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どのチームが「人」を育て強くなるのか

22年戦力展望☆ロッテ~実力主義で若手の台頭に期待!半世紀ぶりの勝率1位の優勝を狙うシーズン

 昨年は開幕5連敗スタートも、4月中旬には借金を完済。前半戦は打線が好調で、荻野貴司トヨタ自動車~09年①)とマーティンの1・2番が機能し、中村奨吾(早大~14年①)とレアードの中軸で得点するパターンがハマり、3位でターンした。

 後半戦になると投手陣が安定感を増し、小島がプロ初完封を飾るなどエース格に成長し、令和の怪物・佐々木朗希(大船渡高~19年①)も大器の片りんを見せ、終盤戦は大事なゲームを任された。リリーフもシーズン途中に加入した国吉佑樹秀岳館高~09年横育①)~佐々木千隼(桜美林大~16年①)~益田直也関西国際大~11年④)の勝ちパターンが確立した。

 9月に単独首位に立つも、それ以降は連敗が続き、マジック点灯に足踏みが続いた。なんとか10月にマジックを点灯させるも、残り11試合は5勝6敗。141試合目でオリックスに優勝を奪われ悔しいいシーズンになった。ポストシーズン楽天こそ退けたものの、オリックスには2敗1分で一昨年に続き1勝もできずにシーズンを終えた。

 ただ、オリックスのように絶対的なエースがいる訳ではなく、ソフトバンクのように選手層が厚い訳でもない。東京オリンピックには12球団で唯一選ばれなかったが、そのなかでも2年連続2位になったチーム力が今季は実を結ぶかもしれない。

【過去5年のチーム成績】

     順位   勝敗      打率 本塁打 盗塁   得点  防御率 失点 

 21年 2位 67勝57敗19分 .239   126本   107個  584点  3.67  570点

 20年 2位 60勝57敗  3分 .235    90本   87個  461点  3.81  479点

 19年 4位 69勝70敗  4分 .249  158本   75個  642点  3.90  611点

 18年 5位 59勝81敗  3分 .247    78本 124個  534点  4.04  628点

 17年 6位 54勝87敗  2分 .233    95本   78個  479点  4.22  647点  

【過去5年のドラフトの主戦力】

 20年~なし

 19年~なし

 18年~小島和哉(投手~早大③)

 17年~藤岡裕大(内野手トヨタ自動車②)

 16年~酒居知史(投手~大阪ガス②) 

 過去5年のドラフトを見ると寂しい限りで、酒居は既に楽天へ移籍している。とてもチーム力が上がっているとは思えないが、今季の成績で一気に主力になれるスケール感のある選手が控えている。

 投手ならリリーフで素質を開花させた佐々木千、パワーピッチャーの東妻勇輔(日体大~18年②)はともにリリーフエース候補。また、2年目の鈴木昭汰(法大~20年①)と河村説人(星槎道都大~20年④)は先発・リリーフもでき、19年に8勝を上げた種市篤暉(八戸工大一高~16年⑥)はケガからの復活を目指している。

 野手では、4番候補で安田尚憲(履正社高~17年①)と山口航輝(明桜高~18年④)の左右の和製大砲候補に、トリプルスリーを狙える藤原恭大(大阪桐蔭高~18年①)はレギュラー候補。また、打てる捕手の佐藤都志也(東洋大~19年②)、ファームで2年連続3割の高部瑛斗(国士館大~19年③)、足のスペシャリスト和田康士朗(BC富山~17年育①)などバラエティにも富んでおり、今季何人かがレギュラーを獲得できれば黄金時代到来も夢ではない。

●投手陣~令和の怪物、佐々木朗と新たな三本柱にリリーフはポスト益田に期待

 前半戦は先発が思うように試合を作れないなか、岩下大輝(星稜高~14年③)が8勝を上げ先発陣を支えた。後半戦になると小島が2完封を含む自身初の10勝と規定投球回数をクリアし、佐々木朗は勝ち星こそ3勝だったものの防御率2.27の好成績で、後半戦だけに限って言えば2人がエース級の活躍を見せた。また、ルーキーの河村はリリーフから先発に回ると後半戦で4勝を上げ、途中加入のロメロも4試合ながら、防御率1点台の安定感を見せ、今季に繋がる活躍を見せたのは収穫だった。

