【ソフトバンク~育たないドラフト1位で育成に翳り?】
一時は開幕戦のスタメン全員が故障で戦列を離れ、最下位にも落ちたが、選手層の厚さでカバーし、最後は日本ハムを振り切り2年連続でペナントレースを制した。
2年連続の優勝でチームは円熟期も、課題の一つとしてドラフトが挙げられる。直近10年のドラフト1位指名で主戦はおらず、既に半分はチームにいない。将来性重視で高校生を5年連続で1位指名しているが、前田悠伍(大阪桐蔭高~23年①)と村上泰斗(神戸弘陵高~24年①)は別にしてほぼ全滅と言え、育成に陰りがあるのも事実だ。
【過去5年のチーム成績】
順位 勝敗 防御率(失点) 打率(得点) 本塁打 盗塁 失策
21年 4位 60勝62敗21分 3.25①(493①).247②(564②)133① 50⑤ 57①
22年 2位 76勝65敗 2分 3.07③(436③).255①(555①)108② 86④ 59②
23年 3位 71勝69敗 3分 3,27④(507④).248②(536①)104② 73④ 52①
24年 1位 91勝59敗 3分 2.53①(390①).259①(607①)114① 89③ 53①
25年 1位 87勝53敗 4分 2.39①(389①).257①(551①)101② 98② 77⑥
【ソフトバンクの補強ポイント】
投 手…将来のエース候補、即戦力の先発とリリーフ
捕 手…必要なし
内野手…将来の中軸候補
外野手…高校生と右打ちの大学生
◆投手
来季の先発も驚異の防御率1.46で12勝を上げたモイネロ、2年連続最多勝の有原航平(早大~14年日①)、上沢直之(専大松戸高11年日⑥)、大関友久(仙台大~19年育②)の10勝カルテットが中心になる。登板は少なかったが大津亮介(日本製鉄鹿島~22年②)も防御率1点台、松本晴(亜大~22年⑤)も2点台と好成績を残しており心配はない。ただ、有原も上沢も30歳を超え若手の台頭も待ち遠しい。
リーグ屈指のリリーフは、リーグ最多31セーブを上げた杉山一樹(三菱重工広島~18年②)、松本裕樹(盛岡大高~14年①)と藤井晧哉(おかやま山陽高~14年広④)はともに51試合登板で防御率1点台、ここにオスナが戻れば、クローザーを任せられる選手が揃う。さらに津森宥紀(東北福祉大~19年③)やヘルナンデスとポイントでタレントが揃っているのも強みだ。
【来季の予想布陣】
東浜 巨 大津亮介 前田悠伍 前田 純
リリーフ…津森宥紀 大江竜聖 尾形崇斗 杉山一樹 藤井晧哉 オスナ 大山 凌
ヘルナンデス 松本裕樹
1位候補に挙がっているのは、石垣元気(健大高崎高)と斎藤汰直(亜大)、毛利海大(明大)、堀越啓太(東北福祉大)と素材型が多く、石垣は将来のエース候補。奪三振率の高い斎藤は伸びしろに期待できる。毛利は今年急成長を遂げた本格派左腕。最速160キロの堀越は今季不調でリーグ戦出場が少ないが、じっくり育成する余裕がホークスにはある。
高校生では藤川敦也(延岡学園高)、甲子園にも出場した江藤蓮(未来富山高)と佐藤龍月(健大高崎高)の両左腕も上位候補だ。藤川は153キロを投げる本格派右腕で、変化球の質も高く、石垣を外した際に次に名前が呼ばれる可能性もある逸材。江藤は無名校を甲子園に導いた左の本格派で、佐藤は肘の手術から回復を果たした。
このほか、鈴木蓮吾(東海大甲府高)に内藤優央(静清高)、坪眞都(大垣北高)も中央では無名だが直球に力があり、瀧上春斗(穴吹高)は高校から投手に転向しドラフト候補まで成長し、早瀬朔(神村学園高)は長身から150キロを投げ込む。
即戦力では伊藤樹(早大)はゲームメークに長け、藤原聡太(花園大)は奪三振率が高く他球団も狙う上位候補。高須大雅(明大)は身長190センチから角度のある直球が武器で、都市対抗で好投した谷脇弘起(日本生命)は総合力が高い。高卒2年目の篠崎国忠(四国IL徳島)は、大柄な体格から157キロを投げ込むパワーピッチャー。
◆野手
今季は牧原大成(城北高~10年育⑤)が、唯一3割をキープし育成初の首位打者になり、柳町達(慶大~19年⑤)も初の規定打席クリアで打率リーグ2位の成績を残した。
捕手は海野隆司(東海大~19年②)が正捕手の足掛かりを築き、同い年の谷川原健太(豊橋中央高~15年③)とベテランの嶺井博希(亜大~13年D③)が控え問題ない。
