ドラフトを知ると野球がもっと楽しくなる

どのチームが「人」を育て強くなるのか

19年のドラフトを振り返る~5年目の今季、チームに貢献する選手は?

 昨シーズン5年目を迎えた18年ドラフト組は、投手では小島和哉(ロッテ)と戸郷翔征(巨人)がエース格に成長し、清水昇(ヤクルト)と島内颯太郎(広島)は中継ぎでタイトルを獲得している。野手では近本光司(阪神)の活躍がずば抜けており、最多安打盗塁王は4度獲得しており、3年連続でベストナインゴールデングラブ賞に選手されている。

【18年指名の主力選手】※は現在育成契約

 投 手…甲斐野央(東洋大ソフトバンク①)清水 昇(国学院大~ヤクルト①)

       松本 航(日体大~西武①)島内颯太郎(九共大~広島②)

       小島和哉(早大~ロッテ③)大貫晋一(新日鉄住金鹿島~DeNA③)

       戸郷翔征(聖心ウルスラ高~巨人⑥)※森脇亮介(セガサミー~西武⑥)

 捕 手…太田 光(大商大~楽天②)

 内野手…小園海斗(報徳学園高~広島①)野村佑希(花咲徳栄高~日本ハム②)

       木浪聖也(ホンダ~阪神③)中川圭太(東洋大オリックス⑦)

 外野手…辰巳涼介(立命大~楽天①)近本光司(大阪ガス阪神①)

 また、5年目の昨季にブレイクした選手も多かった。代表格は頓宮裕真(亜大~オリックス②)と万波中正(横浜高~日本ハム④)で頓宮は首位打者を獲得し、万波もリーグ2位の25本塁打を放った。このほか山口航輝(明桜高~ロッテ④)と小郷裕哉(立正大~楽天⑦)も初の規定打席をクリアし、小郷は今季1番打者としてチーム牽引している。また、佐藤龍世(冨士大~西武⑦)に田宮裕涼(成田高~日本ハム⑥)は今季のブレイク候補として存在感を増している。

 投手では鈴木翔天(冨士大~楽天⑧)がチーム最多の61試合に登板し、坂本光士郎(新日鉄住金広畑~ヤクルト⑤→ロッテ)と福田俊(星槎道都大~日本ハム⑦)も主戦としてキャリアハイの成績を残した。

令和の怪物・佐々木朗希と甲子園のヒーロー奥川恭伸に注目が集まった19年

 前置きが長くなったが、そろそろ19年のドラフトを振り返ってみよう。19年は西武がリーグ2連覇を果たすものの、2年連続CSでソフトバンクに敗れ、そのソフトバンクが、セ・リーグ優勝の巨人を4連勝で圧倒し日本一に輝いた。

 19年ドラフトの目玉は、令和の怪物と言われた佐々木朗希(大船渡高)と甲子園準優勝投手の奥川恭伸(星稜高)の超高校級右腕に、甲子園でも活躍した石川昂弥(東邦高)井上広大(履正社高)の両スラッガー、俊足巧打の森敬斗(桐蔭学園高)など高校生に逸材が揃った。

 大学生では、高校時代から注目されていた森下暢仁(明大)を中心に、吉田大喜(日体大)や津森宥紀(東北福祉大が上位候補に挙がり、佐藤都志也(東洋大海野隆司(東海大など捕手に好素材が揃った。

 社会人では宮川哲(東芝野和明(東海理化)、太田龍JR東日本)、河野竜生(JFE西日本)など即戦力投手が揃った。

 結果、1位入札指名では、佐々木朗希には日本ハム・ロッテ・楽天・西武の最多4球団が指名し、奥川恭伸にはヤクルト・阪神・巨人、高校ナンバーワンスラッガーと言われた石川昂弥にもオリックス・中日・ソフトバンクの3球団が競合した。残る2球団はいずれも単独指名で、広島は難なく森下暢仁を指名し、DeNAは森敬斗を獲得した。

 佐々木を外した日本ハムは河野竜生、西武は宮川哲をそれぞれ競合の末に獲得し、楽天は俊足巧打の小深田大翔(大阪ガス内野手を単独で指名した。奥川を外した阪神西純矢(創志学園高・投手)、石川を外したソフトバンク佐藤直樹JR西日本・外野手)を獲得。抽選を2度外したオリックス宮城大弥(興南高・投手)、巨人は堀田賢伸(青森山田高・投手)を指名し1位指名は終了した。

 支配下では74名が指名され、5年目を迎える前に13名の選手がNPBを去っている。また、ソフトバンクの佐藤を始め、11名の選手が支配下から育成契約になっており、佐々木や宮城など若きWBC代表選手がいるなか、結果的には物足りないドラフトになった。

 5(大成功)…なし

 4(成 功)…オリックス、ロッテ、ソフトバンク

 3(及第点)…ヤクルト、中日

 2(今一つ)…広島、阪神楽天、DeNA

 1(失敗…)…日本ハム、西武、巨人

●投打の主力を獲得したロッテとオリックスソフトバンクは投手の活躍が光る

 大成功とは言わないが、現段階でこの年の一番の成功はロッテと言える。史上最年少で完全試合を達成した1位の佐々木朗希が着実にエースの階段を上り、4位の横山陸人(専大松戸高/投手)も昨年初勝利、初セーブを上げポスト益田直也のクローザー候補に成長した。また、ケガで離脱しているが育成1位の本前郁也(北翔大/投手)も通算で4勝を上げ復帰が待たれる。

 野手では2位の佐藤都志也が今季は3割を超える打撃で好スタートを切り、3位の高部瑛斗(国士館大/外野手)はケガで一軍が1年以上遠ざかっているが、22年には盗塁王ゴールデングラブ賞を獲得しており復帰が待たれる。さらに移籍組だが、オリックス育成6位の元気印・大下誠一郎(白鷗大/内野手もおり、19年組の活躍は頭一つ抜けており、佐々木に佐藤、横山は今季キャリアハイの更新が期待できる。

 ソフトバンクも良いドラフトになった。投手では3位の津森宥紀が通算166試合に登板し10勝(10敗)54ホールドは見事な成績で層の厚いリリーフ陣の勝ちパターンの一角を担っている。育成2位の大関友久(仙台大/投手)開幕投手も務め、通算12勝を上げ、今季は規定投球回数のクリアが期待できる。野手では5位の柳町達(慶大/外野手)の活躍が光り、19年のドラフトを見ていた際、津森と柳町の順位の低さに驚いたが、期待通りの活躍を見せている。

 ただ、柳町はシュアな打撃で昨年はキャリアハイの116試合に出場したが、今年はチームが絶好調のなか一軍から声が掛からない。一方、2位の海野隆司は、正捕手の甲斐拓也の控えとして、第2の捕手として一軍に帯同し、出場機会が徐々に増えている。

 量的には不足しているが、オリックスも成功と言える。とにかく1位の宮城大弥は外れ外れ1位ながら、4年で35勝(17敗)を上げ山本由伸が移籍した今季はエースとしてチームを支えている。2位では中央では無名だった大型遊撃手の紅林弘太郎(駿河総合高/内野手を指名し、紅林は2年目より遊撃のレギュラーを獲得し、リーグを代表するショートとして着実にレベルアップしている。 

●下位指名が大活躍のヤクルト、中日は高校生野手が主力に成長で及第点

 及第点はヤクルトと中日で、ヤクルトは上位指名選手が軒並み不振のなか、4位の大西広樹(大商大/投手)は中継ぎとして、昨年はキャリアハイの46試合(通算127試合)に登板し、昨年から勝ちパターンの一角を担っている。

 一番の成功は5位の長岡秀樹(八千代松陰高/内野手で、3年目に自慢の堅守で遊撃のレギュラーを掴むと、22年にはゴールデングラブ賞を獲得し、今季は課題の打撃も向上し不動のレギュラーが見えてきた。6位の武岡龍世(八戸学院光星高/内野手も長岡に後れを取ったものの、昨年はキャリアハイの40試合に先発出場し、ポスト山田哲人二塁手候補として期待値は高い。

 復活が待たれるのが奥川恭伸で、2年目に9勝を上げてエース誕生を期待されたが、22年以降は1試合登板に留まっており、奥川が復帰し、長岡と武岡の同期の二遊間が形成できれば一気に成功ドラフトになる。

 中日は石川昂弥が、昨年初の規定打席をクリアし、85試合で4番に座り13本塁打を放った。その石川を上回る成績が6位の林勇希(菰野高/外野手)で、3年目に自慢の巧打と俊足を活かした守備、元投手の強肩の走攻守揃ったプレーでレギュラーを獲得すると、22年には最多安打、2年連続でベストナインゴールデングラブ賞を受賞しチームの顔に成長した。

 勿体なかったのは現在、日本ハムで活躍中の4位の郡司裕也(慶大/捕手)で、元々打撃に定評のある選手で、チームは打撃が課題だっただけに悔いが残る、ただ、トレード自体は大成功で、郡司との交換で入団した斎藤剛記は貴重なリリーフ、宇佐見真吾も勝負強い打撃でチームに欠かせない存在になっている。

●投手の奮闘が光る広島とDeNA、阪神楽天は高校生選手が伸び悩み

  ここからは今一つのドラフトになる。広島は1位の森下暢仁が、期待通りの投球を見せ、新人王を獲得し、通算37勝を上げエース格に成長した。玉村昇悟(丹生高/投手)も高卒6位指名ながら通算9勝を上げ、ローテーション定着が期待される。ただ投手は成功だが、野手は伸び悩み、2位の宇草孔基(法大/外野手)や5位の石原貴規(天理大/捕手)は、年齢的にも今季は結果を残さないと後が厳しくなる。

 1位から5位まで高校生を指名した阪神も、広島と同様に投手陣はまずまずだが野手は今ひとつと言える。1位の西純矢は先発で通算12勝、3位の及川雅貴(横浜高/投手)はリリーフで73試合17ホールドを上げている。ただ、厚い投手陣に阻まれ中々一軍定着とはなっていない。野手は2位の井上広大と育成1位の小野寺暖(大商大/外野手)の2人しか一軍出場がなく、高校生主体でまだ判断するには早いが、こちらもレギュラー陣が強固なだけに出番が限られている。

 楽天は1位の小深田大翔が1年目からレギュラーを獲得し、俊足を活かし盗塁王のタイトルも輝いた。ただ、2位以降が伸び悩んでおり、6位の瀧中瞭太(ホンダ鈴鹿/投手)は先発ローテーションを任される時期もあったが一軍定着とはいかず、2位の黒川史陽(智弁和歌山高/内野手や4位の武藤敦貴(都城東高/外野手)も期待の若手のまま5年目を迎えた。ただ、黒川と武藤は楽天に多い左打者で似たり寄ったりの選手が多く気の毒な点もあり、他球団なら…とつい思ってしまう。

 DeNAは高校生2名が僅か3年で退団するなか、3位の伊勢大夢(明大/投手)が一人奮闘して、通算201試合登板は19年のドラフト組では最多登板で、まさしく鉄腕としてチームを支えている。意外だったのは1位の森敬斗の不振で、ここまで打撃で苦労するとは思わなかった。今季は同級生の石上泰輝(東洋大~23年④)が遊撃で開幕スタメンを掴むなか、森は二軍スタートになり奮起が期待される。2位の坂本裕哉(立命大/投手)と6位の蝦名達夫(青森大/外野手)も一軍半を抜け切れていない。

指名したほとんどが退団の日本ハム…西武と巨人も在籍選手の活躍が不足…

 先ずは日本ハムだが、僅か4年で支配下7名中4名が既に退団し、1名は育成契約になっている。さらに育成指名の3選手全員が支配下になったが、こちらも全員が退団しており、在籍しているのは1位の河野竜生と4位の鈴木健矢(ENEOS/投手)だけで、この2人の活躍がせめての救いだ。

 西武は日本ハムとは違い、指名した8名全員がNPBに在籍しているが、1位の宮川哲はトレードでヤクルトへ移籍し、3位の松岡洸希(BC武蔵/投手)は現役ドラフトで日本ハムへ移籍(現在は育成契約)し、松岡以外に3選手が育成契約になっている。結果、支配下でチームに残っているのは2位の浜屋将大(三菱日立PS/投手)と5位の柘植世那(ホンダ鈴鹿/捕手)、8位の岸潤一郎(四国IL徳島/外野手)だけでは寂しい。ただ、柘植と岸は一軍で活躍し、チャンスの多いチーム状況だがレギュラー獲得には至っていない。

 巨人も現状は厳しい…。19年は高校生主体のドラフトになったが、1位の堀田賢伸と4位の井上温大(前橋商高/投手)は育成契約を経て、現在は支配下だが2名とも通算11試合登板で堀田は2勝、井上は1勝では戦力になり切れていない。5位の山瀬慎之介(星稜高/捕手)も強肩は折り紙つきだが、打撃がサッパリで全体と比較しても失敗ドラフトと言われても仕方ない。

