ドラフトを知ると野球がもっと楽しくなる

どのチームが「人」を育て強くなるのか

24年ドラフト予想☆DeNA~今年は投手力強化が優先!即戦力の先発とエース候補の高校生を獲得したい

 エースの今永昇太(カブス)がMLBへ移籍し、昨季10勝のバウアーも退団するなど、下馬評は決して高くなかった。シーズンも浮き沈みが激しく、7月末には9連敗を喫するなどしたが、何とか5割をキープしながら優勝戦線に留まり、最後は広島を振り切り3年連続のAクラスを確保できた。

 Aクラスの原動力は、リーグナンバーワンの打線と外国人選手の活躍で、昨季22試合の出場だったオースティンが首位打者を獲得し、牧と宮崎敏郎(セガサミー~12年⑥)、佐野恵太(明大~16年⑨)の中軸4人で、本塁打70本、打点261を稼いだ。

 新外国人のジャクソンは規定投球回数をクリアし8勝、ケイも6勝を上げ今永とバウアーの穴を埋めた。リリーフでは、ウィックは16ホールド、ウェンデルケンも17ホールドを上げ、外国人選手の活躍なくしてAクラス入りは無かった。

【24年度チーム成績…71勝69敗3分/3位】

            24年/3位    23年/3位    22年/2位

 防御率(失点数)…3.07⑤(503⑤) 3.16③(496②) 3.48③(534③)

 打 率(得点数)….256①(522①) .247②(520④) .251②(497④)

 守備率(失策数)….983⑥( 96⑥)     .987②( 69②)  .988①( 64①)

 本塁打数/盗塁数…   101②/69①     105③/33⑥       117③/49⑤ 

 チーム防御率はリーグ5位ながら、改善は進んでいる。特にリリーフ陣の頑張りが目立ち、今季は森原康平(新日鉄住金広島~16年⑤)がクローザーを務め、リーグ3位の29セーブを上げた。坂本裕哉(立命大~19年②)に中川虎大(箕島高~17年育①)、徳山壮磨(早大~21年②)もキャリアハイの成績を残し、飛躍のシーズンになった。

 先発は今永に代わるエースの東克樹(立命大~17年①)が13勝を上げたが、主戦の大貫晋一(新日鉄住金鹿島~18年③)や濵口遥大(神奈川大~16年①)が不振で、本当にジャクソンとケイがいなかればどうなっていただろうと思う。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…※⑥東 克樹(183回)※⑫ジャクソン(143回)ケイ(136回2/3)

       大貫晋一(88回1/3)

 ☆ リリーフ…森原康平(58試合)坂本裕哉(48試合)ウィック(43試合)

     山崎康晃(38試合)伊勢大夢(37試合)中川虎大(31試合)

     徳山壮磨・中川 颯(29試合)ウェンデルケン・佐々木千隼(28試合)

 今季は3球団競合した度会が入団し、開幕からド派手な活躍でファンを湧かせた。また、5月には筒香嘉智(横浜高~09年①)が5年振りにMLBから復帰し打線がさらに厚みを増した。

 リーグナンバーワンの打線は、チーム打率と長打率、OPSがリーグ1位で、盗塁や犠打成功率も高い。出塁率が高く且つ手堅く送ることもでき、機動力も使え長打力も備わっているバランスの良い打線になっている。

 今季は梶原昂希(神奈川大~21年⑥)が一番打者に定着し、チーム最多の16盗塁で機動力を活かし、中軸のオースティンから牧、宮崎、佐野から、桑原将志福知山成美高~11年④)に山本祐大(BC滋賀~17年⑨)の下位に続く打線は、相手投手から気の抜けない布陣になった。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…山本祐大(108/403)戸柱恭孝(46/97)伊藤 光(39/94)

 ☆内野手…※①オースティン(106/445)※③牧 秀悟(133/561)

      ※⑨宮崎敏郎(125/469)京田陽太(101/236)森 敬斗(71/200)

      林 琢真(63/114)  

 ☆外野手…※⑮佐野恵太(139/566)梶原昂希(91/351)桑原将志(106/321)

        度会隆輝(75/272)蝦名達夫(76/253)筒香嘉智(57/168)

        関根大気(79/142)          

●即戦力投手から高校生、野手の指名にシフトしチーム変革の意思が伝わる

 直近5年のドラフトは評価できる。1位で森敬斗(桐蔭学園高~19年①)に小園健太(市和歌山高~21年①)、松尾汐恩(大阪桐蔭高~22年②)の高校生を指名し、さらに昨年の度会を含め野手3名を指名している。

 それ以前は判を押したように即戦力投手1位指名が通例で、19年に森を指名するまでは6年連続で大学生・社会人指名になり、野手1位指名は7年振り、高卒選手は8年振りで、高卒野手は筒香以来10年振りだった。さらに森も松尾も単独1位指名で、チームを強化する姿勢を窺い知ることができる。

 ただ、残念ながら結果が伴っておらず、松尾はまだしも森は伸び悩み、小園は3年目の今年ようやく一軍登板(1試合)を果たしたが物足りない。また、直近5年の支配下指名30名中6名が既に退団し、うち高校生が4名とこの辺りの評価は難しい。

 一方、特筆できるのは下位指名野手の活躍で、12年の宮崎から始まり、16年の佐野、17年の山本、21年の梶原は全員がその年のチーム一番最後の指名で、今ひとつドラフトがパッとしないなかでも、ここ10年で6回のAクラス入りを果たせている要因と言える。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年②…伊勢大夢(明大/③・投手)

 20年④…牧 秀悟(中大/②・内野手

 21年⑥…なし

 22年②…なし

 23年③…度会隆輝(ENEOS/①・外野手)石田裕太郎(中大/⑤・投手)

  ↓↓

【DeNAの補強ポイント】 

 投 手…即戦力の先発と将来のエース候補

 捕 手…必要なし

 内野手…高校生(右打者ならベスト)

 外野手…強いて言えば高校生・大学生の左打者

 今年の課題は明白で投手陣の強化になり、特に先発で計算できる投手が欲しい。また、小園が伸び悩んでいる現状を考えれば将来のエース候補も必要になる。一方、野手では宮崎と筒香、オースティンが35歳を超え、主力の世代交代がそこまで来ている。

☆投手~即戦力の先発と将来のエース候補

 来季の先発も東を中心に大貫や濵口、石田健大(法大~14年②)など経験のある投手の復帰が待たれる。若手では吉野光樹(トヨタ自動車~22年②)や石田裕が先発で結果を残し、ファームでは育成の庄司陽斗(青森大~23年育③)や2年目の森下瑠大(京都国際高~22年④)が好成績を残しており、期待値は高いが着実に先発候補を抑えておきたい。

 リリーフは森原と山崎康晃(亜大~14年①)がクローザー候補で、伊勢や今季ブレイクした坂本に中川虎、イップスを克服した徳山壮磨(早大~21年②)が控え、入江大生(明大~20年①)や三嶋一輝(法大~12年②)が戻れば層は厚くなる。

 1位指名が確実視されているのが金丸夢斗(関大)で、今永や東のように1年目からローテーションの中心になれる。中村優斗(愛工大)篠木健太郎(法大)も上位候補に挙がり、最速159キロの中村はリリーフの適性もあり、篠木は完投能力が高く、金丸を外した際の1位指名が濃厚だ。

 このほかの即戦力投手では、竹田祐(三菱重工エスト)はゲームメークに長け完投能力も高く、笠井建吾(三菱自動車岡崎)は最速153キロの真っ直ぐの本格派。変化球の精度が高い吉田聖弥(西濃運輸は、高卒4年目で伸びしろもあり、安里海(BC神奈川)奪三振率が高くBCリーグの最多勝を獲得した。

 高校生では、今朝丸裕喜(報徳学園高)高尾響(広陵高)が上位候補に挙がり、名門校で1年からエースの高尾の獲得意思を明言している。この2人で同じタイプで、清水大暉(前橋商高菊池ハルン(千葉学芸高)も長身右腕で、菊地は身長2メートルを超える。高野結羽(聖光学院高)は高尾と同じくゲームメーク能力が高い。

 このほか、池田悠真(紋別高)山口廉王(仙台育英高)昆野太晴(白鷗大足利高)村上泰斗(神戸弘陵高)井上剣也(鹿児島実高)は中央では無名だが最速150キロ超の本格派右腕で、柴田獅子(福岡大大濠高)は打者としての評価も高い。

 関景介(太田西山高)西川歩山村学園高)寺田光(磐田東高)岩瀬将(誉高)も140キロ後半を投げ、制球力もあり総合力が高く、左腕の山内悠生(北見柏陽高)は高校入学時に投手を始めた選手で伸びしろがある。

 地元の逸材では、150キロ左腕の藤田琉生(東海大相模高)は、昨秋から急成長を遂げ世代ナンバーワン左腕と評されるまでに成長し、沼井怜穏(横浜隼人高)もスリークオーター気味のフォームから150キロを投げる。

☆捕手~必要なし

 暫くは伊藤光明徳義塾高~07年オ③)と戸柱恭孝(NTT西日本~15年④)併用だったが、今季は山本が正捕手を務めた。その山本は打撃が課題だったが、今季は打率.291で飛躍し、年齢も27歳と暫くは安泰だ。ファームでは打率3割の松尾も控え、敢えて補強の必要はない。一方で東妻純平(智弁和歌山高~19年④)は外野手としての出番も増やしており来季も構想を鑑みると指名しても良いと思う。

 松尾や東妻の打撃を活かすのであれば、石伊雄太(日本生命は強肩が売りの即戦力で、将来性を期待するのであれば椎木卿五(横浜高)は逆方向にも長打を放つ打てる捕手の候補になる。

内野手~高校生(右打者ならベスト)

 今季も遊撃以外のレギュラーは安泰だった。ソト(ロッテ)が移籍した一塁にオースティンが入り、二塁の牧、三塁の宮崎は万全だった。課題の遊撃はルーキーの石上泰輝(東洋大~23年④)が開幕スタメンを勝ち取ったが、森敬が最多67試合に出場し、堅守の京田陽太(日大~16年中②)と俊足の林琢真(駒大~22年③)の併用になった。

 牧を中心に22~26歳に選手が集中しており、補強を急ぐ必要はないが、来季37歳のシーズンを迎える宮崎の後継や大和、西浦直亨が退団して不足している右打者の補強は必要だ。

 上位候補で遊撃手の宗山塁(明大)が挙がるが、22年の林、昨年の石上と2年連続で左打ちの大学生遊撃手を獲得しており、森敬と合わせ同じタイプだけに優先順位は高くない。

 リストアップされているなかでは、高校通算64本のスラッガー宇野真仁朗(早実高)と強肩の岸本佑也(奈良大付高)はチームに不足している右打ちで補強ポイントに合う。このほか、森駿太(桐光学園高)石見颯真(愛工大名電高)寺井広大(神村学園伊賀高)の左打ちのスラッガーも候補に挙がり、石見と寺井は外野も守れる。面白いのが庄子雄大(神奈川大)で、一塁到達4秒を切る俊足の一芸があり外野も守れる。 

☆外野手~強いて言えば高校生・大学生の右打者

 昨年は度会を獲得し、筒香も加わった外野は万全で、大田泰示や楠本泰史を戦力外になるほど層は厚くなった。唯一の懸念材料は佐野の去就だが、梶原や度会、蝦名の若手の成長も著しく補強の優先度は高くない。

 そのなかでモイセエフ・ニキータ(豊川高)吉納翼(早大の高校・大学のスラッガーが候補に挙がり、筒香以外に長距離砲が不在で獲得はプラスになる。また、50メートル4秒を切る俊足の山口隼輝(BC神奈川)は機動力強化に繋がる。

