今オフは8選手がFA宣言し、明日13日から交渉が始まり、どのユニフォームに袖を通すか今から楽しみだ。このほか前田健太もMLBから日NPB復帰を表明し、本日実施されたトライアウトで高評価を得た選手もおり、ストーブリーグが本格的に始まる。
一方で、岡本和真(巨人)と村上宗隆(ヤクルト)、高橋光成と今井達也(ともに西武)がMLB挑戦を表明し、有原航平(ソフトバンク)もMLB復帰を目指す報道もあり、来季の日本人選手の活躍も今から楽しみだ。
【FA宣言選手】)※所属球団・守備・補償ランク
☆海外FA
・伊藤 光(DeNA・捕手/C)
・桑原将志(DeNA・外野手/B)
・松葉貴大(中日・投手/C)
☆国内FA
・東浜 巨(ソフトバンク・投手/B)
・松本 剛(日本ハム・外野手/B)
・辰己涼介(楽天・外野手/B)
選手の現況は11/12時点のもので、選手名の横の年数は指名年度、〇の数字は指名順位。※の選手は育成契約選手。太字は育成契約を打診されている選手、下線は引退選手です。
★福岡ソフトバンクホークス(59名+5名)
5年振りの日本一を達成する一方で、戦力外通告は12球団最多20名に上り、昨季トレード加入の濱口は引退を決めた。ケガで治療中の長谷川を含め、1年目の村田と川口、今季支配下登録された宮崎、在籍5年で一軍出場なしの牧原巧が育成契約を打診された。ただ、村田に川口、宮崎は育成契約に難色を示しており、昨年の三浦瑞樹(中日)や仲田慶介(西武)のように他球団移籍の道を選ぶ可能性はある。特に川口は一軍は5試合ながら防御率0.00、ファームでも32試合(35回)で防御率0点台で、この成績で育成契約を打診されるのは意外だった。
選手層が厚く、この間他球団に移籍した選手の活躍を見れば需要は高いと思う。今季一軍登板はなかったがファーム9勝の板東、又吉もファームで今季は27試合で75回と長いイニングを投げており、健在ぶりをアピールしている。
投 手…濵口遥大(16年/D①)又吉克樹(13年/中②)武田翔太(11年/①)
村田賢一(23年/④)板東湧梧(18年/④)田浦文丸(17年/⑤)
長谷川威展(21年/日⑥)宮崎 颯(22年/育⑧)川口冬弥(24年/育⑥)
※星野恒太朗(23年/育⑤)※大城真乃(20年/育⑦)※赤羽蓮(22年/育①)
※藤田淳平(23年/育⑦)※風間球打(21年/①)※水口創太(22年/育⑦)
捕 手…牧原巧太(20年/③)※加藤晴空(21年/育⑩)
内野手…※勝連大稀(19年/育④)※川原田純平(20年/④)
外野手…なし
外国人…※シモン(外野手)
【投手】
東浜のFA移籍の可能性が高く、2年連続最多勝の有原が移籍することになると選手層が厚いと言えども厳しい。ただ、FAや戦力外選手からの補強の可能性は少なく、今季全休のスチュアートの復活や若手の台頭、新外国人選手獲得での補強が現実的だ。
【野手】
野手最年長の柳田悠岐を筆頭に、主力選手の世代交代が迫っているが若手の台頭の遅れは喫緊の課題だ。今年ドラフト1位指名の佐々木入団にも時間はかかり、今年の開幕時のように主力が離脱すると厳しい。特に外野は19~22歳の若手が不在かつ右打者が少なく、FAの松本剛(日本ハム)や桑原将志(DeNA)は補強ポイントに合う。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①佐々木麟太郎(スタンフォード大・内野手)#1 ②稲川竜汰(九共大・投手)#13
③鈴木豪太(大商大・投手)#22 ④相楽雅斗(岐阜協立大・投手)#37
★北海道日本ハムファイターズ(60名+5名)