 一方で、開幕投手の二木康太(鹿児島情報高~13年⑥)が5勝に終わり、石川歩(東京ガス~13年①)と美馬学東京ガス~10年楽②)の両ベテランも6勝と今ひとつの成績に終わった。

 リリーフ陣では、佐々木千が前半を支え、スタートはビハインドの面や敗戦処理だったが、結果を残しセットアッパーに定着し、54試合で8勝を上げた。前半が佐々木千なら、後半はDeNAから加入した国吉で、唐川侑己(成田高~07年①)の離脱やハーマンの不振もあり、移籍後直ぐに7回の勝ちパターンに組み込まれると17ホールドの好成績を残した。

 そしてなんといっても益田である。開幕から救援失敗が続いたが、そこは百戦錬磨の経験で復活。終わってみれば、パ・リーグのクローザーではただ一人シーズンを完走し、67試合登板で38セーブで自身2度目の最多セーブを獲得した。

【21年シーズン結果】※☆は規定投球回数クリア

 ・先発…☆小島和哉(146回)岩下大輝(120回)二木康太(117回)

     美馬 学(115回1/3)石川 歩(80回)鈴木昭汰(79回1/3)

     佐々木朗希(65回1/3)

 ・救援…益田直也(67試合)佐々木千隼(54試合)小野 郁(49試合)

     ハーマン(45試合)唐川侑己(38試合)田中靖洋(38試合)

       東妻勇輔(37試合)国吉佑樹(25試合)

【今年度の予想】

 ・先発…石川 歩 小島和哉 美馬 学 佐々木朗希 岩下大輝 

       種市篤暉 二木康太 西野勇士 鈴木昭汰 本前郁也 河村説人 ロメロ

 ・中継…佐々木千隼 唐川侑己 東妻勇輔 小野 郁 ※ゲレーロ 国吉佑樹     

       ※廣畑敦也 ※八木 彬 田中靖洋 中村稔弥 横山陸人 土居豪人

 ・抑え…益田直也 

 開幕投手には石川が決まり、制球力と安定感が抜群で小島と佐々木朗の若手を抑えた。小島も好調を維持し、昨年後半で一皮向け今季も2桁勝利を計算できる。そして佐々木朗である。オープン戦では圧倒的な投球を見せ、シーズンが終わるころにはどんな成績を残しているか楽しみで、本当に山本(オリックス)とタイトル争いを繰り広げているかもしれない。

 先発は石川に小島、佐々木朗が三本柱になり、プラス美馬までは決まりで、残り2枠の争いになる。順当にいけば岩下と二木になるが、鈴木と本前郁也(北翔大~19年①)の両左腕に、河村や昨季ファーム最多勝の森遼太朗(都城商高~17年育②)も加えギリギリまで競争は続きそうだ。

 また、故障からの復帰を目指す種市は夏ごろに合流になりそうだが、西野勇士(新湊高~08年育⑤)は間に合い、中継ぎスタートになるがいずれ先発に回る予定で、来日遅れのロメロが合流すれば先発陣は厚みを増す。

 リリーフは益田のクローザーは決まりで、佐々木千と国吉の勝ちパターンは今年も健在で、唐川や田中靖洋(加賀高~05年西④)のベテランの存在も頼もしい。

 若手では小野郁(西日本短大高~14年楽②)や東妻も信頼を高め、勝利の方程式に喰い込みたい。横山陸人(専大松戸高~19年④)は球速もアップし成長著しく、土居豪人(松山聖陵高~18年⑧)も一軍定着を狙う。佐々木千に小野、東妻はポスト益田を目指す活躍を期待したい。

 新戦力ではルーキーの八木彬(三菱重工エスト~21年⑤)の評価が高く、152キロの直球とフォークが武器。同じく廣畑敦也(三菱自動車倉敷~21年③)は先発、リリーフともに適性がありロングリリーフ等で出番が増えそうだ。新外国人のゲレーロは、制球力に課題はあるが最速164キロのストレートが武器で、日本で活躍するタイプと言える。

 最後に育成選手では、遅い球が武器の技巧派左腕の佐藤奨真(専大~20年育④)に、昨季のファームセーブ王の小沼健太(BC茨城~20年育②)がキャンプで好投を見せており、支配下登録されればさらに投手陣の層が厚くなる。