●今年は即戦力の先発投手が最優先!投手・野手ともに地元候補が多い

 今年は投手力強化が優先課題で、1位候補は金丸夢斗(関大)が有力で、言い換えれば金丸を獲得できれば成功ドラフトと言える。ただ、競合は必至で状況を見て十八番の単独指名で中村優斗(愛工大)を狙うのもアリだと思う。

 投手で言えば、左投手が不足している訳ではなく、年齢構成も悪くない。野手も右打者が不足している以外は、主力のベテランに若手が着実に成長しており、ポジション的もウィークポイントはレギュラー不在の遊撃手だけで、不自由なドラフトを強いられることもなく、昨年とは逆に投手中心の指名になることが予想される。 

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~金丸夢斗(関大・投手)          中村優斗(愛工大・投手)      

 2位~高尾 響(広陵高・投手)         吉田聖弥(西濃運輸・投手)

 3位~竹田 祐(三菱重工エスト・投手)  沼井怜穏(横浜隼人高・投手) 

 4位~石見颯真(愛工大名電高・内野手)   山内悠生(北見柏陽高・投手)

 5位~椎木卿五(横浜高・捕手)       寺井広大(神村学園伊賀高・内野手

 6位~井上剣也(鹿児島実高・投手)     森 駿太(桐光学園高・内野手)      

 おススメは、大卒3年目の竹田祐(三菱重工エスト)で、ドラフト解禁の昨年は不振で、大学時代から2度目の悔しい指名漏れを味わったが、今季は復活を遂げた。変化球を自在に操るイニングイーターで完投能力も高く、チームにフィットすると思う。

24年ドラフト予想☆ロッテ~今ひとつ伸び悩むドラフト1位…即戦力先発と中軸候補がポイント

 常勝チームを目指す「Vision25」を目前にしたシーズンは、ソフトバンクの独走のなか、5月に引き分けを含む11連勝で一時期は差を詰めたが、以降は5割をキープするのがやっとで、最後は日本ハムにも抜かれ3位でシーズンを終えた。

 今年は下位チームには勝ち越しも、上位チームに大きく負け越した。特に西武にはリーグ新記録の開幕から16連勝で21勝4敗で圧倒するも、日本ハムに借金12、ソフトバンクには借金8と貯金を使い果たした。

 要因は多々あるが、毎年期待している選手の伸び悩みが頭の痛いところで、佐々木は今季も途中離脱し、規定投球回数も未達成。藤原恭大(大阪桐蔭高~18年①)はオープン戦で骨折し合流が遅れ、安田尚憲(履正社高~17年①)もノーアーチに終わるなど、今年も期待を裏切った。

【24年度チーム成績…71勝66敗6分/3位】

            24年/3位    23年/2位    22年/5位

 防御率(失点数)…3.17⑤(495⑤) 3.40⑤(524⑤) 3.39④(536⑤)

 打 率(得点数)….248②(493③) .239④(505④) .231⑤(501①)

 守備率(失策数)….987③( 71④)     .985④( 83⑤)  .987③( 70③)

 本塁打数/盗塁数…  75③/64⑤      100④/73④         97③/132① 

 チーム防御率は昨年よりは改善したものの、今季もリーグ5位で、先発の防御率は5位、リリーフは4位でともに3点台を全体的に底上げが必要だ。

 先発は小島和哉(早大~18年③)と種市篤暉(八戸工大一高~16年⑥)が規定投球回数をクリアし、小島と佐々木、西野勇士(新湊高~08年育⑤)で8つの貯金を作ることがができ、数字以上にゲームを作ることができた。

 リリーフは益田直也(関東国際大~11年④)がリーグ3位のセーブ数を上げ、鈴木はチーム最多登板の51試合に登板しリーグ2位のホールド数に、防御率0点台の好成績を挙げ、横山もキャリアハイの43試合に投げ防御率は1点台と益田の後継候補が台頭した。先発、リリーフともに数字以上に来季に向け繋がるシーズンにはなった。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…※⑨種市篤暉(147回1/3)※⑪小島和哉(163回1/3)

     メルセデス(126回1/3)西野勇士(122回1/3)佐々木朗希(111回)

 ☆ リリーフ…鈴木昭汰(51試合)益田直也(44試合)横山陸人(43試合)

     国吉佑樹(41試合)澤村拓一(39試合)坂本光士郎(37試合)

 打線は数字を見ると、得点力が不足しているのが分かる。チーム打率と出塁率はリーグ2位で、ヒットを打つこともランナーを出すこともできている。本塁打は専らソトとポランコの両外国人頼みだが長打率もリーグ3位の成績で、得点圏打率も悪くない。

 課題は何かと言うと犠打の成功率と盗塁数の低さで、犠打成功率はリーグ最下位で、平均すると5回に1回は失敗している。盗塁の成功率はリーグトップの.821だが、盗塁企画数78は断トツのリーグ最下位(日本ハムの半分)で、一昨年130盗塁したチームが、大きくメンバーも変わっていないなか激減している。そうなると増えるのが併殺数で105はリーグ最多で、走者を進塁させることが出来てない。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…※④佐藤都志也(116/452)田村龍弘(51/160)

 ☆内野手…※⑥ソト(132/542)中村奨吾(120/433)友杉篤輝(125/393)

      藤岡裕大(90/369)小川龍成(119/313)安田尚憲(55/174)   

 ☆外野手…※⑲ポランコ(118/468)岡 大海(103/420)高部瑛斗(76/287)

        藤原恭大(74/264)角中勝也(84/217)荻野貴司(80/213)

        山口航輝(51/181)  

世代交代が着実に近づいており、補強と将来に向けた準備を今年も進める

 将来性を見越し、特に高校生野手を積極的に1位で獲得する姿勢は評価できるが、残念ながら結果が出ていない。安田は来季8年目、藤原は7年目で期待の若手ではなく、松川虎生(市和歌山高~21年①)もファームの正捕手すらままならない。今季5年目を迎えた佐々木も初の2桁勝利は達成したものの、ポテンシャルを考えるとこれで満足してもらっては困る。

 佐々木を獲得した19年のドラフトは、ロッテにとって当たり年になったが、以降も1位指名選手は悪くない。鈴木と菊地吏玖(専大~22年①)はリリーバーで活躍し、上田希由翔(明大~23年①)も古傷で戦列を離れたが、随所に非凡な才能を見せた。

 2位以降でも、投手では中森俊介(明石商高~20年②)と田中晴也(日本文理高~22年③)が今季は先発で勝利を挙げた。野手では友杉がと小川龍成(国学院大~20年③)がキャリアハイの成績を残し、高卒ルーキーの寺地隆成(明徳義塾高~23年⑤)もファーム2位の打率を残した。

 ここ最近は5年連続、支配下指名は5名になっており、高校生2~3名に大学・社会人の組み合わせでバランスは悪くない。一方で35歳以上の日本人選手8名は12球団最多で、ベテランに依拠しているチームで、若手の台頭がないと厳しい。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年④…佐々木朗希(大船渡高/①・投手)佐藤都志也(東洋大/②・捕手)

       高部瑛斗(国士館大/③・外野手)横山陸人(専大松戸高/④・投手)

 20年②…鈴木昭汰(法大/①・投手)

 21年②…なし

 22年⑤…友杉篤輝(天理大/②・内野手

 23年②…なし

  ↓↓

【ロッテの補強ポイント】 

 投 手…即戦力の先発と高校・大学生左腕

 捕 手…大学生または大卒社会人

 内野手…右打ちの中軸候補

 外野手…年齢構成で高校生 

 来季に向けた最大の心配事は、佐々木のMLB移籍の強行で、西野のFA移籍などが重なれば先発投手が不足する。特に左腕は小島含め5名(外国人選手を除く)しかおらず左腕不足は心配だ。

 野手は23歳以下に内・外野手1ずつしかおらず、本塁打は外国人頼みのなか将来の中軸候補も必要だ。長距離砲の候補と呼べるのは山口航輝(明桜高~18年④)と山本大斗(開星高~20年育③)しかおらず、暫くは外国人選手に頼らざるを得ない状況を考えると中軸候補を獲得したい。

☆投手~即戦力の先発と高校・大学生左腕

 来季は佐々木と西野の去就がチームの状況を左右し、小島と種市に続くのが、今季ともに3勝の36歳の唐川侑己(成田高~07年①)に37歳の石川歩(東京ガス~13年①)、ともに1勝の中森や田中が候補になり、菊地や岩下大輝(星稜高~14年③)の先発転向など様々な対応が考えられるが、即戦力の先発投手が必要だ。

 リリーフは益田を中心に、鈴木や横山がクローザー候補で控え、ベテランの澤村拓一(中大~10年巨①)に国吉佑樹秀岳館高~09年横①)、坂本光士郎(新日鉄住金広畑~18年ヤ⑤)を中心に層は厚く、リリーフ左腕以外の補強は必要ない。

 1位候補で挙がるのが金丸夢斗(関大)で、今年は既に先発ローテーションに入ると言われ、チームが欲しい先発左腕で補強ポイントに合致する。上位候補では中村優斗(愛工大)篠木健太郎(法大)、左腕の伊原陵人(NTT西日本)がリストアップされ、中村は最速159キロの速球派で、篠木と伊原はゲームメークに長けている。。

 大学生・社会人では、坂口翔楓(国学院大)岩崎峻典(東洋大箱山優(日体大沢山優介(ヤマハが候補に挙がり、岩崎と箱山、沢山は力強い真っ直ぐで押す本格派右腕で、坂口は打たせる投球術も持ち合わせている。

 高校生では今朝丸裕喜(報徳学園高)が上位候補で、身長189センチの世代ナンバーワンと評されるエース候補。清水大暉(前橋商高柴田獅子(福岡大大濠高)は他球団も上位候補でマークしている逸材だ。

 このほか、いずれも最速150キロを超える本格派右腕の昆野太晴(白鷗大足利高)川勝空人(生光学園高)狩生聖真(佐伯鶴城高)の評価が高く、小船翼(知徳高)は長身から角度のある真っ直ぐを投げる。

 小川哲平(作新学院高)津嘉山憲志郎(神戸国際大高)高尾響(広陵高)吉岡暖(阿南光高)、スリークオーター左腕の冨士大和(大宮東高)は制球力や変化球の精度など総合力の高さを評価しており、岩瀬将(誉高)森巌徳(県岐阜商高)もリストアップしている。

☆捕手~大学生または大卒社会人

 今季は佐藤が正捕手を務め、リーグ4位の打率も見事で、べテランの田村龍弘光星学院高~12年③)との併用になった。ファームでは寺地が最もマスクを被り、松川との併用になった。

 松川の伸び悩みは誤算だが、寺地の台頭もあり補強を急ぐ必要はない。ただ、打撃の良い佐藤や寺地を野手で起用することも考えると、年齢構成で大学生または大卒社会人を狙っても良く、石伊雄太(日本生命は強肩でリードに定評がある。高校通算35本の箱山遥人(健大高崎高)も、松川の状況を考えると指名の可能性がある。

内野手~中軸候補(右打ちならベスト)

 今季は内野を競争促進でシャッフルして臨んだが、思うような結果には繋がらなかった。一塁のソト以外は、いずれも規定打席に達せず、二塁・藤岡裕大(トヨタ自動車~17年②)、三塁・中村奨吾(早大~14年①)、遊撃は友杉が主に務め、安田と小川、茶谷健太(帝京三高~15年ソ④)を併用した。ただ、内野は20歳代中盤にタレンが揃っており、補強を急ぐ必要はなく、優先は長打を打てる中軸候補に絞って良い。

