高・投手)を2位で、3位で強打の遊撃手・勝又琉偉(富士宮東高・内野手と4名全員が高校生と将来性重視の指名になった。

 全体、補強ポイントを抑え、大きなマイナスはないが、ここ数年攻めたドラフトをしていたので、悪く言えば万遍なく課題を埋めた可もなく不可もないドラフトになった。また、課題の遊撃候補の友杉も金田も、かつてロッテが好んだリードオフマンタイプで、スケールのあるスラッガーを獲得して欲しかった。

 

✕✕楽天(50点)

 昨年は一言でいうと良く分からないドラフト、今年は一目で悪いドラフトになった。その理由は支配下指名6名中5名が投手、6名全員が大学生・社会人の即戦力の偏重ドラフトだった。即戦力指名が悪いというわけではなく、何事もバランスが必要で、楽天はこの間、年齢やポジションなど偏りがありすぎる。

 確かに補強ポイントは投手であり、右打ちのスラッガーも指名し課題を埋めたが、ベテラン偏重のチームで、そのベテランが主力のうちに選手を育成しないでどうすると思う。特に高校生投手に至っては、18年~22年の5年で支配下4名(うち2名は育成契約へ変更)しか指名しておらず、そもそも育成する気がないのかと思ってしまう。 

 ドラフトを振り返ると、ロッテとの競合のなか、1位指名を公表した荘司康誠(立大・投手)を獲得できた。荘司は即戦力というよりは素質型の大学生で、勝負は来年以降になると思うが、数年後には世代ナンバーワン投手になっている可能性もある。

 荘司のあとに、2位で小孫竜二(鷺宮製作所・投手)の獲得も良く、荘司が時間を要するだけに、小孫は先発・リリーフともに即戦力になる。高校、大学、ドラフト解禁の昨年と3回の指名漏れを味わった苦労人で、プロではどの役割も担ってくれるだろう。

 3位の渡辺翔太(九産大・投手)は安定感のある右の本格派、4位の伊藤茉央(東農大オホーツク・投手)はタフな右のサイドハンドで、ともに先発・リリーフもこなせる。6位の林優樹(西濃運輸・投手)は、高校時代は細身の技巧派左腕だったが、社会人で本格派左腕に成長した。高卒3年目の20歳で年齢的にも良い指名になった。

 全員がタイプの違う良い投手だが、来季何勝、何ホールドを上積みする指名で、荘司を1位で獲得できたにも係わらず、小さくまとまったドラフトになった感は否めない。

 5位では唯一の野手で平良竜哉(NTT西日本・内野手を指名、小柄ながらフルスイングが身上で、チームには少ない右のスラッガーで出番は早いと思う。育成1位の辰見鴻之介(西南学院大内野手は超がつく俊足で、足だけで飯の食える選手。平良と同じく楽天には少ないタイプだけに、代走のスペシャリストとして支配下登録も早いかもしれない。ちなみに高校生は育成指名1名(大学生は3名)のみだった。

 

〇西武(75点)

 2年連続で会心のドラフトになったと思う。昨年は即戦力投手で上位を固め、投手陣が改善された今年は課題の野手強化を徹底した。

 西武も事前に蛭間拓哉(早大・外野手)の1位指名を公表し、公表しなかったヤクルトとDeNA、ロッテは外野手が最優先ではなく胸を撫でおろしたと思う。本人が「一番行きたかった球団」と言うように、西武も一番欲しかったのが即戦力の外野手で、開幕スタメンも夢ではない。

 2位の古川雄大佐伯鶴城高・外野手)は他球団が下位指名見え見えのなか、順位を上げての指名になった。1位で蛭間を獲得できたことで、2位で大器の古川を指名でき、課題の外野手で即戦力と将来の主力候補を獲得できた。古川は身体能力が高く、本人が目標とする柳田(ソフトバンク)のような選手になれるのも夢ではない。

 3位の野田海人(九州国際大高・捕手)は、森友哉のFA移籍に備えたというよりは、数的不足と年齢バランスの指名になった。打撃はまだまだだが、強肩にブロッキングなど捕手の基本的な要素は備えており、先ずは守備面で信頼を勝ち取りたい。

 4~5位では投手を指名し、4位の青山美夏人(亜大・投手)は、直球に力があり、多彩な変化球と制球力が良いタフネス右腕で、強力な投手陣に割って入る力は十分にある。5位の山田陽翔(近江高・投手)も良かった。甲子園での印象が強すぎて順位が低いとは思うが、本人も「これがいまの自分の評価」と言い切れる気持ちはプロ向きで、先発、リリーフ、また打者転向も含めて、焦ることなく可能性を見出して欲しい。

 唯一、ん?と思ったのが6位の児玉亮涼(大阪ガス内野手で、大学時代から守備力に定評のある俊足の選手だが、外崎修汰に山田遥楓、山野辺翔と似たような選手がいるなか、どこで使うのかがイメージが湧かなかった。

 育成では、投手、捕手、内野手、外野手を1名ずつ指名し、育成1位の野村和樹(BC石川・内野手は強打の三塁手で、2位の日隈モンテル(四国IL徳島・外野手)は、元は投手で今夏より外野手に転向した好素材で、肩と脚の一芸で飯を食える選手で支配下登録も早いかもしれない。

 

ソフトバンク(55点)

 一言でいえば、隠し玉すぎて評価の難しいドラフトだった。ただ、この傾向は今年から始まった訳ではなく、ここ数年はそういった傾向が強い。上手くいっていれば評価もできるが、選手層が厚い反面、若手は伸び悩み、過渡期を迎えるチーム状況のなか、今年はより顕著にその傾向が顕われた。

 1位指名を公表したイヒネ・イツア(誉高・内野手は理解できる。中日の指名も予想されたが、結果、ソフトバンクが一本釣りに成功した。今宮健太が元気なうちに、ファームでみっちり鍛えて2~3年後の主力を目指したい。

 首を傾げたは2位以降で、4位の大野稼頭央(大島高・投手)の指名は納得できるが、2位の大津亮介(日本製鉄鹿島・投手)、3位の甲斐生海(東北福祉大・外野手)、5位の松本晴(亜大・投手)は、あまりにも隠し玉すぎて、この順位が適正か疑問に思ってしまう。

