今年のドラフトも大学生に上位候補が揃い、1位指名は大学生の集中しそうだ。そのなかでも立石正広(創価大)の1位重複指名が予想され、今季の宗山塁(楽天)に西川史礁(ロッテ)、渡部聖弥(西武)の活躍を見れば人気が高まりそうだ。
高校生では投手に上位候補が多く、世代ナンバーワンと呼ばれる石垣元気(健大高崎高)にも1位重複指名が予想される。また、今年は奥村頼人(横浜高)や江藤蓮(未来富山高)など左腕に上位候補が多いのも特徴と言える。
社会人は竹丸和幸(鷺宮製作所)が一気に1位指名候補に評価が急上昇し、上位候補には投手は多い。今季の伊原陵人(阪神)や石伊雄太(中日)などしっかり結果を出しており、補強ポイントとそて社会人の役割は大きい。また、オイシックスやくふうハヤテの二軍参加チームからの指名が増えるかなど注目のドラフトになる。
【各チームの指名予測~指名順】※( )は第一次戦力外通告選手を除いた数字です
◆ヤクルト…63名(投手29名~野手30名)
課題はこの間と同様、投手陣強化が最優先だが、村上宗隆のMLB移籍が決定的で、投打に世代交代が迫ってきている。これまでのツケまでとは言わないが、1回のドラフトで何とかなる状況はなく、長期的視野に立った戦略の舵を取っても良いと思う。
◇ロッテ…60名(投手30名~野手30名)
チーム強化の集大成のはずの今年、まさかの最下位になり、常勝チーム構想は振り出しに戻った。功労者とも言えるベテラン選手が戦力外になり、チームの変革を本格化させている。今年は若手野手が経験を積み、補強ポイントは投手中心になりそうだ。
◆広島…63名(投手31名~野手32名)
今年は大きな見せ場も作ることなく、再びBクラス定着の感すら出てきた…。課題は打撃陣でチームの中心になり得る選手として立石の1位指名を公言した。一方で主力投手にFA権を取得する投手が今後多く、来季以降に向け投手力強化も課題になる。
◇西武…60名(投手28名~野手32名)
これまでと同様、打撃陣の強化で最優先課題のなか、大方の予想に反して打てる捕手の小島大河(明大)の1位指名を表明した。一方で今井達也や高橋光成の去就が未定で、万が一移籍すると自慢の投手準にも綻びが生じ、投打に即戦力の補強が必要だ。
◆中日…61名(投手28名~野手33名)
ここ数年は課題の貧打線解消のため、即戦力野手中心のドラフトを展開したが、思い通りの結果が出ないまま、いつの間にか強固な投手も高齢化し、投打に課題を抱えている。投手は即戦力、野手は年齢構成が悪く、高校生と大学生主体になる。
◇楽天…65名(投手33名~野手32名)
外国人選手含め、戦力外が5名(うち1名は引退)と、今回のドラフト後に改めてのチーム編成になる。則本昂大や辰己涼介の主力の移籍、支配下人数の少ない捕手、左打者に偏っている外野等々課題は多く、今年はどのように解消する戦略なのか注目だ。
◆巨人…56名(投手26名~野手30名)
主砲の岡本和真のMLB移籍は未定で、後継候補としての立石指名に加え、課題の先発強化も進めたい。今年も前田健太やFA選手獲得に色気を出しているようだが、覇権奪取に向け、投打に中心になる選手を育成する姿勢を打ち出したほうが良いと思う。
◇オリックス…61名(投手35名~野手26名)
今季、打撃陣のレギュラーが固定された一方、投手陣に陰りが見えたが、現在の支配下人数は投手が多く打者が少ない。量的には野手が必要だが、質的には投手強化が課題で、どちらにウェイト置くか、即戦力か高校生中心か、今年の戦略に注目したい。
◆DeNA…61名(投手30名~野手31名)
これまでの戦力外選手は全員投手。ジャクソンをはじめ主力の外国人選手の去就が軒並み未定と、否応なしに投手中心のドラフトになる。一方で野手も22歳以下に捕手、内野、外野に各1名しかおらず、年齢構成を考えると高校生野手の獲得も必要。
◇日本ハム…68名(投手37名~野手29名)
ここ数年、ドラフト前の支配下人数は多く、ドラフトの結果を見ての編成になる。ドラフト1位は今年一番の選手の指名になるが、チーム方針の根幹である育成中心で行くか、ホークスとの差を埋めるために即戦力で層を厚くするか、方向性に注目したい。
◆阪神…62名(投手32名~野手30名)