 上位指名は別として、投手ならロッテの横山や広島の玉村、野手ならヤクルトの長岡や武岡、中日の岡林はいずれも4位以降の指名だが、活躍は勿論のこと将来の主力として期待値を感じるが、残念ながら巨人にはその期待値も感じない。堀田も井上も将来性のある選手で、少し我慢して起用して大きく育て欲しいと思うのは私だけだろうか。

24年☆順位予想~セ・リーグは阪神は頭一つ抜けており、パ・リーグは混戦予想

 いよいよ明日、待ちに待ったプロ野球が開幕します。今年も熱戦に期待し、僭越ながら、順位予想をしてみたいと思います。(選手指名は開幕一軍、※は新加入選手)

セ・リーグは、頭一つ阪神が抜けており、独走を許さない展開に持ちこみたい

 ①阪 神 ②巨 人 ③広 島 ④DeNA ⑤中 日 ⑥ヤクルト

 セ・リーグは、阪神がやはり頭一つ抜けていて、チーム初のリーグ連覇の確率は高いと思う。2位~4位は混戦模様だが、昨年より投手力が改善し、若手の期待が大きい巨人を2位予想した。広島とDeNAは先発の安定感で広島を3位予想、オープン戦首位の中日は昨年よりは打力が向上したと思うが、Aクラス入りは厳しい。ヤクルトは投手力が不安で、ケガ人も多く最下位予想とした。

1位…阪神タイガース

 やはり投打に戦力が充実している。強力な投手陣は万全で、先発では2年目の門別など期待の若手も開幕ローテーションを引き寄せた。リリーフは岩貞祐太や湯浅克己が出遅れたが、新外国人のゲラや3年目の岡留が好調で心配より期待値の方が大きい。

 攻撃陣はレギュラーが確立され、昨年のように出塁率を上げ、機動力や犠打を活用して前の塁に進める形が継続できれば隙はなく、失策数の多さを解消できれば理想的な守り勝つ野球ができる。不安材料は連覇のプレッシャーから自滅しないようにしたい。

 投手…青柳晃洋 門別啓人(伊藤将司 才木浩人 村上頌樹 大竹耕太郎)

      ゲラ 岩崎 優 ※漆原大晟 島本浩也 桐敷拓馬 加治屋蓮 岡留英貴

      石井大智

 捕手…梅野隆太郎 坂本誠志郎 長坂拳弥

 内野…木浪聖也 大山悠輔 熊谷敬宥 佐藤輝明 糸原健斗 小幡竜平 植田 海

      原口文仁 

 外野…森下翔太 近本光司 ノイジー 島田海吏 前川右京 小野寺暖

2位~読売ジャイアンツ

 開幕直前に唯一の外国人野手のオドーアが退団したが心配はない。むしろ実績に関係なく毅然と二軍調整を命じた阿部監督の決断を評価したい。当然、自分たちで勝ち取った開幕一軍だが、ルーキーの佐々木と泉口、2年目の浅野、トレードで加入した郡、言葉は悪いが干され気味だった松原など、ファン以外でも期待を感じさせる布陣だ。

 たふだ、優勝を目指すには投手力阪神には遠く及ばず、西舘や高橋礼、ケラー、二軍スタートだが馬場皐輔や泉圭輔の新戦力に期待したい。

 投手…戸郷翔征 高橋 礼 グリフィン(菅野智之 山崎伊織 メンデス)

      大勢 ※西舘勇飛 赤星優志 ※ケラー 中川晧太 バルドナード 

      船迫大雅 堀田賢伸 松井 颯   

 捕手…小林誠司 大城卓三 ※郡 拓也

 内野…湯浅 大 吉川尚輝 門脇 誠 坂本勇人 岡本和真 ※泉口友汰

 外野…長野久義 丸 佳浩 萩尾匡也 梶谷隆幸 重信慎之介 ※佐々木俊輔

      浅野翔吾 松原聖弥 

3位~広島東洋カープ

 FAで移籍した西川龍馬(オリックス)の穴は、オープン戦3本塁打の年目の田村と守備走塁に秀でた2年目・久保の活躍で埋まりそうだ。ただ、昨年からの課題の九里に大瀬良、森下、床田の先発4本柱に次ぐ先発候補が見当たらず、リリーフ陣が栗林の復活もあり層が厚くなっただけに、黒原やルーキーの常廣羽也斗に期待したい。

 野手は新外国人の2人がオープン戦かた低迷し、期待に末包昇大もケガで開幕に間に合わず、4番候補不在の課題が解消されず、良くてAクラスと予想した。

 投手…九里亜蓮(大瀬良大地 森下暢仁 黒原拓未 床田寛樹 アドゥワ誠)

      大道温貴 森浦大輔 栗林良史 中崎翔太 益田武尚 塹江敦哉 矢崎拓也

      島内颯太郎 河野 佳

 捕手…曾澤 翼 坂倉将吾 石原貴規

 内野…上本崇司 田中広輔 堂林翔太 ※レイノルズ 菊池涼介 小園海斗

      矢野雅哉 羽月隆太郎 ※シャイナー 

 外野…秋山翔吾 野間峻祥 松山竜平 久保 修 田村俊介    

4位…横浜DeNAベイスターズ

 戦力的には巨人や広島とも遜色ないが、エースの今永昇太(カブス)やバウアー、エスコバーの主力の移籍で、投手陣の戦力ダウンは否めずBクラス予想にした。リリーフは山崎に森原、伊勢にウェンデルケンと錚々たる布陣だが、先発で計算できるのが東と大貫しかおらず、暫くは先発ローテーションの編成に苦労しそうだ。

 野手はソトが移籍したが、度会と石上の両ルーキーがオープン戦でも結果を残し、オースティンが完全復活すれば得点能力は高く、やはりポイントは投手陣になる。

 投手…東 克樹(大貫晋一 小園健太 ※森 唯斗 ※中川 颯 平良拳太郎) 

      伊勢大夢 徳山壮磨 山崎康晃 上茶谷大河 松本凌人 森原康平 

      石川達也 ウェンデルケン ※ウィック

 捕手…松尾汐恩 伊藤 光 山本祐大

 内野…林 琢真 牧 秀悟 オースティン 大和 西浦直亨 ※石上泰輝 宮崎敏郎

      西巻賢二 京田陽太

 外野…桑原将志 ※度会隆輝 佐野恵太 楠本泰史 梶原昂希 関根大気

5位~中日ドラゴンズ

 一昨年とうって変わって、昨年は他球団の戦力外の選手を積極的に補強したが、正直、立浪監督がどんなチームにしたいか益々分からない。

 投手は先発で柳と小笠原の二枚看板に、ファームで調整中の高橋宏斗も控えており、リリーフはマルティネスを中心に層が厚い。投手陣は良いが課題は攻撃陣で、岡林勇希の調整不足は致し方ないとしても、石川昂弥や鵜飼航丞を外して、オープン戦でそれほど結果を残していない新外国人選手の起用など首を傾げてしまう。

 投手…柳 裕也 涌井秀章 メヒア(小笠原慎之介 梅津晃大 大野雄大) 

     橋本侑樹 祖父江大輔 勝野昌慶 ※梅野雄吾 ※土生翔太 清水達也

     斎藤鋼記 松山晋也 マルティネス 

 捕手…木下拓哉 宇佐見真吾 加藤匠馬

 内野…田中幹也 高橋周平 村松開人 ※中田 翔 ※中島宏之 ※山本泰寛 

      ※ロドリゲス カリステ 

 外野…※尾田剛毅 大島洋平 三好大倫 後藤駿太 細川成也 ※ディカーソン

6位~東京ヤクルトスワローズ

 キャンプ序盤で奥川恭伸が離脱し、エースの小川泰弘も間に合わず、開幕投手にサイスニードを持ってこらずを得ない状況に台所事情の苦しさが見える。高橋や2年目の吉村が軸になって欲しいが、それでも枚数が不足しており厳しい戦いが予想される。

 攻撃陣も良く言えばレギュラーが安定していると言えるが、悪く言えば控えとの差が大きいだけで、昨年のように主力が離脱したり不振に陥ると厳しく、スタートに失敗すればそのまま浮上できない可能性が高く、僅か2年でチーム力が後退してしまった。

 投手…サイスニード(石川雅規 吉村貢司郎 小澤怜史 高橋奎二 ※ヤフーレ)

      石山泰稚 清水 昇 木澤尚文 星 知弥 田口麗斗 ※エスパーダ

      山本大貴 大西広樹 ※嘉弥真新也 

 捕手…中村悠平 西田明央 松本直樹

 内野…赤羽由紘 山田哲人 川端慎吾 長岡秀樹 オスナ ※北村拓己 村上宗隆

      武岡龍世

 外野…並木秀尊 ※西川遥輝 丸山和郁 塩見泰隆 青木宣親 サンタナ

パ・リーグは混戦模様で、今季はスタート肝心で前半戦が勝負になる

 ①ロッテ ②オリックス ③西 武 ④ソフトバンク ⑤日本ハム ⑥楽 天

 パ・リーグは、申し訳ないが楽天を除いた5チームの混戦になると思う。ペナントレースの中心は4連覇を狙うオリックスになると思うが、主力投手2人が抜けた穴は大きく、西武は打撃力、ソフトバンク投手力に大きな課題がある。日本ハムは台風の目になるとは思うが、まだ優勝に届く戦力ではなく、消去法ではないが戦力が平均化しており、直近5年で3度の2位のロッテを若手の覚醒を加味して優勝と大胆予想した。

1位~千葉ロッテマリーンズ

 正直、過小評価されているチームだと思う。確かに佐々木以外に目立った選手はいないが、チーム力で直近5年で3度の2位はもっと評価されても良いはずだ。

 投手なら開幕投手の小島、佐々木と種市の先発3本柱は強力で、リリーフも益田を中心にして層は厚く、佐々木がシーズン完走できればチームの成績も大きく変わってくる。野手では藤原恭大の離脱は残念だったが、安田に山口、藤岡に覚醒の気配が漂い、ソトの加入で打線も厚みを増し、若手・中堅個々の伸びしろに期待し優勝予想した。

 投手…小島和哉 種市篤暉 佐々木朗希(西野勇士 メルセデス 中森俊介)

     澤村拓一 高野脩汰 西村天裕 鈴木昭汰 益田直也 横山陸人 澤田圭

     国吉佑樹

 捕手…田村龍弘 佐藤都志也

 内野…友杉篤輝 安田尚憲 藤岡裕大 中村奨吾 大下誠一郎 小川龍成 

      茶谷健太 ※ソト

 外野…荻野貴司 角中勝也 ポランコ 岡 大海 ※愛斗 山口航輝 和田康士朗

2位…オリックスバファローズ

 やはり山本由伸(ドジャース)と山崎福也(日本ハム)移籍の穴は大きく、力量は認めるは経験の浅い山下や東に山本等の代わりを求めるのは酷で、山岡や田嶋もケガが多く、宮城への負担が大きくならないか心配だ。また、宇田川優希や阿部翔太も開幕に間に合わず、新加入に頼らざるを得なく投手陣の編成に時間を擁しそうな感じがする。

 野手は西川の加入はプラスだがが、中川圭太や安達了一の不在が懸念材料で、若手の突き上げも乏しい。主力が揃うまでの序盤をどう乗り切るか中嶋監督の采配に注目だ。

 投手…宮城大弥(山下舜平太 東 晃平 山岡泰輔 田嶋大樹 ※カスティーヨ)

      ※エスピノーザ 平野佳寿 山崎颯一郎 ※吉田輝星 ※マチャド 

      小木田敦也 ※井口和朋 ※高島泰都 ※古田島成龍

 捕手…若月健矢 森 友哉 福永 奨 頓宮裕真

 内野…西野真弘 宗 佑磨 ゴンザレス 紅林弘太郎 廣岡大志 太田 椋

      セデーニョ

 外野)渡部遼人 福田周平 ※西川龍馬 T-岡田 杉本裕太郎 

3位~埼玉西武ライオンズ

 攻撃陣に課題はあるが、今井に平良、ケガで出遅れているは高橋光成の先発3本柱は強力で隅田やルーキー武内も加わり、12球団で随一の先発陣を擁する。リリーフ陣も、経験のある甲斐野の加入でクローザー不在の課題が解消された。また、経験のある炭谷の加入や、古賀の成長も著しくバッテリー強化が進んだ。

 ポイントとなるのは攻撃陣で、外崎と源田以外のレギュラー確立が課題で、新外国人のアギラー、昨年後半活躍した佐藤龍が中軸で結果を残せば優勝にも手が届く。

 投手…隅田知一郎 松本 航 今井達也(※武内夏暉 ボー 平良海馬)

