ドラフトを知ると野球がもっと楽しくなる

どのチームが「人」を育て強くなるのか

この選手を獲れ!パ・リーグ編

 日本シリーズが終了し、今年はロッテから澤村拓一と松永昴大、西武の増田達至と熊代聖人、DeNAの井納翔一と梶谷隆幸、ヤクルトから小川泰弘の計7名がFA宣言をし、増田と熊代は宣言後チームに残留し、澤村は海外を含む、他の4選手は国内の移籍を含む交渉がスタートになった。

 また、巨人の菅野智之日本ハムの有原航平、西川遥輝は、ポスティングでMLBへの移籍を目指す。加えて12/7にトライアウトが開催され、翌日から交渉が可能になる。そこで、各チームの状況から補強に合った選手を挙げてみたい。題して「この選手を獲れ!」です。 

 ※( )は契約保留者+新入団選手、下記指名は自由契約選手(下線は育成契約)

 

ソフトバンク(61名+5名)

 ムーアが保留者名簿から外れたが、今シーズンの復調でMLB復帰が濃厚になっている。ただ、4連覇しているぶ厚い戦力をほこり補強を急ぐ必要はない。支配下人数も66名になり、育成選手の層も厚いために。あと1~2名くらいで終了になるだろう。

 強いて言えばムーアに代わる外国人の先発投手、甲斐野央と板東湧悟が肘の手術で来シーズンの復帰が難しいため、中継ぎの補強、内野の層を厚くするために控え野手の獲得くらいだろうか。

 中継ぎなら近藤弘樹(楽天)は速球に力があり、3年目という若さも魅力だ。野手は残念ながらホークスの現有戦力からは見当たらなかったが、楽天と交渉が難航しているロメロはなんかは、キューバナショナルチーム参加で離脱を余儀なくされるデスパイネやグラシアルがチームを離れたときにフィットすると思う。

・投手~加治屋蓮/吉住晴斗/ムーア/松田遼馬/バンデンハーク

・野手~内川聖一/西田哲朗/コラス

 

ロッテ(61名+5名)

 澤村と松永の2名のリリーバーがFA宣言したが、唐川侑己荻野貴司清田育宏の主力が揃って残留したのは大きかった。一方でチェン・ウェインの退団が決定し、ハーマンとの交渉が継続中のなか、チェン・グァンユウの退団も決まった。

 補強ポイントは、肘の手術で来シーズンも治療に専念する種市篤暉と西野勇士に代わる先発投手、今年苦労した右の長距離砲、また澤村と松永、ハーマンが残留するかしないかで、チームの編成が変わってくる。全員が残留すれば、現在4名しか決まっていない外国人選手の補強で終了しそうだ。

 先発投手ではアルバースオリックス)は不足する先発左腕、同じく今年は不振だったがジョンソン(広島)は狙い目だと思う。野手ではロメロ(楽天)は好不調の波は大きいが実績は十分、長打力はないがアルモンテ(中日)はアベレージヒッターで、ともにケガが多いのが気掛かりだが、今年の助っ人野手の状況を考えれば心強い。

 中継ぎの3名がチームを去ることになれば、松田遼馬(ソフトバンク)や村田透(日本ハム)は実績があり、左腕の宮台康平(日本ハム※ヤクルトが有力)や野田昇吾(西武)、変則右腕の田原誠次(巨人)などは強力リリーフ陣に厚みを持たせると思う。 

・投手~大谷智久/内 竜也/渡邊啓太/ハーマン/原 嵩/チェン・ウェイン

・野手~細川 亨/細谷 圭/三家和真

 

西武(58名+7名)

 増田の残留が決まりまずは一安心といったところで、あとはギャレットの残留がポイントだが、現状では難しそうだ。外国人選手がニールとメヒア、スパンジェンバーグの3名で、ギャレットが残留しても、投打にもう1~2枚は欲しいところで、そうなると補強の枠は意外に多くない。

 課題は先発投手と不足している左腕、野手の控えの層を厚くしたい。先発では故障の不安はあるがマルティネス(日本ハム)や宮國椋丞(巨人)は、十分に復活できると思うし、近藤弘樹(楽天)は若く将来性も備えている。日本ハムから吉川光夫をトレードで獲得したが、それでも不足気味でFAで松永昴大(ロッテ)や藤岡貴裕(巨人)などは貴重な戦力になると思う。

 野手ではレギュラーと控えの差が大きく、内野手なら石川雄洋(DeNA)や白崎浩之(オリックス)の打力はまだ衰えていないし、細谷圭(ロッテ)は外野も守れるユーティリティプレーヤー、捕手の補強で山下斐紹(楽天)も面白い。

・投手~多和田真三郎/野田昇吾/ギャレット/ノリン/相内 誠/藤田航生

・野手~水口大地/永江恭平/森越祐人

 

楽天(57名+6名)

 現在、ロメロとの交渉が難航し、外国人選手で残留が決まっているのがブセニッツと宋家豪のみで、外国人選手の獲得が優先になる。育成の池田隆英(投手)が支配下登録の予定で、外国人選手を5~6名とすると1~2名程度の余裕しかない。

 昨年、大型補強をしたが今年は動きが少ない。ともにFAの小川泰弘(ヤクルト)は不足の先発候補、松永昴大(ロッテ)は不足している左のリリーバーで、補強ポイントに合致しているが獲得の動きは現時点ではない。

 打線に問題はなく、先発・リリーフともに投手陣の補強が必要だ。先発候補は少ないが、松田遼馬(ソフトバンク)や左腕の藤岡貴裕(巨人)、経験豊富なベテラン内竜也(ロッテ)や近藤一樹(ヤクルト)にはもう一花咲かせてほしい。

・投手~近藤弘樹/シャギワ/青山浩二/DJジョンソン/渡邊佑樹/熊原健人

    由規/久保裕也

・野手~山下斐紹/渡辺直人/ロメロ/ブラッシュ/フェルナンド

 

日本ハム(58名+6名)

 正直、前途多難だ。有原航平と西川遥輝の主力が抜ければ、戦力ダウンは必至で、今シーズン以上の苦戦が予想される。有原と西川が抜けると63名で、あと2~3名は余裕がある。

 有原の流失に備えて小川泰弘(ヤクルト)の獲得を目指しているが、広い札幌ドームにフィットする投手で、是が非とも獲得したいところだ。また、新外国人選手で技巧派左腕のアーリンと長打力に期待がかかるロドリゲスを獲得している。

 とにかく投打に戦力が不足気味で、課題は山積している。投手は先発もリリーフどちらも欲しいい…。野手はもっと深刻で、ホームが広い球場といっても長打力不足は顕著で、西川が抜けると機動力もダウン、リーグワーストの失策で守備もダメ…と優先順位をつけて臨む必要がある。

 投手では大谷智久(ロッテ)は先発もリリーフもこなせるベテラン、東明大貴オリックス)は先発、リリーフで内竜也(ロッテ)は抱えても問題ないと思うし、風張蓮(ヤクルト)は大学時代を北海道で過ごした縁もある。野手では、白崎浩之(オリックス)も地元出身のスラッガー、長距離砲ではボーア(阪神)は、もう一シーズンくらいは見てみたい。機動力と守備力では永江恭平(西武)は、打撃に期待しなければ両方の課題を埋めてくれると思う。

・投手~浦野博司/マルティネス/村田 透/鈴木遼太郎/宮台康平/吉田侑樹

・野手~黒羽根利規/ビヤヌエバ/白村明弘/姫野優也

 

オリックス(55名+6名)

 黒木優太と山崎颯一郎の両投手の支配下登録と、コーチ兼任だが能見篤史阪神)の入団が決まり、現時点で64名になる。外国人選手は4名で、投打に1名の補強で済みそうで、あと2~3名は余裕がある。2年連続最下位で課題は多いが、着実に駒は揃ってきており、ピンポイントで補強を進めたい。

 投手では左腕が不足気味だが、大学~社会人を関西で過ごした松永昴大(ロッテ)への興味はないようだ。チームは即戦力より若手育成に舵を取っており、近藤弘樹(楽天)や藤井皓哉(広島)は25歳と若く、獲得しても面白いかもしれない。

 野手では捕手と三塁手、外野手の層を厚くしたい。捕手では山下斐紹(楽天)に黒羽根利規(日本ハム)は守備に定評があり、内野ならどこでも守れる西田哲朗(ソフトバンク)や藤井亮太(ヤクルト)、外野では田代飛翔(ソフトバンク育成)あたりはチームにフィットするように思える。

 投手~近藤大亮/東明大貴/アルバース/左澤 優

 野手~飯田大祐/山崎勝己/白崎浩之/小島脩平/ロドリゲス/西浦颯大

    松井佑介/根本 薫 

【番外編】日本シリーズ、私にも言わせて

 今年の日本シリーズは、ソフトバンクが巨人を圧倒した。史上初の2年連続4タテで、セ・リーグを独走した巨人は何もできないままの惨敗だった。私は物心ついた頃からパ・リーグ派、それもロッテのファンで、筋金入りのアンチ巨人だったため、結果だけを見れば大満足だが、プロ野球ファンとしては、こんな日本シリーズは見たくないです。そこで私にも少し言わせてください。

 

1.パ・リーグが圧倒するセ・リーグに危機感はあるのか

 ここ10年で、セ・リーグが日本一になったのは、12年の巨人(相手は日本ハム)のみで、8年連続でパ・リーグが制している。実は01年~10年の間もセ・リーグが制したのは、09年の巨人と07年の中日(相手はともに日本ハム)、02年の巨人(VS西武)、01年のヤクルト(VS近鉄)で、2000年代はパ・リーグが15勝5敗と圧倒している。

 今年は中止になったが、05年から始まった交流戦も15年の歴史でセ・リーグが勝ち越したのは09年の1回のみで、05年~09年まではそれなりに拮抗していたものの、10年からはパ・リーグが圧倒しており、通算成績はパが1,102勝、セが966勝が現状だ。

 こういった分かりやすい数値に顕れている結果を、セ・リーグ6球団がどう捉えたのか甚だ疑問でしょうがない。少なくとも今年、巨人の独走を許した5球団の責任は大きいと思う。

 パ・リーグには盟主はいない。60年代は南海、70年代は阪急、80年代は西武が黄金期を迎え、90年代は西武とオリックス近鉄が鎬を削った。00年代前半はダイエー、後半は日本ハムがリーグの主役で、10年代はソフトバンクの牙城に西武と楽天、そしてロッテがその座を脅かすようになった。

 セ・リーグは今も昔も巨人だ。「巨人が優勝から何年遠ざかった」「やはり巨人が強くなくては面白くない」など、私が幼いころに聞いた声が今でも聞こえる。巨人さえいてくれれば興行面では何とかなるだろうという、他の5球団の巨人に依拠する過去からの甘えの体質がリーグの停滞を招いたのではないだろうか?

