今年は12球団合計で157名の選手に戦力外通告があった。今年のドラフトは、本指名73名、育成を含めて116名が指名されたが、指名人数よりも多い選手が戦力外通告を受けた。最多はソフトバンク20名、最小は阪神の9名で、日本シリーズも終了し、いよいよストーブリーグが本格化する。
ただ、昨年は戦力外(自由契約を含む)選手の移籍が鈍く、今シーズン開幕時には、田中将大(楽天→巨人)と石川達也(DeNA→巨人)、岩田将貴(阪神→DeNA)、加治屋蓮(阪神→楽天)の4投手に加え、野手は楠本泰史(DeNA→阪神)1名と計5選手しかいなかった。シーズン開幕後、三浦瑞樹(ソフトバンク→中日)と黒木優太(日本ハム→西武)、仲田慶介(ソフトバンク→西武)が育成から支配下になったが、最終的には僅か8名の狭き門になった。
育成契約を見ても僅か7名で、投手では笠谷俊介(ソフトバンク→DeNA)と佐藤琢磨(ソフトバンク→ヤクルト)、鈴木康平(巨人→ヤクルト)、清宮虎多朗(楽天→日本ハム)、中村亮太(ソフトバンク→ロッテ)。野手では遠藤成(阪神→オリックス)と澤野聖悠(楽天→ヤクルト)が移籍したが支配下には届かなかった。石川や加治屋、仲田が活躍する一方、楠本に笠谷、鈴木は2年連続で戦力外になり鈴木は引退を決断した。
今回は各チームの退団選手とドラフトの状況から補強ポイントを考えてみたい。※氏名の下線は引退、太字は育成再契約、氏名前の※は育成選手です
★阪神タイガース(61名+5名)
12球団最小の戦力外だったが、リリーフの漆原、21年のドラフトの主役だった森木の戦力外など驚きも多かった。育成契約を打診された選手はおらず、原口と川原が引退も決めた。
その漆原だが、今季一軍では僅か11試合の登板と層の厚い投手陣に阻まれたが、ファームでは31試合で7セーブと結果を残しており、リリーフを強化したいチームからオファーが届きそうだ。
渡邊もレギュラーが固定され、一軍の出番が少ないなか、ファームでは打率.266の成績を残しており、本職の二塁での出番が少ないのが気にかかるが、まだ31歳と老け込む年齢ではなく、直球王子の復活に期待したい。長打力を期待された野口は今季はファームでも確実性に欠け厳しい結果になったが、プロスペクトされていた期待の若手で、25歳と若くまだ観てみたい選手だ。
投 手…漆原大晟(18年/オ育①)川原 陸(18年/⑤)佐藤 蓮(20年/③)
※森木大智(21年/①)※鈴木勇斗(21年/②)
捕 手…なし
外野手…楠本泰史(17年/D⑧)野口恭佑(22年/育①)
外国人…※ベタンセス(投手)
【投手】
層の厚い投手陣で大きな不安はないが、才木浩人やデュプランティエの去就次第では先発を厚くしたい。投手は戦力的にもゆとりがあり、経験のある武田翔太や板東湧梧(ともにソフトバンク)、石川歩(ロッテ)の復活劇など是非見てみたい。
【野手】
日本シリーズで下位打線の弱さが露呈され、早くもルーキー立石に期待が集まるが、出来れば遊撃と外野手を補強したい。特に近本光司が移籍するようなことがあれば、リードオフマンの補強は喫緊の課題になり、福田周平(オリックス)や荻野貴司(ロッテ)は補強ポイントに合う。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①立石正広(創価大・内野手)#7 ②谷端将伍(日大・内野手)#9
③岡城快生(筑波大・外野手)#25 ④早瀬 朔(神村学園高・投手)#55
★横浜D℮NAベイスターズ(61名+5名)