 上位候補の石塚裕惺(花咲徳栄高)は、高校通算26本の遊撃手で強肩で走力もある。宇野真仁朗(早実高)も走攻守三拍子揃ったスラッガーで、今夏の甲子園では木製バットで活躍した。片井海斗(二松学舎大高)は1年生から4番を任され、確実性に課題はあるが佐々木泰(青学大も勝負強い右打ちの長距離砲で将来性十分だ。

 一方で、今年も遊撃手が課題で、友杉と小川、茶谷は守備は問題ないが、いずれも打力が課題で、宗山塁(明大)は10年は遊撃に心配することない逸材で、この間の課題が解消される。このほか、庄子雄大(神奈川大)は一塁到達3.9秒台の俊足で外野も守れ、斎藤大翔(金沢高)は強肩と守備が評価されている。 

☆外野手~年齢構成で高校生 

 外野手は岡大海(明大~13年日③)と藤原、ケガが治れば高部が控えており、山口の復活が待たれる。ファームの本塁打王の山本、俊足の和田康士朗(BC富山~17年育①)と20歳中盤にタレントがおり補強を急ぐ必要はない。

 ただ、内野と違って23歳以下に山本しかおらず、上位候補で西川史礁(青学大)と渡部聖弥(大商大)が挙がる。ともに右打ちの強打者だが、投手を差し置いての指名は考えにくく、狙うのなら年齢構成で高校生になり、モイセエフ・ニキータ(豊川高)は中軸を担えるスラッガーで補強ポイントに合う。同じ長距離砲では勝負強さを兼ねる吉納翼(早大も評価急上昇中で、柴崎聖人(大経大)は俊足を活かし大学を代表する安打製造機で、飯森太慈(明大)も3年春には首位打者も獲得した韋駄天だ。

●即戦力投手の金丸を競合覚悟で入札か?とにかく左腕投手の補強が必要

 1位候補で金丸夢斗(関大)宗山塁(明大)西川史礁(青学大石塚裕惺(花咲徳栄高)が挙がるが、競合覚悟なら今年は金丸で良いと思う。即戦力の先発且つチームに不足している左腕で、課題を一気に埋める。また、今年は左腕が少なく、順位を上げてでも伊原陵人(NTT西日本)沢山優介(ヤマハの即戦力を獲得したい。

 一方で外国人頼みの長打力解消のために和製大砲の獲得も必須で、石塚の1位指名はチームの覚悟を感じる指名になる。

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~金丸夢斗(関大・投手)         石塚裕惺(花咲徳栄高・内野手)      

 2位~モイセエフ・ニキータ(豊川高・外野手)       篠木健太郎(法大・投手)

 3位~伊原陵人(NTT西日本・投手)     吉納 翼(早大・外野手) 

 4位~狩生聖真(佐伯鶴城高・投手)      沢山優介(ヤマハ・投手)

 5位~川勝空人(生光学園高・投手)      小船 翼(知徳高・投手)

 6位~庄子雄大(神奈川大・内野手)      冨士大和(大宮東高・投手)      

 おススメは、地元出身の篠木健太郎(法大)で、出身校の木更津総合高は進学が基本で、OBの早川隆久(楽天)や山下輝(ヤクルト)はいずれも獲得できていない。戦力面でも即戦力投手の獲得は必須で、今年こそは是非獲得したい。

24年ドラフト予想☆広島~まさかの大失速で優勝を逃す…攻撃力不足は明確で中軸候補を狙う

 まさに記録づくめの大失速になった。首位で9月に入ると残りのゲーム数やホームゲームの多さなど、データ的には有利と言われていたが、結果はセ・リーグタイ記録の月間20敗(5勝)で、14あった貯金をすべて吐き出すと4位に転落。首位で9月を迎えたチームが最終的にBクラスになったのは史上初で、66年振りの適地12連敗のおまけまでもついた。

 大瀬良大地(九共大~13年①)に床田寛樹(中京学院大~16年③)、森下、九里亜蓮(亜大~13年②)の先発4本柱を擁し、このメンバーでそうそう連敗はないだろうと思っていた。ただ、疲労が蓄積した投手陣がチーム打率リーグ最下位、得点数リーグ5位の打線を遂にカバーできなくなり、終盤になってオフェンス面の弱さが勝敗を左右し、優勝どころかCSにすら進めなかった。

【10/5現在のチーム成績…67勝70敗5分/4位】

            24年/4位    23年/2位    22年/5位

 防御率(失点数)…2.63③(418②) 3.20④(508⑤) 3.54⑤(544④)

 打 率(得点数)….238⑥(412⑤) .246④(493⑤) .257①(552②)

 守備率(失策数)….988②( 66②)     .985⑤( 82⑤)  .986④( 73④)

 本塁打数/盗塁数…  52⑥/64③       96④/78②         91④/26⑥

 チーム防御率はリーグ3位で、先発4本柱にアドゥワ誠(松山聖陵高~16年⑤)と玉村昇悟(丹生高~19年⑥)が加わり層は厚くなった。ただ、この6人で貯金はゼロで、防御率の高さとは裏腹に、打線の援護が乏しく勝ちには恵まれなかった。

 リリーフは栗林がリーグ2位の38セーブを上げ、島内も今季56試合(昨年は62試合)の鉄腕ぶりで、実績のある2人がリリーフ陣を支えた。さらに昨年不振だった森浦と塹江敦哉(高松北高~14年③)が復活のシーズンになり、黒原拓未(関学大~21年①)もリリーフ転向がハマった。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…※④大瀬良大地(155回)※⑦床田寛樹(167回)※⑧森下暢仁(151回2/3)

       九里亜蓮(131回2/3)アドゥワ誠(106回1/3)玉村昇悟(76回)

 ☆ リリーフ…栗林良史(60試合)島内颯太郎(58試合)

     塹江敦哉・森浦大輔・黒原拓未(53試合)ハーン(34試合)

 課題の打線は、22年に鈴木誠也カブス)が移籍したのち下降線を辿り、西川龍馬(オリックス)のFA移籍が追い打ちをかけた。長打力を期待された新外国人のシャイナーとレイノルズは2人合わせて1本塁打6打点の不発に終わり、既に退団している。結果、4番で小園海斗(報徳学園高~18年①)を起用せざるを得ないような打線になり、本塁打は坂倉将吾(日大三高~16年④)の11本塁打が最高で、チーム本塁打はリーグ最小で長打力が不足している。

 今季はチーム打率と本塁打出塁率長打率もリーグ最下位でそれ以上に驚いたのはリーグ2番目の盗塁成功率の低さで、盗塁企画数は110回と断トツ1位だが、成功は61(.555)の五分五分。元々走るチームと言ってしまえばそれまでだが、数字だけ見ると正直、無謀な攻めを繰り返しているイメージしかない。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…※⑪坂倉将吾(121/462)曾澤 翼(56/159)石原貴規(55/136)

 ☆内野手…※⑫小園海斗(142/587)※㉓菊池涼介(135/497)

        ※⑲矢野雅哉(136/492)堂林翔太(86/272)上本崇司(62/146)

      二俣翔一(79/119)田中広輔(66/108)   

 ☆外野手…※⑤秋山翔吾(137/585)※⑯野間峻祥(112/442)末包昇大(78/300)

        田村俊介(36/102)  

●育成路線から大学・社会人の即戦力路線にシフトも結果は今ひとつ…

 資金が限られている広島は、ドラフトを軸に育成でチーム強化を図る戦略で毎年注目しているが、残念ながらここ数年は結果が出ていない。16~18年の3連覇の際の高校生主体の超育成路線のドラフトは、過信とも言える指名で、あまり評価できなかった。それでも坂倉やアドゥワ、小園が主力に成長し、大学生では床田や島内、矢崎拓也(慶大~16年①)を獲得し結果は出ている。

 一方、連覇が途絶えた19年からは即戦力指名にシフトし、森下や栗林の単独指名成功に味をしめたのか、20年からは大学生・社会人(独立リーグ含む)が高校生を上回り、遂に昨年は支配下指名5名中、高校生は1名しかいなかった。

 ドラフトを最も巧く活用していたチームだけに、ここ数年の偏りや一貫性に欠けた方向性に戸惑いを覚える。森下に栗林以外に主戦で活躍しているのは、森浦と矢野、末包くらいで、22年~23年組は残念ながら結果が出ていない。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年④…森下暢仁(明大/①・投手)

 20年⑤…栗林良史(トヨタ自動車/①・投手)森浦大輔(天理大/②・投手)

     矢野雅哉(亜大/⑥・内野手

 21年④…末包昇大(大阪ガス/⑥・外野手)

 22年⑤…なし

 23年②…なし

  ↓↓

【広島の補強ポイント】 

 投 手…年齢バランスで高校生と大学生(特に左腕)

 捕 手…必要なし(坂倉野手起用なら別)

 内野手…高校・大学生の左打ち、右打ちの大卒社会人

 外野手…高校・大学生(内野手含め中軸候補)

 昨年Aクラス、今季も優勝争いをしていたチームの割には、補強ポイントが意外に多い。とにかく打線の強化が必須課題で、長打を打てる中軸候補が最優先ポイントなる。

 年齢構成も良くない。内野手は22歳以下の左打ちが不在で、右打ちは23~32歳まで不在と極端だ。外野手も23歳以下は田村俊介(愛工大名電高~21年④)1名しかおらず、そもそも若手が不足している。

 投手も現状は万全だが、大瀬良と九里は来季35歳になり、世代交代の波が近づいている。投手も年齢構成が悪く、22歳以下は3名しかおらず、うち1名は西川の人的補償で獲得した日高暖己(富島高~22年オ⑤)で、この間の大学生・社会人への傾倒が年齢構成も顕われている。

☆投手~年齢バランスで高校生と大学生(特に左腕)

 来季も先発は大瀬良に九里、床田、森下の4本柱に、アドゥワ、遠藤淳志(霞ケ浦高~17年⑤)、常廣羽也斗(青学大~23年①)が控え、左腕も玉村に森翔平(三菱重工エスト~21年②)がおり即戦力に拘る必要はない。

 一方、リリーフは心配で、今季も少数精鋭で臨んだシーズンになり、栗林や島内、森浦、塹江の登板過多が心配だ。若手の突き上げも不足しているなか、将来性重視の指名で良いと思うが、リリーフは即戦力が欲しい。

 1位候補で挙がるのが金丸夢斗(関大)今朝丸裕喜(報徳学園高)で、左腕の金丸は補強ポイントにはピッタリだ。世代ナンバーワンと評される今朝丸は将来のエース候補で、同じ上位候補の村上泰斗(神戸弘陵高)は、最速153キロの本格派で奪三振率が高く、柴田獅子(福岡大大濠高)は投打二刀流で評価されている。

 このほか高校生では、いずれも最速150キロを超える本格派右腕の坂井遼(関東一高清水大暉(前橋商高は甲子園でも注目を浴びた。甲子園は未出場だが昆野太晴(白鷗大足利高)川勝空人(生光学園高)狩生聖真(佐伯鶴城高)も成長著しく、山口廉王(仙台育英高)も今春150キロを超えた。

 小川哲平(作新学院高)茨木佑太(帝京長岡高)岩瀬将(誉高)総合力が高く、岩瀬は変化球の制球力が評価されている。津嘉山憲志郎(神戸国際大高)高尾響(広陵高)吉岡暖(阿南光高)はゲームメークに長け、吉岡は完投能力も高い。