 大津はそれなりに実績もあるが、例えば九州出身の益田武尚(広島3位)や渡辺翔太(楽天3位)を差し置いての2位指名は早く、下位でも獲得できたと思う。甲斐は左のスラッガーで長打力はセールスポイントだが、守備は一塁がメインで余程の打撃力がないとレギュラーは厳しい。左腕の松本は昨年肘の手術をしており、何とかドラフトに間に合った投手で、当然、チームが評価する理由はあるが、傍から見てどうも腑に落ちないのは私だけだろうか…

 6位の吉田賢吾(’桐蔭横浜大・捕手)も、現時点では捕手よりも、打撃で評価されている選手で、正捕手に甲斐拓哉がおり、2番手の海野隆司も守備力は高い。打つほうでは渡邊陸や谷川原健太もいるなか、正直どこで使うかイメージが湧かない。

 育成指名は昨年に続き14名(高校生8名・大学生6名)と最多で、4軍制を敷く構想のなか観ていてワクワクした。なかでも育成3位の木村光(佛教大・投手)と7位の水口創太(京大・投手)支配下指名が濃厚だった選手で、小柄ながらまとまりのある木村に、長身で粗削りながら150キロを超える水口のどちらが先に支配下になるか楽しみだ。

 

オリックス(80点)

 万全な投手陣をほこり、個人的にはレギュラー不在の二塁手かポスト吉田正尚で即戦力外野手で来るかと思ったが、大学ナンバーワン左腕の曽谷龍平(白鷗大・投手)の1位指名を公表し獲得に成功した。曽谷は競合すると思われただけに、1位公表が功を奏した形になった。

 課題の即戦力外野手では、4位で杉澤龍(東北福祉大を指名。今春のリーグ戦で3冠王を獲得した強打者で、守備と走塁も申し分なく、吉田正や杉本裕太郎、福田周平のレギュラーが30歳を超えるなか、レギュラーを争う若手には良い刺激になると思う。

 秀逸だったのは高校生指名で、2位で高校通算57本の内藤鵬(日本航空石川高・内野手を獲得。守備は三塁で、現状は宗佑磨がいるが、将来はチームの主軸として4番を期待されるスラッガーで、1位で思惑通りに欲しい選手が獲得できれば、こういったスケール感のあるドラフトができる。

 3位の斎藤響介(盛岡中央高・内野手は、投手としての総合力が高く、5位の日高暖己(富島高・投手)は、高校から本格的に投手になりドラフト指名まで上り詰めた。斎藤のほうがデビューは早いと思うが、日高はとんでもない投手になるポテンシャルを秘めており、ともに将来のエース候補としての資質は十分だ。

 西武より得点を上にしたのは、育成1位で西浜勇星(BC群馬・投手)と、2位で才木海翔(大経大・投手)を指名したことだ。西浜は今年の独立リーグの投手ではナンバーワンの評価で、年齢も19歳と伸びしろ十分で、大化けする可能性がある。

 才木は上位候補にも挙げられ、支配下では名前が呼ばれなかったのは意外だったが、元々の評価は高い。本人は悔しいだろうが、今年ブレイクした宇田川優希も同様の状況になか入団を決め、今年開花した実例もあり投手育成に長けたチームで是非チャレンジして欲しい。

 即戦力二塁手や数的に不足している捕手を指名しなかったのが気がかりだが、今オフはFAにも積極参入する構えもあり、ある程度見越した指名になったかもしれない。いずれにせよ、さらなる投手王国の確立を見据えた会心のドラフトになった。

2022年~ドラフト候補100名を予想してみました

 昨年同様、今年も2年連続で「不作」と言われ、1位指名が12名揃わないという評価だが、個人的にはそこまで不作とは思えない。確かに、何球団も競合するような目玉選手は少ないが、2~3位まで拡げれば1位でも見劣りしない選手が多い。

 現在、7球団が1位指名を公表しているが重複指名はない。各チームがそれぞれ置かれている状況のなか、将来性、即戦力、ポジションごとのバランスを考え、予想以上に順位が上下することも想定されるし、12球団の1位指名は全員違うのも、それはそれで色が出て面白いと思う。

 個人的には、昨年同様、総指名人数は変わらないが支配下指名が6名前後で、逆に育成指名が増えると予想する。また、MLBからの逆輸入指名や二刀流の多い高校生が投手、野手どちらで指名されるか、国立大学の有望選手が多いなど見所は多い。

【今年の特徴】

 ①高校生(特に投手)に有力選手が少ないが、大学生投手と内野手が豊富

 ②投手は全般的に左腕が不足

 ③野手は遊撃手が不足で指名順位が上がる可能性が高い

 

【各チームの指名予測~指名順】

日本ハム…64名(投手33名~野手31名)

 投手・外野手の各2名が戦力外になり、阪神内野手2人と投手・外野手各1名のトレードが成立した。また、近藤健介のFA移籍の可能性も高く、投手と手薄な外野手を強化したい。毎年、指名人数が7~8名で多く、新庄監督初のドラフトにも注目だ。

◆中日…58名(投手27名~野手31名)

 福留孝介が引退し、平田良介等8名が戦力外になり、岩嵜翔を含む投手3名を育成契約にしたことで、支配下の余裕が出来た。15年から6年連続で6名の指名で、久々の大量指名の可能性もある。少なくとも昨年のような育成契約ゼロは避けて欲しい。

◇ロッテ…67名(投手35名~野手32名)

 思っている以上に投打に課題が多く、特に投手力と二遊間強化は急務。若手に有望株が多いだけに、即戦力をピンポイントに補強しながら、投手や内野手で高校生を指名したい。今年も支配下は5~6名で、結果の出ている育成指名を厚くする方向になる。

◆広島…66名(投手34名~野手32名)

 14年から、毎年6~7名の指名になっており、まだ戦力外が2名のみで、ドラフト以降にさらに追加がある。3連覇から暗転し4年連続で優勝から遠ざかり、投手ならリリーフ、捕手以外の野手の補強が必要で、年齢バランスの修正も必要になる。

楽天…67名(投手33名~野手34名)