育成選手を除けば、戦力外がすべて投手になり、森唯は引退を決めた。森下と松本、浜地、庄司は育成契約が打診されたが、難病を克服した三嶋やイップスを乗り越えた徳山は無念の戦力外になった。
【戦力外選手】
投 手…徳山壮磨(21年/②)三嶋一輝(12年/②)森下瑠大(22年/④)
森 唯斗(13年/ソ②)松本隆之介(20年/③)京山将弥(16年/④)
浜地真澄(16年/神④)庄司陽斗(23年/育④)※草野陽斗(22年/育⑤)
※今野瑠斗(22年/育②)※笠谷俊介(14年/ソ④)
捕 手…なし
内野手…※鈴木 蓮(20年/育②)※粟飯原龍之介(21年/③)
外野手…なし
外国人…ディアス(投手)※マルティネス(投手)
【投手】
ジャクソンやケイの残留が決まらないなか、投手力強化が課題になる。ドラフトで島田と片山の即戦力を獲得したが投手は幾らいても良い。特にチームに不足している左腕で、今村信貴(巨人)や山本大貴(ヤクルト)はフィットし、育成契約に難色を示している宮崎颯(ソフトバンク)は先発もでき獲得の可能性は十分にあり、濵口遥大(ソフトバンク)の復帰などもファンは待っているかもしれない。また、森下の育成契約で22歳以下の選手が不在になり、森木大智(阪神)を育成で狙っても良いと思う。
【野手】
内野手は今季3選手が加入し、急ぐ必要はないが、27~30歳に牧秀悟しかおらず、年齢的には元山飛優(西武)や大下誠一郎(ロッテ)がハマり、明るいキャラもチームに馴染みそうだ。一方、外野手は右打ちが2人しかおらず、内外野守れる阿部寿樹(楽天)、中堅では中村健人(広島)、若手では野口恭佑(阪神)がフィットする。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①小田康一郎(青学大・内野手)#23 ②島田舜也(東洋大・投手)#15
③宮下朝陽(東洋大・内野手)#38 ④片山晧心(ホンダ・投手)#35
⑤成瀬脩人(NTT西日本・内野手)#0
★読売ジャイアンツ(53名+6名)
支配下で実に13名が戦力外になり、ベテランの長野と近藤が引退を決めた。石田に京本、喜多、鈴木、笹原は自由契約になり育成契約を予定されているが、石田は高卒1年目でコンディション不良で自由契約になるも、ウィンターリーグに参加予定で、支配下選手が53名しかいない状況で高卒1年目を自由契約にするのは如何かと思う。
リリーフの層が厚いなか、今村は今季一軍登板はなかったが、ファームでは41試合で防御率1点台、馬場も37合で防御率1点台とリリーフ強化のチームから声がかかりそうだ。戸田81回を投げ防御率2点台と、年齢も24歳と若く再起を図りたい。
野手では、チェコのジャッジと呼ばれたフルプが一軍では成績を残せなかったが、ファームでは4本塁打、OPS7割と長打力は魅力で再び支配下を勝ち取りたい。
投 手…今村信貴(11年/②)高橋 礼(17年/②)近藤大亮(15年/オ②)
馬場皐輔(17年/神①)石田充冴(24年/④)戸田懐生(20年/育⑦)
京本 真(21年/育⑦)※三浦克也(23年.育①)※鴨打英二(21年/育⑤)
※直江大輔(18年/③)
捕 手…喜多隆介(20年/育②)※坂本勇人(20年/育⑥)
内野手…なし
外野手…長野久義(09年/①)重信慎之介(15年/②)乙坂 智(10年/D⑤)
鈴木大和(21年/育①)笹原操希(21年/育④)※大城 元(22年/育⑦)
外国人…フルプ(外野手)
【投手】
補強ポイントの先発投手は、FAでの補強が中心になりそうだが、武田翔太やファーム9勝の板東湧梧(ソフトバンク)の獲得を検討しても良い。一方でリリーフ左腕の中川晧太がFAを熟考しているなか、今村のリリースは本当に良いのかと思ってしまう。