 

2.リーグ全体の意識があるパ・リーグと、個のセ・リーグ

 ダルビッシュツイッターで、パとセの体質の違いについて述べていた。パ・リーグはトレーニング設備や方法などが自由に共有できる環境だったが、交流戦などでセ・リーグの球場に行くと、立ち入り禁止の場所やグラウンドの使用時間の制限などが多く驚いたとコメントしていた。

 こういった意識はドラフトにも見れる。パ・リーグは力のある選手には、リーグ上げて獲りに行く傾向が強い。

 ・岡田彰布(79年)…西武、ヤクルト、南海、★阪神、阪急、近鉄

 ・清原和博(85年)…南海、日本ハム、中日、近鉄、★西武、阪神

 ・野茂英雄(89年)…ロッテ、大洋、日本ハム阪神ダイエー、ヤクルト

             オリックス、★近鉄

 ・小池秀郎(90年)…西武、近鉄日本ハム、★ロッテ、広島、中日、ヤクルト、

             阪神

 ・福留孝介(95年)…ヤクルト、オリックス、ロッテ、巨人、日ハム、中日、★近鉄

 ・菊池雄星(09年)…日本ハム、中日、楽天、ヤクルト、阪神、★西武

 ・大石達也(10年)…★西武、阪神オリックス、広島、楽天、横浜

 ・清宮幸太郎(17年)…ソフトバンク阪神楽天、巨人、★日本ハム、ヤクルト

              ロッテ

 6球団以上、1位で重複した選手を並べてみたが、セ・リーグパ・リーグの指名を上回った選手はいない。6球団以下の主な選手でも、松坂大輔は3球団競合でパが2球団、田中将大中田翔は4球団競合でパが3球団、松井裕樹も5球団競合でパが3球団と、近年でセが多かったのは松井秀喜(4球団競合でパはダイエーのみ)くらいで、スター選手をリーグ全体で獲りに行く姿勢が窺える。

 例え自分のチームに入団しなくても、リーグの活性化に繋がるのであれば、全体で獲得していく姿勢も差になっているんだろうと以前から感じていた。今年のドラフトもともに4球団競合の佐藤輝明はセパ半々だったが、早川隆久はパが3球団だった。広島とDeNAはともに2年連続で単独指名を成功させて評価する声もあるが、私は評価できない。

 良い投手が良い打者を育て、良い打者が投手を育てることで、リーグ全体のレベルアップに繋がり、スター選手を見るために球場に足を運ぶ。今じゃ人気も実力もパ・リーグのほうが上になってしまった。昨年のドラフトも、佐々木朗希を指名したのは4球団すべてパ・リーグ、奥川恭伸の3球団はすべてセ・リーグ…。この辺りにリーグが求めるものの違いを感じるのは私だけだろうか?

 

3.残念だった丸キック

 今回の日本シリーズで、不名誉な名前が付いたプレーが「丸キック」で、これは本当に残念だった。野球を経験した人なら多くの人が断言すると思うが、あれは故意プレーと言われても致しかたない。

 私も草野球愛好者で、ここ4~5年はファーストを守る機会が多くなったが、一度も足を蹴られたことはない。17年の夏の甲子園大会の大阪桐蔭VS仙台育英戦で、仙台育英の打者走者が一塁を駆け抜ける際、今回と同じように大阪桐蔭一塁手の足を蹴り上げたプレーがあった。私は学生時代に野球部に所属したことがなく、初めて見たプレーだったので、草野球チームで硬式野球部に所属していたメンバーに聞いてみた。答えは全員「あれは故意」という返答だった。

 そんなプレーが、いきなり日本シリーズの初戦で出てしまった…。翌日、丸は中村に謝罪して和解したと言ったが、謝って済む問題なのだろうか。実際に中村が蹴り上げられたとき、千賀は怒りの形相でアピールしていた。当人同士たちが和解して済んだから良しではなく、巨人も注意を促すとか、何らかのペナルティ的な措置を取る必要もあると思う。日本最高峰のゲーム、しかもその初戦で起きたことが残念でならない。

 その丸のプレーをさらに印象を悪くさせたのが、第3戦で見せた長谷川のヘッドスライディングだった。35歳でかつて首位打者を獲ったベテランが、追加点を狙う場面でヒット性の当たりを、二塁手・吉川尚の好捕でアウトになったが、一塁にヘッドスライディングをし、悔しさを露わにグラウンドに拳を叩きつけたシーンは、如実にチームの違いを顕していた。負けても勝っても、こういったプレーを観たいんです。ファンは!

 

4.セ・リーグパ・リーグの差を埋められるのか

 最後に、現在のセ・パの差は埋められるかと言えば、答えは否だと思う。ラミレス監督は、「パ・リーグの野球は、セ・リーグの5年先を行っている。150キロを超える投手はパは7割いるが、セは4割」というコメントを見たが、現場責任者の声だけに重みを感じる。

 DH制の是非が違い(個人的は思わないが…)とも言われている。元ロッテの里崎氏がTV番組で、「セが勝てば、DH制の有無が原因なんていう議論はなくなります」と言っていて、なるほどその通りだと思ったが、ここまでコテンパンにされると導入の論議が活発になってくるだろう。

 個人的には、「つべこべ言わず1年限定でも良いので、一度やってみれば良いのでは?」と思う。やってみることでどういう風にセの野球が変わり、パとの差が縮まるのか試してみれば良いと思う。合わなければ戻せば良いだけの話だと思うが、どうもそうはいかないらしい…。

 それよりドラフト愛好者から見れば、ドラフトから違うんだよな~と突っ込みたくなる。今年もソフトバンクの井上朋也、ロッテの中森俊介に西川僚祐、西武の渡部健人に山村崇嘉、楽天の早川隆久、日本ハムには五十幡亮汰、オリックスの山下舜平大に元謙大、来田涼斗などスケール感のある選手が多く指名されている。

 巨人は今年もFAで、DeNAの井納翔一や梶谷隆幸の獲得を検討しているらしいが、本当に2年連続4連敗を学んでいるのか疑問に思ってしまう。同じリーグの相手チームの戦力を削いでどうする?リーグ全体でレベルアップしていかなくてはならないのに、自軍の戦力だけを厚くして独走してもチームは強くならない。また、日本シリーズパ・リーグのチームに返り討ちになるだけだ。

 ここは思い切って、例えばJリーグのような期限付き移籍でも良いので、大胆なトレードでも実現すれば本気度が伝わるのではないか。例えば丸とオリックスの山本、岡本とソフトバンクの東浜、坂本とロッテの石川など、主力の武者修行など自軍の選手のレベルアップが何よりも必要だと思うのは私だけだろうか? 

20年セ・リーグの退団選手~最多は巨人、最小はDeNAと広島

 選手の現況は11/23時点のもので、選手名の横の年数は指名年度で、〇の数字は指名順位。※の選手は育成契約の選手です。

 

読売ジャイアンツ(24名)

 チーム強化のため、大きく選手を入れ替えると宣言した通り、なんと両リーグ最多の24名(うち育成選手10名)が戦力外通告を受けた。ただ、ともにドラフト1位の鍬原と堀田をはじめ、高木と直江、山下の6名は育成契約になる。宮國が現役続行を希望しているが、他の選手は去就未定。引退は岩隈のみで、MLBからNPBに復帰したものの一度も登板することなくチームを去る。

 今年は支配下→育成契約への変更に賛否両論が起きた。個人的には制度としての運用は間違っておらず、故障を治すために契約を変更することも良いと思うが、今回に至っては評価できない。鍬原は3年、堀田は僅か1年でドラフト1位選手が育成契約では、「巨人の1位指名って、そんなに軽かったっけ?」と考えてしまう。また山下と直江は故障の治療が理由だが、山下は昨年支配下になり1年で逆戻り…故障したら即育成契約では、選手もやり切れないと思う。

 ここで惜しいのは藤岡だ。本格派左腕として3球団競合のなかロッテへ入団し、入団時はルーキーではなく、FAで二桁勝てる投手が入団したくらいの評価だった。ただ、メンタル面や制球力、ストレートを活かす球種が課題で、いつの間にか自慢のストレートも通用しなくなってしまった…。個人的に応援していた選手なので、移籍した日本ハムや巨人での復活を期待したが、その力を発揮することはできなかったのが残念だ。

 支配下選手は55名まで減り、今ドラフトで7名(投手④/捕手①/内野手②)を指名し62名。外国人ではパーラの去就が不明だが、得意のFAで2~3名獲得しても65名前後で、これ以上の戦力外通告はないと思うが…。

 投 手…岩隈久志(99年/近⑤)宮國椋丞(10年/②)藤岡貴裕(11年/ロ①)

       高木京介(11年/④)田原誠次(11年/⑦)鍬原拓也(17年/①)

       直江大輔(18年/③)堀田賢慎(19年/①)※巽 大介(15年/⑥)

       ※橋本篤郎(15年/育⑥)※高井 俊(16年/育①)

 捕 手…※高山龍太朗(16年/育⑥)

 内野手…吉川大幾(10年/中②)※比嘉賢伸(17年/育①)※折下光輝(17年/育⑦)

      ※山上信吾(17年/育②)

 外野手…加藤脩平(16年/育②)村上海斗(17年/⑦)山下航汰(18年/育①)

       ※笠井 駿(17年/育③)※荒井颯太(17年/育⑧)

 外国人…ディプラン(投手)※ラモス(投手)モタ(外野手)

【予想背番号】

 ①平内/15 ②山崎/54 ③中山/46 ④伊藤/32 ⑤秋広/63 ⑥山本一/57

 ⑦萩原/66 

 

阪神タイガース(10名)

 平均年齢が高いチームにあって、今年もベテランには風当たりの強いオフになった。藤川は盛大な花道のなか引退したが、能見と福留、上本、伊藤隼は現役続行を希望し、高野と福永はトライアウトを受験する。

 昨年の鳥谷に続き、今年もかつての功労者に対し、後味の悪い退団劇になった。能見はエースとして103勝を上げ、昨年からはチームのために中継ぎを務め、今年は黙々と敗戦処理をこなした。福留も将来の幹部候補生として、MLBから三顧の礼で迎えられた。確かにコロナ禍のなかで軽率な行為は褒められたものではないが、それが今回の退団の理由にはならないと思う。選手会長も務めた上本へも非情な通告になった。