 ベテランの川島慶三が引退し、投手2名が戦力外になった。平均7名前後の指名を考えると、編成はドラフト後が本番になる。課題は明白で投手力の強化(特に先発)、内外野で即戦力の右打者の獲得のなか、今年もサプライズ指名があるかもしれない。

◆巨人…67名(投手35名~野手32名)

 井納翔一等3名が戦力外になり、今オフはFAに積極参戦することを表明している。例年、開幕は65名以下でスタートするので、支配下指名は少なくなる(この間は7名前後)可能性もある。投打に課題が多く、FAを睨みながら難しいドラフトになる。

◇西武…61名(投手35名~野手32名)

 戦力外は2名に加え、内海哲也を含む3投手が引退し、森にFA移籍の可能性もある。元々支配下いっぱいにすることがなく、例年通り7名前後の指名が予想される。課題は過渡期を迎えた野手の世代交代準備と、数的にも不足の捕手の補強も必要だ。

阪神…66名(投手32名~野手34名)

 投手3名が戦力外、トレードで1名、藤浪晋太郎のMLB移籍で投手が不足気味のなか、課題の右打ち内野手日本ハムから獲得し、外国人選手も減らす予定で、的確に補強ポイントを抑えたドラフトが可能になり、6~7名の指名が予想される。

ソフトバンク…64名(投手33名~野手31名)

 長年チームを支えた松田宣浩が去り、明石健志も引退。エースの千賀滉大のMLB移籍も決定的で、否応なし世代交代が進む。支配下は5名程度になると思うが、今年は即戦力が主体になるかも知れない。4軍制導入で育成指名は昨年(14名)並みの予定。

◆DeNA…63名(投手35名~野手28名)

 既に投手3名、野手4名が戦力外になり、クローザーの山崎康晃のMLB移籍もあり、指名枠には余裕があるが野手が少ない。特に外野手は高校生の指名は必須で、投手力に課題があるなか、野手中心の指名になる可能性があり、難しいドラフトになる。

オリックス…62名(投手29名~野手33名)

 ベテランの増井浩俊を含む8選手が戦力外になり、うち3名は育成契約とは言え、昨年の1位ルーキー椋木蓮の名前があり驚いた。8選手中7名が投手で、層の厚い投手陣が数的に不足気味で、投手中心の指名で、野手はFA補強で埋める戦略かも知れない。

◆ヤクルト…62名(投手33名~野手29名)

 戦力外は5名(うち育成契約2名)で、嶋基宏内川聖一のベテランが引退し、連覇をしながら着実に世代交代を進めている。年齢バランスは悪くなく、3連覇のためには投手力強化とともに、層の薄い外野手補強が必要で、投打の主軸候補を獲得したい。

 

【指名順位予想】

 既に7球団が1位指名を公表し、浅野翔吾(高松商高)は阪神も指名濃厚で、最低でも2球団の競合になる。最後まで読めないのがロッテとDeNA、ヤクルトで、斎藤優汰(苫小牧中央高)や矢澤宏太(日体大)、浅野への入札が予想される。

 公表以外の選手でも、吉村貢司郎(東芝)や益田武尚(東京ガス)の即戦力投手や、評価上昇中の森下翔太(中大)や田中幹也(亜大)、将来性十分の松尾汐恩(大阪桐蔭高)もおり、浅野以外、すべて1位指名が違う可能性も十分にある。

1位入札候補(1回目予想)

 浅野翔吾(高松商高・外野手)…ロッテ、巨人阪神、ヤクルト

 矢澤宏太(日体大・投手)…日本ハム、DeNA

 イヒネ・イツア(誉高・内野手)…中日、ソフトバンク

 曽谷龍平(白鷗大・投手)…オリックス

 蛭間拓哉(早大・外野手)…西武

 荘司康誠(立大・投手)…楽天

 斎藤優汰(苫小牧中央高・投手)…広島

1位候補(2回目以降)

 投手…金村尚真(富士大)吉村貢司朗(東芝)益田武尚(東京ガス

 野手… 松尾汐恩(大阪桐蔭高・捕)森下翔太(中大・外野手) 

 

2位候補

 先述した通り、状況次第では河野や菊地、田中は1位指名の可能性が十分にある。今年は数少ない高校生投手の上位候補の門別は貴重な左腕、評価上昇中の友杉や将来性豊かな内藤や西村など、1位指名でも遜色ない選手が控える。

 投手…門別啓人(東海大札幌高)山田陽翔(近江高)菊地吏玖(専大

      才木海翔(大経大)河野 佳(大阪ガス

 野手…内藤 鵬(日本航空石川高・内)田中幹也(亜大・内)山田健太(立大・内)

      奈良間大己(立正大・内)友杉篤輝(天理大・内) 

      西村瑠伊斗(京都外大西高・外)澤井 廉(中京大・外)

3位候補

 将来性を重視して高校生が多くなったが、田中や斎藤、実力派の吉野は2位で呼ばれてもおかしくない。内田や勝又、井坪の高校生野手や、仲地は夏以降に評価を上げた。小孫は高校、大学、昨年と3度プロ入りを逃しており、念願叶うか注目だ。

 投手…斎藤響介(盛岡中央高)田中晴也(日本文理高)森下瑠大(京都国際高)

      森山暁生(阿南光高)青山美夏人(亜大)仲地礼亜(沖縄大)

      吉野光樹(トヨタ自動車)小孫竜二(鷺宮製作所

 野手…内田湘大(利根商高・内)戸井零士(天理高・内)

      勝又琉偉(富士宮北高・内)井坪陽生(関東一高・外)

4位候補

 チームのその年の特徴が出る4位は将来性豊かな選手が並ぶ。坂本や大野、金田、大学生でも羽田野と水口も素材型で、プロで大化けする可能性が十分にある。打力で評価を上げている門脇や、渡辺や加藤の即戦力選手もリストアップしてみた。

 投手…坂本拓己(知内高)米田天翼(市和歌山高)白濱快起(飯塚高)

      大野稼頭央(大島高)羽田野温生(東洋大)水口創太(京大)