●野手陣~若手の台頭があれば、さらに得点力アップ!期待はドラ1の安田と藤原

 得点数リーグ1位の打線は、チーム打率は、.239のリーグ4位ながら、本塁打はリーグ3位もトップからは7本差、盗塁数は100を超えリーグ1位、四球と出塁率はリーグ2位と数字を見ても得点力が上がってきている。

 個々で見ると荻野と中村奨が全試合にスタメン出場。荻野は36歳にして全試合で1番打者で出場し、最多安打と最多盗塁のタイトルを獲得した。チームリーダーの中村奨は、高い出塁率と守備率で、4年連続全試合出場と2年連続全試合スタメン出場と攻守でチームを引っ張り、荻野とともにゴールデングラブ賞を獲得した。このほか恐怖の8番打者と呼ばれた藤岡が規定打席をクリアしている。

 外国人選手も結果を残し、マーティンは9月に骨折で離脱したものの27本塁打75打点、腰の手術明けのレアードも29本塁打95打点で最後まで打点王を争った。また、エチェバリアは打撃こそ今ひとつだったが、メジャー屈指の守備で何度もチームのピンチを救い、それぞれが役割を果たした。

 一方で若手は。山口が開幕スタメンの座を勝ち取り9本塁打を放ち、和田も代走中心ながら盗塁王を獲得したが、それ以外は今季も伸び悩んだ。開幕4番の安田は序盤は良かったものの後半はスタメン落ちが増え、藤原も7・8月の月間MVPを獲得するも、終わってみれば打率も2割でともに規定打席もクリアできなかった。佐藤都も打撃では成長を見せたものの、田村の故障離脱のチャンスを活かせず、中日から加入した加藤匠馬(青学大~14年中⑤)の後塵を拝した。

【21年シーズン結果(試合数/打席数)】※☆は規定打席クリア

 捕 手…田村龍弘(70/165)佐藤都志也(62/155)加藤匠馬(57/123)

 内野手…☆中村奨吾(143/615)☆レアード(136/545)☆藤岡裕大(137/483)

       安田尚憲(115/399)エチェバリア(79/216)

 外野手…☆荻野貴司(143/643)☆マーティン(116/499)角中勝也(107/326)

       藤原恭大(78/254)山口航輝(78/228)岡 大海(110/185)       

【昨年の開幕時スタメン】 【昨年の基本オーダー】  

  1)荻野貴司⑦      1)荻野貴司⑦      

  2)菅野剛士③      2)マーティン⑨       

  3)マーティン⑨        3)中村奨吾④   

  4)安田尚憲⑤      4)安田尚憲⑤      

  5)山口航輝DH     5)レアード③      

  6)中村奨吾④      6)山口航輝DH     

  7)鳥谷 敬⑥      7)岡 大海⑧   

  8)田村龍弘②      8)藤岡裕大⑥

  9)藤原恭大⑧      9)加藤匠馬②  

【今シーズンの開幕一軍候補】

 捕 手…※松川虎生 田村龍弘 佐藤都志也 加藤匠馬(柿沼友哉)

 内野手…※池田来翔 藤岡裕大 安田尚憲 中村奨吾 レアード エチェバリア

    (平沢大河 三木 亮 福田光輝 井上晴哉 小川龍成)

 外野手…荻野貴司 藤原恭大 岡 大海 山口航輝 和田康士朗   マーティン

    (角中勝也 福田秀平 菅野剛士 高部瑛斗)

【今シーズン予想~打順】  【今シーズン予想~守備】

  1)荻野貴司⑦      捕 手)田村龍弘(松川虎生) 

  2)藤原恭大⑧      一塁手)安田尚憲(山口航輝)

  3)中村奨吾④      二塁手)中村奨吾

  4)マーティン⑨     三塁手)藤岡裕大(池田来翔)

  5)レアードDH     遊撃手)エチェバリア(平沢大河)

  6)安田尚憲③      左翼手荻野貴司(高部瑛斗)

  7)エチェバリア⑥    中堅手)藤原恭大(和田康士朗)

  8)藤岡裕大⑤      右翼手)マーティン(岡 大海)