戦力外通告第一次の古川と若林が引退を決め、その後福田と石川も戦力外になり、トライアウト参加で新天地を探す。若手のホープと言われた根本をはじめ、宮内と松岡、2年目の星野は育成契約を打診された。
石川と福田はともに今季一軍登板はなく、石川はファームでも防御率6点台と精彩を欠いた。一方、一昨年29試合連続無失点の福田は体調面も回復傾向で、経験もあるリリーフ左腕だけに需要は高い。
投 手…福田 俊(18年/⑦)石川直也(14年/④)根本悠楓(20年/⑤)
宮内春輝(22年/⑥)松岡洸希(19年/西③)※中山晶量(22年/育②)
※山本晃大(22年/育④)
捕 手…古川裕大(20年/③)
内野手…若林晃弘(17年/巨⑥)
外野手…星野ひので(23年/⑤)※平田大樹(23年/育②)
【投手】
今季の後半戦で露呈したリリーフ強化が課題になる。ドラフト1位で大川を指名したが、投手は一人でも多いほうが良く、漆原大晟(阪神)や水上由伸(西武)の中堅、ベテランの又吉克樹(ソフトバンク)に澤村拓一(ロッテ)など経験のあるリリーバー、左腕では今村信貴(巨人)や地元出身の山本大貴(ヤクルト)がおり、この間選手の再生に成功しており、水上や山本はフィットする感じがする。
【野手】
規定打席はクリアしていないが、石井と松本がFA権を行使した。残留の可能性はあるが、今季正二塁手の石井の穴は大きく、来季に向け編成の見直しも必要になる。内野のユーティリティの山足達也(日本ハム)や元山飛優(西武)は守備力に長け、新庄監督が好みそうな選手だ。外野は左打者が少なく、宇草孔基(広島)や福田周平(オリックス)、駿太(中日)は守備走塁に長け不足しているピースを埋める選手は多い。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①大川慈英(明大・投手)#47 ②エドポロ・ケイン(大院大・外野手)#51
③大塚瑠晏(東海大・内野手)#40 ④半田南十(日大藤沢高・内野手)#57
⑤藤森海斗(明徳義塾高・捕手)#59
★オリックスバファローズ(57名+7名)
総勢13名の戦力外通告があったが、いずれも手術を受けた宇田川に小木田、本田仁、ルーキー東山、野手も大里と元には育成契約が打診され、それぞれ再起を目指す。
一方でチーム3連覇を支えた福田をはじめ、井口に佐野、今年現役ドラフトで加入した本田圭がチームを去り、本田圭は古巣・西武の打撃投手に転身し、村西と大江も引退を決めた。
昨年52試合に登板した井口は、今季は一軍で5試合と奮わなかったが、ファームでは40試合投げ防御率1点台と力は衰えてはいない。背番号を変え背水の陣で臨んだ福田も2年連続で結果は残せていないが、34歳とまだ体は動き復活に期待したい。
投 手…宇田川優希(20年/育③)東山玲士(24年/⑤)本田仁海(17年/④)
小木田敦也(21年/⑦)井口和朋(15年/日③)本田圭佑(15年/西⑤)
※大江海透(23年/育②)※村西良太(19年/③)※小野泰己(16年/神②)
捕 手…なし
内野手…大里昂生(21年/育③)
外野手…元 謙大(20年/②)佐野晧大(14年/③)福田周平(17年/③)
【投手】
今年のドラフトは高校生中心になり、上位を狙うためには先発、リリーフ、チームに不足している左腕投手が欲しい。
来季は山岡泰輔が先発に復帰するが、FAの東浜巨(ソフトバンク)や松葉貴大(中日)も補強ポイントに合う。リリーフは候補が多く、漆原大晟(阪神)の古巣復帰の可能性もあり、左腕では今村信貴(巨人)や佐々木健(西武)など候補は多い。
【野手】