      渡辺翔太(九産大)加藤三範(ENEOS)大畑 蓮(西部ガス

 野手…吉田賢吾(桐蔭横浜大・捕)金田優太(浦和学院高・内)

      門脇 誠(創価大・内)

5位候補

 5位は高校生が多くなった。安西や清水、藤田など中央では無名だが春から夏にかけて評価を上げてきた選手で面白い。田中や本田、西といった速球に魅力のある大学生投手も並ぶ。高校生野手は清水と藤田はスラッがー、田中は三拍子揃った好素材。 

 投手…安西叶翔(常葉菊川高)川原嗣貴(大阪桐蔭高)田中千晴(国学院大)

      神野竜速(神奈川大)本田健悟(名大)西 隼人(関学大

      関根智輝(ENEOS)

 野手…清水叶人(健大高崎高・捕)野口泰司(名城大・捕)

      藤田大清(花咲徳栄高・内)三塚琉生(桐生一高・外)  

      田中多聞(呉港高・外)

6位候補

 6位は一芸に秀でた選手が多く、投手なら橋本は大学時代からリリーフ専門、長谷部は先発・中継ぎどちらでもOKの貴重な左腕。素材だけなら一級品の古川や海老根、超がつく俊足の黒田、抜群の長打力の三井を候補に挙げてみた。 

 投手…吉川悠斗(浦和麗明高)橋本達弥(慶大)伊原陵人(大商大)

      木村 光(佛教大)長谷部銀次(トヨタ自動車

 野手…山浅龍之介(聖光学院・捕)片野優羽(市船橋高・捕)村松開人(明大・内)

      海老根優大(大阪桐蔭高・外)古川雄大佐伯鶴城高・外)

      黒田義信(九州国際大高・外)三井健右(大阪ガス・外)

下位候補

(高校生)

 意外に投手が少なく、日高は高校から投手に転向した選手で伸びしろ十分。野手はロマン溢れるスラッガーが並び、村上(ヤクルト)と兄弟プロが誕生するか、杉本(オリックス)二世の徳島の両スラッガー(高野・前田)の指名があるか注目していきたい。

 投手…日高暖己(冨島高)

 野手…唐川侑大(東海大札幌高・捕)高山維月(浦和学院高・捕)

      鈴木 蓮(滋賀学園高・内)村上慶太(九州学院高・内)

      高野光海(池田高・外)前田一輝(鳴門高・外)

(大学生)

 投手はバラエティ豊富で、技巧派の増居と漢人、本格派の秋山がいるが、面白いのは超素材型の谷井で変則フォームから159キロを投げる。野手は萩尾と山本の慶大の中軸コンビ、杉澤等スラッガーが並ぶ。久保は足だけで飯を食べていける選手。

 投手…伊藤茉央(東農大オホーツク)増居翔太(慶大)谷井一郎(明星大)

      漢人友也(中京大) 久保玲司(近大)秋山凌祐(立命大)

 野手…石伊雄太(近大工学部)斎藤大輝(法大・内)北村恵吾(中大・内)

      杉澤 龍(東北福祉大・外)萩尾匡也(慶大・外)山本晃大(慶大・外)

      久保 修(大阪観光大・外)

(社会人・独立L)

 期待を込めて、昨年指名漏れした臼井や鈴木、福永に藤井などラストチャンスにかける社会人選手の指名を期待している。玉置は数少ない独立リーグ支配下候補、日本ハムが獲得を検討している加藤の指名もあるか注目は尽きない。

 投手…臼井 浩(東京ガス鈴木大貴(TDK)玉置隼翔(四国IL愛媛)

 野手…中山遥斗(三菱重工イースト・内)福永裕基(日本新薬・内)

      平良竜哉(NTT西日本・内)藤井健平(NTT西日本・外)

      加藤豪将(メッツ・内)

 いよいよ明日、ドラフトが開催される。今年もどんなドラマが待ち受け、どのチームが成功するのか楽しみは尽きない。昨年同様、不作を言われ目玉選手がいない分、各チームの戦略が出るドラフトになると思う、

 紹介した100名以外にも有望な選手はまだまだおり、どの選手がどのユニフォームに袖を通すか楽しみで、明日が待ち遠しい。 

22年ドラフト予想☆ヤクルト~村上がチームを牽引しリーグ連覇!来季も投手力強化が課題

三冠王・村上を中心に打線が打ちまくり、セ・リーグ独走でチーム2度目の連覇

 史上最年少で三冠王を獲得した村上が、まさにチームを牽引したシーズンだった。本塁打は日本人最多を更新する56本、打率、打点を合わせた三冠のほかに、四球数は断トツの118で、故意四球(申告敬遠も25も12球団で最多。出塁率は何と.458、長打率も7割超えとまさに圧倒的な活躍で連覇の原動力になった。

 チームは7月早々に、プロ野球史上最速でマジックを点灯させ、独走のイメージが強いが、序盤は打線が低調で4月に後半にようやく首位に立った。村上も4月までは6本塁打と打線は湿りがちだった。

 しかし交流戦に突入すると打線が上向きになり、交流戦は全チームに勝ち越しする完全優勝を遂げると、リーグ戦でもその勢いは止まらず、6月を19勝4敗の驚異的なペースで独走態勢を固めた。一時期、新型コロナ陽性で選手が離脱すると、夏場にDeNAが驚異的ペースで追い上げたが、9月の直接対決で3連勝し、チーム2度目の連覇を独走で果たした。

 今年はとにかく打ちまくり、チーム打率こそ高くないが、村上を中心に山田哲人履正社高~10年①)とオスナが20本を超え、塩見とサンタナも2桁本塁打を放つと、本塁打174本、総得点619点、長打率.417は12球団ナンバーワン、四球数と出塁率はリーグ1位で、圧倒的な攻撃力で連覇を勝ち取った。

 一方で投手陣は序盤こそ良かったものの、計算できる先発投手がなかなか決まらず、昨年よりも成績を落とし、高津監督の巧みなベンチワークで乗り切った。高津監督の大胆かつ緻密な試合運びは、CSでも発揮され、下克上を狙った阪神は一矢も報いることが出来なかった。

【今シーズンのチーム成績 ※( )は昨年の成績】

 勝敗 143試合 80勝59敗4分①

 防御率…3.52④(3.48③)打率….250③(.254③)