      ※ヤン 増田達至 佐藤隼輔 ※糸川亮太 ※甲斐野央 本田圭佑

      ※アブレイユ 水上由伸 豆田泰志 

 捕手…古賀悠斗 炭谷銀仁朗 古市 尊

 内野…外崎修汰 源田壮亮 佐藤龍世 ※元山飛優 ※アギラー 高松 渡

      中村剛也 ブランドン

 外野…栗山 巧 金子侑司 若林楽人 西川愛也 ※コルデロ 岸潤一郎

4位~福岡ソフトバンクホークス

 過小評価されているのがロッテなら、過大評価されていると感じているのがソフトバンクで、投手は先発陣に不安を抱え、オスナまで繋げる形が出来るか課題で、打線は確かに近藤と柳田、山川の中軸は強力だが、打線全体を見たとき主力に変化がない。

 一方で、当然入れ替えはあるが、開幕一軍に投手はルーキー3名、野手は育成から支配下となった3名が名を連ね、経験に関係なく若手の抜擢と言えば言葉は良いが、主力と控えの差が開きすぎで、主力の離脱が命取りになる可能性が潜んでいる。

 投手…有原航平(東浜 巨 和田 毅 大津亮介 モイネロ 大関友久) 

      津森宥紀 又吉克樹 ※岩井俊介 ※村田賢一 ※澤柳亮太郎 杉山一樹 

      藤井晧哉 オスナ 松本裕樹 

 捕手…甲斐拓也 海野隆司

 内野…川瀬 晃 今宮健太 牧原大成 三森大貴 周東佑京 栗原陵矢 ※山川穂高

      仲田慶介

 外野…近藤健介 中村 晃 柳田悠岐 ※ウォーカー 緒方理貢 川村友斗

5位~北海道日本ハムファイターズ

 正直、今年一番分からないチームであり、不気味なチームと言える。今季はFAで山崎や助っ人のレイエスを大争奪戦のうえ獲得し、上沢(レッドソックス)は移籍したが、加藤貴が残留し例年にない補強を見せている。

 圧倒的に良くなったのが投手陣で、5~6人目のローテーションは新外国人のマーフィーや復帰のバーヘイゲン、北山や鈴木のし烈な争いで層が厚くなった。野手は清宮幸太郎の離脱は厳しいが、新外国人の期待値が大きくペナントレースの台風の目になる。 

 投手…伊藤大海 ※マーフィー(加藤貴之 ※山崎福也 上原健太 北山亘基)

      生田目翼 杉浦稔大 金村尚真 田中正義 河野竜生 鈴木健矢 

      北浦竜次 山本拓実

 捕手…マルティネス 伏見寅威 郡司裕也 田宮裕涼

 内野…加藤豪将 野村佑希 中島卓也 石井一成 水野達稀 細川凌平 奈良間大己

 外野…※スティーブンソン 松本 剛 江越大賀 五十畑亮汰 万波中正 

      ※レイエス

6位~東北楽天ゴールデンイーグルス

 ほとんどの解説者がBクラス(大体は最下位)に予想しており、私も同じだ。最後の最後まで補強らしい補強はなく、山田を支配下にしたくらいで戦力に上積みがない。

 投手は早川に荘司、内に期待がかかるがいずれも経験不足で、松井裕樹パドレス)が抜けたクローザーには則本が入るが、果たしてそこまで繋げることが出来るかが疑問だ。野手の相変わらずの浅村頼みで、開幕一軍を見てもフレッシュさに欠け、捕手厳しい。下手すると開幕早々脱落する可能性もあり、厳しいシーズンが予想される。

 投手…荘司康誠 早川隆久 内 星龍(岸 孝之 藤井 聖 瀧中瞭太)

      則本昂大 ※ターリー 酒居知史 渡辺翔太 宋家豪 藤平尚真 

      西垣雅矢 鈴木翔天 ※松田琢磨   

 捕手…太田 光 田中貴也 石原 彪

 内野…小深田大翔 浅村栄斗 阿部寿樹 茂木栄五郎 鈴木大地 フランコ

      伊藤裕季也 ※山田遥楓 村林一輝

 外野…辰巳涼介 田中和基 岡島豪郎 島内宏明 小郷裕哉 

 以上です。やはり開幕前は予想するだけで、ワクワクしますね。選手の皆さまにはケガなくシーズンを乗り切り、今年も盛り上げて欲しいですね。

24年戦力展望☆広島~今季も全員野球で上位を狙い、優勝を狙える土台づくりを進めるシーズン

 4年連続のBクラスに沈み、一度もコーチ経験のない新井監督を新たに迎えた臨んだシーズンは、前評判は高くなく、大方Bクラス予想だった。スタートから開幕4連敗で、新監督には厳しいスタートになったが、その後の5連勝で借金を完済すると、3~4月を5割で乗り越え、7月の10連勝で阪神と優勝争いを演じ、終盤こそケガで主力の離脱が相次いで阪神に独走を許したが、大健闘の2位でシーズンを終えた。

 昨年は新井監督の再建テーマが明確で、「機動力野球の復活」と「中継ぎ陣の整備」は、チームの弱点を方針化することで、選手がチームの方向性と役割を理解した。

 【過去5年のチーム成績】

    順位   勝敗      打率 本塁打 盗塁   得点 防御率 失点 

 23年 2位 74勝65敗  4分 .246   96本  78個  493点  3.20  508点

 22年 5位 66勝74敗  3分 .257   91本  26個  552点  3.54  544点

    21年 4位 63勝68敗12分 .264 123本  68個  557点  3.81  589点

 20年 5位 52勝56敗12分 .262  110本 64個  523点  4.06  529点

 19年 4位 70勝70敗  3分 .254  140本 81個  591点  3.46  601点

 昨シーズンは得失点差がマイナスで、得点・失点ともリーグ5位と攻守に成績は芳しくない。チーム打率と本塁打はリーグ4位、チーム防御率はリーグ5位だから、数字だけを見ればBクラスだが、チーム全員で勝てる試合をモノにしてきた。新井監督が掲げた再建テーマは、盗塁数は3倍になり、リーグ2位の多さで伝統の機動力が復活。中継ぎ陣もリーグ3位の成績を残し、結果がついてきたことで選手も確信を持てた。    

【過去5年のドラフトの主戦力】

 22年~なし

 21年~松本竜也(投手~ホンダ鈴鹿⑤) 

    20年~栗林良史(投手~トヨタ自動車①)森浦大輔(投手~天理大②)

 19年~森下暢仁(投手~明大①)

 18年~小園海斗(内野手報徳学園高①)島内颯太郎(投手~九共大②)

 一昨年は秋山翔吾(八戸大~10年西③)の電撃加入があったが、資金力に限られているチーム状況から、12球団で唯一FA選手の獲得がなく、徹底的にドラフトを磨いてきた。

 特に昨年のドラフトは100点満点と言っても過言ではなく、常廣羽也斗(青学大~23年①)を競合の末に1位で獲得でき、2位で即戦力左腕ので高太一(大商大~23年②)、3位では素質型左腕の滝田一希(星槎道都大~23年③)を指名し、残念ながら3投手とも開幕一軍には届かなかったが、完璧な上位指名だった。

 また、19年の森下は佐々木朗希(ロッテ)や奥川恭伸(ヤクルト)、20年の栗林は早川隆久(楽天)や佐藤輝明(阪神)などがいる中での単独指名で、元々伝統的に単独指名が十八番のチームだが、相変わらずの巧者振りを発揮した。

 ただ一方で、即戦力選手への偏りが気になるのも事実だ。16~18年のリーグ3連覇中は、将来性を重視した高校生主体の指名だったが、20年からはすべて大学生・社会人の指名人数が高校生を上回り、指標としている年齢バランスが崩れている。

 投手なら昨年のドラフトで23歳に6名、25歳に4名、26歳には現役ドラフトで内間拓馬(亜大~20年楽④)も加入し7名もいる。一方で24歳はゼロで、19~22歳は僅か3名しかいない。野手は投手ほど偏ってはいないが、それでも24歳に5名が集中し、外野手は19~23歳に田村俊介(愛工大名電高~21年④)しかおらずバランスが悪く、早期の是正が必要だ。

●投手陣~先発4本柱に次ぐ若手の覚醒に期待!課題のリリーフはさらに強化が進む

  一昨年、昨年と先発の柱は変わらず大瀬良大地(九共大~13年①)に九里亜蓮(亜大~13年②)、森下、左腕の床田寛樹(中部学院大~16年③)の4本柱が健在で、床田がリーグ防御率3位で自身初の2桁勝利(11勝)を上げ勝ち頭になり、森下は右肘手術の影響で5月からの合流になったが9勝を上げた。

 ただ、昨年もこの4本柱に続く投手がおらず、森翔平(三菱重工エスト~21年②)が10試合、玉村昇悟(丹生高~19年⑥)が9試合、遠藤淳志(霞ケ浦高~17年⑤)が7試合に先発するもいずれも防御率が4点台、先発転向のコルニエルは8試合で防御率5点台と定着に至らず課題は埋まらなかった。

 リリーフは栗林の調子が上がらずクローザーを外れたが、矢崎拓也(駒大~16年①)が24セーブを上げ見事代役を務め上げた。島内はチーム最多62試合に登板し、最優秀中継ぎを受賞。大道温貴(八戸学院大~20年③)を含め、全員が防御率2点台をキープし、リリーフ左腕のターリー(楽天)は防御率1点台、29HPの好成績を上げた。 

【23年シーズン結果】※☆は規定投球回数クリア

 ・先発…☆九里亜蓮(174回1/3)☆床田寛樹(156回)森下暢仁(131回2/3)

       大瀬良大地(129回1/3)

 ・救援…島内颯太郎(62試合)栗林良史(55試合)矢崎拓也(54試合)

       大道温貴(48試合)ターリー(44試合)中崎翔太(35試合)

【今年度の予想】

 ・先発…九里亜蓮 大瀬良大地 森下暢仁 黒原拓未 床田寛樹 アドゥワ誠

      (森 翔平 ※常広羽也斗 野村祐輔 ※ハッチ 斎藤優汰 玉村昇悟 

       遠藤淳志 コルニエル)

 ・中継…森浦大輔 益田武尚 塹江敦哉 矢崎拓也 島内颯太郎 河野 佳 

      (大道温貴 中崎翔太 ※高 太一 ケムナ誠 ※滝田一希 ※赤塚健利

       松本竜也 戸根千明 ※内間拓馬 ※ハーン)  

 ・抑え…栗林良史

 今季は九里が開幕投手に指名され、大瀬良に森下、床田の4本柱は健在で、今季も残り2枠の争いになり、この間の実績で言えば、遠藤と玉村が有力だ。森が出遅れ、ルーキー常廣も大学時代の疲労でデビューがは遅れそうで、コルニエルも制球力の課題が解消されていない。

 そんななか期待がかかるのが3年目の黒原拓未(関学大~21年①)で、昨季ファームで規定投球回数をクリアしており、今季は一軍で結果を残したい。また、8年目のアドゥワ誠(松山聖陵高~16年⑤)や2年目の斎藤優汰(苫小牧中央高~22年①)にも期待で、ベテランの野村祐輔(明大~11年①)はまだ老け込む年ではなく、今季こそはローテーションに復活したい。

 リリーフは栗林をクローザーに据え、矢崎と島内、セットアッパーが繋ぐ形が出来ており、大道や中崎も控え新たな勝ちパターンが出来つつある。期待なのがともに2年目の益田武尚(東京ガス~22年③)と河野佳(大阪ガス~22年⑤)が、オープン戦元気で、昨年8試合登板に終わった悔しさを晴らしたい。

 ターリーの移籍で、左のリリーフが不足気味だが、オープン戦で森浦と塹江敦哉(高松北高~14年③)がオープン戦で元気で課題は心配は解消されそうだ。

 全員が二軍スタートの大学生ルーキーや、新外国人のハッチやハーン、出遅れている戸根千明(日大~14年巨②)やケムナ誠(日本文理大~17年③)など、まだまだ戦力には伸びしろがある楽しみな布陣になった。

●野手陣~課題はFA移籍した西川の穴埋めと、誰が4番を担うかで悩みは尽きない

 一昨年リーグ1位のチーム打率が4位に後退し、得点数も前年より下がった。やはり鈴木誠也カブス)が抜けた4番の穴は大きく、来日2年目のマクブルームは大きく成績を落とし、デビッドソンも19本塁打と長打力はあったが、確実性に欠けた。

 結果、決して4番タイプではない西川龍馬(王子~15年オ⑤)が4番を務め、西川がケガで離脱後は、堂林翔太中京大中京高~09年②)や菊地涼介(中京学院大~11年②)、上本崇司(明大~12年③)等が務め、さすがにこれでは怖さを感じない

 課題だった機動力不足も改善が進み、チーム最多は羽月隆太郎(神村学園高~18年⑦)の14盗塁だが、秋山と小園、上本が8盗塁、西川に菊地、矢野雅哉(亜大~20年⑥)が7盗塁と、30代半ばの秋山や菊地、上本の姿勢がプラスに作用した。