レギュラーが固定されている反面、野手の支配下人数25名はさすがに少ない。特に内野手は10名しかおらず補強が必要で、実績十分の田中広輔(広島)、渡邉諒(阪神)は30歳と若い。外野手は右打者が少なく、地元関西出身の桑原将志(DeNA)や荻野貴司(ロッテ)は実績十分で、機動力不足も課題なだけに俊足の奥村光一(西武)もフィットする。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①藤川敦也(延岡学園高・投手)#43 ②森 陽樹(大阪桐蔭高・投手)#41
③佐藤龍月(健大高崎高・投手)#45 ④窪田洋祐(札幌日大高・外野手)#58
⑤高谷 舟(北海学園大・投手)#54 ⑥石川ケニー(ジョージア大・投手)#60
⑦野上士耀(明秀日立高・捕手)#65
★東北楽天ゴールデンイーグルス(55名+7名)
岡島と山田が引退を決め、育成の江川はブルペン捕手として再出発を図る。ケガでリハビリ中の松田とルーキー徳山、野手では前田が育成契約の打診を受けているが、22年の最多安打の島内、今年現役ドラフトで加入し、今季プロ初勝利を上げた柴田も戦力外になり、これで楽天は現役ドラフトで入団した選手が3年連続で1年でチームを去ることになった。
その柴田を含め、小孫に弓削、宮森はファームではそれぞれ40試合前後を投げているが、いずれも防御率は4点台、山崎は今季全休と成績だけ見ると厳しい。島内は今季は一軍はわずか5試合で無安打に終わったが、長打力はまだ健在。阿部はかつての巧打は影を潜めているが内外野守れ、勝負強い打撃はまだ活かせると思う。
投 手…小孫竜二(22年/②)徳山一翔(24年/②)弓削隼人(18年/④)
松井友飛(21年/⑤)松田琢磨(23年/⑤)柴田大地(21年/ヤ③)
宮森智志(21年/育①)
捕 手…※江川侑斗(19年/育①)
内野手…阿部寿樹(15年/中⑤)山崎 剛(17年/③)山田遥楓(14年/西⑤)
※永田颯太郎(22年/育④)
外野手…岡島豪郎(11年/④)島内宏明(11年/⑥)前田銀治(21年/③)
外国人…ターリー(投手)
【投手】
最大の補強ポイントは先発で、東浜巨(ソフトバンク)や松葉貴大(中日)、前田健太の加入は大きな補強になる。一方、則本昂大の移籍が決定的ななか、リリーフの強化も必要で、平井克典(西武)はチームにいないサイドハンド、水上由伸(西武)や佐藤蓮(阪神)は27歳と若く、ベテランの多いチームのなか年齢構成的に良い。
【野手】
今年のドラフトで捕手を指名するも、まだ高校生で時間はかかり、巧みなリードと打撃力も高い伊藤光(DeNA)は是非とも欲しい選手だと思う。内野はレギュラーが固定されているが、外野は辰巳涼介の移籍の可能性もあり、また右打者が1名しかいない状況から松本剛(日本ハム)に桑原将志(DeNA)、荻野貴司(ロッテ)は補強ポイントに合致する。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①藤原聡太(花園大・投手)#16 ②伊藤 樹(早大・投手)#20
③繁永 晟(中大・内野手)#35 ④大栄利哉(学法石川高・捕手)#45
⑤伊藤大晟(れいめい高・投手)#61 ⑥九谷 瑠(王子・投手)#34
⑦阪上翔也(近大・外野手)#38
★埼玉西武ライオンズ(59名+6名)
チームを支えた平井や田村をはじめ、新人王の水上、佐々木は2年連続の戦力外になった。野手ではルーキー古賀輝の戦力外には驚き、ファームで16試合出場の打率1割と1年で見切りを付けられた。このほか元山に野村大、松原の移籍組には厳しいオフになり、育成契約の打診もない厳しい結果になった。
平井は一軍未登板もファーム42試合で防御率2点台、水上と田村も年齢的に衰える歳ではない。野手では内野のユーティリティの元山、実績のある松原、ケガからの回復を目指す野村大がどのような評価を受けるか注目だ。