  9)田村龍弘②      D H)レアード

 今季、井口監督は期待値ではなく実力で選手を起用すると明言している。そのなかでレギュラーは中村奨と荻野、レアードとマーティンが決まりで、あとは言葉の通り若手がキャンプでベテランを煽り、結果選手層に厚みを持たせたい。

 捕手は田村か加藤で決まりだろうと思っていたところに、ルーキーの松川虎生(市和歌山高~21年①)が予想以上外の活躍を見せ、史上3人目の高卒ルーキー開幕スタメンもあり得る。元々、打撃と肩は良かったがキャッチングやリード面でも高評価を得ており、田村は近年故障が多く、加藤は強肩で守備は良いが打撃に難があり、当初は3~4年後の正捕手候補が、1年目からの正捕手獲りも夢ではない。こうなると佐藤都の起用法が悩みで、個人的には得意の打撃を活かし野手専念でも良いと思う。

 内野はレアードが一塁または指名打者、二塁が中村奨は決まりで、三塁と遊撃の争いになる。一塁はレアードのほかに山口が控え、安田が一塁に回ることも出来る。三塁はその安田に期待したいが、キャンプでもなかなか快音が響かない。そのなかで安田と同学年ルーキーの池田来翔(国士館大~21年②)が結果を残し、守備だけなら藤岡やエチェバリアの三塁起用もあり、安田は早くも今季が転機になると思う。

 遊撃はその藤岡とエチェバリアの争いで、ともに守備は良く個人的にはセンターライン強化で、遊撃は守備力重視で、三塁は打撃重視で良いと思う。ただ、そのなかでオープン戦打撃好調なのが平沢大河(仙台育英高~15年①)で、2年間一軍出場がなく今季が勝負の年になり、打撃でアピールして三塁でも遊撃でも出番を増やしたい。

 外野は左翼の荻野と右翼のマーティンが決まりで、中堅の争いが激しい。誰もが期待するのは藤原だが、安田と同様に現状は今ひとつ。走攻守揃ったベテランの岡大海(明大~13年日③)や打力アップでレギュラーを狙う和田との争いに、オープン戦好調の高部も加わり混戦になっている。

 打線は2番を誰にするかがポイントになる。昨年は前半はマーティン、その後は藤原、終盤は日替わりで最後は中村奨が務めるなど最後まで決まらかった。荻野が1番に座り、中村奨~マーティン~レアードの中軸に繋げるために、2番がやはりポイントになる。

 今季の打線のカギを握るのはやはり若手の台頭だが、一方で忘れていけないのはベテランの奮闘で、角中勝也(四国IL高知~06年⑦)はもう一花咲かせたいところで、ムードメーカー三木亮(上武大~13年②)は黒子として欠かせない存在だ。また、井上晴哉日本生命~13年⑤)や福田秀平(多摩大聖ケ丘高~06年ソ①)の復活にも期待したい。

投打に若手の台頭があれば、優勝候補の最右翼。2年連続2位の悔しさを晴らしたい

 注目の選手は、投手はやはり佐々木朗希だ。オープン戦を見ていても、直ぐにでもシーズン開幕しても大丈夫だと思う。160キロを超えるストレートに変化球の精度も上がり、セットポジションやフィールディングも進化している。今季は初の中6日で、1年通せるかが課題になるが、その課題をクリアできれば多くのタイトルを獲得しているだろう。

 野手では、岡大海に期待している。昨年は2度のサヨナラ本塁打に、好守備で何度もチームを救った。また、盗塁の成功率も高く、走攻守で高い潜在能力を秘めている。今季31歳のベテランだが、オリックスの杉本のようなブレイクがを期待できる選手だ。オープン戦でも好調を維持しており、今季はチームのキーマンになりそうな気がする。

 あるプロ野球の専門誌で、スポーツライターが順位予想を載せているが、9名中6名がロッテ優勝を予想している。今季は昨年の悔しさが今季の原動力になり、優勝候補の一角として、かなり近い位置にいると思う。

 パ・リーグも混戦になると思うが、スタートダッシュに成功し、若手が台頭すれば独走する可能性があるチームはロッテだと思う。今季は半世紀振りの勝率1位の優勝を実現したい。