 大学生・社会人では寺西成騎(日体大)と岩崎峻典(東洋大坂口翔楓(国学院大)鷲尾昂哉(三菱重工エスト)が上位候補に挙がる。それぞれ真っ直ぐが150キロを超える本格派右腕だが、寺西と鷲尾は真っ直ぐとキレのあるフォークで奪三振率が高く、鷲尾は即戦力のリリーフ候補。岩崎は球威で押す投球が身上で、坂口は制球力が高く、変化球を織り交ぜ打ちとるタイプでリリーフもこなす。

 左腕の候補が少ないなか、徳山一翔(環太平洋大)荘司宏太(セガサミーは最速150キロを超え奪三振率も高くリリーフもこなせる。沢山優介(ヤマハは186センチの長身左腕で、高卒3年目で伸びしろもある。

☆捕手~必要なし(坂倉野手起用なら別)

 正捕手は打てる捕手の坂倉が務め、石原貴規(天理大~19年⑤)とベテランの曾澤翼(水戸短大高~06年③)が控えている。曾澤が来季38歳と出番が限られてくるが、ともに26歳の坂倉と石原は安泰で補強を急ぐ必要はない。

 ただ打線が課題なだけに、坂倉を一昨年のように野手で活用するなら補強が必要だ。ファームでは持丸泰輝(旭川大高~19年育①)に高木翔斗(県岐阜商高~21年⑦)、清水叶人(健大高崎高~22年④)が控えるが、高木と清水は打率1割台で厳しい。

 候補は多くなく、強肩強打の箱山遥人(健大高崎高)がリストアップされているが、若手捕手の育成、場合によっては中村奨成(広陵高~17年①)の再コンバートも想定すれば優先順位は低い。

内野手~高校・大学生の左打ち、右打ちの大卒社会人

 内野は二塁・菊地、三塁・小園、遊撃には矢野がおり、菊地と矢野の二遊間は鉄壁と言える。一塁はレギュラーが不在だが、来季は坂倉や外国人選手が入れば課題は解消される。ただ、坂倉以外の中軸候補と来季で35歳を迎える菊地の後継が必要で、二俣翔一(磐田東高~20年育①)や佐藤啓介(静岡大~23年育②)に次ぐ候補が欲しい。

 中軸候補では石塚裕惺(花咲徳栄高)宇野真仁朗(早実高)は世代を代表するスラッガーで、片井海斗(二松学舎大高)もパワーでは負けていない。1年からレギュラーを務める佐々木泰(青学大)も大学を代表する長距離砲で、いずれも右打ちのスラッガーで補強ポイントに合う。

 ポスト菊地の候補は多くないが、今季は幸運にも左打ちの遊撃手候補が多い。地元出身の宗山塁(明大)は巧打好守の逸材で、二塁・矢野、遊撃・宗山の布陣も組めることもできる。

 斎藤大翔(金沢高)今坂幸輝(大院大高)も補強ポイントに合い、斎藤は守備力が高く、今坂は打力が評価されている。ポスト菊地でハマるのが、山縣秀(早大で、菊地と同じ右打ちで二塁の守備力に長けている。

☆外野手~高校・大学生(内野手含め中軸候補)

 外野手は秋山と野間がレギュラーだが、秋山は来季38歳を迎え、末包や田村の台頭が必要になる一方で補強も必要だ。また、外野手はリードオフマンタイプが多く、中軸候補に絞って良いと思う。

 上位候補は西川史礁(青学大渡部聖弥(大商大)で、ともに一年目からレギュラー候補になれる力はある。竹内翔汰(立命館大も広角に長打を打てるスラッガーで、こちらは下位でも獲得できるチャンスが高い。高校生では、モイセエフ・ニキータ(豊川高)正林輝大(神村学園高)が候補で、ともに長打力が魅力の左のスラッガーだ。

●今年も得意の1本釣りは封印し、10年振りの大卒野手1位指名があるか

 今年は最後まで1位候補は熟考すると思う。即戦力左腕の金丸夢斗(関大)は、先発の層を厚くし、22歳以下の左腕ゼロの状況も改善できる。宗山塁(明大)はポスト菊地の候補としてではなく、攻撃力の改善に繋がり、地元出身のスター選手候補だけにスルーする訳にはいかない。中軸候補の西川史礁(青学大は、長打力不足を解消し、1年目から外野のレギュラーを掴む可能性が高い。

 いずれにせよ、この貧打線で規定打席は6選手がクリアしており、レギュラーと控えの差は歴然で、野手の底上げは必須課題と言え、競合覚悟で臨むしかない。 

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~西川史礁(青学大・外野手)       宗山 塁(明大・内野手)      

 2位~斎藤大翔(金沢高・内野手)       柴田獅子(福岡大大濠高・投手)

 3位~吉岡 暖(阿南光高・投手)       寺西成騎(日体大・投手) 

 4位~岩崎峻典(東洋大・投手)        正林輝大(神村学園高・外野手)

 5位~荘司宏太(セガサミー・投手)      徳山一翔(環太平洋大・投手)

 6位~山縣 秀(早大内野手)        竹内翔汰(立命館大・外野手)       

 おススメは、宗山と行きたいところだが、地元中国地区の徳山一翔(環太平洋大)で、最速152キロの左腕で高い制球力に奪三振能力も高い。先述したように22歳以下の左腕ゼロの現状から抑えておきたい投手で、リリーフもこなせるのも強みだ。

24年ドラフト予想☆楽天~主力の高齢化で世代交代の備えは必至!レギュラーと控えの差は埋まるか

 一言で言えば良くやっている。今季、内部昇格で12球団最年少の今江敏晃監督が就任したが、2年連続のBクラスに加え、クローザーの松井裕樹パドレス)が移籍するなど前途は多難だった。

 新監督であれば多少の補強があってよいと思うが、ドラフト以外では日本ハムからポンセと山田遥楓(佐賀工高~14年西⑤)、広島からターリーが加入しただけで、シーズン中も補強はなく、支配下人数に5名も枠を空けた65名で1年乗り切った。

 そのよう状況のなか、則本昂大三重中京大~12年②)をクローザーへ転向させ、攻撃陣では小郷裕哉(立正大~18年⑦)を全試合で一番に起用するなど、今江監督の肝の据わった起用は率直に感心するばかりで、現状、貯金1でロッテとCS出場争いをするなど結果も残している。

【9/24現在のチーム成績…65勝64敗3分/4位】

            24年/4位    23年/4位    22年/4位

 防御率(失点数)…3.79⑥(539⑥) 3.52⑥(556⑥) 3.47⑥(522④)

 打 率(得点数)….244④(474④) .244③(513②) .243③(533②)

 守備率(失策数)….988②( 59②)     .985⑤( 82④)  .991①( 49①)

 本塁打数/盗塁数…  71④/86③     104②/102①    101③/97②

 先発陣は、田中将大駒大苫小牧高~06年①)に岸孝之東北学院大~06西/希望枠)、則本とビッグネームが並ぶも高齢化が懸念されるなか、早川や内、ルーキーの古謝がカバーし、通算4勝の藤井が10勝を上げるなど若手・中堅の台頭が目立った。

 リリーフは則本がリーグ最多の31セーブを上げ、酒居知史(大阪ガス~16年ロ②)はリーグ2位の27ホールド、鈴木翔天(冨士大~18年⑧)は28試合連続無失点など結果を残し、藤平尚真(横浜高~16年①)はリリーフで才能が開花した。残念ながら防御率は3年連続リーグワーストだが、来季に向け期待の膨らむシーズンになった。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…※③早川隆久(159回1/3)岸 孝之(128回)藤井 聖(113回)

     内 星龍(110回2/3)古謝 樹(71回1/3)

 ☆ リリーフ…則本昂大(52試合)酒居知史・渡辺翔太(46試合)鈴木翔天(45試合)

     宋 家豪・藤平尚真(41試合)弓削隼人(34試合)

 打線は1番・小郷と2番の村林一輝(大塚高~15年⑦)がチャンスメークし、3番の辰己涼介(立命大~18年①)がリーグ2位の打率を残し、4番の浅村栄斗(大阪桐蔭高~08年③)へ繋ぐ形ができた。下位にはチャンスに強い鈴木大地東洋大~11年ロ③)が控え、小深田を含め規定打席達成者6名はリーグ最多だ。

 楽天の打撃の数字を見ると大胆かつ堅実で、チーム打率や出塁率長打率も高くない。ただ、盗塁は企画数と成功率がリーグ2位、犠打の成功率はリーグ断トツの.922で、そのため併殺はリーグ最小、加えて得点圏打率はリーグ1位と、とにかくランナーを進塁させ、チャンスを確実に活かす野球は特筆できる。

 守備面では、小深田と村林の二遊間と中堅の辰己のセンターラインは強固で、守備率はリーグ2位と攻守にレギュラーが力を発揮したシーズンになった。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…太田 光(255/217)石原 彪(165/139)

 ☆内野手…※⑧鈴木大地(437/385)※⑯浅村栄斗(516/439)

     ※⑱村林一輝(537/487)※㉑小深田大翔(485/417)フランコ(238/224)

     阿部寿樹(246/221)渡邊佳明(137/122)     

 ☆外野手…※②辰己涼介(552/498)※⑫小郷裕哉(595/520)島内宏明(154/131)

        中島大輔(107/102)      

●主力の高齢化による世代交代の遅れやレギュラーと控えの差など課題が山積

 チームは主力の高齢化や年齢バランスの悪さに偏りなど多くの課題を抱えている。過去5年のドラフトは偏りが激しく、20年は支配下指名6名中、投手を5名指名したと思えば、21年は高校生外野手を上位で2名指名、22年はオール大学生・社会人指名でうち投手が5名、そして昨年は育成路線で高校生5名を指名するも、右投手3名、右打ちの内野手2名とここでも偏りが目立つ。

 ただ、投手では早川や荘司、古謝、今季は藤平がブレイクし、野手では辰己と小深田と1位指名した選手が結果を残し、Aクラス入りを争う原動力になっている。一方、下位指名選手の活躍が目立つのも特徴と言え、投手では内に鈴木翔、瀧中瞭太(ホンダ鈴鹿~19年⑥)がおり、野手では小郷に渡邊佳明(明大~18年⑥)、村林一輝(大塚高~15年⑦)、石原彪(京都翔英高~16年⑧)やルーキーの中島大輔(青学大~23年⑥)等が活躍している。

 13年の初優勝から11年が経過し、FAで大物選手を獲得したが優勝には届かず、今となっては高齢化と主力と控えの差だけが残った感じで、決して高校生選手の育成に長けたチームではないが、チーム編成や強化策を見直す時季に来ていると思う。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年③…小深田大翔(大阪ガス/①・内野手

 20年④…早川隆久(早大/①・投手)藤井 聖(JX-ENEOS/③・投手)

     内 星龍(履正社高/⑥・投手)

 21年③…なし

 22年④…荘司康誠(立大/①・投手)渡辺翔太(九産大/③・投手)

 23年④…古謝 樹(桐蔭横浜大/①・投手)

  ↓↓

楽天の補強ポイント】 

 投 手…将来の先発候補、即戦力のリリーバー

 捕 手…高校生と大学生

 内野手…将来の中軸候補、左打ちの高校生または大学生

 外野手…高校生と大卒社会人(右打ちならベスト)

 一番の課題はやはり喫緊に迫っている主力の高齢化による世代交代で、岸が41歳、田中将は37歳、鈴木大と阿部寿樹(ホンダ~15年中⑤)、岡島豪郎(白鷗大~11年④)が36歳、浅村や島内宏明(明大~11年⑥)も35歳になり、小深田や辰己、小郷も20代後半で、世代交代の波が次々と押し寄せてくる。

 また、年齢構成の見直しも必要で、特に捕手は19~23歳が不在で、19~22歳の野手(左打ち)も内外野で不足している。外野手は右打者も不足しており、全体的なバランスの悪さの是正を進めたい。