 結局は引退を決めて欲しい選手には、シーズン中に冷や飯を食わせて、引退への雰囲気作りをし、それでも現役続行を希望する選手は、バサッと切るスタイルは阪神の体質とも言える。巨人と並ぶ人気チームだが、このようなことを続けていれば、FAでの移籍やドラフトでも敬遠され、決して良い結果にはならないと思うが…これも伝統か…。

 支配下選手は60名で、今ドラフトの8名(投手④/捕手①/内野手③)を加え、支配下は68名になった。外国人選手が8名おり、ボーア(これも毎年恒例のバース二世)は退団、ガルシアと呂彦青も退団濃厚、スアレスはMLB移籍の可能性もあり、外国人選手を5~6名にするのであれば、もう1~2名は空けておきたいところだ。 

 投 手…藤川球児(98年/①)能見篤史(04年/自)横山雄哉(14年/①)

       高野圭佑(15年/ロ⑦)福永春吾(16年/⑥)

 捕 手…岡崎太一(04年/自)

 内野手上本博紀(08年/③)

 外野手…福留孝介(98年/中①)伊藤隼太(11年/①)

 外国人…ボーア(内野手

【予想背番号】※佐藤輝は決定

 ①佐藤輝/8 ②伊藤将/13 ③佐藤蓮/30 ④榮枝/40 ⑤村上/41 ⑥中野/00

 ⑦高寺/57 ⑧石井/54

 

中日ドラゴンズ(13名)

 エース大野雄の残留に成功した中日。その反動ではないと思うが5名の外国人(育成1名含む)がチームを去る。日本人選手では投手が6名と多く、吉見は引退、小熊と伊藤準、鈴木翔はトライアウトを受験、唯一の野手の石川駿は引退を決めた。

 鈴木翔はエース候補として期待されたが、18年オフに右手の血行障害の手術を受け、徐々に回復を見せていたが無念の戦力外になってしまった。まだ若く素質は申し分ないだけに、再起を果たしてほしい選手だ。

 石川駿は、昨年ウエスタンリーグで最高打率と最高出塁率を記録し、遅咲きのブレイクが期待されたが、故障で結果を出すことができなかった。これで14年のすべて大学・社会人で占めた即戦力ドラフトで、獲得した9名中6名がチームを去ることになった。

 支配下選手は60名で、今年指名した6名(投手④/内野手①/外野手①)を加え66名。外国人選手が現段階で3名しかおらず、もう2~3名は必要になり、支配下に余裕がなく、トレードや戦力外通告がまだあるかもしれない。

 投 手…吉見一起(05年/希)伊藤準規(08年/②)小熊凌祐(08年/⑥)

       鈴木翔太(13年/①)阿知羅拓馬(13年/④)大蔵彰人(17年/育①)

       ※浜田智博(14年/②)

 捕 手…なし

 内野手…石川 駿(14年/④)

 外野手…なし

 外国人…ゴンサレス(投手)ロメロ(投手)アルモンテ(外野手)

       シエラ(外野手)※ブリトー(投手)

【予想背番号】

 ①高橋宏/20 ②森/19 ③土田/39 ④福島/64 ⑤加藤翼/65 ⑥三好/45

 

★横浜D℮NAベイスターズ(9名)

 昨年は退団する選手の半数が引退を決めたが、今年は引退を表明している選手は現段階ではゼロで、石川とロペス(来年から日本人選手扱い)、パットンが現役続行を希望している。また、井納と梶谷がFAを検討しており去就が未定だ。

 今回の戦力外通告を見ても、正直驚きはなかったが、ロペスとパットンの退団は意外だった。ロペスは来日10年目を迎え、来シーズンからは日本人選手扱いになる。衰えは隠せないが、ソトの去就が微妙のなか、代打や堅実な一塁守備はまだまだ戦力になると思う。パットンは在籍4年で、219試合登板で101ホールドを上げたセットアッパー。奪三振率が高く(反面、与四球率も高いが…)、MLBからも注目されており、ロペスともにやや不可解な戦力外になった。

 支配下選手は58名で、今年のドラフトで6名(投手④/内野手②)をを指名し64名になる。ただ、通算50勝の井納、今年打率2位の梶谷、ソトの残留交渉が課題になるが、マネーゲームになると太刀打ちすることが難しく、この3名が残るか、移籍するかでチームの補強方針が変わり、まだ動きがありそうだ。

 投 手…藤岡好明(05年/ソ大社③)古村 徹(11年/⑧)浜矢広大(13年/楽③)

       赤間 謙(15年/オ⑨)

 捕 手…なし

 内野手…石川雄洋(04年/⑥)飛雄馬(11年/⑦)百瀬大騎(14年/⑥)

 外野手…なし

 外国人…パットン(投手)ロペス(内野手

【予想背番号】※入江・牧は決定
 ① 入江 /22 ②牧/2 ③松本/40 ④小深田/46 ⑤池谷/49 ⑥高田/56 

   

広島東洋カープ(9名)

 昨年は退団選手の半分が引退を決めたが、今年は石原慶のみで、小窪は他球団のオファーを待って、トライアウト受験も検討している。他に藤井がトライアウト挑戦、戸田は育成契約を打診された。また、沢村賞も獲得したジョンソンがチームを去る。

 覚悟はしていたが、石原慶が引退を決めた。ロッテの細川と並び、捕手らしい捕手だった。キャッチングとリードが巧く、強肩で意外なところで長打を打つ。まさに8番捕手の似合う選手で、ベテランになり出場機会は減ったが、ベンチにいるだけで安心感があり、こういった選手が引退するのはやはり寂しいものだ。ただ、石原慶の背番号31は、若手の坂倉に受け継がれ、こういった配慮は観ていて嬉しい。

 支配下選手は58名で、今年指名した6名(投手③/捕手①/内野手①/外野手①)に、新外国人選手を加えると支配下ギリギリで、田中広にFA移籍の可能性があるが、逆にFAでの獲得がない分、更なるトレードや戦力外の動きがありそうだ。 

 投 手…戸田隆矢(11年/③)藤井皓哉(14年/④)平岡敬人(17年/⑥)

 捕 手…石原慶幸(01年/④)

 内野手小窪哲也(07年/大社③)

 外野手…なし

 外国人…ジョンソン(投手)モンティージャ(投手)ピエラ(外野手)

       ※メナ(投手)

【予想背番号】
 ①栗林/20 ②森浦/13 ③大道/12 ④小林/68 ⑤行木/61 ⑥矢野/53

 

東京ヤクルトスワローズ(15名)

 阪神と並び平均年齢の高いチームで、今年も多くのベテランがチームを去る。投手では五十嵐と中澤、山中、捕手の井野が引退する。近藤と平井、藤井が現役続行を希望しており、藤井はトライアウト受験を表明している。

 驚いたのはリーグ最下位の投手陣にあって、大量8名の投手を戦力外にした。チーム成績も2年連続の最下位で、チームを刷新する意味もあると思うが、リリーフの近藤や引退を決めたがサブマリンの山中の両ベテランなどは、若手が多くなった投手陣のなかで、必ず経験が活きてくる場面はあり、正直勿体ない印象のほうが強い。

 今オフ、風張が戦力外を受けて14年に入団した選手がすべて退団した。7名入団して在籍2年で2名、3年目にはドラフト1位の竹下を含む3名が退団した。この年は1位で投手では山崎康(横浜)や有原(日本ハム)、高橋光(西武)。野手でも中村奨(ロッテ)や岡本(巨人)、下位指名でも西野や小田(ともにオリックス)がおり悪い年ではなかったが、僅か6年で全員退団はスカウティングや育成能力が疑われても致し方なく、ここ数年の低迷も頷ける。

 支配下選手は55名で、今ドラフトの6名(投手③/捕手①/内野手①/外野手①)を加えても61名と少ない。チームの顔である山田哲とクローザーの石山の慰留に成功し、小川を残すだけだ。外国人選手は現在3名で、もう2~3名は必要だがそれでも人数に余裕はあり、あとはチームの補強に努めていくだけだ。

 投 手…五十嵐亮太(97年/②)近藤一樹(01年/近⑦)山田大樹(06年/ソ育①)

       中澤雅人(09年/①)平井 諒(09年/④)山中浩史(12年/ソ⑥)

       田川賢吾(12年/③)風張 蓮(14年/②)※ジュリアス(15年/④)

 捕 手…井野 卓(05年/楽大社⑦)

 内野手…藤井亮太(13年/⑥)

 外野手…上田剛史(06年/高③)田代将太郎(11年/西⑤)

 外国人…イノーア(投手)エスコバー内野手

【予想背番号】
 ①木澤/20 ②山野/34 ③内山/33 ④元山/0 ⑤並木/50 ⑥嘉手苅/54

20年パ・リーグの退団選手~最多はソフトバンクと楽天、最小は千葉ロッテ

 選手の現況は11/19時点のもので、選手名の横の年数は指名年度、〇の数字は指名順位。※の選手は育成契約の選手です。

 

福岡ソフトバンクホークス(14名)

 日本シリーズで巨人に圧勝して、パ・リーグ初の4連覇を決めた翌日に3選手が加わり、13選手が戦力外通告を受けた。吉住と田代が育成契約を打診されているが、吉住は態度を保留、田代は自由契約選手を選択しトライアウト受験を決めた。内川は他球団へ移籍、松田遼と加治屋も現役続行を表明し、ホークスの強力投手陣からはじき出されたよう格好で、他球団からのオファーは十分に可能性はある。このほかに堀内と大本がトライアウトに向け準備をしている。

 驚きは内川の退団だろう。FAで横浜より移籍し、セ・パ両リーグで首位打者を獲得し、主力中の主力としてホークスを支えた。今年は故障もなく、ファームでも打率.327の好成績を残しており、39歳とは言えまだまだやれる。ヤクルト移籍が有力視され、10年振りにセ・リーグで内川が見られるかもしれない。

 17年のドラフト1位の吉住は、1位指名も驚きだったが、3年で戦力外(育成契約打診も保留)も驚きで、今年は2軍でも登板がなかった。育成の田代は昨年、ファームで打率3割を超え支配下目前だったが、育成契約継続を打診され、自由契約を選んだ。昨年同様の理由で退団し、ヤクルトで44試合に登板した長谷川宙輝の活躍が刺激になったのかもしれない。

 支配下選手63名に、今年のドラフトではすべて高校生で5名(投手②/捕手①/内野手①/外野手①)を指名し、現状68名で支配下ギリギリだ。6名いる外国人選手(バレンティンを除く)ではサファテとバンデンハークの去就が微妙で、長谷川がFA行使を検討しているが、更なる戦力外やトレードで2~3名程度は空けておく必要があり、まだ動きがまだありそうだ。