 守備はリーグ5位の失策数で課題を残したが、坂倉将吾(日大三高~16年④)が正捕手として102試合(120試合中)にマスクを被った。一昨年は三塁手として、全試合に出場していただけに、内外野へコンバートと思っていたなか、捕手専任で起用し見事に期待に応えた。

【22年シーズン結果(試合数/打席数)】☆は規定打席クリア ※は新加入

 捕 手…☆坂倉将吾(120/448)曾澤 翼(54/133)

 内野手…☆菊池涼介(120/485)デビッドソン(112/381)小園海斗(80/306)

       堂林翔太(100/284)上本崇司(84/276)マクブルーム(70/259)

       田中広輔(111/253)矢野雅哉(93/146)

 外野手…☆秋山翔吾(115/483)西川龍馬(109/443)野間峻祥(108/418)

       松山竜平(79/156)末包昇太(65/146)        

【昨年の開幕時スタメン】 【昨年の基本オーダー】  

  1)小園海斗⑥      1)野間峻祥    

  2)野間峻祥⑨      2菊池涼介④       

  3)秋山翔吾⑧      3)西川龍馬⑦    

  4)マクブルーム③    4)マクブルーム③      

  5)西川龍馬⑦      5)坂倉将吾⑤      

  6)デビッドソン⑤    6)曾澤 翼②      

  7)坂倉将吾②      7)小園海斗⑥      

  8)菊池涼介④      8)上本崇司⑧

  9)大瀬良大地①     9)森下暢仁①  

【今シーズンの開幕一軍候補】

 捕 手…曾澤 翼 坂倉将吾 石原貴規(持丸泰輝 高木翔斗)

 内野手…上本崇司 田中広輔 堂林翔太 ※レイノルズ 菊池涼介 小園海斗

       矢野雅哉 ※シャイナー(林 晃汰 韮澤雄也 羽月隆太郎 二俣翔一)

 外野手…秋山翔吾 野間峻祥 中村健人 松山竜平 久保 修 田村俊介

      (宇草孔基 末包昇大 中村奨成 中村貴浩)  

【今シーズン予想~打順】  【今シーズン予想~守備】

  1)小園海斗⑥      捕 手)坂倉将吾(曾澤 翼) 

  2)野間峻祥⑨      一塁手)シャイナー(堂林翔太

  3)秋山翔吾⑧      二塁手菊池涼介(矢野雅哉)

  4)レイノルズ⑤     三塁手)レイノルズ(田中広輔

  5)坂倉将吾②         遊撃手)小園海斗

  6)田村俊介⑦      左翼手秋山翔吾

  7)シャイナー③     中堅手野間峻祥(久保 修)

  8)菊池涼介④      右翼手)田村俊介(中村健人

  9)九里亜蓮①     

 先ず4番は、新外国人のレイノルズとシャイナーが候補だが、ともにオープン戦では打率1割台で苦労しており時間がかかりそうだ。昨年、11本塁打でブレイクの兆しを見せた末包昇大(大阪ガス~21年⑥)もケガで出遅れ、結果、青写真も描けなかった

 一方、西川の穴埋めの外野手争いはし烈で、秋山と野間峻祥(中部学院大~14年①)は決まりで、残り1枠は期待の若手の争いになる。最注目は今春の欧州選抜戦で日本代表にも選出された田村で、オープン戦では長打率5割の3本塁打を記録し、今季我慢して起用すれば将来の4番候補になれる。

 また、久保修(大阪観光大~22年⑦)は強肩と俊足で守備は抜群で、こちらも打撃でも結果を残している。中村健人トヨタ自動車~21年③)と中村貴浩(九産大~22年育②)は、オープン戦の結果は今一つだったが、走攻守のバランスが取れた選手で一軍に帯同しレギュラー獲りのチャンスを掴みたい。ここに外野も守れる堂林やシャイナー、末包も控え競争が激化している。

 捕手は坂倉が攻守の中心で、ベテランの曾澤翼(水戸短大付高~06年③)と守備面の評価が高い石原貴規(天理大~19年⑤)が控える。若手でも高木翔斗(県岐阜商高~21年⑦)と持丸泰輝(旭川大高~19年育①)が次世代の正捕手候補で控え、高木は打撃、持丸は強肩と守備のセールスポイントを伸ばしたい。

 内野は一塁はシャイナーが有力で、堂林や松山竜平九州国際大~07年④)のベテランが控えている。二塁は菊地が不動だが、守備では引けをとらない矢野、俊足の羽月との争いになり、三塁は二遊間も守れるレイノルズが控え、べテランの田中広輔JR東日本~13年③)や昨年ファームで10本塁打の林晃汰(智弁和歌山高~18年③)がレギュラー復帰を狙っている。遊撃は小園で決まりだが、オープン戦では二俣翔一(磐田東高~20年育①)も守っており、元々捕手でそのセンスの高さには驚くしかない。 

●主力が抜け厳しいシーズンが予想されるが、2年目の新井監督の采配に期待

 今季も小園や菊地、野間と出塁率の高い上位打線に、秋山と坂倉に続く中軸は繋がりが良く、課題はポイントゲッターの確立にある。

 現状、支配下は68名と12球団で最も多く、補強は終了したと言える。可能性があるのはトレードと育成からの支配下登録しかなが、トレードね狙いたいのは先発投手と4番候補で、課題はどこのチームも同じで成立は難しい。

 育成選手では昨季ファームで好投した藤井黎来(大曲工高~17年育②)や新屋颯(田辺高~21年育①)がいるが、先発となると復活を期す岡田明丈(大商大~15年①)やルーキーの杉田健(日大国際関係学部~23年育①)のほうが可能性はある。

 昨年は大方の予想を覆す2位だったが、今季は西川が抜け、新外国人や若手の突き上げも現状では十分とは言えず苦戦が予想される。昨年のような全員野球で優勝を狙えるチームの土台づくりをしたいところで、若手の覚醒に期待したい。

24年戦力展望☆ロッテ~直近5年で3度の2位!若手の本格覚醒があれば念願の優勝に手が届く

 昨季は新たに吉井理人監督を迎え、日替わり打線など決して十分な戦力でないなか、前半は先発投手陣が抜群の安定感を見せ、6月まで首位争いを演じた。しかし攻撃陣の調子が一向に上がらず、頼みの先発陣も小島を除き次々と離脱すると、後半戦は先発の枚数が不足しブルペンデーを実施するなど苦肉の策でシーズンを乗り越えた。

 そんななか迎えた最終戦は、勝てば2位、負ければ4位の楽天との大一番に勝利し2位でCSへ進出。1stステージ3戦目も延長10回裏に3点差を跳ね返す劇的な勝サヨナラ勝ちででファイナルステージへ進んだが、オリックスの前に力尽きた。

【過去5年のチーム成績】

     順位   勝敗      打率 本塁打 盗塁   得点  防御率 失点 

 23年 2位 70勝68敗  5分 .239  100本  73個  505点  3.40  524点

 22年 5位 69勝73敗  1分 .231    97本   132個  501点  3.39  536点

 21年 2位 67勝57敗19分 .239  126本   107個  584点  3.67  570点

 20年 2位 60勝57敗  3分 .235    90本  87個  461点  3.81  479点

 19年 4位 69勝70敗  4分 .249  158本  75個  642点  3.90  611点

 昨季は数字を見ると得失点数はマイナス、チーム防御率はリーグ5位、特にリリーフの防御率はリーグ最下位に沈んだ。打撃もチーム打率に本塁打数、盗塁数がリーグ4位で、得点圏打率と失策数がリーグ5位と数字だけを見れば、2位はおろか最下位でもおかしくないところだが、「個」ではなく「束」になってかかってくるスタイルと吉井監督のマネジメントが相成り全員野球で2位をキープした。

【過去5年のドラフトの主戦力】

 22年~なし

 21年~なし

 20年~なし

 19年~佐々木朗希(投手~大船渡高①)佐藤都志也(捕手~東洋大②)

 18年~小島和哉(投手~早大③)山口航輝(外野手~明桜高④)

 直近5年で3度の2位は特筆でき、フロックではないと思うが、優勝に届かないのは、ここ数年のドラフトの低迷が要因の一つと言える。      

 これが高校生主体の指名なら我慢も出来る。ただ、18~22年の5年は判を押したように毎年5名ずつの指名のなか、25名中うち大学生が12名、社会人4名と6割が即戦力指名になっているが、主戦と呼べるのは小島しかいない。

 また、ドラフト1位が今一つ伸びきれていない。松川虎生(市和歌山高~21年①)はまだどうこう言う段階ではないが、佐々木朗はシーズンを通して投げたことはなく、藤原恭大(大阪桐蔭高~18年①)も規定打席をクリアしたことがない。鈴木昭汰(法大~20年①)と菊地吏玖(専大~22年①)も即戦力を期待されながら、役割は別にしても一軍定着すらままならないのは誤算だった。

 一方、ドラフトの低迷に反してチームが上位をキープできている要因はトレードの巧さで、18年の岡大海(明大~13年日③)から始まり、20年の澤村拓一(中大~10年巨①)、21年の国吉佑樹秀岳館高~09年横育①)、22年の坂本光士郎(新日鉄住金広畑~18年ヤ⑤)、昨年の西村天裕(NTT東日本~17年日②)と石川慎吾(東大阪大柏原高~11年日③)と毎年チームに欠かせない選手を獲得できている。

 ただ、若手の伸び悩みは、結果としてベテランや外国人頼みになり、佐々木朗や中森俊介(明石商高~20年②)、藤原に山口、安田尚憲(履正社高~17年①)など毎年ブレイク候補を期待され名前の挙がる若手の突き上げがないと優勝には届かない。 

●投手陣~先発は佐々木のシーズン完走、リリーフはポスト益田の出現がカギ

 シーズン序盤は小島に佐々木朗、種市篤暉(八戸工大一高~16年⑥)、西野勇士(新湊高~08年育⑤)、メルセデスが抜群の安定感を誇りチームの好調を支えた。ただ、佐々木朗と種市、西野が離脱し、メルセデスも早いイニングで打ち込まれるシーンが目立つようになると、最後までローテーションを守ったの小島だけだった。

 ベテランの美馬学東京ガス~10年楽②)の初勝利が7月でまで遅れ、石川歩(東京ガス~13年①)も一軍未登板に終わり、後半戦になると先発投手が不足し、ブルペンデーを4度、CSのファイナルステージでも実施するなど層の薄さが露呈した。

 リリーフは益田直也関西国際大~11年④)が36セーブを上げ、新外国人のぺルドモは最多ホールドのタイトルを獲得した。坂本と西村は登板数、東妻勇輔(日体大~18年②)はホールド数でキャリアハイの成績を残し、若手の横山陸人(専大松戸高~19年④)やオリックスから育成加入の澤田圭佑(立大~16年オ⑧)もセーブを上げるなど、先発不足でフル回転したリリーフ陣は数字以上の貢献を見せた。

【23年シーズン結果】※☆は規定投球回数クリア

 ・先発…☆小島和哉(158回1/3)種市篤暉(136回2/3)西野勇士(117回)

     メルセデス(116回1/3)美馬 学(98回1/3)佐々木朗希(91回)     

 ・救援…益田直也(58試合)ペルドモ(53試合)坂本光士郎(51試合)

       西村天裕(44試合)横山陸人(38試合)東妻勇輔(36試合)

       澤村拓一(34試合)

【今年度の予想】

 ・先発…小島和哉 美馬 学 種市篤暉 佐々木朗希 西野勇士 メルセデス

    (二木康太 唐川侑己 東條大樹 ※大谷輝龍 ※ダイクストラ 中森俊介

     森遼大朗 ※フェルナンデス)

 ・中継…澤村拓一 東妻勇輔 坂本光士郎 西村天裕 横山陸人 澤田圭

      (菊地吏玖 廣畑敦也 高野脩汰 小野 郁 岩下大輝 鈴木昭汰 

       中村稔弥 ※コルデロ 国吉佑樹)     

 ・抑え…益田直也 

 今シーズンは小島が2年連続の開幕投手に指名された。小島は昨年、楽天との最終戦やCS1stステージ第3戦目の負けられない試合を勝利に導く投球を見せ、エースと呼べる信頼感を得た。ここに昨年リーグ2位の奪三振の種市、小島とのWエースを期待される佐々木朗に、西野、メルセデスが加わる。特に早期のMLB移籍を希望している佐々木朗は、シーズン完走以外にも、タイトル獲得など圧倒的な成績を残し周囲を納得させたい。

 残り1枠をベテランの美馬、若手では中森、復活を期す二木康太(鹿児島情報高~13年⑥)が争う形になるが、今季も先発の層は厚くない。東條大樹(JR東日本~15年④)と本前郁也(北翔大~19年育①)がケガで離脱し、森遼大朗(都城商高~17年育②)は肘の手術、石川歩も育成スタートになり、中森以外の若手の覚醒や、新外国人のフェルナンデスにダイクストラなど新戦力の台頭が必要だ。 