投 手…田村伊知郎(16年/⑥)平井克典(16年/⑤)佐々木健(20年/②)
水上由伸(20年/育⑤)※大曲 錬(20年/⑤)※井上広輝(19年/⑥)
捕 手…なし
内野手…元山飛優(20年/ヤ④)古賀輝希(24年/⑦)渡部健人(20年/①)
野村大樹(18年/ソ③)※野村和輝(22年/育①)※川野涼多(19年/④)
外野手…松原聖弥(16年/巨育⑤)奥村光一(23年/育⑥)モンテル(22年/育②)
【投手】
ポスティングで高橋光成と今井達也のMLB移籍が決定的で、2人で18勝の穴は大きい。今季から上積みが期待できる選手は多いが、東浜巨(ソフトバンク)や前田健太など計算できる選手が欲しい。また、昨年の仲田慶介に続き川口冬弥や宮崎颯(ともにソフトバンク)の獲得を検討しても良いと思う。
【野手】
課題の野手も補強が必要だ。捕手は不要だが、FA宣言の石井一成(日本ハム)や松本剛(日本ハム)はどちらも補強ポイントに合い、ポスティングの譲渡金でW獲りも可能だ。獲得できなかった場合は、渡邉諒(阪神)や島内宏明(楽天)を狙っても良いと思う。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①小島大河(明大・捕手)#10 ②岩城颯空(中大・投手)#14
③秋山 俊(中京大・外野手)#25 ④堀越啓太(東北福祉大・投手)#35
⑤横田蒼和(山村学園高・内野手)#59 ⑥川田悠慎(四国銀行・外野手)#49
★千葉ロッテマリーンズ(59名+7名)
断トツの最下位で終わったシーズン、ベテランに厳しいオフになり、引退の美馬と二木がチームに残るが、石川歩と荻野はコーチ打診を断り退団し、澤村もチームを去る。3年目の金田は一軍出場が遂に叶わず育成契約の打診も無く戦力外になったが、育成選手は2選手を除き契約が延長された。
戦力外選手で今季一軍で成績を残したのは澤村だけで、数字だけを見れば石川歩に岩下、国吉も実績はあるが評価は厳しい。荻野は試合数は少ないものの、3割を打つ力はあり貴重な右打ちの外野手ではあるが、41歳の年齢の判断が悩みどころだ。
投 手…澤村拓一(10年/巨①)石川 歩(13年/①)美馬 学(10年/楽②)
二木康太(13年/⑥)西村天裕(17年/日②)岩下大輝(14年/③)
国吉佑樹(09年/D育①)※田中楓基(21年/育①)※本前郁也(19年/育①)
※森遼大朗(17年/育②)※秋山正雲(21年/④)※中村亮太(20年/ソ育⑧)
※永島田輝斗(21年/育③)
捕 手…柿沼友哉(15年/育②)
内野手…大下誠一郎(19年/オ育⑥)金田優太(22年/⑤)※勝又琉偉(22年/育③)
外野手…荻野貴司(09年/①)
【投手】
今年はドラフトで補強は進んだが、FAの松葉貴大(中日)や今村信貴(巨人)はチームに少ない左腕で補強ポイントに合う。また、トライアウトで好投した宮森智志(楽天)や左腕の福田俊(日本ハム)、育成の大城真乃(ソフトバンク)、森木大智(阪神)など期待の若手の獲得も面白い。
【野手】
内野手は遊撃手、外野手は左打者を厚くしたい。ともにべテランの田中広輔(広島)や福田周平(オリックス)、島内宏明(楽天)などはもう一度ユニフォーム姿を見たい選手で、若返りの一方ベテランの力も必要だ。。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①石垣元気(健大高崎高・投手)#17 ②毛利海大(明大・投手)#11
③奥村頼人(横浜高・投手)#46 ④櫻井ユウヤ(昌平高・内野手)#55
⑤冨士隼斗(日本通運・投手)#39 ⑥岡村了樹(富島高・捕手)#68
⑦田中大聖(ホンダ鈴鹿・投手)#40