 投 手…松田遼馬(11年/神⑤)加治屋蓮(13年/①)吉住晴斗(17年/①)

       ※小澤怜史(15年/②)※野沢佑斗(15年/育成①)※渡辺健史(15年/育⑤)

 捕 手…※堀内汰門(14年/育④)

 内野手内川聖一(00年/横①)西田哲朗(09年/楽②)※古沢勝吾(14年③)

 外野手…※大本将吾(16年/育①)※田代飛翔(16年/育③)※清水陸哉(16年/育⑤)

       ※日暮矢麻人(17年/育⑤)

【予想背番号】

 ①井上/22 ②笹川/26 ③牧原巧/43 ④川原田/46 ⑤田上/70

 

千葉ロッテマリーンズ(8名)

 若手の活躍もあり、07年以来の2位で終えたロッテ。戦力外の顔ぶれを見ても驚きはなく、細川が引退を決め、内と大谷、渡邊が現役続行を希望し、原は育成契約を打診されており、この他の選手の去就は未定だ。ただ、内も大谷も実績は十分だが、ともに35歳でハードルは高いだろう。

 内ほど、“”たら、れば”の選手もいないだろう。1年目からファームで最優秀救援投手に輝き、誰もがクローザー誕生を予感したが、右肩に右肘、右足首と再三の故障に見舞われた。17~18年のシーズンで42セーブを上げ、クローザーとして活躍したものの、昨年また右肘を手術し一軍登板はなかった。まさしくケガさえなければの好投手だった。

 支配下選手は63名で、今年指名した5名(投手③/内野手①/外野手①)を加えて68名になった。ただ、今年のロッテはこれからが大変で、今年の強力リリーフ陣を形成した唐川と澤村に加え、貴重な左のリリーバー松永、ベテランの荻野貴と清田がFAを検討している。ハーマンやチェン・ウェインフローレスも残留は決まっておらず、最悪の場合、益田のみを残してリリーフ陣の再編成が迫られるかもしれない。

 当然、全員の残留交渉が最優先する一方、戦力強化のために更なる補強も検討している。仮に全員の残留が決まれば、支配下枠は1名しなかなく、育成選手の左腕・本前の評価が高く支配下目前で、あと3~4名ほどは空けておく必要があり、まだ動きがありそうだ。

 投 手…内 竜也(03年/①)大谷智久(09年/②)原  嵩(15年/⑤)

       渡邊啓太(17年/⑤)※鎌田光津希(18年/育①)

 捕 手…細川 亨(01年/西自)

 内野手…細谷 圭(05年/高④)

 外野手…三家和真(11年/広育④)

【予想背番号】

 ①鈴木/21 ②中森/55 ③小川/35 ④河村/56 ⑤西川/61

 

埼玉西武ライオンズ(9名)

 現役引退は3名で、相内は相次ぐトラブルで球団も遂に見切りをつけ、藤田はイップスに陥り引退を決めた。クローザーとして通算52セーブの高橋朋は、故障で育成契約となったが、遂に復活することなくアカデミーコーチでチームに残る。18年最多勝の多和田は病気療養のため育成契約、野田がトライアウト受験を表明している。

 正直、野田以外は驚きがなかったが、永江は残念だった。16年に源田が遊撃手の定位置を掴むまでは、西武の遊撃はレギュラー不在で、永江は候補の一番手だった。堅実な守備に俊足を誇ったが、通算打率.153となんせ打てなさ過ぎた…。源田入団以降、出場試合数が激減し、何度もチャンスを与えられるはずもなく無念の戦力外になった。

 支配下選手は59名で、今ドラフトで最多の7名(投手②/内野手③/外野手②)を指名し66名になり、戦力外通告もほぼ終わったと言える。毎年、恒例しつつあるFA移籍では、クローザーの増田が態度を表明しておらず、今年負けなしの絶対的な守護神だけに全力で慰留したい。外国人選手ではノリンのみ残留が微妙で、FAでの選手獲得も名前が挙がっていないが、左腕の先発候補で日本ハムの吉川を獲得し、補強はトレードや外国人選手が中心になりそうだ。

 投 手…相内 誠(12年/②)多和田真三郎(15年/①)野田昇吾(15年/③)

       國場 翼(15年/⑧)藤田航生(16年/⑦)※高橋朋己(12年/④)

 捕 手…なし

 内野手永江恭平(11年④)森越祐人(10年/中④)水口大地(12年/育①)

 外野手…なし

【予想背番号】

 ①渡部/8 ②佐々木/23 ③山村/32 ④若林/0 ⑤大曲/57 

 ⑥ブランドン/59 ⑦仲三河/67 ※吉川/41

      

東北楽天ゴールデンイーグルス(14名)

 昨年はリーグ最多の17名、今年も現段階でリーグ最多の14名がチームを去る。久保が2軍投手コーチ、渡邊直は一軍打撃コーチに就任し、渡邊佑は育成契約を打診されている。わずか3年でクビになった近藤、2度目の戦力外を受けた由規が現役続行を希望し、近藤はトライアウト受験を表明している。

 昨年も後味の良くない戦力外になったが、今年も同じだった…。青山は通算15年で625試合で45セーブ、159ホールドの功労者で、昨年の嶋同様にもう少し上手いやり方があっただろう。結果、青山は引退を決めたが、これほどの実績を残した生え抜きの選手が公式戦で引退試合もなく、チームを去るのは寂しい限りだ。近藤も驚きで、17試合登板で未勝利で結果は出ていないが、即戦力のドラ1が大きなケガがあった訳でもないのに3年で戦力外は首を捻ってしまう。

 支配下選手は61名で、今ドラフトで6名(投手⑤/内野手①)を加え、支配下は67名になった。塩見や島内、岡島のFA取得選手も残留を決め、今年はFA選手の獲得はしないが、もう1~2名は空けておきたい。外国人選手ではブラッシュの去就が不明のなか、新外国人選手で右の大砲ディクソンを獲得した。

 投 手…久保裕也(02年/巨自)由規(07年/ヤ高①)熊原健人(15年/横②)

       近藤弘樹(17年/①)渡辺佑樹(17年/④)青山浩二(05年/大社③)

     ※木村敏(16年/育④)

 捕 手…山下斐紹(10年/ソ①)

 内野手渡辺直人(05年/大社⑤)※南 要輔(16年/育②)

       ※松本京志郎(17年育②)

 外野手…フェルナンド(14年/④)※耀飛(17年/⑤)※中村和希(17年/育③)

【予想背番号】
 ①早川/26 ②高田/12 ③藤井/47 ④内間/40 ⑤入江/50 ⑥内/63

      

 北海道日本ハムファイターズ(9名)

 戦力外通告は7名で、浦野と白村は現役引退。吉田侑と黒羽根は現役続行を希望し、鈴木遼と宮台、姫野は育成契約を打診されている。また、吉川は西武へ金銭トレードされ、現在、支配下登録選手は59名で、ドラフト指名6名(投手②/捕手①/内野手①/外野手②)を加えてようやく65名になった。

 申し訳ないが、吉田侑や姫野あたりの戦力外を判断するのに、随分と時間がかかったなというのが正直な感想である。エースの有原と主力の西川がポスティングでのMLB挑戦を表明し、2年連続5位に沈み、チーム再建が必要のなか、スピードを上げて対応していかないところを、何をモタモタしていたのかと思う。

 育成の日ハムも最近は若手が伸び悩み、元々FA獲得には消極的なチームで、外国人選手もバーヘイゲンとロドリゲス以外は未定等々、来年に向けてのスタート遅れは否めない。歴代チーム最長の10年目を迎える栗山監督。昨年は「鬼になる」と言い、今年は「情を捨てる」と言う。今後、その言葉がどう結果として出るか注目したい。

 投 手…浦野博司(13年/②)吉田侑樹(15年/⑦)鈴木遼太郎(17年/⑥)

       宮台康平(17年/⑦)

 捕 手…黒羽根利規(05年/横高③)

 内野手…なし

 外野手…白村明弘(13年/⑥)姫野優也(15年/⑧)

 外国人…マルティネス(投手)ビヤヌエバ内野手

【予想背番号】
 ①伊藤/17 ②五十幡/52 ③古川/43 ④細川/50 ⑤根本/56 ⑥今川/44

 

オリックスバファローズ(11名)

 戦力外通告支配下登録10名と育成契約1名の11名で、チームを支えた山崎と小島、松井佑が引退を決めた。東明と白崎が現役続行を模索しており、白崎は貴重な右の長距離砲で、欲しがるチームはあるかもしれない。近藤と西浦はオフに手術を要するため、一旦は育成契約になる。特に西浦は「特発性大腿骨頭壊死症」をいう国が指定する特定疾患の難病で、簡単に口に出せる病気ではないが、病に打ち勝ち元気な姿で戻ってきてほしい。

 チームを去る選手に思いで深い選手が多い。試合中に打球を顔面に受け前歯を折りながらマスクを被り続けた山崎、内外野守れたユーティリティプレーヤーの小島、松井佑も中日から移籍後よく打った。子連れルーキーで話題になった飯田などは、密かに応援していたが、在籍4年で1本のヒットも打つことも出来なかった。

 支配下選手は59名で、今ドラフトの6名(投手③/捕手①/外野手②)を加えても64名と、戦力外はほぼ終わったと言える。外国人選手もアルバースとロドリゲスが残留微妙だが、ここは新外国人2名での穴埋めになる。阪神の能見獲得に興味を示すなど、昨年もFAには参戦していないが、ドラフトが育成主体になっていることを鑑みれば、今年はFAで戦力の底上げが必要だと思う。

 投 手…東明大貴(13年/②)近藤大亮(15年/②)左澤 優(18年/⑥)

 捕 手…山崎勝己(11年/横②)飯田大祐(16年⑦)

 内野手…白崎浩之(12年/横①)小島脩平(11年/⑦)※比屋根彰人(17年/育③)

 外野手…松井佑介(09年/中④)根本 薫(16年/⑨)西浦颯大(17年/⑥)

【予想背番号】
 ①山下/12 ②元/37 ③来田/38 ④中川颯 /45 ⑤中川拓/62 ⑥阿部/56

 

2020年ドラフト寸評~成功・失敗した球団(後編)

 ドラフトが終了し、いよいよペナントレースも大詰め。同時に戦力外通知も始まりました。毎年、入る人がいれば、出る人もおり、期待が膨らむ反面、寂しい時季になる。では後半にお付き合いください。

 

△ロッテ(65点)