 層の薄い先発陣とは裏腹にリリーフ陣は豊富で、益田を中心に澤村や西村、澤田に東妻、若手の横山に左の坂本に加え、MLB通算119試合の新外国人のコルデロ等が勝ちパターンの役割を担える選手は多い。

 さらに岩下大輝(星稜高~14年③)や今季リリーフ起用の菊池、国吉や小野郁(西日本短大付高~14年楽②)が復帰すれば心強い。課題の左のリリーフでは、坂本以外に鈴木や中村稔弥(亜大~18年⑤)、高野脩汰(日本通運~22年④)が控え、先ずはロングリリーフで信頼感を高めたい。

●野手陣~ソトの加入で長打力アップ!内野シャッフルはレギュラー固定になるか

 課題の打線は昨年も苦労し、巨人から移籍の本塁打王のポランコがいなければどうだっただろ思う。中村奨吾(早大~14年①)に安田、山口、ポランコが規定打席に達したが、パ・リーグ規定打席達成の22名中、ポランコの18位が最高で、安田19位、山口21位、中村奨は最下位の22位との寂しい結果になっている。

 一昨年、盗塁王の高部瑛斗(国士館大~19年③)は一軍未出場に終わり、藤原や佐藤都もレギュラーに届かず、途中加入のブロッソーも後半戦の起爆剤にはならなかった。結局は相変わらずのベテラン頼みで、岡や角中勝也(四国IL高知~06年⑦)がチームの勝利に貢献し、左キラーの石川慎、ケガで試合数は少ないものの荻野貴司トヨタ自動車~09年①)が結果を残した。

 ただ収穫もあり、藤岡裕大(トヨタ自動車~07年②)は規定打席未達も出塁率が高く、安田はチャンスに強くサヨナラ打は4度を数え、和田康士朗(BC富山~17年育①)も打撃面で成長を見せた。また、茶谷健太(帝京三高~15年ソ④)や友杉篤輝(天理大~22年②)の成長は、今季の内野シャッフルに繋がった。 

【23年シーズン結果(試合数/打席数)】※☆は規定打席クリア

 捕 手…佐藤都志也(103/278)田村龍弘(78/214)

 内野手…☆中村奨吾(137/508)☆安田尚憲(122/472)藤岡裕大(93/380)

       友杉篤輝(64/209)茶谷健太(79/187)平沢大河(57/170)

       ブロッソー(37/147)池田来翔(40/118)井上晴哉(32/106)      

 外野手…☆ポランコ(125/497)☆山口航輝(115/474)岡 大海(109/372)

     藤原恭大(103/361)角中勝也(86/244)荻野貴司(50/203)

     石川慎吾(44/118)和田康士朗(80/113)             

【昨年の開幕時スタメン】 【昨年の基本オーダー】  

  1)荻野貴司⑨      1)荻野貴司⑨      

  2)中村奨吾④      2)藤岡裕大⑥       

  3)山口航輝⑦         3)中村奨吾④   

  4)井上晴哉③      4)ポランコDH    

  5)ポランコDH     5)山口航輝③    

  6)安田尚憲⑤      6)安田尚憲⑤  

  7)田村龍弘②      7)岡 大海⑦

  8)藤岡裕大④      8)佐藤都志也② 

  9)藤原恭大⑧      9)藤原恭大⑧  

【今シーズンの開幕一軍候補】

 捕 手…松川虎生 田村龍弘 佐藤都志也(柿沼友哉)

 内野手…友杉篤輝 安田尚憲 藤岡裕大 中村奨吾 茶谷健太 ※ソト

    (池田来翔 ※上田希由翔 平沢大河 大下誠一郎 井上晴哉 小川龍成)

 外野手…荻野貴司 角中勝也 ポランコ 石川慎吾 岡 大海 山口航輝 

       和田康士朗 (藤原恭大 高部瑛斗 ※愛斗)

【今シーズン予想~打順】  【今シーズン予想~守備】

  1)岡 大海⑧      捕 手)佐藤都志也(田村龍弘) 

  2)藤岡裕大④      一塁手)安田尚憲(井上晴哉

  3)安田尚憲③      二塁手)藤岡裕大(小川龍成)

  4)山口航輝⑨      三塁手)中村奨吾(上田希由翔)

  5)ポランコ⑦      遊撃手)茶谷健太(友杉篤輝)

  6)ソトDH       左翼手)ポランコ(石川慎吾)

  7)中村奨吾⑤      中堅手)岡 大海(和田康士朗)

  8)佐藤都志也②     右翼手)山口航輝(荻野貴司

  9)茶谷健太⑥      D H)ソト

 今季は2度の本塁打王を獲得したソトが加入し、ポランコとともに長打力が期待ができ、7年目の安田や6年目の山口の和製大砲候補も今年覚醒したい。

 今季の最注目は内野のコンバートで、正二塁手だった中村奨が三塁、藤岡が遊撃から二塁に移り、遊撃は茶谷と友杉が争う。安田は一塁と三塁併用になり、ソトと中村奨の実績十分の相手との競争になる。ルーキーの上田希由翔(明大~23年①)もキャンプで結果を残しており、内野のレギュラー争いはし烈さを増した。

 遊撃候補の茶谷と友杉は、守備力は遜色なく、機動力を使える友杉と打撃の良い茶谷を暫くは相手に合わせた併用になる。心配なのが二塁で、藤岡に続く控え選手がやや心もとなく、守備の良い小川龍成(国学院大~20年③)や昨年打撃で成長を見せた池田来翔(国士館大~21年②)の成長がカギになり、上田も二塁に挑戦している。

 外野の層は厚く、藤原がケガで離脱したが、左翼はベテランの荻野や石川慎、角中が有力だがソトの加入でポランコが守る機会も増えそうだ。中堅は岡に高部、和田とリードオフマンが並び、右翼は山口と現役ドラフトで加入した愛斗(花咲徳栄高~15年西④)が候補になり外野の定位置争いにも注目だ。

 捕手は今季も田村龍弘光星学院高~12年③)と佐藤の併用になるが、3年目の松川も加わり正捕手争いもし烈だ。リード面では田村に一日の長があるが、佐藤と松川はともに打力が魅力の打てる捕手で、自力で正捕手を掴み寄せたい。

 ロッテは昨年142通りのオーダーで臨んだように絶対的なレギュラーはいないが、主力と控えの差が少ない。安田や山口、松川、夏場以降の合流が期待される藤原など、期待の高卒選手の覚醒や、脂の乗り切った藤岡や中村奨、岡、田村の活躍も不可欠で、レギュラーが固定され、代打で角中や石川慎、代走で和田が控えるようになれば怖さを増してくる。

●投打に期待の若手の本格覚醒があれば、50年振りの勝率1位優勝も夢ではない

 支配下は65名で、このまま開幕を迎えると思うが、課題の先発投手や内野手の補強が必要となる。石川歩の復帰が一番だが、土肥星也(大阪ガス~16年④)や古谷拓郎(習志野高~18年⑥)、育成加入の二保旭(九州国際大高~08年ソ育②)や吉田凌(東海大相模高~15年オ⑤)も支配下復活に期待がかかる。

 若手では田中楓基(旭川実高~21年育①)は佐々木朗も認めるポテンシャルの高い投手で、野手は昨年ファームで最多出場の勝又琉偉(富士宮東高~22年育①)はシュアな打撃で支配下を狙いたい。

 この間、選手の層が決して厚くはないが、総合力で上位をキープしてきた。ただ、優勝を狙うには、個の力のプラスアルファが必要で、投手なら小島と佐々木朗、種市の三本柱、野手なら安田や山口、藤岡がタイトル争いをするような成績を残せれば74年以来、半世紀近く遠ざかっている優勝に手が届く。

24年戦力展望☆DeNA~主力が移籍するも新戦力の台頭に期待でき、リーグの台風の目に

 強力打線を擁し、シーズン開幕直前にはサイ・ヤング賞にも選ばれたバウアーの獲得も発表されるなど優勝候補に挙げる声が多かった。

 開幕こそ4連敗スタートだったが、下馬評通り3~4月を16勝3敗の首位で終えた。ただ、その後は月間で勝ち越しと負け越しを隔月で繰り返すなど連敗が多く、4連敗は開幕を含め4度、5連敗と6連敗が一度ずつと、エース今永昇太(駒大~15年①)や16勝で最多勝を上げた東克樹(立命大~17年①)、バウアーの3本柱を擁しても連敗癖は止まらず、7月に3位に転落するとそのままシーズンを終えた。 

【過去5年のチーム成績】

     順位   勝敗      打率 本塁打  盗塁   得点  防御率 失点 

 23年 3位 74勝66敗  3分 .247  105本   33個  520点  3.16  496点

 22年 2位 73勝68敗  2分 .251  117本   49個  497点  3.48  534点

 21年 6位 54勝73敗16分 .258  136本   31個  559点  4.15  624点

 20年 4位 56勝58敗  6分 .266  135本   31個  516点  3.76  474点

 19年 2位 71勝69敗  3分 .246  163本   40個  596点  3.93  611点

 昨年は投手陣が改善し、チーム防御率はリーグ3位で、リリーフ陣のやり繰りに苦労したものの、失点数は昨年より減少し、失策数もリーグで2番目に堅守は相変わらずだった。攻撃陣は一見すると、昨季も打率や本塁打は減少するも、着実に大味で淡白な攻撃から、三振を減らし犠打や進塁打でランナーを一つでも前に進める攻撃が成果として表れ、得点数は一昨年より増加し今シーズンに繋がる形ができた。

【過去5年のドラフトの主戦力】

 22年~なし

 21年~なし

 20年~入江大生(投手~明大①)牧 秀悟(内野手~中大②)

    19年~伊勢大夢(投手~明大③)

 18年~大貫晋一(投手~新日鉄住金鹿島③) 

 WBCメンバーの今永に最多勝の東、昨年打点王最多安打の牧など投打の柱の活躍であまり目立ちはしないが、直近5年のドラフトは成果としては乏しい。

 特に高校生がなかなか主戦に成長せず、ドラフト1位組では、松尾汐恩(大阪桐蔭高~22年①)はまだどうこう言う段階ではないが、正遊撃手を期待された森敬斗(桐蔭学園高~19年①)は一軍定着すらままならず、小園健太(市和歌山高~21年①)も焦る必要はないとは言え、未だ一軍未登板で昨年はファームでも2勝と物足りなさは残る。

 さらに今春のキャンプでブレイク候補と期待された深沢鳳介(専大松戸高~21年⑤)は、肘の手術で今季絶望…。また、既に在籍3年で2名が戦力外になり、2名が育成契約になるなど高校生指名選手が出てくる気配がない。

 実際に高卒の主力となると、投手では直近10年では見当たらず、昨年自由契約で退団した田中健二朗(ハヤテ)くらいで、高卒ドラフト6位からエースに上り詰めた三浦監督は何とも歯痒いと思う。野手は関根大気(東邦高~13年⑤)が昨季レギュラーを獲得したが、現役ドラフトで放出した細川成也(中日)が移籍先で大ブレイクするなど、こちらも皮肉な結果になっている。

 前身の大洋時代から大学生・社会人指名が多い伝統は変わらず、14~23年の直近10年間でも高校生指名が大学生・社会人指名を上回ったのは19年の一度だけで、昨年は最小1名の指名になった。育成主体の指名の結果が伴わず、昨年は以前のような即戦力主体に舵を切ったことで、今後のチーム作りに変化が表れるかもしれない。

●投手陣~主力が移籍し戦力ダウンが危惧されるなか、若手の台頭に期待がかかる

 チーム防御率は年々改善を見せている。先発は東がルーキー以来の2桁勝利を挙げ最多勝と最高勝率、今永も最多奪三振のタイトルを獲得し、バウアーはメジャー仕様の中4日で登板し10勝を上げた。また、自身3度目の開幕投手の石田健大(法大~14年②)は、チーム最多の23試合に先発し、平良拳太郎(北山高~13年巨⑤)も肘の手術から復帰を果たすなど、勝ち星は伸びなかったが次年度に続く成績を残した。

 改善が進んだ先発陣に対し、リリーフ陣は勤続疲労からか精彩を欠いた。クローザーの山崎康晃(亜大~14年①)は防御率4点台で7敗を喫し、終盤はクローザーの座を森原康平(新日鉄住金広畑~16年楽⑤)に明け渡した。負の連鎖は続き、一昨年70試合登板の伊勢とエスコバー、57試合の入江など軒並み成績を落とした。

 そんななか森原は17セーブを挙げ、ウェンデルケンは61試合で防御率1.66と圧巻の成績を残した。また、石川達也(法大~20年育①)と宮城滝太(滋賀学園高~18年育①)がキャリアハイの成績を上げるなど若手の台頭もあった。

【23年シーズン結果】※☆は規定投球回数クリア

 ・先発…☆東 克樹(172回1/3)☆今永昇太(148回)バウアー(130回「1/3)

      石田健大(118回)大貫晋一(76回1/3)