投打に安定し、7年連続Aクラス(うち優勝2回)とチームが円熟期を迎えている。日本ハム同様、将来の主力を担う高校生の育成主体になるか、近本光司の万が一のFA移籍に向け、さらなる選手層の厚さを主に即戦力で行くか楽しみなドラフトになる。
◇ソフトバンク…65名(投手33名~野手32名)
連覇を果たし選手層の厚さは断トツだが、主力の高齢化と併せ、この間はFA等の補強でのチームづくりが中心になっているだけに、ドラフトの立て直しが必要だ。ドラフト1位指名選手が伸び悩むなか、6年連続で高校生1位で行くか、1位指名に注目だ。
【指名順位予想】
昨年は広島のみが1位指名を公表し、今年も広島が早々と立石指名を明言し、西武も小島指名を明言した。ただ、ずば抜けた1位指名候補の選手がいなければ牽制にもなるが、昨年の宗山や金丸夢斗(中日)にはともに4球団、西川には2球団重複し、今年のに立石はドラフトの目玉で、広島指名で敢えて下りるチームはないだろう。
むしろ西武に至っては、小島公表は裏目だと思う。打てる捕手は希少で、楽天や阪神のように捕手強化が必要なチームが乗り換える可能性が高まり、楽天は今年の1位指名は投手と予想したが、西武の公表で方向転換があるかも知れない。
先述したが、1位入札は立石と小島以外に、石垣と中西聖輝(青学大)が予想され、立石は広島のほかに村上移籍のヤクルト、世代交代に迫られているソフトバンクの指名が予想される。即戦力の中西は、投手力強化が必要なロッテとDeNAの指名が予想され、左腕が少ないロッテは竹丸や山城京平(亜大)の指名も予想される。
石垣には地元の日本ハムを予想したが、山本由伸や宮城大弥などをエースに育てたオリックス、中日も敢えて将来の主軸候補で石垣指名を予想した。本来であれば巨人なんかはいの一番で狙う投手だと思うが…。
立石を外したチームは、同じ右の強打者である松下歩叶(法大)、両打ちのロングヒッター平川蓮(仙台大)にシフトし、中西を外したチームは即戦力で竹丸や伊藤樹(早大)、評価急上昇中の藤原聡太(花園大)、石垣を外したチームは将来性で斎藤汰直(亜大)や島田舜也(東洋大)への指名にシフトすると予想した。
1位入札候補(1回目予想)
立石正広(創価大・内野手)…ヤクルト、広島、巨人、阪神、ソフトバンク
中西聖輝(青学大・投手)…ロッテ、DeNA
小島大河(明大・捕手)…西武、楽天
1位候補(2回目以降)
投手…伊藤 樹(早大)斎藤汰直(亜大)山城京平(亜大)島田舜也(東洋大)
野手…松下歩叶(法大・内)平川 蓮(仙台大・外)
2位候補予想
2位も即戦力選手中心の指名を予想した。櫻井や谷脇は即戦力の呼び声高く、岩城は今年一気に評価を上げた。森と堀越、毛利、小田は1位指名の可能性も高く、勝田も多くの球団がマークしている。藤川と工藤も中央では無名だが、上位指名もある逸材だ。
投手…江藤 蓮(未来富山高)森 陽樹(大阪桐蔭高)藤川敦也(延岡学園高)
工藤泰己(北海学園大)櫻井頼之介(東北福祉大)堀越啓太(東北福祉大)
毛利海大(明大)岩城颯空(中大)谷脇弘起(日本生命)
野手…小田康一郎(青学大・内)勝田 成(近大・内)
エドポロ・ケイン(大院大・外)
3位候補予想
3位予想で高校生が増え、エースで4番の奥村、TJ手術から回復した佐藤などはもう一つ上の順位で呼ばれても遜色ない。ここでも大学生が豊富で、技巧派左腕の渡邉やリリーフの大川、野手でも堅守の大塚に巧打の谷端、秋山など楽しみな選手が並ぶ。
投手…中山優人(水戸啓明高)佐藤龍月(健大高崎高)奥村頼人(横浜高)
渡邉一生(仙台大)大川慈英(明大)高須大雅(明大)冨士隼斗(日本通運)
野手…新井唯斗(八王子高・内)谷端将伍(日大・内)大塚瑠晏(東海大・内)
秋山 俊(中京大・外)野間翔一郎(近大・外)
4位候補予想
各チームの自由度が高まる4位では、スケール感のある選手を候補に挙げた。鈴木に中野、宇佐美はいずれも直球に力があり、赤木と篠崎は身長190センチの大型投手。野手も井上と垣内は打撃が評価され、西川と松川は高い遊撃の守備力に定評がある。
投手…鈴木蓮吾(東海大甲府高)中野大虎(大阪桐蔭高)宇佐美球児(西条高)
赤木晴哉(佛教大)田村剛平(京産大)篠崎国忠(四国IL徳島)
野手…井上遥翔(佐野日大高・内)西川篤夢(神村学園伊賀高・内)
垣内 凌(浦和学院高・外)小出望那(大産大・捕)松川玲央(城西大・内)
