25年ドラフト予想☆ヤクルト~即戦力投手の上位指名も実らず低迷…投手以外にも課題が多いドラフト
2年連続の5位から巻き返しを図ったシーズンも、開幕から主砲の村上宗隆(九州学院高~17年①)と攻守の要の長岡秀樹(八千代松陰高~19年⑤)を欠いたチームは、飛車角落ちで低迷。課題の投手陣の改善も進まず、シーズン早々に最下位が定位置になり、村上と長岡が戻るも時すでに遅しで、残り26試合を残してCSの自力進出が無くなり、そのタイミングで高津臣吾監督の今季限りの退任が決まった。
【過去5年のチーム成績】
順位 勝敗 防御率(失点) 打率(得点) 本塁打 盗塁 失策
21年 1位 73勝52敗18分 3.48③(531③).254③(625①)142② 70② 79④
22年 1位 80勝59敗 4分 3.52④(566⑤).250③(619①)174① 69② 69③
23年 5位 57勝83敗 3分 3,66⑥(567⑥).239⑤(534②)123② 62① 70③
24年 5位 62勝77敗 4分 3.69⑥(501⑥).240⑤(447②) 89② 58① 61④
25年 6位 50勝76敗 6分 3.65⑥(531⑥).232⑤(392⑤) 81④ 57④ 70⑤
投打に精彩を欠いているが、最大の課題は連覇の翌年から一向に回復しない投手陣と言っても過言ではない。元々、大学生や社会人を含めた即戦力投手の上位指名が多いチームだったが、過去10年を見てもその傾向は顕著で、野手の1位指名は村上のみ。残りはすべて投手で、うち高校生は奥川恭伸(星稜高~19年①)含め2名しかいない。
しかし結果は持ての通りで、先発で吉村、リリーフで清水昇(国学院大~18年②)と木澤が頑張り辛うじて面目は保っているが、ルーキーの中村優斗(愛知工大~24年①)は4試合登板で僅かに1勝、山下輝(法大~20年①)は今季一軍未登板、西舘昂汰(専大~23年①)に至ってはプロ入り直ぐに故障が発覚し、未だ育成選手から支配下登録になっていない。
ちなみに2位指名も過去10年で投手は5名、高校生投手は一人もおらず、上位は即戦力投手で底上げを図っているが、残念ながら結果は出ていない。また、ドラフトでの不振は上位指名選手に限ったものではなく、主戦は吉村に木澤、荘司くらいでほぼ壊滅状態と言え、連覇の後にチームが下降線を辿ったのもある意味必然と言える。
【過去5年の主力選手 ※年数横の数字は順位】
20年⑥…木澤尚文(慶大/①・投手)
21年①…なし
22年①…吉村貢司郎(東芝/①・投手)
23年⑤…なし
24年⑤…荘司宏太(セガサミー/③・投手)
【ヤクルトの補強ポイント】
投 手…即戦力の先発とリリーフ、高校生(年齢構成)
捕 手…年齢的は必要ないが、ポスト中村の正捕手候補
内野手…村上移籍に備えた即戦力野手、高校生の右打ち
外野手…大学生と社会人
今年のオフは主砲の村上のMLB移籍が濃厚で、代わりになる選手はリーグを見渡しても少ないが、投手力の強化以上に野手強化が必要になる。年齢構成も投手と外野手のバランスが良くなく、課題の多いドラフトになる。
また、昨年も支配下指名は5名で、過去5年で26名の指名は12球団最小。育成指名も12名と少なくこれでは選手層が厚くならない。石井大智(阪神)や北山亘基(日本ハム)はヤクルトが指名を終えた後の選手で、チャンスはあっただけに勿体ない。
●投手~即戦力の先発とリリーフ、年齢構成で高校生も必要
来季を見ても先発の層の薄さは否めない。先発の柱はチーム最多の投球回数と最多6勝の吉村、開幕投手も務めた奥川が中心になる。ただ、その次となると来季37歳の小川泰弘(創価大~12年②)、36歳の高梨裕稔(山梨学院大~13年日③)のベテランになり、実績のある青柳晃洋(帝京大~15年神⑤)や高橋奎二(龍谷大平安高~15年②)の復活、山野太一(東北福祉大~20年②)やファーム最多投球回数の下川隼佑(オイシックス~24年育②)などの台頭が無いと厳しい。