 ここ数年、秀逸なドラフトを展開していたロッテ。今年は千葉出身でロッテファンを公言していた早川(楽天)の指名をいち早く公言したが、4球団競合のなか既に当たりクジは残っておらず、早川を外したあと、同じ左腕の鈴木昭汰(法大・投手)をヤクルトとの競合の末獲得した。

 とにかく今年は不足している左腕投手の強化が最優先課題で、徹頭徹尾で即戦力左腕の獲得を優先した。その鈴木は早川と同様に高校時代から注目された投手で、内角への制球に長けた左のパワーピッチャーで、スタミナもあり先発ローテ候補だが、強気な投球スタイルを活かしリリーフへの期待も高まる。

 2位で中森俊介(明石商高・投手)の獲得は大きかった。外れ1位指名もあると思っていたので、ロッテの指名順位が21番目でよく残っていたと思う。今年の高卒投手のなかでは実績は一番で、高校生ながら即戦力評価を受けるのも頷ける。

 3位の小川龍成(国学院大・内野手指名も悪くはないが、小川は遊撃の守備はピカ一で俊足だが、打力に課題がある。リーグで最も失策数が少なく、レギュラーの藤岡と同じタイプだけにどう活用するか注目したい。

 4位の河村説人(星槎道都大・投手)は190センチの長身右腕で、即戦力と言うよりは伸びしろが期待される大学生。5位の西川僚祐(東海大相模高・外野手)は、高校通算55本塁打スラッガーで、まだ粗削りだが将来性は高く、3~4年後の主力を目指したい。

 育成選手は4人の指名で、注目は育成3位の山本大斗(開星高・外野手)。西川と同様、右打ちのスラッガーで逆方向にも長打を打て、強肩で守備も良く2年以内での支配下が目標になる。

 1~2位の指名は上出来で、全体的に的確な補強ができ悪くないが、3位以降で最大の弱点である打てる野手の獲得(特に右打ち)が出来ず、高校生捕手の獲得も育成での補強になった。事前に本指名が5名と表明し、育成を増やすと言っても4名ではインパクトも不十分だった。

 

△広島(65点)

 リーグ3連覇したのは僅か3年前だが、もっと経ったような感じを受け、Bクラス常連だった暗黒期の不安が押し寄せてきた。私は以前より極端に育成路線に舵を取ったドラフトに過信とも言える心配があった。思った以上に若手が伸びず、自慢の育成が進まないなか今年は即戦力中心の指名になった。

 今年は投手陣が崩壊したなか、1位は単独で栗林良史(トヨタ自動車・投手)を指名した。高橋(中日)が進学していれば、中日と間違いなく競合していたので、広島にはラッキーな形になった。栗林は153キロのストレートを軸に変化球の精度も高く、高校時代は野手でフィールディングも良く、先発ローテでも計算できる即戦力だ。

 2位以下も即戦力投手で占め、森浦大輔(天理大・投手)は、細身だが大きな故障もない体の強さもセールスポイントで、制球力の良い技巧派左腕だ。高い制球力ゆえにゲームメークにも長け、栗林とともに先発ローテ入りの期待がかかる。

 3位の大道温貴(八戸学院大・投手)もゲームメークに長け、スライダーが武器のバランスの良い投手で、制球力も良くスタミナも十分だ。タフな選手だけにリリーフでの適性もあるが、先発が主戦場でルーキー3人開幕ローテ入りも夢ではない。

 4~5位も投手で、4位の小林樹斗(智弁和歌山高・投手)は外れ1位指名の可能性もあった逸材で、昨夏より急成長した将来のエース候補だ。5位の行木俊(四国IL徳島・投手)は、高身長から投げ下ろす速球とスライダーが武器の本格派。まだ19歳で投手経験は高2からという素質型の投手。

 6位で唯一の野手で、強肩と堅守、俊足の矢野雅哉(亜大・内野手を指名した。3年秋には首位打者も獲得しており、6位ながら即戦力として評価が高い。育成指名は二俣翔一(磐田東高・捕手)一人だけで、本指名されなかったのが意外だった。捕手ながら一番打者を務める俊足で打撃も良く、育成から正捕手を目指す。 

 ドラフト自体は悪くなく、かつての十八番の社会人1本釣りは広島らしく、現状を考えれば投手中心の指名は納得できる。また、ポスト鈴木で元(オリックス)を2~3位で指名を検討していた記事を見てさすがだと思った。

 ただ、3連覇しているときのドラフトの失敗(言い切るのはまだ早いが…)から大きく方向転換し補強型のドラフトになったのがチーム方針として疑問が残った。

 

ソフトバンク(60点)

 昨年は1位で石川昂(中日)、今年も佐藤輝(阪神)を指名したように野手の世代交代が喫緊の課題と言える。確かにあの投手陣なら、即戦力投手は必要ない。今年はオール高校生の指名になったが、このような指名ができるのも選手層の厚いホークスならではで、補強ポイントを抑えたブレない姿勢はさすがと言える。

 1位指名の井上朋也(花咲徳栄高)は、高校通算50本塁打スラッガー三塁手で、1年夏はレギュラーとして甲子園優勝を経験している。遠くへ飛ばすパワーよりも、逆方向にも打てる技術も持ち合わせており、将来の中軸を担える素材。また、3年夏には一番打者を務めるなど足も早く、しっかり体を作りポスト松田の座を射止めたい。

 2位以降の指名は名前を呼ばれるたびに驚いた。2位の笹川吉康(横浜商高・外野手)は名前を聞いたときは、思わず「誰?」と思った隠し玉だった。ただ、プロフィールを見てみると193センチの大型外野手で、高校通算40本塁打、50メートル6秒の俊足で、柳田を彷彿させるようなスケール感の期待が高まる。

 3位の牧原功太(日大藤沢高・捕手)は総合力の高い捕手で、二塁送球1秒8の強肩だが、一番の自信は打撃と言い切る。2年時には50メートル6秒台の俊足で一番打者も務めた。本人も驚いていたが、下位指名予想のなか3位指名の高評価を受けた。

 4位の原田純平(青森山田高・内野手隠し球で、小兵ながらパンチ力もあり、守備範囲の広さと強肩、且つ俊足で今宮を思い起こさせる選手だ。5位はもっと隠し球田上奏大(履正社高・投手)で、今年の6月までは中堅のレギュラーから投手へ転向し、短い期間にストレートが150キロを超え、ドラフト指名までこぎつけた。

 育成選手は8名で高校生、大学生4名を指名した。育成1位の佐藤宏樹(慶大・投手)は、ケガさえなければ上位指名間違いないしの左腕。ドラフト直前の10月にトミージョン手術を受け、リハビリを兼ねながら育成からの主力を目指す。育成選手が数多く活躍しているチームだけに、佐藤宏にはベストなチームだったと言える。

 正直、井上以外はこの順位以外でも獲得できたと思う。ただ、クローザーの森も指名当初は無名の2位指名で、見込んだ選手を他球団との駆け引きなしに上位でも指名していく根本イズムを感じた指名になった。

 一方であまりにも隠し玉すぎたのも事実で、今回の指名が結果が出るのは3~4年後で、これはこれで楽しみが増えた。

 

△DeNA(60点)

 ここ数年、DeNAをドラフト巧者と呼ぶ声もあるが、私はそうは思えない。おそらく単独指名の成功を見て評していると思うが、ここ数年は重複抽選のリスクを回避して本気でチームを強くしようとする姿勢を感じない。

 おそらく今年も単独指名になるんだろうな…と思って中継を見ていて、早川(楽天)に栗林(広島)、佐藤輝(阪神)を避けての入江大生(明大・投手)指名を見て驚きさえ感じなかった。

 確かに競合は外したときのリスクはあるが、結果抽選で外したが有原(日本ハム)や東浜(ソフトバンク)、松井(楽天)などのエース級は競合覚悟でないと獲得できない。ここを避けていてばかりでは強いチームにはならないと思う。

 前置きが長くなったが、入江は甲子園で優勝したときは4番一塁だったが、今井(西武)が台頭するまではエースで、大学で投手に専念した。3年時までは素質は評価されつつも結果が出なかったが、今年のリーグ戦で153キロ右腕まで成長し、伸びしろもある素質型と言える。

 2位の牧秀悟(中大・内野手の指名は良かった。巧みなバットコントロールで広角に打てる右のスラッガーで、レギュラー不在の二塁と遊撃を本職としており、開幕スタメンも夢ではない。

 3位は地元の松本隆之介(横浜高・投手)で、将来性抜群の左腕だ。188センチの長身から肘を柔らかく使い152キロのストレートを投げ込み、変化球の精度も高い。4位の小深田大地(履正社高・内野手は、名門校で1年よりレギュラーを務め、昨夏の甲子園では3番を打った。高校通算34本塁打の長打力に加えミート力が高い。

 5位は唯一の社会人の池谷蒼大(ヤマハ・投手)で、社会人3年目の21歳の若さも魅力。最速140キロ後半の本格派左腕で、リリーフで結果を出しそうだ。6位も左腕の高田琢登(静岡商高・投手)は、もっと順位が高いと思っていた。最速140キロのストレートを軸に、変化球を駆使した巧みな投球術が武器に三振を奪う。

 育成指名は2名で、いずれも投手。育成1位の石川達也(法大・投手)は、同じ左腕の鈴木(ロッテ)や高田(楽天)の陰に隠れたが、プロでの逆転を狙う。

 今年も指名自体は悪くないが、投手偏重の指名になり。正捕手不在のなか即戦力捕手の獲得や、リーグ最下位の盗塁数を補える俊足の選手の獲得がなかったのはマイナスポイントだ。それよりも1位指名が軽い印象を受け、楽天と同様に場当たり的な指名でチームの方針を感じないのが残念だ。

 

△巨人(55点)

 今年は早々と、1位指名は即戦力野手で、外したときは即戦力投手と明言し、ドラフト前に予想通り佐藤輝(阪神)指名を公言した。ただ、クジ運の悪さは相変わらずで、原監督は引くときにすでに当たりクジはなく、遂に連敗が10まで伸びた。

 佐藤輝を外したあとの即戦力投手を誰にするか注目していたが、平内龍太(亜大・投手)指名は驚いた。右肘手術後の今夏より一気に評価を上げて、外れ外れ1位くらいかなと思っていたところ、いの一番に平内にいった。最速150キロのストレート制球力も高く、抑えの適性が高いが、先発でも結果を残しており起用法に注目したい。

 2位の山崎伊織(東海大・投手)も驚いた。肘の故障さえなければ間違いなく1位で消えていた選手だったが、6月にトミージョン手術を受け、今年は登板なし。社会人志望からプロ志望に切り替えての指名だった。