宮崎 海(横浜商大・外)
5位候補予想
5位は神宮や宮下、繁永など夏以降に評価を上げてきた選手を候補に挙げ、繁永は春の不調を取り戻した。田和と鈴木はサイドハンドから150キロを投げる本格派。今岡は今夏の国際大会でも活躍し、富重はチーム初のドラフト指名を待つ即戦力左腕。
投手…吉川陽大(仙台育英高)神宮僚介(東農大オホーツク)田和 廉(早大)
鈴木豪太(大商大)遠藤慎也(日本新薬)富重英二郎(BC神奈川)
宮下朝陽(東洋大・内)繁永 晟(中大・内)
村上裕一郎(ENEOS・外)天井一輝(NTT西日本・外)
5位以降の候補予想
(高校生)
投手では早瀬は最速151キロで国際舞台でも結果を残し、松延はクセのないフォームでいかにも投手らしい選手。一方で、中西と瀧上は高校から投手を始めた逸材で伸びしろに期待でき、エースで4番の窪田は野手としての評価も高い。
野手では大栄は打撃がセールスポイントの強肩捕手で、藤森は内野もこなす器用さがあり、先輩・寺地隆成(ロッテ)のような活躍も期待できる。藤井は遠くへ飛ばすパワーなら群を抜いており、パワーなら留学生のセラーノ・ブレンサも負けていない。
投手…窪田洋祐(札幌日大高)内藤優央(静清高)中西浩平(豊川高)
瀧上春斗(穴吹高)松延 響(鳥栖工高)早瀬 朔(神村学園高)
藤井健翔(浦和学院高・内)大橋令和(オイスカ浜松国際高・内)
エミール・セラーノ・ブレンサ(幸福の科学学園高・外)
長瀬大來(大院大高・外)能登輝夢(明秀日立高・外)
(大学生)
投手は伸びしろが期待できる将来性豊かな投手を候補に挙げ、高谷と山崎は真っ直ぐに力があり、沢田は190センチの長身左腕のスリークオーター。正木はフィジカルに優れ同大初のプロ指名の期待がかかり、サブマリンの渡辺は親子2代の指名を待つ。
野手はスラッガータイプのロマン砲が多く、池田と西原は長打力が魅力で、右打ちの西原は需要が高いと思う。山形は戦後18人目の東京6大学の三冠王で、実績は申し分ない。阪上は俊足で守備範囲が広く、強肩かつ打撃もパンチ力がある。
投手…高谷 舟(北海学園大)渡辺向輝(東大)山崎太陽(創価大)
由上 慶(京産大)大山北斗(中大準硬式)
野手…池田彪我(東洋大・内)山形球道(立大・外)西原太一(上武大・外)
阪上翔也(近大・外)
(社会人)
投手は左腕に候補が多く、中澤と本間は力強い直球と鋭い変化球が武器で、先発・リリーフを担える。安定感抜群の増居は社会人3年目で、2度の指名漏れから念願が叶うか、今年の選手権で橋戸賞を受賞した九谷は異色の経歴の苦労人でともに注目したい。
萩原は強肩と堅実な守備で、多くの球団がマークし、成瀬は堅実な二遊間守備に定評がある。高橋と大森は社会人屈指のスラッガーで、再来年からセ・リーグに導入されるDHを見越しも指名もあり、俊足巧打の田中は高卒3年目で伸びしろも期待。
投手…増居翔太(トヨタ自動車)九谷 瑠(王子)中澤 嶺(三菱重工ウエスト)
本間悠貴(大阪ガス)
成瀬脩人(NTT西日本・内)大森廉也(JFE東日本・外)
田中多聞(JFE西日本・外)
(二軍参加・独立L)
今年も独立リーグに逸材は多いが、最速153キロの20歳の高橋は投手育成に定評のある徳島からさらにどう飛躍するか期待したい。三方は190センチを超える大柄な体格からの長打力が魅力だが、50メートル6秒の俊足且つ強肩で身体能力が高い。
二軍参加では、能登は今年のイースタンの最多勝(12勝)投手で、知念は打率2位と2年続けて結果を残しており、今後のためにも是非とも指名して欲しい選手。牧野と宮路はともに今季からリリーフ転向で才能が開花し、左腕の牧野は需要は高いと思う。
投手…能登崇都(オイシックス)牧野憲伸(オイシックス)宮路悠良(くふうハヤテ)
高橋快秀(四国IL徳島)
野手…知念大成(オイシックス・外)三方陽登(BC栃木)
最後に、話題の佐々木麟太郎(スタンフォード大)は、ソフトバンクや日本ハム、阪神の上位球団ならまだしも、制度上のリスクも鑑み候補から外した。
いよいよ明日、ドラフトが開催される。紹介した100名以外にも有望な選手はたくだんおり、今年もどんなドラマがあり、どのチームが成功し、どの選手が何処のユニフォームに袖を通すか、年に一度のこの機会を今年も楽しみたい。