 本塁打…174①(142②)盗塁69②(70②)

 得点…619①(625①)失点…566⑤(531③)

 

●主力に高校生が多く、選手の長所を活かした育成と起用方法が光る

 ここ5年のドラフトでは、村上を獲れたことだけでも大成功と言える。ただ、村上も最初から打てたわけではなく、レギュラーに定着した2年目は、打率は最下位、三振数はセ・リーグ記録を超えた。ちょうどチームが低迷している時期で、結果も求めず育成できる状況のなか、我慢強く使い続けた結果が実った。

 村上のほかにもチームの育成と起用方法が光る。先発で結果の出なかった清水をリリーフに転向させ、リーグを代表するセットアッパーに育て、毎年のように期待されながら結果を残せなかった塩見を一番に固定してレギュラーに定着させた。驚きは前年まで通算1安打だった長岡を守備の良さで遊撃に抜擢すると、長岡はシーズンを駆け抜け規定打席をクリアした。

 前年まで実績ゼロの長岡の抜擢は、当然期待に応えた長岡が素晴らしいが、多くの若手にチャンスがあることを示す機会になり、間違いなく若手のモチベーションになり、チームの底上げに繋がると思う。

 また、主力に高校生が多い。捕手の中村悠平福井商高~08年③)、村上、山田、長岡が高卒で、投手でも奥川恭伸(星陵高~19年①)に高橋奎二(龍谷大平安高~15年③)、リリーフの梅野雄吾(九産大九州高~16年③)がおり、やはり高卒の主力が多いチームはスケール感を感じる。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 17年⑥…村上宗隆(九州学院高/①・内野手)塩見泰隆(JX-ENEOS/④・外野手)

 18年②…清水 昇(国学院大/①・投手)

 19年⑥…大西広樹(大商大/④・投手)長岡秀樹(八千代松陰高/⑤・内野手

 20年⑥…木澤尚文(慶大/①・投手)

 21年①…丸山和郁(明大/①・外野手)

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【ヤクルトの補強ポイント】 

 投 手…将来のエース候補、大学生左腕

 捕 手…即戦力大学生

 内野手…ポスト山田の右打ち

 外野手…ポスト青木の即戦力、高校生は必須

 

☆投手~将来のエース候補、大学生左腕

 今季は期待の奥川が1試合のみの登板が誤算だった。奥川が不在の先発陣は小川泰弘(創価大~12年②)が規定投球回数をクリアし、サイスニード、高橋、高梨裕稔(山梨学院大~13年日④)、原樹里(東洋大~15年①)、大ベテラン石川雅規青学大~01年自)でローテーションを回したが2桁勝利はおらず、頭数はいるがエースと呼ばれる選手がいなかった。

 リリーフはクローザーのマクガフが38セーブで最多セーブを獲得し、セットアッパーの清水と石山泰稚ヤマハ~12年①)、左の田口麗斗(広島新庄高~14年巨③)は防御率1点台と盤石の投球を見せた。

 ここに今野龍太(岩出山高~13年楽⑨)と梅野が勝ちパターンを担い、2年目の木澤がロングリリーフで加わった。木澤は55試合登板で70イニングを投げ、来季の起用法は分からないが、期待を持たせる結果になった。

 年齢バランスは悪くないが、19歳~22歳に左投手がおらず、主力が軒並み30歳を超えるなか、若手の底上げは手薄な先発陣強化とともに必要だ。

 既に上位候補で日本ハム矢澤宏太(日体大を、オリックス曽谷龍平(白鷗大)の指名を公表している。また、金村尚真(富士大)楽天からの指名が濃厚で競合が予想される。個人的には左腕が不足するなか、矢澤と曽谷指名が良いと思う。

 外れ1位指名では、伸びしろもある153キロの本格派右腕の荘司康誠(立大)や変化球を折り混ぜ安定感のある菊地吏玖(専大、同じく安定感抜群でゲームメークに長けた青山美夏人(亜大)が候補になる。

 将来のエース候補の高校生では、思い切って甲子園で投打で活躍した山田陽翔(近江高)や、今年150キロを超えた田中晴也(日本文理高)、細身ながら総合力の高い斎藤響介(盛岡中央高)の上位指名も面白い。山田はリリーフだけなら出番も早そうで、打者としてもトップクラスで、右打者が不足している状況から、野手での指名もアリだと思う。

 このほか、森下瑠大(京都国際高)坂本拓己(知内高)森山暁生(阿南光高)吉川悠斗(浦和麗明高)の左腕をリストアップしている。ともに他球団もマークしている逸材で、森下と坂本は140キロの真っ直ぐに制球力が高い。森山はキレのある真っ直ぐと緩急が武器、吉川はスリークオーターでいずれも補強ポイントに合う。

 右投手では、大学進学からプロ志望に変えた武元一輝(智弁和歌山高)は、長身からの角度のあるボールが武器で、打者としての評価も高い。変化球の扱いが上手な梶谷礼央(山梨学院高)も候補に挙がる。

 即戦力左腕では、緩急自在で完投能力の高い片山晧心(ホンダ)久保玲司(近大)は力感のないフォームで150キロを投げ込み、入江空(茨城日産)は制球力が課題だが、球速が150キロを超え評価を上げている。大畑蓮(西部ガスも真っ直ぐに力があるリリーバーで、豊富なリリーフ陣の層をさらに厚くする。 

☆捕手~即戦力大学生

 捕手は中村が健在であれば問題ないが、序盤に中村を欠いたチームが波に乗れなかったように補強が必要だ。中村不在時にマスクを被った古賀優大(明徳義塾高~16年⑤)が精彩を欠き、20歳の内山壮真(星陵高~20年③)が頑張ったが不安は残る。また、嶋が引退し人数的にも不足しており指名は必須だ。

 評価が高いのは松尾汐恩(大阪桐蔭高)で、打力は申し分ないだけに、守備を鍛えれば、同じく高校から捕手に転向した内山の良きライバルになるだろう。また、強肩強打の山浅龍之介(聖光学院高)への評価も高い。