内野は一塁が山川穂高(富士大~13年西②)と中村晃(帝京高~07年③)、二塁に牧原大、三塁には栗原陵矢(春江工高~14年②)がおり、遊撃は今宮健太(明豊高~09年①)の不振を野村勇(NTT西日本~21年④)と川瀬晃(大分商高~15年⑥)が埋めた。外野はケガさえなければ柳田悠岐(広島経大~10年②)と近藤健介(横浜高~11年日④)、周東佑京(東農大オホーツク~17年育②)がおり、柳町と正木智也(慶大~21年②)も控え層は厚い。
ただ、柳田と中村、山川、今宮がいずれも35歳を超えており、世代交代が確実に迫っている。
【来季の予想布陣】
捕手…渡邉 陸 嶺井博希 谷川原健太 海野隆司
内野…川瀬 晃 ダウンズ 山川穂高 今宮健太 中村 晃 牧原大成 栗原陵矢
廣瀬隆太 野村 勇
外野…近藤健介 柳田悠岐 周東佑京 佐藤直樹 正木智也 柳町 達 緒方理貢
他球団同様、立石正広(創価大)が1位候補で、チームには見倣う選手が多いだけにさらなる成長が期待できる。このほか、ともに二塁手の勝田成(近大)と繁永晟(中大)、外野手の平川蓮(仙台大)で、勝田は俊足でパンチ力があり、繁永は堅実な守備の中距離打者で、ポスト牧原大を期待できる。平川も左右に長打が打て、立石を外した際の指名が有力で、捕手の小出望那(大商大)もリストアップされている。
高校生では遊撃手の大橋令和(オイスカ浜松国際高)と今岡拓夢(神村学園高)が候補に挙がり、大橋は守備力が高く、今岡は高校通算17本塁打のスラッガーで、左打ちの遊撃手が多い状況から、今岡のほうが補強ポイントにハマる。
2人のドミ二カン留学生(ともに幸福の科学学園高)にも注目で、エミール・セラーノ・ブレンザはチームに欲しい右打ちの外野手、ユニオール・エルイン・ジャケスは強肩の捕手で、ともに高い身体能力とパワーがどう開花するか注目したい。
【阪神~ドラフト上位選手が主力になり投打に盤石】
今季は主力の離脱もなく、投打にメンバーが固定でき、史上最速に加え全チームから勝ち越しの完全優勝で、CSでもDeNAに3連勝で強さを見せつけた。
Aクラスはこれで7年連続となり、この間のドラフトの成功が結果に結びついている。特に20年は、佐藤輝明(近大~20年①)から始まり、伊藤将司(JR東日本~20年②)、村上頌樹(東洋大~20年⑤)、中野拓夢(三菱自動車岡崎~20年⑥)、石井大智(四国IL高知~20年⑧)が加入し、チームの基盤ができた神ドラフトになった。
【過去5年のチーム成績】
順位 勝敗 防御率(失点) 打率(得点) 本塁打 盗塁 失策
21年 2位 77勝56敗10分 3.30②(508②).247④(541⑤)121⑤ 114① 86⑥
22年 3位 68勝71敗 4分 2.67①(428①).243⑤(498⑤) 84⑤ 110① 86⑥
23年 1位 85勝53敗 5分 2,66①(424①).247③(555①) 84⑤ 79① 85⑥
24年 2位 74勝63敗 6分 2.50②(420③).242⑤(485④) 67⑤ 41⑤ 85⑤
25年 1位 85勝54敗 4分 2.21①(352①).245④(496②) 93② 100① 57①
【阪神の補強ポイント】
投 手…将来のエース候補、即戦力のリリーフ
捕 手…左打ちの打てる捕手
内野手…将来の中軸候補、即戦力の遊撃手
外野手…近本に代わるリードオフマン候補
◆投手
来季も最多勝の村上と、最高防御率の才木浩人(須磨翔風高~16年③)を中心に、伊藤や大竹耕太郎(早大~17年ソ育④)の両左腕に、伊原陵人(NTT西日本~24年①)と高橋遥人(亜大~17年②)も控え層は厚い。デュプランティエの去就が不明だが、仮に退団したも補えるだけの選手は揃っている。
盤石のリリーフ陣は、50試合連続無失点の日本記録を樹立した石井、チーム最多66試合登でも防御率0点台の及川雅貴(横浜高~19年③)から、岩崎優(国士館大~13年⑥)に繋ぐ形ができた。湯浅京己(BCL富山~18年⑥)も復活し、桐敷拓馬(新潟医療福祉大~21年③)も鉄腕ぶりを発揮しており先発同様に層は厚い。
【来季の予想布陣】
先発…伊原陵人 デュプランティエ 才木浩人 村上頌樹 大竹耕太郎
伊藤将司 高橋遥人 門別啓人 早川太貴 ビーズリー
リリーフ…岩崎 優 岩貞祐太 工藤泰成 及川雅貴 桐敷拓馬 湯浅京己 石井大智
ドリス ネルソン
1位候補では他球団と同様に高校生なら石垣元気(健大高崎高)と森陽樹(大阪桐蔭高)、大学生では中西聖輝(青学大)に伊藤樹(早大)、藤原聡太(花園大)、社会人では竹丸和幸(鷺宮製作所)の名前が挙がる。