 ・救援…ウェンデルケン(61試合)伊勢大夢(58試合)山﨑康晃(49試合)

       上茶谷大河(46試合)森原康平(46試合)エスコバー(40試合)

     入江大生(32試合)

【今年度の予想】

 ・先発…東 克樹 石田健大 大貫晋一 ※森 唯斗 ※ジャクソン 平良拳太郎 

      (小園健太 濵口遥大 京山将弥 ※中川 颯 ※石田裕太郎 ※ケイ) 

 ・中継…伊勢大夢 三嶋一輝 上茶谷大河 石川達也 ウェンデルケン   

      (坂本裕哉 入江大生 三浦銀二 ※松本凌人 橋本達弥 ※佐々木千隼

       ※ウィック 中川虎大 宮城滝太) 

 ・抑え…山﨑康晃 森原康平

 石田とウェンデルケンは残留したが、今永(カブス)が移籍し、エスコバーも退団。バウアーは去就未定だがシーズンに間に合わず、先発とリリーフ再編が課題になる。

 今季の開幕投手には東が指名され、今永に代わるエースの役割に期待がかかる。順当なら大貫と平良、石田と濱口遥大(神奈川大~16年①)の両左腕が有力で、今永とバウアーの穴を埋めるのは容易ではないが、実績と経験含め計算できる選手が控える。

 新戦力にも期待でき、ともに戦力外から加入した森唯斗三菱自動車倉敷~13年ソ②)にサブマリンの中川颯(立大~20年オ④)、新外国人のジャクソンもオープン戦で好投しており先発の枚数は揃ってきている。更に3年目の小園やルーキーの石田裕太郎(中大~23年⑤)は、多彩な変化球と制球力の良さでゲームメークに長け、新外国人のケイなど候補は多く新戦力の競争に期待したい。

 リリーフは山崎に伊勢、入江が本来の調子を取り戻せば層は厚い。クローザーには山崎と森原が控え、新外国人のウィックもMLBでの実績十分の守護神候補。セットアッパーにはウェンデルケンと伊勢が控え、連投を避け休ませながらの起用も可能になる。

 さらに昨年リリーフに転向した上茶谷大河(東洋大~18年①)にベテランの三嶋一輝(法大~12年②)、現役ドラフトで佐々木千隼(桜美林大~16年ロ①)など実績十分の選手に加え、石川と宮城、最速157キロの中川虎大(箕島高~17年育①)などの若手の成長も頼もしい。面白いのが右のサイドハンドのルーキー松本凌人(名城大~23年②)で、先発・リリーフともに適性があり起用法に注目したい。

●1~2番が固定され機動力が備われば、リーグ随一の中軸を擁し得点能力は高い

 まだ十分とは言えないが、着実に犠打や進塁打を活用した打線にモデルチェンジが進んでいる。その裏付けとなっているのが、打点王最多安打の牧と首位打者の宮崎敏郎(セガサミー~12年⑥)の中軸で、佐野恵太(明大~16年⑨)やケガの影響もありソトが不振だったが、破壊力十分の打線が機能した。

 課題は中軸の前を打つ1~2番で、1番は桑原将志福知山成美高~13年②)の不振もあり固定することができず9名が務め、決して1番タイプではない佐野までも起用された。2番に至っては15名と最後の最後まで固定できず、そんななか10年目の関根が定着し、序盤は首位打者争いもする小技と巧打でチャンスメークした。

 チームの打撃成績を見ると、得点圏打率はリーグ1位でチャンスに強く、三振数はリーグ最小の反面、四球数はリーグ4番目で出塁率は決して高くない。33盗塁はリーグ最小で、失敗が何と26と成功率も低く機動力不足が顕著だ。

 また、この間の課題の捕手は昨季もレギュラーを固定できず、遊撃も京田陽太(日大~16年中②)と大和(樟南高~05年神④)の併用で、課題解消にはならなかった。

【23年シーズン結果(試合数/打席数)】☆は規定打席クリア ※は新加入

 捕 手…山本祐大(71/200)戸柱恭孝(70/181)伊藤 光(61/176)

 内野手…☆牧 秀悟(143/605)☆宮崎敏郎(124/461)ソト(109/399)

       京田陽太(93/287)大和(88/230)林 琢真(65/154)柴田竜拓(86/66)

 外野手…☆佐野恵太(141/613)☆関根大気(140/532)☆桑原将志(132/479)

       大田泰示(75/186)楠本泰史(94/176)    

【昨年の開幕時スタメン】 【昨年の基本オーダー】  

  1)佐野恵太③      1)佐野恵太⑦      

  2)林 琢真⑤        2)関根大気⑨       

  3)神里和毅⑧           3)宮崎敏郎⑤    

  4)牧 秀悟④      4)牧 秀悟④     

  5)楠本泰史⑨         5)ソト③      

  6)関根大気      6)桑原将志⑧      

  7)戸柱恭孝②      7)京田陽太⑥     

  8)森 敬斗⑥      8)山本祐大②

  9)石田健大①      9)東 克樹①  

【今シーズンの開幕一軍候補】

 捕 手…戸柱恭孝 伊藤 光 山本祐大(松尾汐恩)

 内野手…林 琢真 牧 秀悟 大和 柴田竜拓 ※石上泰輝 宮崎敏郎 京田陽太

      (森 敬斗 西浦直亨 ※井上絢登 知野直人 西巻賢二)     

 外野手…オースティン 大田泰示 桑原将志 ※度会隆輝 佐野恵太 関根大気

    (神里和毅 勝又温史 楠本泰史 梶原昂希 蝦名達夫)

【今シーズン予想~打順】  【今シーズン予想~守備】

  1)度会隆輝⑨      捕 手)山本祐大(戸柱恭孝) 

  2)関根大気⑧      一塁手)オースティン(大和)

  3)佐野恵太⑦      二塁手)牧 秀悟

  4)牧 秀悟④         三塁手)宮崎敏郎(京田陽太

  5)宮崎敏郎⑤         遊撃手)石上泰輝(林 琢真)

  6)オースティン③    左翼手)佐野恵太

  7)石上泰輝⑥         中堅手)関根大気(桑原将志

  8)山本祐大②      右翼手)度会隆輝(大田泰示

  9)東 克樹①        

 今シーズンの期待は、何と言っても3球団競合の1位指名の度会隆輝(ENEOS~23年①)で、オープン戦ではヒットを連発しパンチ力もあり、課題のリードオフマンにはピッタリだ。そこに小技と機動力を使える関根が続き、中軸に佐野~牧~宮崎と続く打線は強力で、オースティンが加われば昨年以上の得点能力が期待できる。

 守備では課題の捕手と遊撃手に注目で、捕手は侍ジャパンにも選出された強肩の山本祐大(BC滋賀~17年⑨)は打撃も開花し、正捕手に最も近い存在になった。ここにベテランの伊藤光明徳義塾高~07年オ③)と戸柱恭孝(NTT西日本~15年④)、松尾が加わる正捕手争いは新たな局面を迎えている。

 遊撃候補で注目なのがルーキーの石上泰輝(東洋大~23年④)で、オープン戦は打撃好調を維持し、セールスポイントの広い守備範囲と俊足は、機動力不足を補えることができる。京田に森敬、林琢磨(駒大~22年③)と左打ちで俊足、堅守が持ち味と同じタイプの選手が多いだけに競争激化が予想される。

 二塁の牧と三塁の宮崎は決まりで、守備に秀でる柴田竜拓(国学院大~15年③)に、機動力も使える西巻賢二(仙台育英高~17年楽⑥)が控えており、長打力が魅力のルーキーの井上絢登(四国IL徳島~23年⑥)は三塁と外野を守れる。一塁は佐野とオースティンの併用が濃厚だが、オースティンが復調すれば佐野が外野に回る。

 外野は桑原が出遅れ、楠本泰史(東北福祉大~17年⑧)もケガで離脱しているが、佐野と関根、ルーキー度会、ベテランの大田泰示東海大相模高~08年巨①)と層は厚い。楽しみなのが梶原昂希(神奈川大~21年⑥)で、オープン戦で2本塁打と得意の打撃でアピールしており、蝦名達夫(青森大~19年⑥)は課題の守備で信頼を高めたい。また、コンバート組にも注目で、勝又温史(日大鶴ケ丘高~18年④)は打撃、東妻純平(智弁和歌山高~19年④)は強肩を活かしたい。

●主力の移籍で戦力ダウンが予想されるも、新加入と即戦力ルーキーに期待がかかる

 昨オフは投手補強に積極的に動き、新外国人選手3名に戦力外の森唯と中川を支配下で獲得し、育成で昨年ファームで43試合登板で防御率1点台の堀岡隼人(青森山田高~16年巨育⑦)も獲得した。一方、野手の補強はドラフト中心で、高校~大学~社会人~独立リーグと万遍なく指名したが、全員が左打者とバランスの悪さは否めない。

 現在、支配下は65名。特に外国人野手がオースティンしかいない状況では、打線が不振に陥った時の補強で空けておきたい。育成では堀岡や4名いる外国人投手にも期待で、野手では村川凪(四国IL徳島~21年育①)は、昨年ファームで29盗塁の韋駄天で、終盤の代走で出てくると嫌な選手だと思う。

 正直、今永やバウアー、ソトが抜けたチームは、新戦力や若の台頭に期待がかかるものの未知数の部分が多い。優勝候補としては厳しいが、若手が台頭すれば台風の目になる力はある。

24年戦力展望☆ソフトバンク~3年連続のFA補強で優勝を狙う戦力だが、投打に不安も抱える

 最終戦で優勝を逃した一昨年に続く劇的なシーズンだった。オフに近藤健介(横浜高~11年④)を5球団競合に末に獲得し、ロッテからオスナ、阪神からガンケル、開幕前にはNPB復帰の有原航平(早大~14年日①)も獲得する大型補強を敢行した。

 開幕5連勝と6月までは順調だったが、前身の南海以来54年振りの15連敗で優勝争いから後退。その後は一度も3連勝がなく、勝てば2位確定の最終戦を落としたことでロッテに抜かれ3位に転落、CSのファーストステージも延長10回裏に3点差をひっくり返される劇的なサヨナラ負けで終戦し、試合後に藤本監督の退任が決まった。

【過去5年のチーム成績】

    順位   勝敗      打率 本塁打 盗塁 得天  防御率 失点

 23年 3位 71勝69敗 3分 .248  104本  73個 536点 3.27 507点

 22年 2位 76勝65敗 2分 .255  108本  86個 555点 3.07 471点

 21年 4位 60勝62敗21分 .247 132本  92個 564点 3.25 493点

 20年 1位 73勝42敗  5分 .249 126本  99個 531点 2.92 389点

 19年 2位 76勝62敗  5分 .251 183本  113個  582点 3.63 564点

 3年連続でV逸のチームは、選手層が厚く、投打の総合力は依然として高いが、意外に不安要素が多く、特に昨年は軒並み数字が落ちているのが気になる。

 チーム防御率は、リリーフ陣はリーグ1位も、先発の駒不足に悩み規定投球回数をクリアした選手がいなかった。攻撃陣も得点数はリーグ1位だが、チーム打率が後退し、本塁打数と盗塁数も年々減少している。守備はリーグ最少の失策数で鉄壁を誇った。 

【過去5年のドラフトの主戦力】

 22年~大津亮介(投手~日本製鉄鹿島②)

 21年~野村 勇(内野手~NTT西日本④)

 20年~なし

 19年~津森宥紀(投手~東北福祉大③)

 18年~甲斐野央(投手~東洋大①)柳町 達(外野手~慶大⑤) 

 充実した施設と育成システムで、一昨年からは四軍制を敷き、圧倒的な選手層の厚さでこれまでリーグを席捲してきた。ただ、ここ数年のドラフトは決して上手く行っているとは言えない。

 主力の壁が高いと言ってしまえばそれまでだが、主力を脅かす若手が不足し、直近はFA補強に積極的で焦りが補強スタイルにも出ている。21年の又吉克樹(四国IL香川~13年中②)から始まり、、22年の近藤と嶺井博希(亜大~13年D③)と続き、昨年は山川捕高(冨士大~13年西②)と3年連続でFA選手を獲得している。

 捕手は経験が必要だが、打撃に定評のある渡邊陸(神村学園高~17年育①)や強肩の海野隆司(東海大~19年②)がいるなか嶺井を獲得。また、レギュラーに左打者が多いなか、右の山川を獲得する意図は理解するが、ファームで4度の本塁打王のリチャード(沖縄尚学高~17年育③)や成長株の井上朋也(花咲徳栄高~20年①)がいるなかの獲得で、昨年は外国人野手が総崩れで、デスパイネを呼び戻すくらいなら、辛抱強く起用しても良かったと思う。

 また、育成選手からの輩出がここ数年は滞っている。18~22年で47名の選手がドラフトで指名されたが、支配下登録されたのは、独立リーグからNPBに復帰した藤井晧哉(おかやま山陽高~14年広④)を含め5名しかいない。投手は大関友久(仙台大~19年育②)と中村亮太(東農大オホーツク~20年育⑧)、木村光(佛教大~22年育③)の3名だが、中村は現在育成契約になっており、野手は渡邊のみでは寂しい。