 ただ、状況的には中村と内山に続く第3の捕手が必要で、守備に定評のある野口泰司(名城大)や強肩の土井克也(神奈川大)は下位指名で獲得しても良いと思う。

内野手~ポスト山田の右打ち

 今シーズンも昨季同様、一塁にオスナ、二塁に山田、三塁の村上が規定打席をクリアし、唯一レギュラー不在の遊撃に長岡がハマった。ほぼこの4人でシーズンを乗り切り、控えも荒木貴裕(近大~09年③)に奥村展征日大山形高~13年巨④)、宮本丈(奈良学園大~17年⑥)とまさに少数精鋭で乗り切ったシーズンになった。

 村上が22歳、長岡も21歳と若く、山田も30歳で世代交代を急ぐ必要はない。ただ、ポスト山田に向けた準備は必要で、年齢バランスも悪くなく、右打者が少ない状況から将来性豊かな高校生を獲得したい。

 高校生では、ともに遊撃手の戸井零士(天理高)金田優斗(浦和学院高)の評価が高い。戸井はミート力が高く広角に打ち分けられるスラッガー、アスリートタイプの金田は守備力が高く、投手も兼任する強肩で打撃向上はプロ入り後でも遅くない。内田湘大(利根商高)も右の長距離砲で、投手としての評価も高いが、高校通算35本の実績から野手で見てみたい。

 ポスト山田の即戦力候補では、タイプの違う二塁手をリストアップしている。ヒットメーカーの山田健太(立大)はパンチ力もある上位候補。タイプは違うが田中幹也(亜大)は守備範囲が広く、俊足で二遊間も守れセンターライン強化にピッタリの選手。斎藤大輝(法大)は、広角に打てる巧打者。また、門脇誠(創価大)は3年秋には首位打者打点王の2冠に輝いた遊撃手で、攻撃的なチームにフィットすると思う。

 ☆外野手~ポスト青木の即戦力、高校生は必須

 レギュラーが確立し、若手も豊富な内野手と反して、規定打席をクリアしたのは塩見しかいない。山崎晃大朗(日大~15年⑤)と故障で離脱していたサンタナがいるが、塩見も山崎も30歳を迎え、来年41歳の青木宣親早大~03年④)も衰えを隠せず、世代交代を急ぐ必要がある。

 ルーキーの丸山や超がつく俊足の並木秀尊(独協大~20年⑤)など楽しみな選手もいるが、19歳~22歳の選手が不在で数的にも補強は必要だ。

 上位候補で蛭間拓哉(早大浅野翔吾(高松商高が1位候補だが、蛭間は西武が1位指名を公表、浅野も巨人と阪神の指名が濃厚で、重複覚悟の指名になる。タイプは違うが蛭間はポスト青木にピッタリだが、打線に余裕があるだけに将来性で浅野の指名がベストだと思う。逆方向にも長打が打てるスラッガー森下翔太(中大)も上位候補で、守備も含め評価上昇中でプロでも十分通用するレベルに成長している。

 浅野に次ぐ高校生では、高校通算54本の巧打者、西村瑠伊斗(京都外大西高は遠投120メートル、50メートル6秒の俊足でトリプルスリーも狙える逸材。井坪陽生(関東一高は俊足に加え、ミート力に長け逆方向に強い打球を打て、浅野を外した場合は是非とも獲得したい。機動力だけなら黒田義信(九州国際大高)はピカ一で、プロで体を作り打撃力が向上できればリードオフマン候補になる。

 

●即戦力で投手力強化か、不足の外野手で打線に厚みを持たせるか、注目の1位指名

 ヤクルトの1位予想は難しく、優先課題は投手力強化なので、競合覚悟で矢澤宏太(日体大金村尚真(富士大)の即戦力投手指名が有力だが、ポスト中村の捕手強化で松尾汐恩(大阪桐蔭高)、不足している外野手には、蛭間拓哉(早大浅野翔吾(高松商高森下翔太(中大)と逸材が並び、野手1位行くのであれば松尾と浅野が候補になると思う。

 また、ソフトバンクが1位指名を公表しているイヒネ・イツア(誉高)も候補の一人で、現有戦力が枯渇している状況ではないので、有望選手を競合覚悟で思い切って獲得に行ける強みがある。

【指名シミュレーション】 

1位~松尾汐恩(大阪桐蔭高・捕手)…高校から捕手に転向した打てる正捕手候補

2位~青山美夏人(亜大・投手)…派手さはないが安定感抜群の投球でゲームメーク

3位~斎藤響介(盛岡中央高・投手)…フィールディングにも優れ総合力が高い

4位~吉川悠斗(浦和麗明高・投手)…スリークオーター左腕で球速以上のキレ

5位~入江 空(茨城日産・投手)…今年球速がアップし150キロを超えた左腕

6位~黒田義信九州国際大高・外野手)…高い走塁技術の足が武器で、打撃も成長中

 おススメの選手は、投手もこなす二刀流捕手の愛澤祐亮(京大・捕手)で、インサイドワークに長けた強肩で、捕手として総合力が高い。また、投げてはサブマリンの異色選手で、投手と捕手の経験がリードにも活きている。上位で捕手を獲得できなかった場合は下位、育成で指名しても面白い。

22年ドラフト予想☆オリックス~投手は左腕中心に先発強化!野手は二塁と外野に即戦力必要

山本と吉田正の投打の柱を軸に、勝負所で負けないチームになり、リーグ連覇!