一方でリリーフの布陣は遜色ない。大西広樹(大商大~19年④)に矢崎拓也(慶大~16年広①)、木澤に星知弥(明大~16年②)、ルーキー荘司が今季40試合以上に登板しており、石山泰稚(ヤマハ~12年①)もまだまだ元気だ。ここに経験のある田口麗斗(広島新庄高~13年巨③)や清水も控え、経験も実績もある選手で勝ちパターンを形成できれば心配はない。リリーバーの立て直しができれば、松本健吾(トヨタ自動車~23年②)など本来の先発に廻すこともできる。
☆先発候補
アビラ 奥川恭伸 中村優斗 石川雅規 吉村貢司郎 山野太一 松本健吾
小川泰弘 ランバート 高梨裕稔 高橋奎二 下川隼佑 青柳晃洋
☆リリーフ候補
石山泰稚 清水 昇 木澤尚文 星 知弥 荘司宏太 田口麗斗 矢崎拓也
山本大貴 大西広樹 小澤怜史 金久保優斗 バウマン 阪口晧亮 丸山翔太
今年も優先は先発投手になり、石垣元気(健大高崎高)のような高校生を1位で獲得する余裕は正直ない。上位指名が予想される先発タイプでは、伊藤樹(早大)に斎藤汰直(亜大)、中西聖輝(青学大)、島田舜也(東洋大)がフィットし、個人的にはゲームメークに長けた伊藤や中西よりは、奪三振率の高い斎藤やストレートに力がある島田など素質型のほうが、現在のチームには必要だと思う。
そういう意味では、最速155キロの藤原聡太(花園大)や152キロの赤木晴哉(佛教大)、大学日本一に輝いた櫻井頼之介(東北福祉大)、サブマリンの渡辺向輝(東大)も素質型で面白い。上位で素質型の投手を獲得できれば、安定感抜群の冨士隼人(日本通運)や遠藤慎也(日本新薬)、後藤凌樹(トヨタ自動車)の即戦力投手が獲得できればより活きてくる。
また、年齢構成で19~20歳が不在で、高校生の指名も必要で、今夏の甲子園に出場した奥村頼人(横浜高)に佐藤龍月(健大高崎高)、江藤蓮(未来富山高)が上位候補に挙げられている。このほか、藤平寛己(東海大菅生高)や左腕の鈴木蓮吾(東海大甲府高)に宇佐美球児(西条高)はストレートに力のある本格派で、スライダーが武器の小宮悠瞳(川崎総合科学高)の評価も高い。
●捕手~年齢的は必要ないが、ポスト中村の正捕手候補
今季はポスト中村悠平(福井商高~08年③)で、古賀優大(明徳義塾高~16年⑤)がチーム最多の出場を果たし課題解消が見えてきた。ただ、古賀に次ぐのがベテランの松本直樹(西濃運輸~17年⑦)になり、ここ数年顔ぶれが変わらない。内山壮真(星稜高~20年③)は外野手としての出場がほとんどで、ルーキーの矢野泰二郎(四国IL愛媛~24年⑤)や打撃の良い橋本星哉(中央学院大~22年育①)の台頭に期待したい。
☆捕 手
支配下に7名在籍し、育成の松本龍之介(堺シュライクス~24年育③)も控え年齢的にも必要ない。ただ、古賀のライバルとしての指名はあってもよく、小島大河(明大)と大栄利哉(学法石川高)はともに打撃が売りの捕手で、特に小島の打撃の良さは特筆でき、村上のMLB移籍が確実のなか確実な補強になる。
●内野手~村上移籍に備えた即戦力野手、高校生の右打ち
今季も一塁にオスナ、二塁・山田哲人(履正社高~10年①)、三塁・村上、遊撃・長岡とここ3年は不動の布陣だ。今季は村上と長岡が出遅れたなか、FA加入の茂木栄五郎(早大~15年楽③)と2年目の伊藤瑠偉(BC新潟~23年⑤)が穴を埋めた。
来季は主砲の村上が抜け、山田も成績が年々下降気味で、来季は陣容が変わることが予想される。ただ、茂木は7月に膝の手術をし、若手の伊藤や赤羽由紘(BC信濃~20年育②)、武岡龍世(八戸学院光星高~19年⑥)など、いずれも打撃が物足りなく、ファームで好成績を残してる選手も少なく不安要素が大きい。