☆投手~将来の先発候補、即戦力のリリーバー

 今季の収穫は先発投手陣の整備が進んだことで、早川と藤井が2桁勝利を上げ、内が6勝、古謝も5勝を上げ、荘司がケガから戻れば計算できる布陣になる。ファームの若手の伸び悩みは不安材料だが、岸や田中将のベテランが控えているのは心強い。

 リリーフは来季の則本の起用法に注目で、個人的には先発のほうが良いと思うが、酒居に宋家豪、鈴木翔、藤平、渡辺翔に登板が集中しており層は厚いとは言えない、

 投手の上位候補では、丸夢斗(関大)篠木健太郎(法大)の名前が挙がり、ともに完成度の高い先発候補。またエース候補として、今朝丸裕喜(報徳学園高)小川哲平(作新学院高)藤田琉生(東海大相模高)がリストアップされている。

 また、夏の甲子園で準優勝に導いた坂井遼(関東一高や、2年生時から注目されたいた清水大暉(前橋商高の上位指名も不思議ではない。さらに村上泰斗(神戸弘陵高)川勝空人(生光学園高)狩生聖真(佐伯鶴城高)は最速150キロを超える本格派右腕で、冨原翔(神辺旭高)は173センチの小柄ながら、坂井や村上と同様に高校から投手を始め球速が150キロに迫っている。

 このほか、打者の評価も高い柴田獅子(福岡大大濠高)津嘉山憲志郎(神戸国際大高)、ナイジェリア人の父を持つ沼井怜穏(横浜隼人高)は身体能力が高い。父が元中日の洗平比呂(八戸学院光星高)と兄が阪神在籍中の茨木佑太(帝京長岡高)もポテンシャルでは引けを取らない。関景介(太田西山高)は入学してから球速が30キロ以上伸び、菊池ハルン(千葉学芸高)増地咲之介(海星高)は2メートルの大型右腕。

 大学生では真っ直ぐに力のある寺西成騎(日体大岩崎峻典(東洋大、小柄ながら奪三振率の高い左腕の宮原駿介(東海大静岡)が候補に挙がっている。

☆捕手~高校生または大卒社会人

 今季は太田光(大商大~18年②)が86試合、石原が61試合でマスクを被ったが、支配下人数が5名(育成は2名)しかおらず、安田悠馬(愛知大~21年②)は来季野手起用が濃厚で補強が急務だ。

 上位候補で名前が挙がるのが箱山遥人(健大高崎高)で、強肩強打の正捕手候補のサプライズ1位指名があっても不思議ではない。箱山を外した際は、大卒社会人2年目の石伊雄太(日本生命野口泰司(NTT東日本)、打撃の良い椎木卿五(横浜高)にシフトして良いと思う。

内野手~将来の中軸候補、左打ちの高校生または大学生

 内野は一塁の鈴木大、二塁・小深田、三塁・浅村、遊撃・村林のレギュラーが固定され、いずれも規定打席をクリアしている。小深田と村林の二遊間は2~3年は問題なさそうだが、鈴木大と浅村の後継は急ぐ必要がある。

 ただ、レギュラー以外でも阿部や茂木栄五郎(早大~15年③)が控え、主力が強固なだけに若手が入り込む余地は少ない、一塁も守れる安田、黒川史陽(智弁和歌山高~19年②)や入江大樹(仙台育英高~20年⑤)、育成の永田颯太郎(台湾体育運動大~22年育④)等に期待したい。

 1位候補で宗山塁(明大)は当然リストアップされており、小深田は三塁と外野、村林も二・三塁を守れ、宗山の1位指名の可能性も高い。ただ、それ以上に魅力なのが石塚裕惺(花咲徳栄高)で、走攻守揃ったプレースタイルに高校通算26本塁打の打力は大学生と比較しても遜色なく、高校時代の浅村を彷彿とさせる。

 また、19~26歳で左打者が黒川しかおらず、広角に長打が打てる柳館憲吾(国学院大)やパワーのある荒巻悠(上武大)が候補に挙がる。強肩で守備に定評のある岸本佑也(奈良産大高)も村林と同じタイプで評価が高い。

☆外野手~高校生と大卒社会人(右打ちならベスト)

 外野手は辰己と小郷がレギュラーだが、次に続くのがベテランの岡島やルーキーの中島で、今季不振だった島内の復活が待たれるが守備が不安で層は厚くない。若手台頭の気配もなく、阿部や渡邊佳、伊藤裕季也(立正大~19年D②)の内野のユーティリティが守っているのが現状だ。

 支配下で2名しかいない右打ちで絞ると、西川史礁(青学大渡部聖弥(大商大)が上位候補位に挙がる。ともに右のスラッガーで西川は中軸候補、渡部は強肩俊足で辰己と小郷がいる外野が鉄壁になる。残念ながら高校生で候補は見当たらなかったが、社会人では中尾勇介(東京ガスも俊足且つパワーも兼ね備え、増田将馬(くふうハヤテ)はファームでも実績のあるスピードスターだ。

 このほか、いずれも左打ちのスラッガーモイセエフ・ニキータ(豊川高)吉納翼(早大の評価が高く、小柄だがスピードのある飯森太慈(明大)も候補に挙がる。

●課題が多いなか、今年は野手の1位指名が濃厚!16年以来の高卒投手1位もある

 とにかく各ポジションに課題があり、投手なら即戦力の先発やリリーフ候補、捕手の数的確保、内外野の世代交代に、右打ち・左打ちのバランスなど挙げればキリがなく、是正するには時間を要する。

 1位候補で宗山塁(明大)西川史礁(青学大渡部聖弥(大商大)が濃厚だと思うが、今年は捕手の候補が少なく、箱山遥人(健大高崎高)のサプライズ1位指名の可能性もある。投手では大卒1位の選手が着実に成長しており、そろそろ今朝丸裕喜(報徳学園高)藤田琉生(東海大相模高)のエース候補にシフトしても良いと思う。

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~西川史礁(青学大・外野手)       箱山遥人(健大高崎高・捕手)      

 2位~小川哲平(作新学院高・投手)      篠木健太郎(法大・投手)

 3位~坂井 遼(関東一高・投手)       沼井怜穏(横浜隼人高・投手)

 4位~岩崎峻典(東洋大・投手)        岸本佑也(奈良産大高・内野手

 5位~荒巻 悠(上武大・内野手)       宮原駿介(東海大静岡・投手)

 6位~野口泰司(NTT東日本・捕手)     中尾勇介(東京ガス・外野手)        

 おススメは中村優斗(愛工大)で、報道を見る限り楽天はリストアップしていないようだが、最速159キロに真っ直ぐに変化球の精度の高さ、制球力もある本格派右腕で、先発・リリーフどちらも適性があり、獲得できれば則本の起用法も変わると思う。

24年ドラフト予想☆中日~来季は投手力強化が急務!19~22歳も不足し不安要素が多い

 今季もここ数年の課題が解消されることはなく、得点数は20年から5年連続でリーグワースト、ビジターゲームでの弱さも相変わらずで、ホームゲームは2つ貯金も、ビジターは借金18の内弁慶ぶりで、満を持して就任した立浪和義監督が退任を発表し、3年連続の最下位も現実味を帯びてきた。

 一方でフロントの責任も大きく、昨年のチーム編成から首を傾げた。巨人から中田翔大阪桐蔭高~07年日①)と中島宏之(伊丹北高~00年西⑤)、阪神から山本泰寛(慶大~15年巨⑤)と板山祐太郎(亜大~15年神⑥)を獲得したが、今一つ意図が分からなかった。山本と板山は守備型の選手で、42歳の中島には何を期待したのか…。長打力を期待された中田も35歳、MLB通算40本の新外国人ディカーソンも34歳で全盛期は過ぎており、2人合わせても本塁打7本は立浪監督も頭が痛かっただろう。

【9/22現在のチーム成績…56勝72敗8分/5位】

            24年/5位    23年/6位    22年/6位

 防御率(失点数)…3.03④(463④) 3.08②(498③) 3.28②(495②)

 打 率(得点数)….243④(360⑥) .234⑥(390⑥) .247④(414⑥)

 守備率(失策数)….988②( 65④)     .986④( 79④) .988②( 66②)

 本塁打数/盗塁数…  65⑤/37⑤       71⑥/36⑤     62⑥/66③

 打線をカバーしてきた投手陣も今年は成績が下降気味で、高橋宏がリーグ防御率1位の好成績を残し、小笠原慎之介東海大相模高~15年①)は打線の援護に恵まれず5勝止まりだが、防御率は2点台を維持している。ただ、この2人に続く投手がおらず、先発防御率3.33はリーグ5位で先発のやり繰りに苦労している。

 一方でリリーフ陣は奮闘し、マルティネスがリーグ最多の41セーブを上げ、松山晋也八戸学院大~22年育①)がリーグ2位、清水達也(花咲徳栄高~17年④)がリーグ3位のホールド数を上げ層は厚くなっている。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…※⑪小笠原慎之介(141回1/3)※①高橋宏斗(140回2/3)

     松葉貴大(93回1/3)涌井秀章(79回)メヒア(75回2/3)

 ☆ リリーフ…マルティネス・清水達也(57試合)松山晋也(55試合)斎藤鋼記(52試合)

     藤嶋健人(46試合)橋本侑樹(44試合)勝野昌慶(37試合)

 打線に至っては、正直、最後まで立浪監督が目指す野球が分からなかった。数字を見ると、出塁率は広島に次いで低い.293、犠打成功率はリーグワーストで、盗塁成功率は阪神に次いで低く、盗塁企画数はリーグワーストと一つ先の塁に進める攻撃が身についておらず、さらに得点圏打率はリーグワーストでは得点数は上がらない。

 打てないのであれば四球を選び出塁率を上げる。広い球場で長打が出難いのであれば犠打や盗塁を活用してランナーを進めるなど、数字を見れば見るほど、立浪監督が目指した野球は何だたっのだろうと思う。また、今季規定打席に達したのも細川成也(明秀日立高~16年⑤)と岡林だけで若手の育成もままならなかった。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…木下拓哉(73/199)宇佐見真吾(55/146)加藤匠馬(81/128)

 ☆内野手村松開人(102/389)カリステ(110/383)福永裕基(104/372)

        田中幹也(107/330)石川昂弥(75/248)中田 翔(62/225)

        高橋周平(60/190)山本泰寛(78/178)           

 ☆外野手…※⑤細川成也(136/573)※⑳岡林勇希(116/429)板山祐太郎(60/185)

        大島洋平(75/125)上林誠知(46/102)ディカーソン(32/102)      

●かつてのドラフト巧者も、偏ったドラフトで是正には時間を要する

 チームの低迷はドラフトも大きな要因で、特に立浪監督の3年間は即戦力中心で偏りが目立つ。21年はブライト健太(上武大~21年①)等、右打ちの大学生を3名指名、22年は大学生と社会人、独立リーグから二遊間を守れるいずれも俊足巧打タイプの内野手を4名獲得し、昨年も津田啓史(三菱重工イースト~23年②)と辻本倫太郎(仙台大~23年③)と二遊間の選手を獲得した。

 また、支配下指名した19名のうち、高校生は僅かに5名で、立浪監督自身が高校出身で入団しただけに、即戦力の短期的な補強ではなく、育成を主眼においた長期的な見地に立ったドラフトに期待しただけに残念だった。

 特に昨年は最下位からの巻き返しの気持ちは理解できるが、高校生の指名は最も少ない1名に終わった。しかし1位の草加勝(亜大~23年①)は入団後にトミージョン手術を受け、津田と加藤竜馬(東邦ガス~23年⑥)は一軍未出場、辻本は一軍出場12試合、土生翔太(BC茨城~23年⑤)も7試合登板と結果は散々だった。