 2年連続でマジック点灯なしで連覇し、同率首位も最終戦での逆転優勝も史上初だった。一言で言うと「負けないチーム」になり、とにかく「ここで負けたら終わり…」という試合を確実に獲ってきた。

 昨年は、ロッテが1つでも勝てばマジック点灯の適地3連戦で3連勝し逆転優勝の足転機になった。今季も序盤は苦戦し、楽天と最大11.5ゲーム差まで拡がったが、9月中旬に首位に並ぶと、ソフトバンクがマジック11を点灯させ臨んだ適地3連戦3連勝で再び首位に浮上した。

 そしてラスト2試合、オリックスは2勝0敗しか許されない状況で、ロッテと楽天に連勝。1分けでも優勝のソフトバンクが連敗し逆転優勝した。同率の場合、直接対決で勝ち越ししているチーム優勝のリーグ規定で、15勝10敗のオリックスが優勝を決めた。まさに、9月17~19日の3連戦がペナントレースを大きく左右した。

 あえて「負けないチーム」と表現したのは、投打でチーム成績でずば抜けた数字がない。チーム防御率、打率こそともに2位だが、昨年リーグ1位だった本塁打は最下位、盗塁数も5位で長打力も機動力も不足しており、総得点数はリーグ4位、失策も4位と決して堅守な訳でもない。

 オリックスの最大の強みは、何といっても山本由伸(都城高~16年④)と吉田正尚青学大~15年①)の投打の大黒柱の存在が大きい。山本は15勝5敗で最多勝防御率は1.68で最高防御率、さらに最高勝率、最多奪三振の2年連続投手4冠で、完投数も投球回数も最多で、任された大事な試合を落としたことがない。

 吉田正は3年連続首位打者は逃したものの、打率、打点、四球数、長打率がリーグ2位で、出塁率は唯一4割を超え、チャンスメークにポイントゲッターとまさに打線の核だった。

 昨年は杉本裕太郎(JR西日本~15年⑩)が覚醒し、本塁打を量産する派手な試合で勝ち進んだが、今季は山本と吉田正を軸に、リーグ最少の与四球数、リーグ最多の犠打数に見られるように、無駄な走者を溜めず、犠打を使用して1点をもぎ取り守り切る野球で連覇を果たした。

 山本も吉田正も将来的にMLB移籍を希望しているが、この2人がいる限り大崩れすることはない。何より連覇したことで、選手が勝ち方を覚えた。今季は大混戦だったが、来季はオリックス中心のペナントレースになりそうな気がする。

【今シーズンのチーム成績 ※( )は昨年の成績】

 勝敗 143試合 76勝65敗2分①

 防御率…2.84②(3.31②)打率….246②(.247①)

 本塁打…89⑥(133①)盗塁62⑤(50⑤)

 得点…490④(551①)失点…458②(500②)

 

●過去5年は、毎年のように投打で主力を獲得!高校生がチームの土台になりつつある

 以前よりは高校生指名が増えたが、高校生が大学生・社会人を上回った年は19年~20年だけで基本的に大学生・社会人中心の指名が基本だ。

 オリックスのドラフトの潮目が変わったのは、13年から5年続いた単独指名で、この5年の勇気ある指名が連覇の土台を作ったと言っても過言ではない。昨年退団したが吉田一将から始まり、山崎福也(明大~14年①)、吉田正、山岡泰輔(東京ガス~16年①)が主力になっている。

 単独指名を競合を避けた消極的戦略と捉える意見もあるが、競合の人気選手を敢えて外して単独指名で行くのだから、失敗はスカウトの責任に直結する。現場とフロントの信頼感がないとできない指名だと思う。

 また、決して多くない高校生が主力に成長している。意外だが山本は4位指名、宮城は外れ外れ1位指名で、当然、他球団にも獲得のチャンスはあった。投手ならクローザー候補の山崎颯一郎(敦賀気比高~16年⑤)や本田仁海(星槎国際湘南高~17年④)に、野手は宗佑磨(横浜隼人高~14年②)に紅林がレギュラーで、若月健矢(花咲徳栄高~13年③)などチームの土台になりつつある。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 17年④…田嶋大樹(JR東日本/①・投手)福田周平(NTT東日本/③・内野手

 18年④…中川圭太(東洋大/⑦・内野手

 19年⑥…宮城大弥(興南高/①・投手)紅林弘太郎(駿河総合高/②・内野手

 20年⑥…阿部翔太(日本生命/⑥・投手)

 21年①…なし

  ↓↓

オリックスの補強ポイント】 

 投 手…即戦力の先発、高卒投手

 捕 手…人数不足で高卒または大卒

 内野手…高校生、即戦力二塁手

 外野手…即戦力の大学生スラッガー(右打ちならベスト) 

 

☆投手~即戦力の先発、高卒投手

 先発はエース山本を中心に、宮城と田嶋、山崎福の左腕トリオに山岡がおり、山崎福以外が全員が20歳代と末恐ろしい布陣だ。ただ、課題もあり、次に続く先発投手が不足気味で、好投していた期待の椋木蓮東北福祉大~21年①)の離脱は痛かった。

 一方、課題だったリリーフは層が厚くなり、ベテランの平野佳寿京産大~05年希)が28セーブを上げ、阿部と本田、育成から復帰した近藤大亮(大商大~15年②)に新外国人ビドルを中心に、勝利の方程式にこだわらず、打順や打者との相性で臨機応変の投手起用が光った。

 そのなかで、山崎颯やワゲスパックがリリーフの適性を見せ、比嘉幹貴日立製作所~09年②)と黒木優太(立正大~16年②)の経験豊富なリリーバーに、宇田川優希(仙台大~20年育③)や村西良太(近大~19年③)の若手が加わり、強固な投手陣が形成された。

 そんななか今年は、最速150キロの長身スリークオーター左腕の曽谷龍平(白鷗大)の1位指名を公表した。今季は安定感抜群の先発陣だったが、山崎福が30歳を超え、椋木の復帰の目途が立っていないなか、層の厚くなったリリーフより先発陣の強化を決めた。

 ただ、曽谷は競合が予想され、外した場合は既に日本ハムが1位指名公表の矢澤宏太(日体大や、楽天やヤクルトが高評価の金村尚真(富士大)が残っている可能性は低く、益田武尚(東京ガス河野佳(大阪ガス)が候補になる。

 おススメは、山岡や田嶋と同じ高卒3年目の河野で、平均145キロ前後の真っ直ぐに変化球を駆使する本格派右腕。昨年の社会人日本選手権ではMVPを受賞している。

 このほかの上位候補では、153キロの真っ直ぐとフォークで奪三振率の高い才木海翔(大経大)に、ともに伸びしろ十分の高校生左腕の森下瑠大(京都国際高)森山暁生(阿南光高)は他球団もマークしており、状況次第では上位指名もある。また、仲地礼亜(沖縄大)も大学4年時に球速が伸び、評価上昇中の選手だ。