 3位の中山礼都(中京大中京高・内野手は、走攻守三拍子揃った遊撃手で、左右に打ち分けるバットコントロールに守備も堅実。50メートル5秒9の俊足で、将来のリードオフマン候補。4位の伊藤優輔(三菱パワー・投手)は、総合力の高いパワーピッチャーでプロではリリーフに適性がありそうで、巨人では出番が増えそうだ。

 5位の秋広優人(二松学舎大高・内野手は身長2メートルの大型野手で、高校では投手で4番。規格外のパワーが魅力で高校通算24本塁打で二刀流での活用もあるかもしれない。6位の山本一輝(中京大・投手)は珠持ちの良い左腕で、フォームから技巧派と思われがちだが、ストレートとカットボールが武器の本格派。7位の萩原哲(創価大・捕手)は強肩とインサイドワークの評価が高いが、打点王も獲得した打力も魅力だ。山本と萩原ともに指名をほぼ公言したなか、その通りの指名になった。

 今年の巨人は育成を史上最高の12名を指名した。指名した選手を見ても本指名も有力視された選手が並び魅力的だ。完全に贔屓だが、注目は私の地元北海道の育成8位の阿部剣友(札幌大谷高・投手)で、秋広と同じ身長2メートルの大型選手。この身長の左腕は見たことがなく、どう成長するか楽しみだ。

 今年の巨人は下位指名は良かったが上位指名が気になった。菅野の流失が懸念されているなか、即戦力投手の獲得は絶対に必要だが、平内も山崎も故障明けで補強よりも将来性を感じた指名になった。また、課題の即戦力野手の指名もゼロで、当初の課題を十分に埋めたドラフトにはならなかった。

 また、今ドラフトとは直接関係ないが、鍬原と堀田のドラ1投手がオフに育成選手になった。鍬原は今年、原監督の薦めでフォームを変えたばかり、堀田は故障中とは言え昨年の1位投手である。ドライと言えばそれまでだが、1位選手をおいそれと育成に直ぐにする姿勢は如何かと思う。時期は前後するが、こういった現状を見ると本当に山崎をきちんと面倒を見るのか疑問に思ってしまう。

 

×西武(50点)

 評価は低くしたが、個人的には好きなドラフトになった。昨年までの山賊打線が影を潜め、主力と控え選手の差を埋めれなかった。頼りはともに38歳の栗山と中村の両べテランで野手の補強と世代交代が課題だった。一方で投手陣はリリーフ陣の底上げは進んだが、先発陣がピリっとせず相変わらずチーム防御率最下位に沈み、特に先発左腕の不足は深刻だった。

 早川(楽天)と佐藤輝(阪神)が候補のなか、ここ数年のウィークポイントである先発投手陣強化を選択した。早川を外したあと呼ばれた名前は渡部健人(桐蔭横浜大内野手で、この日1番のサプライズになった。

 渡部は体重112キロの巨漢の大砲で、とにかく遠くに飛ばす能力はけた違いで、さらにバットコントロールも良く、打撃も柔らかい。中村と同様に、巨漢ながら器用で足も遅くなく、三塁守備も巧く、ポスト中村にはもってこいの選手だ。個人的に注目していた選手で、下位指名を予想していただけに、1位指名は嬉しかった。

 2位の佐々木健(NTT東日本・投手)も驚きで、社会人投手ながら、粗削りの未完成選手で、投手が豊富なチームならまだしも、西武が2位指名するとは思わなかった。ボール自体は悪くないが、総合力に欠点がありどう成長するか期待して見てみたい。

 3位の山村崇嘉(東海大相模高・内野手は、2年夏から名門校で4番を打った左のスラッガーで、高校通算49本塁打を放った。今年は投手も務め、本来の三塁から遊撃も守るなど野球センスの塊で、将来の中軸候補。

 4位も野手で若林楽人(駒大・外野手)は、50メートル5秒8の俊足で1番中堅候補。今夏パワーアップしてパンチ力もつき、急成長を遂げた。5位の大曲錬(福岡大・投手)は準硬式で154キロを投げる本格派で、こういった隠し玉選手の指名は西武の十八番で“らしさ”を感じた。

 6位のタイシンガー・ブランドン大河(東農大北海道オホーツク・内野手)は、名前にインパクトで話題になったが、1年から主力を務めるスラッガーで対応力が高い。8位の三河優太(大阪桐蔭高・外野手)は、投手として入学するも打力を買われて野手へ転向。パワフルなスイングで長打力があり、山村と並び将来の主軸候補だ。

 育成は5名で、ここでも野手を2名指名している。注目は育成1位の赤上優人(東北公益文化大・投手)で、元々は内野手で入学も1年秋に投手へ転向し、リーグ戦で2年連続最多勝を獲得した先発候補で、早く支配下で見てみたい選手の一人だ。

 

 今年のドラフトでは数々の驚きがあったが、嬉しかったのは私の地元北海道関連の選手が、育成含め8名も指名された。ついに道内のレベルもここまで上がったかと嬉しかった。個人的な話になったが、是非このなかから主力選手や記憶に残る選手が数多く現れることを期待したい。

2020年ドラフト寸評~成功・失敗した球団(前編)

 今年は総じて見ると、各チームそれぞれがポイントを抑え、大きな成功も失敗もないドラフトになったと思う。そのなかでも最も上手くいったのは阪神、良く言えば冒険、悪く言えば首を傾げたのが西武だった。ただ、ドラフトの成果が出るのは5年後で、そのときに評価がどう変わるかのか期待が膨らむ。

【12球団ドラフトの評価】

 ◎成功…阪神

 〇合格…日本ハム・中日・オリックス楽天・ヤクルト

 △普通…ロッテ・広島・ソフトバンク・DeNA・巨人

 × 失敗…西武 

 

 コロナ禍のなかで、指名人数減も懸念されたが、今年の本指名選手は74名で、昨年と同数だった。高校生が30名(▲5名)、大学生が32名(+7名)、社会人・独立リーグが12名(▲2名)で、最多指名は阪神の8名、最小はソフトバンク、ロッテの5名で、2年連続で最小の指名になった。

 今年は1位指名に大学生が9名、高校生が2名、社会人が1名と大学生に集中した。コロナ禍のなか甲子園は春夏中止、社会人も全国大会でアピールする場を失い、リーグ戦が中心の大学生に結果集中した。 

 

阪神(85点)

 今年最高の評価をしたのは阪神だ。ドラフトは希望の1位指名選手が獲得できれば成功と言えるが、アマナンバーワン野手の佐藤輝明(近大・内野手を4球団競合のなか獲得できた。まだ粗削りな部分はあるが、走攻守にレベルが高く、一番の魅力は長打力で、将来大山とのクリーンアップに期待が膨らむ。

 阪神のドラフトに最高点を点けたのは、2位以下でも欲しい選手を欲しい順位で獲れたからだ。2位の伊藤将司(JR東日本・投手)は技巧派の左腕で、先発・リリーフともに適性があり、先発左腕が高橋遥のみ、リリーフでも能見の退団が決定的でなかで大きな補強になった。

 3位の佐藤蓮(上武大・投手)は、良い意味で驚いた。阪神もこのような素質型の大学生を上位指名するようになったんだ、と感慨深げに見ていた。佐藤は故障で今年まで登板がなく、故障が癒えた今秋に150キロを連発し、まさに未完の大器だ。

 4位の榮枝裕貴(立命大・捕手)は、阪神が早くに評価していた選手で、守備力が高く梅野の後継候補として、年齢バランスでも会心の指名になった。5位の村上頌樹(東洋大・投手)は、よくこの順位まで残っていたなというのが率直な感想で、高いゲームメーク能力は先発ローテに喰い込む可能性も十分にある。

 6位では俊足巧打の中野拓夢(三菱自動車岡崎・内野手を獲得。中野は堅実な遊撃守備で、12球団ワーストの失策数のなか、レギュラー獲得も夢ではない。7位は唯一の高校生で高寺望夢(上田西高・内野手を指名した。高寺は高校通算31本塁打に、50メートル6秒の俊足で、合同練習会で結果を出して一躍ドラフト候補になったシンデレラボーイだ。8位の石井大智(四国IL高知・投手)は、シンカーが武器の奪三振率の高い投手で、リリーフ陣の層が厚くなる。

 育成選手は岩田将貴(九産大・投手)のみで、岩田は3年春にトミージョン手術を受け復活した左のサイドハンドで、リリーフとして重宝しそうだ。

 今回は補強ポイントを万遍なく指名し、会心のドラフトと言える。一方で育成下手と言われるチームが、佐藤をどう育て行くかに注目したい。あの柳田でさえ、主力に定着したのは4年目で、佐藤を辛抱強く育成できるか…チームの手腕が問われる。

 

日本ハム(80点)

 毎年、その年の1番の選手に行く方針だが、今年はやや違う趣で伊藤大海(苫小牧駒大)のを単独指名した。ただ、これは正しい選択で、伊藤は先発も抑えもできるが、150キロのストレートを武器に大学日本代表のクローザーを務めた実績から、抑えが不在のチームの補強戦略とは合っている。また、伊藤は地元北海道出身で、地元出身の1位選手はマーケティング的効果も高い。どちらにしろ、北の大地に剛腕クローザーが降臨する日も遠くない。

 2位の五十幡亮汰(中大・外野手)は、俊足が注目されているが打力も向上し、走攻守揃った即戦力だ。MLB挑戦を表明している西川の後継者にピッタリで、理想的なリードオフマン候補だ。1年目にレギュラーを獲得できなくても、いま注目されている代走要員として、ベンチに居るだけで相手にプレッシャーをかけられる。

 3位の古川裕大(上武大)の指名には少し首を傾げた…。古川は良い選手だが、22歳~25歳のなかに捕手が5名もひしめき年齢バランスが悪い。主力の清水や宇佐見は、野手に転向するほど打撃が良い訳でもなく、古川の起用法が現時点では見えない。

 4位と5位では高校生を指名し。4位の細川凌平(智弁和歌山高・外野手)も俊足の内外野守れる巧打者で、高校の先輩でもある西川の後継者を狙える逸材だ。5位の根本悠楓(苫小牧中央高・投手)は小柄ながら、中学時に全国制覇した左腕で、下位ながら将来のエース候補と言える。

 6位の今川優馬(JFE東日本・外野手)は、正直もう少し評価が高いかなと思っていた。遠くに飛ばすフルスイングが魅力で、パワーヒッターながら俊足で守備も巧い。未だにファイターズのファンクラブ会員の道産子で、指名された瞬間に号泣した姿が忘れられない。今年は3名の地元北海道の選手を指名し、道内のファンを喜ばせた。それぞれが活躍して新球場移転の際、主力に成長してくれれば最高だ。