 今年の投打の柱である高橋宏と小笠原、細川も岡林も高卒で、以前は根尾昂(大阪桐蔭高~18年①)や石川昂弥(東邦高~19年①)、高橋宏とスケール感のあるドラフトを展開しただけに余計に残念だった。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年⑤…岡林勇希(菰野高/⑤・外野手)

 20年③…高橋宏斗(中京大中京高/①・投手)

 21年⑤…なし

 22年⑥…村松開人(明大/②・内野手)福永裕基(日本新薬/⑦・内野手

 23年⑥…なし

  ↓↓

【中日の補強ポイント】 

 投 手…将来のエース候補、即戦力の先発

 捕 手…高校生または大卒社会人

 内野手…高校生の中軸候補

 外野手…高校生と大学生(右打ちならベスト)

 即戦力と内野手に偏ったこの間のドラフトは尾を引きそうだ。19~22歳に投手では松木平優太(精華高~20年育③)と福田幸之介(履正社高~23年④)、野手は捕手の味谷大誠(花咲徳栄高~21年④)と山浅龍之介(聖光学院高~22年④)の計4名しかおらず、捕手以外のすべてのポジションで不足している。ちなみにこの年代4名は12球団最小で、最多は日本ハムの11名なので、同じ年に就任して何かと評価される新庄監督との差がこういったところにもある。

 今季のドラフトは課題が多いなか優先順位は投手になることが予想される。2~3年で是正できるレベルではなく、長期的な視野に立つ必要があると思う。監督選任が難航しているようだが、現状では課題が多すぎまさに火中の栗だ。

☆投手~将来のエース候補、即戦力の先発

 来季以降を見据えると攻撃陣よりも投手陣への危機感の方が強い。今オフは小笠原のMLB移籍の可能性が高く、マルティネスも契約最終年で移籍の可能性がある。さらに来季は柳裕也(明大~16年①)がFAになり、高橋宏もMLBからの注目度が高い。

 加えて長年チームを支えた大野雄大(佛教大~10年①)は来季37歳、松葉貴大(大商大~12年オ①)も36歳、涌井秀章(横浜高~04年西①)は40歳になり、一気に投手陣の顔ぶれが変わる可能性が高く、松木平や草加、仲地礼亜(沖縄大~22年①)等の台頭がないと厳しい。

 一方でリリーフは清水に松山、藤嶋健人(東邦高~16年⑤)、勝野昌慶(三菱重工名古屋~18年③)、左腕の斎藤鋼記(北照高~14年オ⑤)に橋本侑樹(大商大~19年②)と20歳代の脂の乗り切った選手が多く心配はない。

 1位候補は丸夢斗(関大)中村優斗(愛工大)で、ともに先発ローテーションに入る力はあり、小笠原の移籍に備えるならば、左腕の金丸が有力だ。一方で、将来のエース候補で今朝丸裕喜(報徳学園高)清水大暉(前橋商高、左腕の藤田琉生(東海大相模高)も上位候補で、長期的なチーム作りを目標に高校生に移行して良いと思う。 

 甲子園でも活躍した高尾響(広陵高)はゲームメークに長け、球速だけなら田中綾真(旭川実高)昆野太晴(白鷗大足利高)村上泰斗(神戸弘陵高)小船翼(知徳高)狩生聖真(佐伯鶴城高)井上剣也(鹿児島実高)は150キロを超える。

 このほか、沼井怜穏(横浜隼人高)塩貝迅平(京都翔英高)、地元の内山京介(豊橋中央高)は真っ直ぐに力があり、金田龍之介(中津東高)は無名の公立高から現れた逸材だ。また、柴田獅子(福岡大大濠高)は高校通算19本塁打新井瑛太(滝川高)も野手としても評価されている。

 左腕では父親も中日でプレーした洗平比呂(八戸学院光星高)やU-18で評価を上げた高橋幸佑(北照高)は制球力に課題があるが将来性は十分で、冨士大和(大宮東高)奪三振率が高い。

☆捕手~高校生または大卒社会人

 今季は木下拓哉トヨタ自動車~15年③)と宇佐見真吾(城西大~15年巨④)、加藤匠馬(青学大~14年⑤)のベテランを併用した。木下のFA移籍の去就は気になるが、ファームには20歳の山浅と24歳の石橋康太(関東一高~18年④)も控えており補強を急ぐ必要はない。

 ただ、将来の正捕手候補で 箱山遥人(健大高崎高)がリストアップされており、強肩強打の箱山の上位指名はインパクトがあると思う。

内野手~高校生の中軸候補

 内野はレギュラー不在のなか、今季は一塁・石川、二塁・田中、三塁・福永、遊撃は村松が最も多く守り、福永以外全員が25歳以下で将来性もある。さらに守備力に定評のある辻本に龍空(近江高~20年③)、打撃が魅力の津田、俊足の樋口正修(BC埼玉~22年育③)の若手に、ベテランの中田や高橋周平(東海大甲府高~11年①)も控えタレントは多い。

 1位候補で宗山塁(明大)の名前が挙がるが、今まで以上に遊撃候補を増やすことは、単にトレード要員を増やす以外の意味を感じない。むしろ、石塚裕惺(花咲徳栄高)宇野真仁朗(早実高)の将来の中軸候補や、打撃に定評のある今坂幸暉(大院大高)岸本佑也(奈良産大高)など、走攻守揃った三拍子タイプではなく、何か一つのセールスポイントを持った選手を指名して欲しい。

 大学生も同様で、俊足で小技が得意の浦田俊輔(九産大や右のスラッガー佐々木泰(青学大は一芸で補強ポイントに合致する。

☆外野手~高校生と大学生(右打ちならベスト)

 外野手は細川と岡林がレギュラーで、身体能力の高いブライトや長打力が魅力の鵜飼航丞(駒大~21年②)、走力と守備力に長けた三好大倫(JFE西日本~20年⑥)や濱将乃介(NOL福井~22年⑤)がおり慌てる必要はない。ただ、年齢構成が悪く、19~22歳が不在で、加えて左打者が多くバランスが悪い。

 1位候補で名前が挙がる西川史礁(青学大は、中軸を担える即戦力で攻撃陣強化の面でも補強ポイントに合致する。渡部聖弥(大商大)も長打力に加え、俊足強肩で三塁を守れるのも心強い。また、ファームの盗塁王増田将馬(くふうハヤテ)も一芸で狙って良いと思う。

 高校生はいずれも左打ちのモイセエフ・ニキータ(豊川高)ラマル・ギービン・ラタナヤケ(大阪桐蔭高)正林輝大(神村学園高)がリストアップされており、左の長距離砲が川越誠司(北海学園大~15年西②)しかいない状況を考えると補強ポイントに合う。

●上位は即戦力投手か野手か?将来に向け投手力強化が求められる

 今年は1位候補が12人揃わないと言われ、1位指名は重複する可能性が高く、投手なら金丸夢人(関大)中村優斗(愛工大)、野手は西川史礁(青学大で予想してみた。また、2位以降は各チームとの駆け引きになり、左腕や捕手、外野手候補が少なく順位が上がり可能性が高く、反面、高卒内野手は下がるかもしれない。

 今年は投手中心に、期待を込めて高校生を多めに予想した。過去10年でAクラスは一度のみで、ここはオリックスのようにチーム再建に本格的に着手する時季で育成に舵を取って良いと思う。

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~金丸夢斗(関大・投手)        西川史礁(青学大・外野手)      

 2位~モイセエフ・ニキータ(豊川高・外野手)      村上泰斗(神戸弘陵高・投手)

 3位~洗平比呂(八戸学院光星高・投手)   寺西成騎(日体大・投手)

 4位~岸本佑也(奈良産大高・内野手)    高橋幸佑(北照高・投手)

 5位~小船 翼(知徳高・投手)       浦田俊輔(九産大内野手

 6位~笠井建吾(三菱自動車岡崎・投手)   新井瑛太(滝川高・投手/外野手)        

 おススメの選手は今年も候補の多い地元のモイセエフ・ニキータ(豊川高・外野手)で、今春のセンバツでは低反発バットを苦にせず本塁打を放ちミート力も増した。地元枠ではなく、将来の中軸候補として期待値が高い。

24年ドラフト予想☆オリックス~育成主体のドラフトは今年も変わらず。野手強化が優先課題

 9/15のソフトバンク戦のTV中継を観ていたとき、解説者が「当初はこの日のカード辺りが優勝を争う天王山になる予想だった」とコメントしていたように、シーズン前はソフトバンクと優勝予想が二分していた。結果は明暗が分かれ、ソフトバンクは独走で優勝間近のなか、オリックスはAクラスもままならずリーグ4連覇を逃した。

 要因は多々あり、移籍した山本由伸(ドジャース)と山崎福也(日本ハム)の28勝分を補うはずの投手陣は誤算が続き、FAで西川龍馬(王子~15年広⑤)が加入するも打線の状態は上がらず、得点数はリーグ5位に留まっている。3連覇を支えた主力の離脱が投手・野手ともに相次ぐなか、若手の台頭も不足し、世代交代の課題が浮き彫りになった。結局シーズン通してベストメンバーを組むことができず、ファンならずともストレスの溜まるシーズンになった。

【9/19現在のチーム成績…58勝71敗3分/5位】

            24年/5位    23年/1位    22年/1位

 防御率(失点数)…2.77②(407②) 2.73①(428①) 2.84②(458②)

 打 率(得点数)….236⑤(361⑤) .250①(508③) .246②(490④)

 守備率(失策数)….986⑥( 71⑥)     .989②( 60②) .986④( 75④)

 本塁打数/盗塁数…  65⑤/53⑥     109①/52⑥     89⑥/62⑤

 先発は山本に代わるエースの宮城がまさかの5勝に留まり、山下や東晃平(神戸弘陵高~17年育②)も不振で、山本の山崎福の穴を埋めるはずが3人合わせて11勝で終えたのは大きな誤算になった。

 それでも投手陣はリーグ2位の防御率を誇るのは驚きで、先発は新加入のエスピノーザが中心になり、2年目の曽谷も6勝を上げた。リリーフは新加入のマチャドが23セーブ、ルーキーの古田島は47試合に投げて防御率0点台の好成績を残している。吉田輝星(金足農高~18年日①)と鈴木博志(ヤマハ~17年中①)も移籍を機に復活するなど、主力が昨年から総入れ替えの状況のなか結果を残している。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…エスピノーザ(128回2/3)宮城大弥(119回2/3)曽谷龍平(113回)

                  田嶋大樹(105回2/3)カスティーヨ(94回1/3)

 ☆ リリーフ…マチャド(53試合)吉田輝星(49試合)古田島成龍・山田修義(47試合)

     井口和朋(31試合)鈴木博志(29試合)

 ケガ人続出のなか結果を残した投手陣と比べ打線は苦戦した。西川はパ・リーグの対応に苦慮して、昨年の首位打者の頓宮裕真(亜大~18年②)がまさかの打率1割台、紅林は規定打席をクリアするも本塁打2本と自慢の長打力が影を潜めた。

 何度かの離脱のなか結果を残す森友哉大阪桐蔭高~13年西①)はさすがだが、杉本裕太郎(JR西日本~15年⑩)の成績が下降し、中川圭太(東洋大~18年⑦)や宗佑磨(横浜隼人高~14年②)は規定打席に到達できていない。

 外国人選手もセデーニョ以外は機能せず、新加入のトーマスは18打数0安打で戦力になっていない。また、安達了一(東芝~11年①)やT-岡田(履正社高~04年①)の引退など、野手は本格的な世代交代に差し掛かったと言える。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…※④森 友哉(107/419)若月健矢(87/269)