【野手】
岡本和真のMLB移籍が決定的のなか、野手の補強も優先度が高い。岡本の代わりになる選手はいないが、実績では島内宏明(楽天)は4番を務める力は十分にあり、田中広輔(広島)や阿部寿樹(楽天)など、ベテランを補強し底上げをしている間に若手の覚醒に期待したい。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①竹丸和幸(鷺宮製作所・投手)#26 ②田和 廉(早大・投手)#28
③山城京平(亜大・投手)#36 ④皆川岳飛(中大・投手)#39
⑤小浜佑斗(沖縄電力・内野手)#43 ⑥藤井健翔(浦和学院高・内野手)#69
★中日ドラゴンズ(58名+6名)
長年チームを支えた岡田と祖父江に加え、移籍2年目の中田も引退を決めた。支配下選手の戦力外は7名を数えたが梅津や2年目の津田など5選手が育成契約を打診され、佐藤と駿太がチームを去る。
西武でレギュラー候補だった佐藤は、今季6月にトレードで加入するも期待に応えることができず、僅か4ケ月の在籍に終わった。29歳と年齢的には出来ると思うが、どうしてもプレー以外の悪目立ちは気になり、判断が難しいと思う。守備力に定評のある駿太も一軍で2割前半の打率では、アピールポイントとしては物足りない。
投 手…岡田俊哉(09年/①)梅津晃大(18年/②)森 博人(20年/②)
祖父江大輔(13年/⑤)土生翔太(23年/⑤)※石川 翔(17年/②)
※野中天翔(22年/育②)※菊田翔友(23年/育②)
捕 手…山浅龍之介(22年/④)
内野手…中田 翔(07年/日①)津田啓史(23年/②)佐藤龍世(18年/西⑦)
※星野真生(21年/⑤)
外野手…後藤駿太(10年/オ①)※加藤竜馬(23年/⑥)
【投手】
今年のドラフトで先発の中西と櫻井、リリーフの篠崎を獲得するも、ここにきて松葉貴大にFA移籍の可能性もあり予断は許さない。先発なら板東湧梧(ソフトバンク)、万が一の松葉移籍に備えた左腕強化では、今村信貴(巨人)や山本大貴(ヤクルト)、福田俊(日本ハム)などリリーフに候補が多い。
【野手】
野手は期待の若手は多いが、上位進出には内外野ともに層を厚くしたい。内野手なら渡邉諒(阪神)や田中広輔(広島)、外野手なら島内宏明(楽天)や荻野貴司(ロッテ)など、実績のあるベテランを獲得しても年齢構成上は問題ない。惜しまれつつトレードで移籍した阿部寿樹(楽天)の復帰もファンを喜ばせるだけではなく、戦力として計算できると思う。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①中西聖輝(青学大・投手)#11 ②櫻井頼之介(東北福祉大・投手)#16
③篠崎国忠(四国IL徳島・投手)#33 ④能登輝夢(明秀日立高・外野手)#53
⑤新保茉良(東北福祉大・内野手)#48 ⑥花田 旭(東洋大・外野手)#57
★広島東洋カープ(60名+7名)
チーム3連覇を支えた松山に田中、上本、磯村が戦力外になり、上本と磯村は引退を決めた。現役ドラフトで加入した山足は1年でチームを去り、ともに24歳の3年目の河野、2年目の赤塚は一軍登板がないまま戦力外になり育成契約の打診もなかった。
来季37歳の田中はファームで打率3割を記録しており、経験のある内野手を補強したいチームからは獲得検討の余地は十分にある。勿体ないと思うのが中村健で、ファームで本塁打5本の長打力は魅力がある。宇草もこの間期待に応えられていないが、ポテンシャルの高さはいまだに評価されており、ともに29歳と覚醒は期待できる。