☆内野手
赤羽由紘 山田哲人 長岡秀樹 茂木栄五郎 宮本 丈 オスナ 北村拓己
北村恵吾 村上宗隆 武岡龍世 伊藤琉偉
投手よりも内野の補強は今年の優先課題で、1位候補で今年のドラフトの目玉である立石正広(創価大)がリストアップされている。立石は逆方向に長打が打て、二塁と三塁を守れる立石はまさに補強ポイントにピッタリで、立石が獲得できれば今年のドラフトは成功といっても過言ではない。
立石以外では松下歩叶(法大)と高橋隆慶(JR東日本)も長打力が魅力のスラッガーで、村上の穴を少しでも埋めたい。また、ミート力に優れた谷端将伍(日大)、勝田成(近大)は身長163センチと小柄だが、粘り強い打撃と俊足がセールスポイントでポスト山田の候補になれる。
このほか高校生では、半田南十(日大藤沢高)と横田蒼和(山村学園高)はともに長打力が魅力の大型遊撃手で、半田は技術、横田はパワーが魅力のスラッガーだ。
●外野手~大学生と社会人と即戦力
外野手はこの間のツケが廻り、年齢構成が極めて悪い。ルーキーのモイセエフ・ニキータ(豊川高~24年②)の19歳から上は一気に25歳の濱田太貴(明豊高~18年④)と澤井廉(中京大~22年③)まで上がる。他球団を戦力外になった西川遥輝(智弁和歌山高~10年日②)や増田珠(横浜高~17年ソ③)の獲得で穴を埋めようとしたが、残念ながら状況は変わらなかった。
ただ、今季は内山と岩田幸宏(BC信濃~21年育①)がレギュラー獲得の足掛かりを掴むシーズンになり、来季はサンタナや塩見泰隆(JX-ENEOS~17年④)の実績のある選手に加え、濱田や澤井を加えた若手とのレギュラー争いが期待できる。
☆外野手
並木秀尊 西川遥輝 丸山和郁 塩見泰隆 サンタナ 澤井 廉 太田賢吾
濱田太貴 増田 珠 岩田幸宏
正直、外野手補強の優先順位は低いが、年齢的に大学生または社会人指名は必須だ。ともに俊足巧打の阪上翔也(近大)や天井一輝(NTT西日本)がリストアップされているが、澤井とモイエセフを除けばみな同じタイプの選手で、平川蓮(仙台大)や西原太一(上武大)、村上裕一郎(ENEOS)など右打ちのスラッガーを狙っても良い。
高校生では田島蓮夢(花咲徳栄高)と垣内凌(浦和学院高)への評価が高く、同じ右投左打ながら巧打の田島、強打の垣内とタイプが異なり、田島のほうが編成上のバランス的には良いと思う。
●ドラフトの目玉・立石は補強ポイントにピッタリ!投手はスケール感ある選手が推し
1位指名候補の最右翼は立石正広(創価大)で、立石を獲得できれば05~07年の分離ドラフトを除けば、04年以来21年振りになる。投手の1位指名では、安定感ではなく将来に向けたスケール感で島田舜也(東洋大)を推したい。
立石が獲得できれば2位は投手になり、藤原聡太(花園大)や後藤凌寿(トヨタ自動車)を上位に予想。立石を外しした場合は、強打の小島大河(明大)を候補に挙げ、下位になると思うが、18年以来の社会人野手獲得の可能性も高い。
【指名シミュレーション】
2位~藤原聡太(花園大・投手) 小島大河(明大・捕手)
3位~宇佐美球児(西条高・投手) 後藤凌寿(トヨタ自動車・投手)
4位~半田南十(日大藤沢高・内野手) 鈴木蓮吾(東海大甲府高・投手)
5位~天井一輝(NTT西日本・外野手) 阪上翔也(近大・外野手)
6位~渡辺向輝(東大・投手) 高橋隆慶(JR東日本・内野手)
おススメは、元ロッテの渡辺俊介を父に持つ渡辺向輝(東大)で、緩急をつけた投球術がセールスポイントで、チームには石川雅規(青学大~01年自)や青柳など手本になる投手が多く、チームにいない父譲りのサブマリンは投手陣にインパクトになる。