 ☆内野手…※⑭紅林弘太郎(125/482)宗 佑磨(96/318)太田 椋(82/330)

      セデーニョ(90/309)頓宮裕真(81/290)西野真弘(83/289)

      中川圭太(60/233)大里昂生(43/152)廣岡大志(52/100)           

 ☆外野手…※⑬西川龍馬(127/512)福田周平(68/261)杉本裕太郎(74/221)

        来田凉斗(49/177)      

●育成主体のドラフトで3連覇達成!今年は不振でも方針は変わらず

 オリックスのドラフトが変わったのが、福良淳一GMが着任した19年からで、それまでの即戦力路線から育成路線にシフトした。自身も監督を務めた16~18年はいずれもBクラスで、福良GM着任前の10年間(09年~18年)もAクラスは14年の1回だけと短期的なチーム作りの限界を感じ取り、かつて所属していた日本ハムの育成路線を踏襲した。

 ここ5年のドラフトで特徴的なのは、上位は高校生と大学生の育成がメイン、下位はピンポイントで社会人を指名することで結果も出ている。19年は高校生3名と大学生2名、20年は1~3位まで高校生で、6位で阿部を獲得。21年は1~4位まで大学生、6~7位で社会人投手を指名している。22年は高校生3名に大学生2名を指名し、昨年は1~4位まで高校生で、4~7位で社会人投手を指名した。 

 特に昨年は同じ遊撃手に紅林がいるなか、横山聖哉(上田西高~23年①)を単独1位指名する傍ら、6位で古田島を獲得しており、この間のドラフトの成果と1つ上のチーム作りをする姿勢が窺えた。また、育成から支配下登録も多く、19年から23年までの5年間で、9名の支配下登録(うち2名は退団または移籍)は12球団最多で選手にとっても励みになる。

【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年⑥…宮城大弥(興南高/①・投手)紅林弘太郎(駿河総合高/②・内野手

 20年⑥…山下舜平太(福岡大大濠高/①・投手)阿部翔太(日本生命/⑥・投手)

       宇田川優希(仙台大/育③・投手)

 21年①…小木田敦也(TDK/⑦・投手)

 22年①…曽谷龍平(白鷗大/①・投手)茶野篤政(四国IL徳島/育④・外野手)

 23年①…古田島成龍セガサミー/⑥・投手)

  ↓↓

オリックスの補強ポイント】 

 投 手…先発・リリーフ左腕

 捕 手…大学生と社会人

 内野手…中軸候補と即戦力の二塁手

 外野手…高校生+中軸候補(右打ちならベスト)

 今季はBクラスが濃厚だが、若手の積極起用で既にチームは来季に向けた準備を進めている。今季の成績で慌てることなく、今年のドラフトも育成路線を変えることはないだろう。ただ、盤石な投手陣と比べ課題は攻撃陣で、上位は野手中心の指名なることが想定される。

 安達とT-岡田が引退し、杉本や西野真弘(JR東日本~14年⑦)、福田周平(NTT東日本~17年③)が30代半ばに差し掛かる。西川に森、若月健矢(花咲徳栄高~13年③)など主力が30歳になり世代交代が否応なしに起こっている。期待の若手がいない訳ではないが、中軸候補と呼べるのは紅林に横山、内藤鵬(日本航空石川高~22年②)くらいで、今年は長打力のある中軸候補を獲得したい。

☆投手~先発・リリーフ左腕

 投手はこれだけのケガ人が出ても、防御率がリーグ2位なのだから、来季離脱した選手が戻ってきたらどんな投手陣になるか末恐ろしい。

 先発は宮城を中心に、実績十分の田嶋大樹(JR東日本~17年①)と山岡泰輔(東京ガス~16年①)、山下と斎藤響介(盛岡中央高~22年③)の若手に、椋木蓮東北福祉大~21年①)に東が戻れば層は厚く、エスピノーザやカスティーヨが残れば万全だ。

 リリーフは平野佳寿京産大~05年希)代わるクローザーが課題だが、山崎颯一郎(敦賀気比高~16年⑥)に宇田川、小木田、阿部が戻り、今年活躍した鈴木に吉田、古田島、ベテランの山田修義(敦賀気比高~09年③)を加えた救援陣も層は厚い。

 当然、上位候補で金丸夢斗(関大)今朝丸裕喜(報徳学園高)藤田琉生(東海大相模高)清水大暉(前橋商高をリストアップしており、左腕の金丸や藤田は補強ポイントに合うが、上位が野手指名になれば、投手は3位以降の指名が濃厚だ。

 リストアップされている選手で、3位以降の候補で想定すると、小川哲平(作新学院高)に、甲子園は未出場で無名だが池田悠真(紋別高)昆野太晴(白鷗大足利高)村上泰斗(神戸弘陵高)川勝空人(生光学園高)は球速が150キロを超え、大学生では岩崎峻典(東洋大の評価も高い。隠し玉的な存在では、塩貝迅平(京都翔英高)前田明慶(福岡一高)も140キロ後半の真っ直ぐを投げ将来性は十分だ。

 一方、左腕が少ない状況から、山内悠生(北見柏陽高)洗平比呂(八戸学院光星高)冨士大和(大宮東高)河野伸一朗(宮崎学園高)が候補に挙がる。また、伊原陵人(NTT西日本)はゲームメークに長けチームにフィットする気がする。伊原以外の社会人では長身右腕の鷲尾昂哉(三菱重工エスト)も評価が高く、先発・リリーフともにこなせる。

☆捕手~大学生と社会人

 捕手は課題が多く、森と若月がいて安泰と思えるが、捕手の支配下人数6名のうち頓宮は一塁が主で、今季は捕手の出場がなく実質的には5名しかいない。また、森と若月、石川亮(帝京高~13年日⑧)は同い年の29歳で年齢構成も良くない。現状のチーム状況から考えると、森を頓宮と同じように野手起用で打撃強化を図る方法もあり、捕手の補強は野手の優先課題になる。

 昨年、堀柊那(報徳学園高~23年④)を獲得しているので、年齢構成からも大学生または社会人を狙いたい。大学生であれば強肩強打の清水智裕(中部大)、社会人なら強肩で守備に長けた石伊雄太(日本生命、打撃がセールスポイントの野口泰司(NTT東日本)大友宗(BCL茨城)が候補になる。一方で、森と若月が健在なうちに将来性重視で箱山遥人(健大高崎高)も指名もアリだと思う。

内野手~中軸候補と即戦力の二塁手

 今季は遊撃の紅林のみがレギュラーを務めるが、一塁にはタイトルホルダーの頓宮にセデーニョ、二塁は太田椋(天理高~18年①)と俊足の大里昂生(東北福祉大~21年育③)、三塁には名手の宗佑磨(横浜隼人高~14年②)と西野がおりタレントは豊富だ。また、横山聖や内藤の中軸候補も控え、内野の補強を急ぐ必要はない。

 1位候補では宗山塁(明大)石塚裕惺(花咲徳栄高)の名前が挙がり、二塁も守れる宗山は即戦力で、U-18の4番・石塚は将来の中軸候補で、ともに補強ポイントに合っており1位入札もある。

 中軸候補では石塚と同じU-18代表の花田悠月(智弁和歌山高)、高校通算64本塁打宇野真仁朗(早実高)に45本塁打森井翔太郎(桐朋高)をリストアップしてる。また、広角に長打を打てる石見颯真(愛工大名電高)今坂幸暉(大院大高)も評価が高い。大学生では、ともに打撃に定評のある三塁手で、佐々木泰(青学大は勝負強さ、柳館憲吾(国学院大)は広角に打ち分ける技術が評価されている。

☆外野手~高校生+中軸候補(右打ちならベスト)

 外野手は西川以外のレギュラーが不在で、中川の復帰や、若手では野口智哉(関大~21年②)や渡部遼人(慶大~21年④)、来田涼斗(明石商高~20年③)の成長など期待値は高いが、内野と同様のに中軸候補が欲しい。

 1位候補では西川史礁(青学大渡部聖弥(大商大)が挙がり、ともに右打ちで補強ポイントに合致する。西川は守備も良く、渡部は強肩俊足に三塁も守れ、外野を1位指名するならどちらにするか迷うだろう。高校生では、モイセエフ・ニキータ(豊川高)がリストアップされている

●世代交代が進むなか、野手強化で今年は大学生野手をドラフト1位指名か

 今年は西武や広島、ヤクルトなど外野手強化が課題のチームが多いなか、候補は決して多いとは言えない。相対的に外野手の順位が上がる可能性が高く、1位は西川史礁(青学大渡部聖弥(大商大)で予想してみた。

 18年を最後に高校生指名が全体指名人数の半数を割ったことはなく、今年も高校生主体の指名が予想されるが、全体的に大学生と社会人に候補が多くなく、上位と下位のバランスは逆転するかも知れない。

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~西川史礁(青学大・外野手)      渡部聖弥(大商大・外野手)

 2位~村上泰斗(神戸弘陵高・投手)     清水大暉(前橋商高・投手)

 3位~山内悠生(北見柏陽高・投手)     石伊雄太(日本生命・捕手)

 4位~柳館憲吾(国学院大・内野手)     伊原陵人(NTT西日本・投手)

 5位~石見颯真(愛工大名電高・内野手)   河野伸一朗(宮崎学園高・投手)

 6位~鷲尾昂弥(三菱重工エスト・投手)  花田悠月(智弁和歌山高・内野手)        

 おススメの選手は村上泰斗(神戸弘陵高・投手)で、高校入学から投手に転向し、2年夏に150キロを超えた。まだまだ投手としては学ぶところは多いが、地元の原石を投手育成に長けたチームでどう化けるか見てみたい。

24年ドラフト予想☆ヤクルト~今年も投手偏重ドラフトになるか?年齢バランスの悪さも課題

 昨年はチーム初の3連覇を目指すも、リーグ最多敗で最下位を免れるのがやっとで、今季も混戦セ・リーグのなか優勝争いに絡むことすらできなかった。21~22年の連覇が嘘のようにチームは低迷気味で、暗黒期に突入する雰囲気すらある。

 最大の要因は投手陣で、連覇の際も決して盤石とは言えなかったが、先発投手をローテーションで回し、質量とみに充実していた強力な救援陣と村上宗隆(九州学院高~17年①)を中心にした破壊力抜群の打線で勝ち抜いてきた。

 ただ、今季は先発ローテーションを組むのも四苦八苦で、救援陣もリーグ唯一の防御率3点台と精彩を欠いた。打線もサンタナや長岡の活躍はあるものの、村上が本調子と言えず、不安定な投手陣をカバーすることができなかった。また、投打ともにヤ戦病院と揶揄されるほどケガ人が相次ぎ、選手層の薄さが露呈した。

【9/14現在のチーム成績…54勝70敗4分/6位】

            24年/6位    23年/5位    22年/1位

 防御率(失点数)…3.69⑥(501⑥) 3.66⑥(567⑥) 3.52④(565⑥)

 打 率(得点数)….240⑤(447②) .239⑤(534②) .250③(619①)

 守備率(失策数)….987④( 61④)     .987③( 70③) .987③( 69③)

 本塁打数/盗塁数…  89②/58①     123②/62①    174①/69②

 投手陣の数字を見ると先発の防御率が12球団ワーストで、4点台はヤクルトしかいない。エースの小川泰弘(創価大~12年②)の離脱は痛いが、今季も規定投球回数をクリアしている投手はおらず、チームの最多投球回数が新外国人のヤフーレ、チーム最多勝は2年目の吉村の7勝が現状の厳しさを物語っている。