 育成選手は2名指名し、育成1位の松本遼大(花巻東高・投手)は長身から投げ下ろすストレートに威力があり、スケールの大きい投手で焦らず支配下を勝ち取りたい。

 マイナス面を挙げれば、今年は先発・抑えともやり繰りが厳しく、エース有原のMLB移籍の可能性もあるなか、投手の指名が少なく補強としては不十分だと思う。また、レギュラー不在の三塁手獲得の課題も解消されなかった。

 

○中日(75点)

 正直、いまの中日に必要なのは野手で、佐藤(阪神)の指名がベストだと思ったが、今年も有望な地元選手の獲得が優先された。かつては槙原や工藤、イチロー、最近では千賀と、地元の有望選手を逃したのを避けたかったのか、最終的には高橋宏斗(中京大中京高)に決め、競合も予想されるなか単独指名を成功できたのは大きい。

 地元志向への縛られ過ぎを懸念しつつも、今年のドラフトもチームの姿勢としては素晴らしいと思う。中日の課題は多く、長打力も機動力も不足しており、エース大野雄のFA移籍の可能性など、状況的に即戦力で固めたいところを、一昨年の根尾、昨年の石川昂に続き、素質豊かな高校生を指名した。

 高橋宏は正真正銘のエース候補で、ストレートの質が高く変化球の精度も高い。根尾がリードオフマン、石川昂が4番、そして高橋宏がエースになったチームはファンならずとも期待が集まる。

 2位の森博人(日体大・投手)も1位で消えてもおかしくなかった投手。スリークオーター気味の腕の位置から投げ込むストレートとカットボールが武器で、先発・リリーフともに適性が高い。ちなみに森も地元の愛知出身だ。

 3位の土田龍空(近江高・内野手は強打の遊撃手で、高校生離れした守備力は既にプロでも十分通用する。ミートの巧い巧打者タイプだが、高校通算30本塁打とパンチ力もあり、打撃が課題の京田もうかうかしていられない。

 土田に続き、4位と5位もともに高校生指名で。4位で左腕のパワーピッチャー福島章太(倉敷工高・投手)、5位の加藤翼(帝京大可児高・投手)は、夏から評価を上げた伸びしろ十分の右腕で奪三振率が高く、ともに将来が楽しみだ。

 6位の三好大倫(JFE西日本・外野手)は、社会人3年目まで投手を務め、野手転向1年でプロ入りした左打ちで、ポテンシャルの高さが魅力だ。大島以外レギュラー不在の手薄な外野陣の一角を担いたい。

 育成指名は3名で全員が投手だ。注目は個人的ではあるが、育成1位の近藤簾(札幌学院大・投手)で、母校にそれほどの思い入れはないが、同校初のプロ野球選手で、やはり指名されると嬉しいもので応援したい。

 マイナスポイントは、課題の攻撃陣のなかで、即戦力の二塁手スラッガーを獲得できなかったのが残念だったが、全体的には良いドラフトになり3年連続の成功ドラフトと言える。

 

オリックス(75点)

 オリックスも中日と同じ感想を持った。優勝から遠ざかること四半世紀、6年連続Bクラス、そして2年連続の最下位に沈んだ。今年は早々に佐藤(阪神)指名を公表するも、抽選に敗れ残念ながら獲得できなかったが、ここからのオリックスの指名には驚かされた。

 目先の結果に捕らわれれば、そのまま即戦力指名に行くところを、昨年に続き将来に目を向けた指名になった。当然、賛否もあるが私はオリックスの姿勢を評価したい。

 1位指名の山下舜平大(福岡大大濠高・投手)は、最速154キロのストレートが武器で、変化球はカーブしかないが、これは監督の方針で投げさせなかっただけで、まさに未完の大器という言葉がふさわしい。

 2~3位では高校生外野手を指名し、2位の元謙太(中京高・外野手)は、恵まれた体格から放つ飛距離が魅力のスラッガーで将来の4番候補。元々は投手で広島の鈴木誠のような打者に成長する可能性を秘めている。

 3位は来田涼斗(明石商高・外野手)で、高校通算34本塁打を放つ長打力と俊足が魅力で、将来はトリプルスリーも狙える。2番大田、3番に来田、4番に元、5番で昨年2位の紅林など並ぶと、想像するだけで本当にワクワクしてくる。そういう可能性を秘めた上位指名になった。

 4位のサブマリン中川颯(立大・投手)の指名も良かった。4年時には不調で評価を落としたが、エースとしてチームを支えた。思い返せば、同じサブマリンの高橋礼も4年時は不調だったが、結果新人王を獲得するなど、高橋礼がダブって見える。

 5位の中川拓真(豊橋中央高・捕手)は年齢的にも必要な補強で、高校通算42本塁打の長打力と強肩で将来の正捕手候補。6位の阿部翔太(日本生命・投手)は即戦力で、最速151キロのストレートに制球力も良く、強気な投球はリリーフで重宝しそうだ。

 昨年8名指名した育成選手も、今年も多く6名指名した。注目は3位の宇田川優希(仙台大・投手)で、上位指名もあると思っていたので、育成指名は意外だった。入団に難色を示しているという報道を目にしたが、是非評価を見返してほしい。

 育成路線は評価したものの、課題の即戦力クローザーや三塁手の獲得はままならず、満点とは言えなかったが、ブレないチーム方針を垣間見たドラフトで、その成否は3~5年後に分かる。

 

楽天(70点)

 今年は4球団競合のなか、即戦力左腕の早川隆久(早大・投手)を見事引き当てた。先発の柱の岸、涌井、則本がともに30歳を超え、期待の松井は先発で結果を残せず終盤はリリーフに回っている。リーグ最多の逆転負けの状況から見ても、先発・リリーフともに投手陣の補強が必要だった。

 1位の早川は155キロの本格派左腕で、変化球の精度も高い。ゲームメークにも長けており、今秋のリーグ戦では圧巻の投球を見せた。当然、先発ローテーション候補で、リーグ屈指の打線をバックに10勝も夢ではない。

 2位の高田孝一(法大・投手)も最速150キロを超える右の本格派で、躍動感あふれるフォームから投げ込むストレートの質と変化球のキレが抜群だ。基本は先発だが、手薄なリリーフへの適性も高いと思う。

 3位で即戦力左腕の藤井聖(ENEOS)を獲得できたのも大きく、よくこの順位まで残っていたを思う。藤井も150キロを超えるストレートを武器に、社会人で急成長した投手で、先発タイプだがリリーフ左腕が不足している状況から出番が増えそうだ。

 4位と6位も投手で、4位の内間拓馬(亜大・投手)も最速150キロの右の本格派だが、即戦力というよりは、素質型の大学生で伸びしろが評価された。6位の内星龍(履正社高・投手)は、昨夏の甲子園優勝時はメンバー外も、冬に急成長を遂げ秘めたポテンシャルが魅力。

 5位は唯一の野手で、地元の入江大樹(仙台育成高・内野手を指名した。柔らかいグラブさばきと強肩の遊撃手で、将来性抜群のスラッガーだ。育成は石田駿(BC栃木・投手)のみの指名になった。

 早川を獲得でき、上位3人で即戦力投手を獲得して成功と言えるドラフトだが、楽天のドラフトは目先のことだけに目を奪われて、将来どういうチームにしたいのかという方針を感じず、個人的に魅力を感じない。今年も1位で早川を獲得できたなら、せめて3位までで年齢的にも必要だった高校生投手を指名してほしかった。 

 

〇ヤクルト(70点)

 とにかく投手が欲しい!今年のヤクルトのテーマは明確だった。早川(楽天)を外し、鈴木もロッテとの競合に敗れたが、1位で木澤尚文(慶大・投手)を獲得できたのは、外れ外れ1位指名でも成功だと思う。

 木澤は競合を避けての単独指名もあると予想していたので、12番目で残っていたのは幸運だと思った。最速155キロのパワーピッチャーで、とにかくハートが強く、まさにクローザーが適任で、短いイニングでその能力が活かされると思う。

 2位では左腕の山野太一(東北福祉大・投手)を指名し、早川と鈴木指名がここで活きてきた。昨年までリーグ戦無敗で、公式戦70イニング連続無失点の記録も持つ。多彩な変化球を駆使して、奪三振能力も高く手薄な先発陣に喰い込む可能性は十分にある。

 3位は打てる捕手の内山壮真(星稜高・捕手)を獲得。昨夏の甲子園準優勝時の主力で、高校通算34本塁打スラッガーだ。年齢的にも高校生捕手が必要で、ポスト中村の座を狙える。また、昨年までは遊撃手を務めておりコンバートの可能性もある。

 4位以降の指名も、チームの課題を抑えた的確な指名になった。4位の元山飛優(東北福祉大内野手は、高い遊撃守備が評価される一方、リーグ戦で首位打者打点王も獲得している。まずは得意の守備からアピールして、正遊撃手候補に名乗りを上げたい。5位の並木秀尊(独協大・外野手)は、五十幡をも凌ぐ俊足で、打撃は発展途上だが文字通り足だけで飯が食える選手だ。

 6位の嘉手苅浩太(日本航空石川高)もよくこの順位まで残っていたと思う。長身から投げ下ろす威力十分のストレートが武器のパワーピッチャーで、将来に主戦になれる可能性は高い。

 育成では4名指名し、そのなかで育成1位の長身左腕・下慎之介(健大高崎高・投手)に注目したい。まだ好不調の波が大きいが、伸びしろ十分で早い段階での支配下登録が期待できる。

 さすがに2年連続の最下位ということもあり、課題が多く、すべてを補強することは難しかったが、先発左腕にクローザー候補、将来の正捕手候補に俊足巧打の野手と最低限の補強はできたと思う。また、育成選手を4名指名したのもチーム強化の姿勢を昨年以上に感じたドラフトになった。あとはオフのFA選手の去就だけが心配だ…。 

2020年~ドラフト候補選手100名

 昨年はこの時点で6球団が指名を公言していたが、現時点では3球団が1位指名を公言している。オリックスが大学ナンバーワン野手の佐藤輝明(近大)、ロッテが即戦力左腕の早川隆久(早大)、そして日本ハムが大学日本のクローザー伊藤大海(苫小牧駒大)の1位指名を公言した。