●投手陣~先発の立て直しが課題で、守護神オスナに繋ぐ勝ちパターン確立がポイント

 課題の先発は、エースの千賀滉大(メッツ)がMLBへ移籍した穴は大きく、辛うじて有原が10勝を上げたものの、規定投球回数には届かず、リリーフがリーグ防御率1位の成績を残しただけに、先発の不甲斐なさが目立った。

 東浜巨(亜大~12年①)や石川柊太(創価大~13年育①)が勝ち星を伸ばせず、ガンケルは僅か5試合登板で未勝利に終わった。先発転向の藤井も結果を残せずリリーフに再配置転換され、結果、42歳の和田毅早大~02年自)に頼らざるを得ない状況になった。先発で期待に応えたのは、後半ローテーションに定着したスチュアートJrくらいで、2年続けて先発のやり繰りに苦労し、若手の底上げも進まなかった。

 反面リリーフ陣は、防御率0点台の守護神オスナを中心に、モイネロが夏場に左肘の手術で離脱しても、松本裕樹(盛岡大付高~14年①)や津森がセットアッパーを務め、甲斐野や又吉も勝ちパターンを担った。ルーキーの大津は46試合に登板し、田浦文丸(秀岳館高~17年⑤)もキャリアハイの成績を上げた。

【23年シーズン結果】※☆は規定投球回数クリア

 ・先発…石川柊太(125回2/3)有原航平(120回2/3)大関友久(104回2/3)

       和田 毅(100回)東浜 巨(99回2/3)板東湧梧(83回)     

 ・救援…津森宥紀(56試合)松本裕樹(53試合)オスナ(49試合)

       甲斐野央(46試合)大津亮介(46試合)田浦文丸(45試合)

       藤井晧哉(34試合)又吉克樹(32試合)

【今年度の予想】

 ・先発…東浜 巨 有原航平 和田 毅 石川柊太 モイネロ 大関友久

      (スチュアートJr 大津亮介 ※村田賢一 松本 晴 板東湧梧

     ※大山 凌 笠谷俊介 田上奏大)

 ・中継…津森宥紀 又吉克樹 藤井晧哉 田浦文丸 ヘルナンデス 松本裕樹 

      (武田翔太 ※岩井俊介 ※澤柳亮太郎 尾形崇斗 ※長谷川展威)

 ・抑え…オスナ 

 今季は開幕投手に有原が決まり、先発に転向するモイネロと43歳の和田までは決まっている。残り3枠は実績と経験で上回る東浜と石川、昨年の開幕投手大関が順当だが、昨年後半にローテーションに定着した板東とスチュアートJrも有力だ。

 さらに今季から笠谷俊介(大分商高~14年④)と大津が先発に転向し候補は多い。若手では昨年初先発した松本晴(亜大~22年⑤)や2年連続ファームの開幕投手の田上奏大(履正社高~20年⑤)は少ないチャンスを活かしたい。新加入ではルーキーの村田賢一(明大~23年④)は制球力が高くゲームメークに長けている。

 リリーフは、モイネロに代わるセットアッパーと嘉弥真新也(ヤクルト)に代わる左のワンポイント候補か課題になる。セットアッパーは松本裕と津森が有力で、藤井や経験豊富な又吉など候補は多く、昨年ファームのセーブ王の尾形崇斗(学法石川高~17年育①)も飛躍のシーズンにしたい。

 左のワンポイントには既に田浦がいるが、期待したいのはヘルナンデスで、制球力が課題だが左腕から繰り出される159キロの速球はモイネロの代わりとして十分だ。面白いのは嘉弥真と同じ変則左腕の長谷川威展(金沢学院大~21年日⑥)で、昨年のファームの最多勝投手だが、今季はリリーフに専念する。

 ルーキーでは、直球に力のある岩井俊介(名城大~23年②)、多彩な変化球が武器の大山凌(東日本国際大~23年⑤)は先発の適性もあり、澤柳亮太郎(ロキテクノ富山~23年⑤)はカーブが武器の即戦力右腕で、豊富なリリーフ陣に割って入る力がある。

●野手陣~山川とウォーカーの加入で右打者の補強が進んだが課題は若手の底上げ

 昨年は近藤の加入がなければどうなったかと思う、近藤は本塁打王打点王、打率も2位と三冠王に迫る活躍を見せ、柳田悠岐(広島経大~10年②)も負担の少ない指名打者との併用で全試合に出場した。また、中村晃(帝京高~07年③)と今宮健太(明豊高~09年①)が規定打席をクリアし、甲斐拓也(楊志館高~10年育⑥)の主力も相変わらず元気だったが、世代交代はなかなか進まなかった。

 昨年終盤に一番打者に座った周東佑京(東農大オホーツク~17年育②)や、キャリアハイの成績を上げた柳町、内野のユーティリティで存在感を高めた川瀬晃(大分商高~15年⑥)など中堅の選手が頑張ったが、若手の台頭という面では乏しかった。

 昨年もケガ人が多く、8月の勝負所で栗原陵矢(春江工高~14年②)と牧原大成(城北高~10年育⑤)が骨折で離脱。また、ガルビスにホーキンス、アストゥディーヨの外国人選手が機能せず、急遽デスパイネが復帰するも4人合わせて本塁打は1本と散々な成績に終わり、開幕スタメンに抜擢された正木智也(慶大~21年②)など、右の長距離砲にはチャンスはあっただけに残念だった。 

【22年シーズン結果(試合数/打席数)】☆は規定打席クリア ※は新加入

 捕 手…甲斐拓也(139/420)

 内野手…☆今宮健太(126/484)栗原陵矢(96/387)牧原大成(91/387)

       三森大貴(102/316)周東佑京(114/268)川瀬 晃(102/208)

 外野手…柳田悠岐(143/625)☆近藤健介(143/613)☆中村 晃(136/585)

     柳町 達(116/375)上林誠知(56/99)

【昨年の開幕時スタメン】 【昨年の基本オーダー】  

  1)牧原大成④      1)三森大貴④     

  2)近藤健介⑦         2)牧原大成        

  3)柳田悠岐⑨      3)柳田悠岐DH   

  4)栗原陵矢⑤      4)近藤健介⑦      

  5)正木智也⑧      5)中村 晃③    

  6)中村 晃③      6)柳町 達⑨   

  7)アストゥディーヨDH   7)栗原陵矢⑤  

  8)今宮健太⑥      8)今宮健太

  9)甲斐拓也②      9)甲斐拓也②

【今シーズンの開幕一軍候補】

 捕 手…嶺井博希 甲斐拓也 谷川原健太(海野隆司 吉田賢吾 渡邊 陸)

 内野手…川瀬 晃 今宮健太 牧原大成 三森大貴 周東佑京 栗原陵矢

       ※山川穂高 井上朋也(※廣瀬隆太 リチャード 野村大樹 野村 勇) 

 外野手…近藤健介 中村 晃 柳田悠岐 ※ウォーカー 柳町 達 

    (正木智也 生海)  

【今シーズン予想~打順】  【今シーズン予想~守備】

  1)牧原大成④      捕 手)甲斐拓也(嶺井博希)

  2)近藤健介⑦      一塁手山川穂高

  3)柳田悠岐DH       二塁手)牧原大成(三森大貴)

  4)山川穂高③      三塁手)栗原陵矢(井上朋也)

  5)栗原陵矢⑤      遊撃手)今宮健太(川瀬 晃)

  6)中村 晃⑨      左翼手)近藤健介

  7)柳町 達⑧      中堅手柳町 達(周東佑京)

  8)今宮健太⑥      右翼手)中村 晃

  9)甲斐拓也②      D H)柳田悠岐(ウォーカー)          

 今年はFAで山川、トレードでウォーカー、ドラフトでも廣瀬隆太(慶大~23年③) を獲得し、右の長距離打者が補強ポイントなのは明らかだ。3度の本塁打王の山川は実績十分で、守備に不安のあるウォーカーは指名打者で得意の打撃を活かすことが期待でき、左打者偏重の課題クリアの目途が立った。反面、6年目の野村大樹(早実高~18年③)や5年目のリチャード、3年目の正木も正念場のシーズンになる。

 ポジション別で見ると、捕手は今季も甲斐が扇の要で、嶺井や今季から捕手に専念する谷川原健太(豊橋中央高~15年③)が控える。5年目の海野や打撃の良い吉田賢吾(桐蔭横浜大~22年⑥)にも期待がかかり、渡邊はケガからの復帰が待たれる。

 内野のレギュラー争いはし烈で、特に一塁と二塁はハイレベルだ。一塁は中村と山川の争いになり、中村の卓越した守備力は惜しいが、中村は外野も守れ、右打者を打線に据えたい状況から山川が有力だ。

 二塁は横一線と言え、三森大貴(青森山田高~16年④)と今季は二塁に専念する牧原大、外野も守れる周東の争いになる。いずれも左打ちの俊足巧打タイプで、三森と牧原大は打率と出塁率も遜色なく、周東は打撃面では両名よりは見劣りするが、チームの半分の盗塁数を稼ぐ機動力があり、誰が一番打者に名前を連ねるか注目だ。

 三塁は栗原で決まりだが、若手の井上や背水の陣で臨むリチャードは打撃でアピールしたい。遊撃は攻守に今宮が中心だが、守備力に定評のある川瀬や野村勇は課題の打撃が向上すればレギュラー奪取の可能性は十分にある。

 外野は中村が左翼に回れば、近藤と柳田、ウォーカーを指名打者で併用しながらの起用になり、周東も加えた布陣はなかなか若手がつけ込む隙がない。出塁率の高い柳町は打撃でアピールしたいし、昨年ファームで活躍した笹川吉康(横浜商高~20年②)や生海(東北福祉大~22年③)は長打力でアピールしたい。 

支配下枠に余裕があり、トレードと外国人補強含む「育成と補強」のバランスに注目

 少数精鋭と言えば聞こえが良いが、現在支配下は62名とかなり余裕がある。投手なら中村亮や古川侑利(有田工高~13年楽②)はファームの主力で支配下の実績もある。

 野手でも、スイッチヒッターの仲田慶介(福岡大~21年育⑭)はファームで高打率を残し、俊足で外野守備に定評のある佐藤直樹JR西日本~19年①)はチームで貴重な右打ちで、同じ外野手の川村友斗(仙台大~21年育②)は、ファームで6本塁打のは長打力が魅力で、それぞれ一芸に秀でておりなぜ支配下にしないか理解に苦しむ。

 昨年のオフは、功労者ともいえる森唯斗(DeNA)や嘉弥真を戦力外にし、FAで賛否両論があるなか山川を最終的に獲得するも、人的補償で将来の幹部候補生の和田をプロスペクトから外す失態を犯した。結果、貴重なリリーバー甲斐野(西武)が移籍するなどゴタゴタ続きのオフになったこともあり、今一度「育成と補強」の原点に立ち返り、両輪の片方であり育成に力点を置いて欲しい。

24年戦力展望☆巨人~投手陣が改善できれば、優勝を狙える戦力が揃い期待膨らむシーズン

 連勝したかと思えば、その直後に連敗するパターンを繰り返し、月間で見ると大きな勝ち越しもなければ負け越しもなく、5月からは4位が定位置になり、そのままシーズンを終えた。2年連続のBクラスは、05~06年以来になり原辰徳監督が勇退した。

 昨季もこの間の課題は解消されず、不安定な投手陣はリーグ最下位の防御率で最後まで勝ちパターンが決まらなず、打線も相変わらずで一発頼みの大味な攻撃は変わらなかった。そんななかドラフトで獲得した選手が活躍し、これまでFAでの補強を繰り返していたチームに育成の芽がでてきた収穫の多いシーズンになった。

【過去5年のチーム成績】

    順位   勝敗       打率 本塁打  盗塁   得点 防御率 失点 

 23年 4位 71勝70敗  2分 .252  164本   48個  523点  3.39  507点

    22年 4位 68勝72敗  3分 .242  163本   64個  548点  3.69  589点

 21年 3位 61勝62敗20分 .242  169本   65個  552点  3.63  541点

 20年 1位 67勝45敗  8分 .255  135本   80個  532点  3.34  421点 

 19年 1位 77勝64敗  2分 .257  183本   83個  663点  3.77  573点

 課題の投手陣は、一昨年リーグワーストのチーム防御率は改善したとは言え、それでもリーグ5位で、リリーフ陣はリーグワーストの数字だった。 

 特にクローザーに苦労し、大勢が6月下旬にケガで離脱すると、その後は流動的で、先発のビーディを配置転換し、シーズン中にトレードで鈴木康平(日立製作所~17年オ②)、新外国人のバルドナードを獲得するなど手は打ったが、結果的には中川晧太(東海大~15年⑦)が務めた。中川がさすがの安定感だったが、セットアッパーが不在になる悪循環に陥り、単純に戦力不足が露呈してしまった。