投 手…赤塚健利(23年/⑤)河野 佳(22年/⑤)※小林樹斗(20年/④)
捕 手…磯村嘉孝(10年/⑤)
内野手…上本崇司(12年/③)田中広輔(13年/③)韮澤雄也(19年/④)
山足達也(17年/オ⑧)
外野手…宇草孔基(19年/②)中村健人(21年/③)松山竜平(07年/④)
※名原典彦(22年/育①)
【投手】
大瀬良が今オフ手術し、床田や森下など来季以降FA権を取得する選手が多いことから、先発・リリーフともに厚くしたい。板東湧梧(ソフトバンク)や漆原大晟(阪神)はすぐに移籍先が決まりそうな状況で、このほか又吉克樹(ソフトバンク)や平井克典(西武)、澤村拓一(ロッテ)のベテラン、馬場皐輔(巨人)や水上由伸(西武)、西村天裕(ロッテ)など今季は不調も実績のある選手が多数おりオフの補強に注目したい。
【野手】
野手は磯村の引退で捕手が6名と心許なく、28~33歳の内野手も不在でバランスが良くない。内野手では渡邊諒(阪神)や山崎剛(楽天)が年齢でハマり、プラス内外野守れる太田賢吾(ヤクルト)や、捕手の経験もある大下誠一郎(ロッテ)も補強ポイントに合う。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①平川 蓮(仙台大・外野手)#2 ②斎藤汰直(亜大・投手)#11
③勝田 成(近大・内野手)#0 ④工藤泰己(北海学園大・投手)#35
⑤赤木晴哉(佛教大・投手)#40 ⑥西川篤夢(神村学園伊賀高・内野手)#50
⑦高木快大(中京大・投手)#46
★東京ヤクルトスワローズ(56名+7名)
最下位に沈んだシーズン、支配下11選手が戦力外になり、育成契約を打診されたのも竹山と中川の厳しい結果になった。金久保は海外に活躍の場を求め、山下は引退する。
防御率リーグ最下位のチームにおいて、結果を残せなかったのは厳しいと言わざるを得ないが、山本は今季不振も23~24年は40試合以上に登板し、貴重なリリーフ左腕とも言うことあり声が掛かる可能性は高い。
野手も北村拓と西川は打率1割台では厳しく、内外野守れる太田はユーティリティぶりを発揮しているが、打率2割5分前後で投手同様に厳しい
【戦力外選手】
投 手…山本大貴(17年/ロ③)金久保優斗(17年/⑤)山下 輝(21年/①)
原 樹里(15年/①)宮川 哲(19年/西①)竹山日向(21年/⑤)
※鈴木康平(17年/オ②)
捕 手…中川拓真(20年/オ⑤)
外野手…西川遥輝(10年/日②)太田賢吾(14年/日⑧)
外国人…ランバート(投手)バウマン(投手)。
【投手】
ドラフト上位で野手を指名したことから、投手の補強を急ぎたい。漆原大晟(阪神)に馬場皐輔と戸田懐生(巨人)、板東湧梧に又吉克樹(ソフトバンク)、平井克典に水上由伸(西武)、澤村拓一に西村天裕(ロッテ)などファームで好成績を残している選手は多く、どの選手の獲得に乗り出すか注目したい。
【野手】
村上宗隆のMLBも移籍もあり、野手の優先度も高い。ルーキーで即戦力野手を3名獲得したが、実績のあるベテランの力も必要で、特に補強ポイントの外野には島内宏明に阿部寿樹(ともに楽天)、荻野貴司(ロッテ)がおり、中堅の中村健人(広島)や松原聖弥(西武)も新天地での活躍が期待できる。
【ドラフト指名選手 ※予想背番号】
①松下歩叶(法大・内野手)#3 ②松川玲央(城西大・内野手)#5
③山崎太陽(創価大・投手)#38 ④増居翔太(トヨタ自動車・投手)#22
⑤鈴木蓮吾(東海大甲府高・投手)#61 ⑥石井 巧(NTT東日本・内野手)#46
⑦飯田琉斗(ENEOS・投手)#52