 他球団の動向は、氏名こそ明かしてはいないが、巨人と阪神が即戦力の野手1位を公言し、ソフトバンクも佐藤の指名が濃厚だ。中日は今年も地元選手指名で高橋宏斗(中京大中京高)の指名が確実と言える。広島とヤクルトは即戦力投手、楽天は投手指名、DeNAと西武は最終日まで迷いそうな気配だ。

 当初、大学進学を表明していた高橋がプロ志望に切り替えたことで、指名戦略が変わったチームもあり、当日どんなサプライズがあるか注目のドラフトになる。

 

1位入札候補(1回目)

 佐藤 輝明(近大・内野手)…オリックス阪神・西武・巨人・ソフトバンク

 早川 隆久(早大・投手)…ヤクルト・広島・ロッテ

 高橋 宏斗(中京大中京高・投手)…楽天・中日

 伊藤 大海(苫小牧駒大・投手)…日本ハム

 木澤 尚文(慶大・投手)…DeNA

1位入札候補(2回目)

 中森 俊介(明石商高・投手)…大舞台も経験し、完成度の高いエース候補

 山下舜平大(福岡大大濠高・投手)…最速153キロの将来性豊かな未完の大器 

 牧  秀悟(中大・内野手)…大学ジャパンの4番を務める右のスラッガー

 栗林 良史(トヨタ自動車・投手)…変化球も抜群の本格派右腕の即戦力 

1位候補

 入江 大生(明大・投手)…今秋で一気に評価を上げた153キロ右腕の大器

 大道 温貴(八戸学院大・投手)…完成度が高くゲームメークに長けた右腕

 五十幡亮汰(中大・外野手)…超がつく俊足で打撃も開花し1位候補へ

2位候補

 小林 樹斗(智弁和歌山高・投手)…152キロの直球と精度の高い変化球

 松本隆之介(横浜高・投手)…長身から投げ下ろす角度のある直球が魅力

 来田 涼斗(明石商高・外野手)…将来トリプルスリーを狙える大型野手

 森  博人(日体大・投手)…直球のキレと制球力抜群スリークオーター

 鈴木 昭汰(法大・投手)…内角への制球力に長けた強気の本格派左腕

 平内 龍太(亜大・投手)…故障を克服し156キロの直球で高い奪三振

 宇田川優希(仙台大・投手)…球速以上に感じる伸びのある直球が武器

 山野 太一(東北福祉大・投手)…リーグ戦無敗の左腕で、変化球が多彩

 古川 裕大(上武大・捕手)…大学ナンバーワンの強肩強打の打てる捕手

 大江 克哉(NTT西日本・投手)…最速150キロの直球と巧みな投球術

 藤井  聖(ENEOS・投手)…社会人で急成長した即戦力左腕 

 伊藤 優輔(三菱日立パワー・投手)…総合力の高い155キロリリーバー

3位候補

 高田 琢登(静岡商高・投手)…高校生離れした投球術で完成度が高い

 加藤  翼(帝京大可児高・投手)…評価が急上昇し上位候補に躍り出た

 井上 朋也(花咲徳栄高・内野手)…高校通算50本塁打で技術も備える

 西川 僚祐(東海大相模高・外野手)…高校生離れの体格で通算55本塁打

 高田 孝一(法大・投手)…スピンの効いた150キロで押す投球が身上 

 村上 頌樹(東洋大・投手)…高い制球力でゲームメークに長けている

 小郷 賢人(東海大・投手)…リーグ戦で防御率0点台の絶対的な守護神

 森浦 大輔(天理大・投手)…制球力に優れ、緩急で打ち取る技巧派左腕

 佐々木 健(NTT東日本・投手)…制球力が課題も経験値高い左の剛腕

 山本 晃希(かずさマジック・投手)…155キロのパワーピッチでを威圧

 今川 優馬(JFE東日本・外野手)…攻撃的二番で好守に優れた大砲

 田澤 純一(BC武蔵・投手)…メジャーで実績十分。ネックは年齢だけ 

4位候補

 根本 悠楓(苫小牧中央高・投手)…小柄だがテンポの良い投球が魅力腕

 牧原 功太(日大藤沢高・捕手)…超高校級の強肩で、夏から評価が急上昇

 土田 龍空(近江高・内野手)…鉄壁の遊撃守備で走攻守に優れた素質の塊

 細川 凌平(智弁和歌山高・内野手)…1年からレギュラーの俊足で外野も

 小深田大地(履正社高・内野手)…通算34本塁打で打撃は高校トップレベ

 萩原  哲(創価大・捕手)…守備力が魅力も、リーグ戦では打点王も獲得

 榮枝 裕貴(立命大・捕手)…通算打率4割の巧打の捕手で、魅力は強肩

 元山 飛優(東北福祉大内野手)…遊撃守備だけなら既にプロレベル

 小野 大夏(ホンダ・投手)…高校時代は捕手の馬力のある本格派右腕

 伊藤 将司(JR東日本・投手)…高校・大学と常に主戦で経験豊かな左腕

 森井 紘斗(セガサミー・投手)…恵まれた体格で、伸びしろ十分の21歳

 上川畑大悟(NTT東日本・内野手)…守備が超一級品で俊足、課題は打撃

5位候補

 川瀬 堅斗(大分商高・投手)…精度の高い変化球も武器で大化けの可能性

 内山 壮真(星稜高・捕手)…通算34本塁打の強打の捕手で、リードも成長

 二俣 翔一(磐田東高・捕手)…捕手ながら1番打者を打つ俊足と長打力

 度会 隆輝(横浜高・内野手)…バットコントロールに長けた攻撃的二塁手

 山村 崇嘉(東海大相模高・内野手)…広角に打つ長距離砲守備力も向上

 中山 礼都(中京大中京高・内野手)…名手・宮本慎也が絶賛した遊撃手  

 元  謙太(中京高・外野手)…投手としても非凡で、パンチのある打撃

 赤上 優人(東北公益文化大・投手)…リーグ戦で2年連続最多勝を獲得

 山崎 伊織(東海大・投手)…右肘の手術から復活なるか、実力は1位級

 並木 秀尊(独協大・外野手)…打撃や守備は課題も足だけで飯が食える

 平山  快(JFE東日本・内野手)…逆方向へも打てる右の長距離砲

 前川  哲(BC新潟・投手)…156キロの本格派サイドで念願のプロへ 

6位候補

 小牟田竜宝(青森山田高・投手)…角度のある直球と落ちるカーブが武器

 秋広 優人(二松学舎大高・投手)…身長2mで野手指名の可能性もあり

 内田 了介(埼玉栄高・投手)…150キロの直球で力で押す投球は素質十分

 豆田 泰志(浦和実高・投手)…全身を使った投球で総合力の高い右腕

 下 慎之介(健大高崎高・投手)…長身を活かす伸びしろ十分の大型左腕

 嘉手苅浩太(日本航空石川高・投手)…力強い直球で進化を遂げる怪童

 常田 唯斗(飯山高・投手)…柔らかい肘の使いかたで総合力が高い 

 関本 勇輔(履正社高・捕手)…主将で4番の通算20本塁打の打てる捕手

 河村 説人(星槎道都大・投手)…192センチの長身から放つ直球が武器

 高野 脩汰(関西大・投手)…直球と変化球で奪三振率の高い左腕

 松本 竜也(ホンダ鈴鹿・投手)…キレ味鋭い150キロ。課題はスタミナ

 峯本  匠(JFE東日本・内野手)…勝負強い左の巧打者で俊足も武器

下位候補

 片山 楽生(白樺学園高・投手)…しなやかな腕の振りのクレバーな右腕

 小辻 鷹仁(瀬田工高・投手)…高校で急成長したスリークオーター

 古谷 将也(成田高・捕手)…長打も打てる強肩で、俊足で1番も打つ

 入江 大樹(仙台育英高・内野手)…1年からレギュラーでメジャーを公言

 蔵田亮太郎(聖望学園高・内野手)…攻守にスケール感のある大型遊撃手

 高寺 望夢(上田西高・内野手)…巧みなミート力で合同練習で結果

 奥村 真大(龍谷大平安高・内野手)…力強いスイングで三塁守備も軽快

 西野 力矢(大阪桐蔭高・内野手)…体重90キロの巨漢でパワーのある大砲

 石川 慧亮(青藍泰斗高・外野手)…合同練習会で見せたパワーは圧巻

 漁府 輝羽(おかやま山陽高・外野手)…通算24本塁打の勝負強い右の大砲

 寺本 聖一(広島商高・外野手)…小柄な強打者で遠投115mの強肩も魅力

 奥野 翔琉(明徳義塾高・外野手)…50m5秒7の超俊足のスペシャリスト

 今西 卓弥(早大・投手)…身長2m左腕で将来は早川を凌ぐ可能性もある

 佐藤 宏樹(慶大・投手)…ドラフト前に手術も、故障がなければ上位候補

 中川  颯(立大・投手)…ドラフト候補のなかで数少ないサブマリン

 佐藤  蓮(上武大・投手)…故障が癒え、今年ベールを脱いだ本格派右腕 

 大曲  錬(福岡大・投手)…準硬式からプロ入りを目指す伸びしろが魅力

 益田 武尚(北九州市立大・投手)…九州の隠し球右腕で高い奪三振

 矢野 雅哉(亜大・内野手)…抜群の走塁と守備に加え、打撃も成長中

 渡部 健人(桐蔭横浜大内野手)…巨漢の長距離砲だが走塁と守備も良い

 平川 裕太(鷺宮製作所・投手)…強気な内角攻めでプロでも抑えを狙う

 相馬 和磨(日本通運・投手)…キレのある速球と変化球のリリーフ左腕

 西田 光汰(JR東日本・投手)…昨年もドラフト候補の右の本格派

 松向  輝(日本製鉄東海・投手)…故障も癒え、完全復活を遂げた左腕

 辻本 勇樹(NTT西日本・捕手)…打って走れる強肩捕手でリードも◎

 野村  勇(NTT西日本・内野手)…俊足と強肩でパンチ力もある

 中野 拓夢(三菱自動車岡崎・内野手)…走攻守でハイレベルな巧打者

 戸田 懐生(四国IL高知・投手)…一度は野球も断念の復活を遂げた

 

 今年は興味を引く選手が多く、元メジャーリーガーの田澤やケガが無ければ1位クラスの山崎や佐藤宏を指名するチームはあるか。また、度会や関本の2世選手、小郷や奥村、石川のような兄弟選手が誕生するか興味は尽きない。

 まずは100名紹介したが、今年はコロナ禍のなか豊作とも言われている。また、巨人やロッテ、ヤクルトは育成指名を例年より増やすと言っており、どの選手がどのユニフォームに袖を通すか楽しみで、運命の10.26が待ち遠しい。