 打撃陣はチーム打率と本塁打数はリーグ1位も、得点数は阪神とヤクルトに次ぐ3位と得点能力が高くない。一昨年よりも打率も本塁打数も改善し、長打率も断トツ1位の4割超えだが得点数はなぜか減少している。出塁率は3位と決して高くなく、機動力不足は相変わらずで、犠打数も中日を僅かに1つ上回るリーグ5位と、重量打線と言っても個人のパフォーマンス頼りで、打線として見れば弱点は多い。 

【過去5年のドラフトの主戦力】 

 22年~田中千晴(投手~国学院大③)門脇 誠(創価大~内野手④)

    船迫大雅(投手~西濃運輸⑤)

 21年~大勢(投手~関西国際大①)赤星優志(投手~日大③)

 20年~山崎伊織(投手~東海大②)

 19年~なし

 18年~戸郷翔征(投手~聖心ウルスラ高⑥)

 伝統的に優勝が至上命題のチームで、豊富な資金力と人気でこれまでFA市場を席捲してきたが、20年の梶谷隆幸(開星高~06年D③)を最後に3年間獲得した選手はいない。その裏返しなのかもしれないが、21年からは極端とも言える即戦力中心にドラフトになっている。

 21年は大学・社会人4名に高校生3名、翌22年は1位で浅野翔吾(高松商高~22年①)以下ははオール大学生・社会人指名で、昨年も西舘勇飛(中大~23年①)を2球団競合で獲得すると、以降は4名全員が社会人指名になった。

 過去10年を見ても、高校生指名が上回ったのは18~19年のみで、18年の戸郷の大成功はあるが、そのほかは伸び悩んでおり、待てる状況ではないのも理解できる。実際に昨年は田中と船迫が不安定なリリーフ陣を支え、門脇は不動のレギュラー坂本勇人光星学院高~06年①)を三塁に追いやる活躍を見せた。

 即戦力指名は勇気のいる判断で、高校生とは異なり、大学生・社会人は育成の猶予期間が短い。そのなかで20年の山崎は、ケガで1~2年は投げられないことを覚悟して指名し、昨年10勝を上げた。また、中央では無名だった大勢を1位指名するスカウトの勇気のある判断は特筆できる。

 ただ、何事にもバランスは大切で、長期的な視点に立ったチームづくりに移行することも期待したい。また、ケガで長期離脱→育成契約の流れも見直しが必要で、実績のない若手ならまだしも、一昨年の中川や梶谷はさすがに行き過ぎだと感じた。

●投手陣~オフの積極補強で選手層は厚くなった。勝ちパターンの早期構築が課題

 チーム防御率は昨年よりわずかに改善も、全体の底上げにはならなかった。先発は戸郷が2年連続12勝を上げ、新エース誕生の活躍を見せ、山崎も3年目で初の2桁勝利に届き、新外国人のグリフインも先発ローテーションを守った。ただ、後が続かず、頼みの菅野智之東海大~12年①)は4勝、期待の赤星も後半にようやく5勝を上げるに留まり、リリーフ同様に枚数不足が顕著だった。

 全体的に厳しかった投手陣だが光明もあり、横川凱(大阪桐蔭高~18年④)は先発で4勝、菊地大稀(桐蔭横浜大~21年育⑥)はリリーフで50試合に登板し、それぞれキャリアハイの成績を残した。また、ルーキーの田中千と船迫も一時期勝ちパターンに入る活躍を見せた。

【23年シーズン結果】※☆は規定投球回数クリア

 ・先発…☆戸郷翔征(170回)☆山崎伊織(149回)グリフィン(121回)

     メンデス(87回)横川 凱(84回1/3)菅野智之(77回2/3)

 ・救援…高梨雄平(55試合)菊地大稀(50回)中川晧太(44回)

       船迫大雅(36試合)鈴木康平(33試合)大江竜聖(32試合)

       ビーディ(30試合)田中千晴(30試合)

【今年度の予想】

 ・先発…※西舘勇飛 菅野智之 山崎伊織 戸郷翔征 グリフィン メンデス 

    (※高橋 礼 赤星優志 ※森田駿哉 直江大輔 横川 凱 松井 颯

     井上温大)    

 ・中継…鈴木康平 中川晧太 バルドナード 高梨雄平 船迫大雅 菊地大稀

      (今村信貴 ※近藤大亮 ※馬場皐輔 田中千晴 ※又木鉄平 ※泉 圭輔 

     大江竜聖 平内龍太 京本 真) 

 ・抑え…堀田賢慎(大勢 ※ケラー)

 今季の投手陣は期待の持てる布陣が揃っている。先発は戸郷中心に、山崎に左のグリフィン、メンデスは決まりで残り2枠の争いになる。実績の菅野、昨年4勝の横川に後半戦から復調した赤星が候補で、35歳の菅野はまだまだ老け込む年ではない。

 このほかドラフト1位の西舘勇飛(中大~23年①)は前評判通りの好投を見せ、27歳のオールドルーキー森田駿哉(ホンダ鈴鹿~23年②)も即戦力左腕。ソフトバンクから加入した高橋礼(専大~17年ソ②)は貴重なアンダースローで、新天地での先発復帰を目指している。若手では、昨年ファームで7勝、防御率0点台の井上温大(前橋商高~19年④)に8勝の松井颯(明星大~22年育①)、5年目の直江大輔(松商学園高~18年③)は昨年リリーフで自己最多16試合に登板するなど結果を残している。

 リリーフはクローザーがポイントになり、一番手は大勢だが、キャンプで出遅れており、候補として急浮上の堀田賢慎(青森山田高~19年①)の大抜擢もあるかもしれない。さらに阪神自由契約になったケラーも候補に挙がる。

 全体的にリリーフの層は新加入の選手で厚くなり、近藤大亮(パナソニック~15年オ②)と泉圭輔(金沢星稜大~18年ソ⑥)、馬場皐輔(仙台大~17年神①)等、実績十分のリリーバーが加わり、ルーキー左腕の又木鉄平(日本生命~23年⑤)も評価が高い。

 ここに中川に2年連続50試合登板の高梨雄平(JX-ENEOS~16年楽⑨)を中心とし、昨年好投の菊地に船迫、バルドナード、大江竜聖(二松学舎大高~16年⑥)などタレントは多く、今季は駒不足で悩むことはなさそうだ。

 野手陣~課題は1~2番の確立で、大味な打線から脱却し得点力を上げたい

 昨年は前年最下位だったチーム打率がリーグ1位に改善、同じくリーグ最多の本塁打数など間違いなく打てるチームではあるが、得点数は一昨年よりも減り、効率の悪い攻撃になっている。一発頼みの大味な打線は優勝を逃している21年シーズンから変わっていない課題だけに、なぜ3年も放置するのか理解に苦しむ。

 1~2番が固定できず、2桁盗塁が門脇と重信慎之介(早大~15年②)しかいない弱みはあるが、それなら犠打やエンドランなどを用いて、坂本や岡本の前にランナーを溜める攻撃は見られなかった。同じ4番で、打点王を獲得した牧秀悟(DeNA)は29本塁打で103打点だが、本塁打王の岡本和真(智弁学園高~14年①)は41本塁打で93打点と、この成績が攻撃の不味さを物語っている。

【23年シーズン結果(試合数/打席数)】☆は規定打席クリア ※は新加入

 捕 手…☆大城卓三(134/490)小林誠司(60/91)

 内野手…☆岡本和真(140/589)☆吉川尚輝(132/478)☆坂本勇人(116/455)

     門脇 誠(126/348)中田 翔(92/288)中山礼都(78/147)

 外野手…秋広優人(121/439)丸 佳浩(121/431)ブリンソン(88/294)

       梶谷隆幸(102/291)長野久義(75/176)オコエ瑠偉(41/127)

       ウォーカー(57/120)  

【昨年の開幕時スタメン】 【昨年の基本オーダー】  

  1)オコエ瑠偉⑦     1)梶谷隆幸

  2)吉川尚輝④         2吉川尚輝④      

  3)丸 佳浩⑨           3)本勇人⑥    

  4)岡本和真⑤      4)岡本和真③     

  5)中田 翔③      5)秋広優人⑦     

  6)坂本勇人⑥      6)丸 佳浩⑧      

  7)ブリンソン⑧     7)大城卓三②     

  8)大城卓三②      8)門脇 誠⑤ 

  9)グリフィン①     9)戸郷翔征①  

【今シーズンの開幕一軍候補】

 捕 手…小林誠司 大城卓三 岸田行倫(山瀬慎之助) 

 内野手…増田大輝 吉川尚輝 門脇 誠 坂本勇人 岡本和真 中山礼都 秋広優人

      (湯浅 大 ※泉口友汰 若林晃弘 中田歩夢) 

 外野手…長野久義 丸 佳浩 ※オドーア ※佐々木俊輔 オコエ瑠偉 松原聖弥

      (萩尾匡也 梶谷隆幸 岡田悠希 重信慎之介)  

【今シーズン予想~打順】  【今シーズン予想~守備】

  1)門脇 誠⑥      捕 手)大城卓三(小林誠司) 

  2)吉川尚輝④      一塁手)岡本和真

  3)坂本勇人⑥      二塁手)吉川尚輝松原聖弥⑧ 

  4)岡本和真③      三塁手坂本勇人

  5)オドーア⑨      遊撃手)門脇 誠(中山礼都)

  6)秋広優人⑦      左翼手)秋広優人(オコエ瑠偉

  7)大城卓三②         中堅手)松原聖弥(佐々木俊輔)

  8)松原聖弥⑧      右翼手)オドーア(丸 佳浩)

  9)戸郷翔征①  

 今季の課題は、1~2番の定着と中田翔(中日)が抜けた5番打者の確立が優先課題になる。1番は機動力を活かすなら門脇や松原が有力で、出塁率の高いベテラン梶谷に加え、オコエ出塁率や走塁への意識が高まれば十分に可能性はある。2番は吉川に決まりだが、松原やオコエが1番なら、門脇2番でも良いし、坂本の代わりにクリーンアップを打つ選手がいれば坂本が二番でも良いと思う。

 個人的には打席数は少ないが、増田大輝(四国IL徳島~15年育①)は出塁率も高く走塁能力の高さは折り紙つき。ルーキーの佐々木俊輔(日立製作所~23年③)も足が使え、1番に抜擢されても不思議ではない。また、犠打も多く、出塁率も高く長打も打てる大城は守備負担もあり大変だとは思うが2番起用も面白いと思う。

 中田が抜けた5番は新外国人のオドーアが有力で、MLB通算178本塁打の長距離砲が岡本の後ろに控えると打線は厚みを増し、OPSが7割5分を超える大城、秋広や丸も候補になる。

 ポジション別で見ると、捕手と内野手に心配がある。捕手は正捕手で大城、打撃に課題はあるもののともに強肩の小林誠司日本生命~13年①)に山瀬慎之介(星稜高~19年⑤)が控え質的には問題ないが、支配下人数5名は少なすぎる。

 内野は一塁・岡本、二塁・吉川、三塁・坂本、遊撃・門脇とレギュラーは決まっているが、控えの差が大きく層の薄さは否めない。若手の中山礼都(中京大中京高~20年③)やルーキーの泉口友汰(NTT西日本~23年④)等、若手の活躍に期待したい。

 一方外野は豊富で、左翼と中堅の争いがし烈だ。右翼はオドーアで決まりだが、左翼は丸に秋広、40歳のベテラン長野久義(ホンダ~09年①)も控える。中堅はまさに若手にはチャンスで、松原とオコエ、ルーキー佐々木に加え、打撃の良い萩尾も元気で、今季こそは丸からレギュラーを奪取したい。

●オフの補強が功を奏し、十分に優勝を狙える戦力が揃う!阿部新監督の手腕に期待

 今オフは課題のリリーフ投手を中心に補強が進み、特にウォーカーと高橋礼&泉のトレードは良い意味でよく成立したと思う。また、育成から京本真(明豊高~21年育⑦)と中田歩夢(東奥義塾高~22年育④)を支配下登録した。

 現在、支配下は65名で、シーズン前はこのまま行きそうだ。開幕後の状況判断になるが、豊富な外野手を軸に捕手や内野手のトレードはありで、投手は外国人や育成からの補強になりそうだ。投手は支配下復帰を狙う小沼健太(BC埼玉~19年ロ育②)、富田龍(四国学院大~21年育⑧)に山崎友輔(福山大~20年育⑩)も好投しており候補は多い。野手では楽天から再加入したウレーニャが控える。

 今季はとにかく投手陣の改善がペナントのカギを握り、優勝を狙える戦力が十分に揃っている。ただ、菅野に坂本、丸がいずれも35歳を超え、岡本のMLB移籍の可能性もあり、優勝を目指しながら今年以降を見据えた若手の抜擢と覚醒に期待したい。