 このほか、ともに小柄ながら豊富なスタミナが武器の大野稼頭央(大島高)や勝負度胸があり奪三振率の高い伊原陵人(大商大)、曽谷と同じスリークオーター左腕の吉川悠斗(浦和麗明高)の評価が高い。ストレートは早くないが、多彩な変化球で打ち取る漢人友也(中京大はチームにいないタイプで面白いと思う。

☆捕手~人数不足で高卒または大卒

 今シーズンも伏見寅威(東海大~12年③)が最もマスクを被り、若月健矢(花咲徳栄高~13年③)と頓宮裕真(亜大~18年②)の併用になっている。若月も頓宮も若く、急いで補強の必要はないが、捕手の支配下選手が6名しかおらず、数的に補強が必要だ。

 また、伏見はFA権を取得し、移籍の可能性もゼロではない。報道では森(西武)獲得の噂もあるが、状況は不透明だけに確実に人数は確保したい。昨年、福永奨(国学院大~21年③)を獲得しており、今年豊富な高校生で良いと思う。

 上位候補は松尾汐恩(大阪桐蔭高)で、オリックスも現状2軍でじっくり育成できる余裕があり、山本や平野など超一線級の投手のボールを受けるだけでも経験になる。曽谷を外した場合、松尾1位指名もアリだ。

 このほか、高野光海(池田高)もリストアップしており、長打力だけなら松尾に退けを取らず、打撃がセールスポイントで高校で兼任する外野手起用も出来る。このほか、長打力なら清水叶人(健大高崎高)高山維月(浦和学院高)も候補になる。 

内野手~高校生、即戦力二塁手

 昨年に引き続き、三塁に宗、遊撃に紅林がレギュラーだが、紅林が打撃面での成長が乏しかったのは数少ない誤算だっただろう。ただ、遊撃には打撃の良い野口智哉(関大~21年②)もおり、2人の競争が着実に力になると思う。

 不安材料は二塁で、今季も安達了一(東芝~11年①)が最も出場機会が多いが、難病を抱えている安達にフル出場は難しく、センターライン強化で二塁手を固定したい。本来でれば大田椋(天理高~18年①)等がチャンスを掴みたいどころだが、攻守に物足りなさは否めない。

 上位でリストアップされているのは、山田健太(立大)田中幹也(亜大)で、ともにタイプは違うが守備力に定評のある二塁手。山田は長打力も兼ね備えるヒットメーカーで、田中は菊地(広島)並みの広い守備範囲を誇り、俊足で機動力も使えチームのウィークポイントに合致する。

 個人的には走攻守揃った中山遥斗(三菱重工イースト)や打力の良い福永裕基(日本新薬、守備の良い和田佳大(トヨタ自動車の社会人指名も面白いと思う。

 このほかは、年齢バランスで高校生をリストアップしており、スケールの大きい長距離砲の内藤鵬(日本航空石川高)は、吉田正や杉本など手本が多くチームカラーに合っている。戸井零士(天理高)キャプテンシーもある大型遊撃手で、紅林の良きライバルになれる。 

☆外野手~即戦力の大学生スラッガー(右打ちならベスト) 

 外野は左翼に中川圭と吉田正、中堅に福田、右翼に杉本がいるが、中川圭を除き全員が30歳代で世代交代が必要で、プラス吉田正のMLB移籍に備えて強化が必要だ。

 吉田正と杉本以外で、スラッガータイプは元謙大(中京高~20年②)と来田涼斗(明石商高~20年③)のみで、年齢バランスも含め今年は大学生または社会人の即戦力で強化したい。

 上位候補で蛭間拓哉(早大の名前が挙がるが、西武が1位指名を公表しており、獲得は不可能で、そうなると森下翔太(中大)が候補になる。森下はここに来て評価上昇中の右のスラッガーで、中堅を守り守備も巧く、補強ポイントにはピッタリだ。

 また、仙台6大学リーグで三冠王を獲った杉澤龍(東北福祉大は広角に打ち分ける打撃技術に長打力もあり、長打力なら中村貴浩(九産大も上位候補に引けをとらない。杉澤と中村は左打ちだが、右打ちなら萩尾匡也(慶大)は今春から持ち前の長打力を発揮している。

 高校生では、西村瑠伊斗(京都外大西高古川雄大佐伯鶴城高)藤田大清(花咲徳栄高)のタイプの違う選手の評価が高い。西村は左の巧打者で高校通算54本のパンチ力もあり、内角の捌き方は高校生離れしている。古川は走攻守に高いポテンシャルを秘め、時間がかかるかも知れないが大化けの可能性が高い。藤田は左の長距離砲で、チームの補強ポイントにも合っている。

 

●1位はスリークオーター左腕の曽谷!上位は先発強化になるか?

 今年は早くも曽谷龍平(白鷗大)の1位指名を公表した。現時点で重複はないが、楽天とロッテは1位指名の可能性がある。

 外れ指名は投手なら即戦力右腕に河野佳(大阪ガスに、高齢化する外野手の即戦力で森下翔太(中大)、サプライズで松尾汐恩(大阪桐蔭高)が候補になる。森下と松尾は重複の可能性も高く、当日の1位入札指名に注目したい。

【指名シミュレーション】 

1位~河野 佳(大阪ガス・投手)…140キロの直球を軸に安定感抜群の本格派右腕

2位~森下瑠伊斗(京都外大西高・外野手)…高校では投手としても活躍のスラッガー

3位~戸井零士(天理高内野手…ミート力に長け課題の守備力も向上した遊撃手

4位~仲地礼亜(沖縄大・投手)…今年、最速150キロを超え伸びしろ十分の隠し玉

5位~杉澤 龍東北福祉大・外野手)…リーグ戦で三冠王を獲得した巧打者

6位~高野光海(池田高・捕手)…遠くに飛ばす力はけた違いで、ミート力も向上

 おススメ選手は、玉置隼翔(四国IL愛媛・投手)を推したい。190センチの長身から角度のあるボールを投げ込み、スライダーとフォークを武器に奪三振率が高い。また、ここにきてストーレートの球速も上がってきており、投手力育成に長けたチームでどんな成長をするか見てみたい。