 リリーフはクローザーが不在で、田口麗斗(広島新庄高~13年巨③)の7セーブを最高に、木澤と石山泰稚ヤマハ~12年①)、先発からリリーフに回った小澤怜史(日大三島高~15年ソ②)が務め、大西や山本大貴三菱自動車岡崎~17年ロ③)でやり繰りしているが、救援防御率もリーグワーストで全体的な底上げが必要だ。

【投手 ※は規定投球回数 ○の数字は順位】

 ☆先発…ヤフーレ(119回1/3)吉村貢司郎(118回2/3)サイスニード(114回1/3)

                 高橋奎二(103回2/3)

 ☆ リリーフ…大西広樹(53試合)木澤尚文(51試合)山本大貴(41試合)

     石山泰稚(37試合)星 知弥・田口麗斗(36試合)小澤怜史(33試合)

 リーグ髄一の得点能力を誇った打線も下降気味だ。長岡の成長は好材料だが、村上とサンタナ、オスナ頼みは変わっておらず、塩見泰隆(JX-ENEOS~17年④)が不在の外野手はレギュラー不在で、長岡と村上を除けば主力は30歳代で世代交代が進んでいない。

 ケガ人の多さも悩みで、山田哲人履正社高~10年①)が離脱を繰り返し、塩見はシーズン絶望のケガで序盤に戦列を離れた。捕手は一時期人数が足らず、高卒ルーキーの鈴木叶(常葉菊川高~23年④)が先発マスクを被り、慌てて橋本星哉(中央学院大~22年育①)を支配下登録し、独立リーグから中川拓真(豊橋中央高~20年オ⑤)を獲得するなど迷走ぶりも目立った。

【野手 ※は規定打数 ○の数字は順位(試合数/打席数)】

 ☆捕 手…中村悠平(85/316)松本直樹(53/132)

 ☆内野手…※④長岡秀樹(128/540)※⑰オスナ(128/529)

      ※㉑村上宗隆(128/547)山田哲人(95/326)宮本 丈(53/154)

      武岡龍世(71/142)      

 ☆外野手…※①サンタナ(108/425)西川遥輝(100/314)丸山和郁(90/274)

      岩田幸宏(67/119)青木宣親(61/115)塩見泰隆(31/113)

●上位指名投手の不振がチーム全体に波及し、投打に課題の多いドラフトになる

 過去5年の1位指名を見ると、奥川恭伸(星稜高~19年①)から始まり、木澤~山下輝(法大~21年①)~吉村、そして昨年の西舘昂汰(専大~23年①)とドラフト1位ですべて投手を指名している。

 さらに過去10年を見てみても、17年の村上を除きすべて1位は投手指名で、うち高校生は奥川と寺島成輝(退団)だけと超即戦力志向になっている。ちなみに2位指名も過去10年で投手は6名、うち高校生投手は一人もおらず、上位は即戦力で底上げを図っているが、残念ながら結果は出ていない。

 そうなると野手は必然的に下位指名になり、長岡以外のレギュラー候補と呼べるのは丸山と内山壮真(星稜高~20年③)くらいで、結果この間のドラフトが上手く行っているとは言えない。

 もう一つ気になるのが指名人数の少なさで、多ければ良い訳ではないが、過去5年で本指名27名はロッテの次に少なく、育成選手指名8名も阪神の7名に次いで少ない。この期間中の他球団の育成指名の投手では、大関友久(ソフトバンク)や宇田川優希(オリックス)、松山晋也(中日)、水上由伸(西武)がおり、獲得できるチャンスがあっただけにもう少し指名人数を増やし、選手層に厚みを持たせても良いと思う。

過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】

 19年⑥…大西広樹(大商大/④・投手)長岡秀樹(八千代松陰高/⑤・内野手

 20年⑥…木澤尚文(慶大/①・投手)

 21年①…丸山和郁(明大/②・外野手)

 22年①…吉村貢司郎(東芝/①・投手)

 23年⑤…なし

  ↓↓

【ヤクルトの補強ポイント】 

 投 手…即戦力の先発とリリーフ、高校生(年齢構成)

 捕 手…必要なし。強いて言えば即戦力捕手

 内野手…即戦力の二塁手、将来のクリーンアップ候補

 外野手…高校生と大学生

 昨年は上位3名が即戦力投手の指名になったが、西舘と石原勇輝(明大~23年③)は一軍未登板で、松本健吾(トヨタ自動車~23年②)も3試合の登板で1勝(1敗)に留まったのは想定外だったと思う。さすがにそろそろ育成路線に舵を取っても良いと思うが、奥川クラスの超高校級と呼べる投手がおらず、上位は即戦力指名にならざるを得ないだろう。

 野手も課題が多く、サンタナとオスナの残留は朗報だが、村上は来季が3年契約の最終年で来年のオフにはMLB移籍の可能性もある。連覇を支えた中村悠平福井商高~08年③)や山田、塩見も30歳中盤に差し掛かり、世代交代の遅れは否めない。また、投打に年齢構成が悪く、上位指名の不振がドラフトにも波及している。

☆投手~即戦力の先発とリリーフ、高校生(年齢構成)

 先発は吉村と高橋奎二(龍谷大平安高~15年③)に、小川と奥川が揃えばある程度の計算はできる。特に高橋は来季10年目を迎え、チームの中心選手としての活躍を期待したい。ファームでは阪口晧亮(北海高~17年D③)と山野太一(東北福祉大~20年②)が好投しているが層の薄さは否めず、山下や西舘の巻き返しがないと来季も明るい材料は少ない。

 リリーフは田口を中心に、同じ左腕の山本、27歳の大西、26歳の木澤と小澤、ファームでチーム最多セーブの丸山翔太(西日本工大~20年育④)がおり、清水昇(国学院大~18年①)が戻れば質量の厚さ+年齢ともに期待できる。

 そうなると急ぐのは先発投手で、今ドラフトナンバーワン投手の金丸夢斗(関大)が最有力候補になる。将来性と年齢構成を優先すれば今朝丸裕喜(報徳学園高)藤田琉生(東海大相模高)も1位候補だが、やはり金丸1位入札がベストだと思う。

 金丸以外の即戦力では、中村優斗(愛知工大)篠木健太郎(法大)がおり、先発タイプの篠木は補強ポイントに合致する。高校生では、清水大輝(前橋商高高尾響(広陵高)田中綾真(旭川実高)が上位候補で名前が挙がり、奥川の指名以降、高校生投手の上位指名がなく、そろそろ獲得しても良いころだ。 

 このほか昆野太晴(白鷗大足利高)小船翼(知徳高)村上泰斗(神戸弘陵高)川勝空人(生光学園高)狩生聖真(佐伯鶴城高)は、中央では無名だが最速150キロを超える右の本格派で、右のスリークオーターの沼井怜穏(横浜隼人高)、総合力が高い上原堆我(花咲徳栄高)、左腕では洗平比呂(八戸学院光星高)の評価が高い。

 大学生では柿本晟弥東洋大寺西成騎(日体大は、坂口翔楓(国学院大)は最速150キロを超え、坂口は制球力も高くリリーフもこなせる。ただ、即戦力が必要ならば早川太貴(くふうハヤテ)はファームで実績もあり期待できる。

☆捕手~必要なし。強いて言えば即戦力捕手

 正捕手の中村が来季36歳になり、後継の育成が必要だが若手は揃ってきている。ファームでは24歳の橋本と19歳の鈴木がマスクを被り、21歳の中川、22歳の内山も控えており、敢えて指名の必要はない。

 強いて言えば即戦力捕手の指名で、守備に長けている石伊雄太(日本生命がいるが、打てる捕手の橋本に鈴木、内山を鍛えたほうが良く優先度は低い。

内野手~即戦力の二塁手、将来のクリーンアップ候補

 現在の布陣は一塁にオスナ、二塁に山田、三塁に村上、遊撃が長岡で、来季を見据えると優先順位は高くないが、山田がここ数年翳りを見せ、村上もMLB移籍の可能性がある。二塁は武岡龍世(八戸学院光星高~19年⑥)に小森航太郎(宇部工高~21年④)、三塁には北村拓己(亜大~17年巨④)と西村瑠伊斗(京都外大西高~22年②)がおり、北村拓を除けば全員が20歳代前半の楽しみな選手だ。ただ、山田や村上のようなスラッガーはおらず、将来の中軸候補を獲得したい。

 1位候補で宗山塁(明大)石塚裕惺(花咲徳栄高)の名前が挙がり、二塁・宗山と長岡の二遊間を見てみたいが、U-18の4番・石塚のほうが補強ポイントに合う。

 このほか、高校通算64本の宇野真仁朗(早実高)、54本の片井海斗(二松学舎大高)、45本の森井翔太郎(桐朋高)、大学生は佐々木泰(青学大も右打ちの三塁手で長打力もある中軸候で名前が挙がる。中軸タイプではないが、走攻守揃った遊撃手の斎藤大翔(金沢高)坂口優志(樟南高も評価が高い。

☆外野手~高校生と大学生

 外野手は課題が多く、青木宣親早大~03④)が引退を決め、塩見は潜在能力は高いがケガが多く、プロ7年で規定打席に達したのは連覇の21~22年だけで、計算が難しい。丸山や岩田幸宏(BC信濃~21年育①)も頑張ってはいるが、ともに打撃が課題で、濱田太貴(明豊高~18年④)の伸び悩みも頭の痛いところだ。また、年齢バランスが悪く、19~23歳が不在で、内山と西村が外野を守れるので、悲観することもないが、戦力的には補強が必要だ。

 1位候補では西川史礁(青学大渡部聖弥(大商大)が挙がり、今季のドラフトでは数少ない即戦力候補で、外野の穴を埋めることができる。飯山志夢(立正大)は俊足巧打のリードオフマンで、同じタイプなら知念大成(オイシックス)はイースタン首位打者で、増田将馬(くふうハヤテ)もウエスタンの盗塁王だ。高校生では、モイセエフ・ニキータ(豊川高)の評価が高く、低反発バットも苦にしない天性の長距離砲で補強ポイントに合致する。

●上位は即戦力、下位は将来性重視で高校生指名か?年齢構成の修正も投打に必要

 投打に課題はあるが、タレントが揃えば地力のあるチームなので、上位で投手なら金丸夢斗(関大)、野手なら三塁も守れる渡部聖弥(大商大)の即戦力が獲得できれば、以降は将来性を重視した高校生中心の指名にシフトして良いと思う。

 投手中心のドラフトになると思うが、野手は今年豊富な高校生の遊撃手を中心に将来の中軸候補に加え、即戦力の外野手は欲しい。また、昨オフのように西川や増田珠(横浜高~17年ソ③)等、戦力外選手の補強も結構だが、育成選手含めて、もう少し指名人数を増やしていかないと、チームの層は厚くならないと思う。

【指名シミュレーション】

      (Aパターン)             (Bパターン)

 1位~金丸夢斗(関大・投手)        渡部聖弥(大商大・外野手)

 2位~藤田琉生(東海大相模高・投手)    篠木健太郎(法大・投手)

 3位~佐々木泰(青学大内野手)      高尾 響(広陵高・投手)

 4位~田中綾真(旭川実高・投手)      片井海斗(二松学舎大高・内野手

 5位~飯山志夢(明大・外野手)       知念大成(オイシックス・外野手)       

 6位~早川太貴(くふうハヤテ・投手)    上原堆我(花咲徳栄高・投手)        

 おススメの選手は高尾響(広陵高・投手)で、上背のなさが指摘されているが、新旧エースの小川と石川雅規青学大~01年自)は、高尾と同じ170センチ前後の投手で、高尾にはこれとないお手本がおり、チームにフィットすると思う。