左腕の先発が多く、才木のMLB移籍の可能性もあり、中西と伊藤、藤原は即戦力右腕で補強ポイントに合う。石垣と森は将来のエース候補として、じっくりと育成に時間をかけることができる。
上位指名では、堀越啓太と櫻井頼之介(ともに東北福祉大)、島田舜也(東洋大)、左腕の山城京平(亜大)が候補に挙がり、櫻井は即戦力の呼び声高く、島田と山城は粗削りな部分はあるがポテンシャル十分。藤川敦也(延岡学園高)への評価も高い。
高校生は中山優人(水戸啓明高) に中西浩平(豊川高)、モレチ・アレンシャンドレ(誉高)、中野大虎(大阪桐蔭高)がリストアップされ、中山は県大会で完全試合を達成し、中野は大舞台でも経験十分。中西は高校から投手に転向し、モレチは身長194センチの大側右腕。左腕では、佐藤龍月(健大高崎高)に江藤蓮(未来富山高)、馬力のある宇佐美球児(西条高)が候補に挙がる。
大学生では、工藤泰己(北海学園大)と相楽雅斗(岐阜協立大)、由上慶(京産大)はストレートに力があり、田村剛平(京産大)と藪野哲也(桐蔭横浜大)、左腕の渡邉一生(仙台大)はゲームメーク能力が高い。赤木晴哉(佛教大)と河上晃大(大阪観光大)は身長190センチを超え、大山北斗(中大)は準硬式で150キロを超える隠し玉だ。
社会人では川原嗣貴(ホンダ鈴鹿)と本間悠貴(大阪ガス)、篠崎国忠(四国IL徳島)がリストアップされ、本間はストレートに力がある本格派左腕。川原と篠崎は粗さはあるものの素材は一級品で将来性に期待できる。
◆野手
1番の近本光司(大阪ガス~18年①)から始まり、2番・中野、3番・森下翔太(中大~22年①)、4番・佐藤輝、5番・大山悠輔(白鷗大~16年①)が固定され、中野以外は全員ドラフト1位で強さも頷ける。好守の要の坂本誠志郎(明大15年②)、遊撃手はレギュラー不在ながら木浪聖也(ホンダ~18年③)に小幡竜平(延岡学園~18年②)とドラフト上位選手が並ぶ。
強固なレギュラー陣で控えの出番は多くないが、熊谷敬宥(立大~17年③)が30歳でキャリアハイの成績を残し、レギュラー不在の左翼手は前川右京(智弁学園高~21年④)に、内野手の高寺望夢(上田西高~20年⑦)と捕手の中川勇斗(京都国際高~21年⑦)も守り大きな不安は見当たらない。野手転向の西純矢(創志学園高~19年①)にも期待したい。
【来季の予想布陣】
捕手…梅野隆太郎 坂本誠志郎 中川勇斗
内野…木浪聖也 大山悠輔 熊谷敬宥 佐藤輝明 糸原健斗 小幡竜平 中野拓夢
高寺望夢
外野…森下翔太 近本光司 前川右京 小野寺暖 豊田 寛
野手は立石正広(創価大)が1位候補で、立石が加入すれば佐藤輝を外野に起用することもでき攻守に層を厚くする。立石を外しても強打の松下歩叶(法大)や広角に打てる谷端将伍(日大)も控える。
補強ポイントで見てみると、捕手は小島大河(明大)がピッタリで、支配下の捕手が全員右打ちで、打撃力の定評のある小島は33歳の坂本、35歳の梅野隆太郎(福岡大~13年④)の後継候補になる。このほか小出望那(大産大)も候補に挙がる。
内野手はレギュラー不在の遊撃手で大塚瑠晏(東海大)と松川玲央(城西大)、石井巧(NTT東日本)が候補に挙がり、いずれも守備力に定評がある。ただ、木浪や小幡と同じタイプ(全員左打ち)だけに選択が難しい。
FA移籍の可能性もある近本の代わりのリードオフマンも必要だが、リストアップされているのは平川蓮(仙台大)に秋山俊(中京大)、山形球道(立大)、西原太一(上武大)、村上裕一郎(ENEOS)とスラッガータイプが多いなか、俊足巧打の野間翔一郎(近大)と山崎照英(BCL兵庫)は補強ポイントに合う。エドポロ・ケイン(大院大)も候補で、広い甲子園で強肩は特長を活かせる。
このほか小田康一郎(青学大)と勝田成(近大)は他球団もマークしている上位候補で、井上遥翔(佐野日大高)は強打の三塁手、外野手の長瀬大來(大院大高)は投手としての評価も高い。
【指名シミュレーション】
【ソフトバンク】 【阪 神】
2位~佐藤龍月(健大高崎高・投手) 藤川敦也(延岡学園高・投手)
4位~篠崎国忠(四国IL徳島・投手) 赤木晴哉(佛教大・投手)
5位~早瀬 朔(神村学園高・投手) 中野大虎(大阪桐蔭高・投手)
6位~エミール・ブレンザ(幸福の科学高・外野手)西原太一(上武大・外野手)